2008年11月29日

夜間に人工透析を行ったほうが、死亡率は大幅に低下する。

夜間の人工透析で死亡率が大幅に低下

 腎疾患患者の死亡リスクが、従来の1回4時間、週3回の透析治療に比べて、夜間に1回8時間の透析を週3回行うほうが大幅に減少することが示され、米フィラデルフィアで開催された米国腎臓病学会(ANS)年次集会で発表された。

 報告を行ったトルコ、エーゲEge大学腎臓病学科のErcan Ok博士によると、透析技術や医療は向上しているものの、従来の4時間、週3回の透析治療を受ける患者の死亡率は依然として受け入れ難いほど高いという。透析は腎不全患者の水分除去措置としては最も一般的な方法で、入院、外来のいずれでも実施されるが、通常は何らかの医療機関で行われる。患者の多くは、週3回、1回3〜5時間の処置を受けている。

 今回の研究では、従来の方法から、週3回、夜間8時間の透析に切り替えたトルコ人患者224人(平均45歳)を追跡した。研究グループによると、患者が処置を受けながら眠れるようになるまでには、通常1カ月の「適応期間」を要したという。

 1年後、夜間治療群と、従来の週3回4時間の治療を継続した同様の患者群とを比較したところ、夜間治療群は死亡率が78%低かったほか、血圧管理に顕著な改善がみられ、降圧薬の使用が3分の2減少した。また、リン酸塩濃度が正常値まで低下し、リン酸塩吸収を抑える薬剤の使用が72%減少。

 さらに、食欲向上、望ましい体重増加および血中蛋白濃度の増大がみられたほか、患者の多くが仕事に復帰し、業績や精神状態も改善されたと報告している。「このデータによって、医師、患者、保健当局、社会保障機関をなど社会全体が長時間の透析の必要性について納得してくれると期待している」とOk氏は述べている。

 米セント・ジョンSt.John病院のRobert Provenzano博士は今回の研究について、称賛できるものだが、腎臓は1日24時間働いており、透析時間が長ければ長いほうがよいのは明白と述べている。より頻繁な透析が健康状態全般を向上させることは、欧米の研究ですでに示されているという。今回の研究では患者が自己選択されており、無作為化対照試験となっていない点が問題と指摘。トルコ、中国、インドなどの発展途上国では、透析などの治療を受けることのできる患者は比較的裕福で健康状態もよい傾向があり、このことが研究結果にどのような影響を及ぼしているのかわからないことからも、無作為化研究が必要であると同氏は述べている。



 うーむ。夜間8時間の透析。これは血液透析なんでしょうけれど、実際にはどうやるんですかね。病院で寝てやるんでしょうか?

 日本でもし夜間8時間行う場合には、病院でやるしかないんでしょうけれど、社会生活をしながら行うには無理がありますし。しかも記事中で言われているように、そりゃ1日8時間も透析したら、結果がよくなるのは当然といえば当然です。社会生活があるから4時間ほどにしているだけで。

 夜間に行うのが良い、ということは、夜間に自宅で行える腹膜透析は死亡率が下がっているんですかね?確かに人には概日リズムというものが備わっていて、夜、早朝、昼、夕によって分泌されているホルモン量が異なります。その影響で血圧が上がってしまったりするので、夜に透析を行うというのは理にかなったものだろうとは思います。

 腹膜透析についてはこちらをご覧下さい。

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医学処:腎臓病早期発見のためのプログラム始動。無料です。
医学処:生体細胞を用いた人工腎臓が実用化するかもしれない。
医学処:腎臓移植と血液透析と腹膜透析について


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posted by さじ at 19:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理
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