愛知医科大は22日、全身の9割超にやけどを負った男児(5)に対する自家培養表皮の移植手術に成功したと発表した。同大によると、厚生労働省が認可したヒト細胞・組織を利用した再生医療製品を使用。この製品を使った移植は国内初めてで男児は回復に向かっている。
全身の9割以上をやけどした患者に自家培養表皮移植手術をし成功するのは珍しいという。
同大が移植に使ったのは「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(同県蒲郡市)の「ジェイス」という商品。
患者の健常な皮膚組織約1平方センチから表皮細胞を分離。縦約10センチ、横約8センチの大きさのシートに培養し患部に移植。自分の皮膚を培養するため拒絶反応もない。
男児は5月に愛知医科大救命救急センターに運び込まれ、8月と10月に計60枚のシートを移植する手術を実施した。
厚労省は昨年10月、商品製造を認可し、中央社会保険医療協議会が今月17日、医療保険の適用を決定。来年1月から適用だが、男児に使われたシートは同社が全額負担した。
これですね。以前取り上げた時も「これは売れる」と言いましたけど、臨床でも実証された形に。
しかし劇的に効果があるものですねぇ。ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングとしても良い宣伝になったのでは。自分の皮膚を迅速に培養して、移植することができれば、拒絶反応の心配はなくなりますし、命が助かる可能性も格段にあがるわけです。
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