所得による医療機関の受診「格差」が指摘される中、歯科の4割超で患者数が昨年より減少していることが、全国保険医団体連合会(保団連)の「2008年歯科診療報酬改定影響会員調査」で明らかになった。保険と自費の二本立てになっている歯科医療では、保険診療が縮小し、患者負担が大きくなっていることが要因の一つとみられ、保団連では「歯科診療所で患者の受診抑制が進んでいる。国民は『保険で良い歯科医療』を望んでおり、保険の適用範囲を拡大して負担を軽減すべき」と強調している。
調査は、都道府県の保険医協会・医会の歯科診療所の会員を対象に実施し、842人から回答を得た。
その結果、昨年6月と今年6月の患者数を比較して、「減った」が42.0%(354人)に上り、「増えた」は16.0%(135人)にとどまった。このほか、「変わらない」が40.7%(343人)などだった。
歯科医療については、総務省の「07年家計調査」で、医科に比べて年収による支出額の差が大きく、所得が最も高い層と低い層では診療代に5倍の開きがあることが分かっている。NPO法人(特定非営利活動法人)による世論調査でも、経済的な理由から歯科の受診を控えた経験のある人の割合が、高所得・高資産層の13%に対し、低所得・低資産層では40%に上り、経済力によって3倍以上の格差が出ている。
保団連では「患者が負担を心配することなく、安心して掛かれる歯科医療を保障することが不可欠」と指摘している。
調査では、今年4月の診療報酬改定で歯科の技術料本体が0.42%引き上げられたことへの評価も尋ねたが、「大変良かった」が0.4%(3人)、「良かった」が17.5%(147人)で、肯定的な意見は2割に満たなかった。一方、「大変悪かった」が10.9%(92人)、「悪かった」が27.6%(232人)で、否定的な意見が4割近くに上った。このほか、「どちらとも言えない」が41.3%(348人)に上った。
また、レセプト1件当たりの点数については、昨年と今年の6月を比較して「下がった」が35.4%(298人)に対し、「上がった」は20.1%(169人)。「変わらない」は38.0%(320人)だった。
保団連では「06年の改定で歯科医療費はマイナス3.7%に落ち込んだ。今回の調査で、レセプト1件当たりの点数が『下がった』と『変わらない』の両方で約75%を占めており、06年の改定で被ったマイナスを回復できていない実態が明らかになった」とした上で、「歯科医療費を増やし、診療報酬を大幅に引き上げるべき」などと主張している。
歯科って儲かるところはハンパなく儲かりますからねぇ。
まぁ確かに保険でやってもらえるのならそりゃ国民はそのほうがいいとは思いますけれど、国のお金にも限度がありますからね。歯科の、別に必要ではない処置まで保険にしてしまうと、さすがに税金的にパンクしてしまう可能性が。
しかも今は歯科技術がものすごく発達していて、歯科医院ごとの格差も広がっているんじゃないでしょうか。あの歯の強制も、表に見える形でやるやり方ではなく裏側につけるやり方も最近流行ってるみたいですが、100万を超えるとか何とか・・・。それまで保険適用にしてしまうのは微妙ですよね。別に命に関わるわけではないですし。美容形成の分野と同じですし。
いま、無策な厚労省のせいで歯科医師国家試験がむちゃくちゃ難問化されて、歯医者なるだけでもかなり大変なのに、せっかく難関を突破して歯医者なっても食べていけないのならいい人材は歯科からどんどん少なくなる。悲しい現実ですなぁ。。。