日本では20歳以上の8割前後に歯周病の可能性があり、50代の半数は何らかの義歯を使っています。歯周病は進行すると、出血や歯のぐらつきなどの症状が出ます。しかし、自覚症状がないまま進行することが最大の特徴です。症状が現れてからでは遅いのです。
歯周病の原因は細菌です。細菌は歯の表面や歯と歯茎の間で繁殖し、細菌の塊である歯垢を形成します。それが唾液中のカルシウムにより石灰化し歯石になります。細菌の数が増えて、体の抵抗力でカバーできなくなると病気になります。歯周病は進行すると、歯を支える骨がなくなってしまい、最終的には自分の歯を失うことになりかねません。適切な歯磨きはもちろんのこと、数カ月に1度、定期検診を受けることをお勧めします。
残念ながら、口中の菌を“ゼロ”にはできません。しかし、減らすことはできます。ブラッシングだけでは磨けない場所もあります。検診でチェックと細菌の繁殖を抑えるためのクリーニングを受けて下さい。定期的に歯の検診を受けていれば、自分の歯を残しやすいことが統計でも裏付けられています。
気になるのは、口の中の環境を知らない方が多いことです。例えば、自分の歯が何本あるか把握されていますか。すべてそろって28本、“親知らず”を含めれば32本です。即答できる方は珍しいですね。まず、口の中を知っていただくことが予防の第一歩です。歯並びも人によって違います。並び方が違えば、磨き方も変わります。自分に合った歯の磨き方も含めて気軽に相談してほしいと思います。
日本人の歯の並び方は結構特有だとか。それに対応した電動歯ブラシなども出ているようですけれど。
歯は大事ですからねぇ。将来、年をとっても、自分の歯で物を噛み、自分の力で歩きたいものです。そのためには若い頃からの「維持」が必要ですね。
たかが歯磨きといえど、毎日しっかりと行うことで、確実に予防することはできます。これからの時代は「予防医学」です。将来歯周病になって悩む前に、まずはきちんと歯磨きの習慣をつけましょう。
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