2008年11月29日

便秘薬の酸化マグネシウムは高マグネシウム血症の副作用がある。

<酸化マグネシウム>便秘薬など副作用15件、うち2人死亡

 便秘や胃炎に広く使われている医療用医薬品「酸化マグネシウム」の服用が原因とみられる副作用報告が05年4月〜今年8月に15件あり、うち2人が死亡していたことが、厚生労働省のまとめで分かった。高齢者に長期間処方しているケースも多いことから、厚労省は血液中のマグネシウム濃度の測定など十分な観察をするよう、製薬会社に使用上の注意の改訂を指示した。

 酸化マグネシウムは腸の中に水分を引き寄せて腸の運動や排便を助ける効果があり、各製薬会社の推計使用者は年間延べ約4500万人に上る。

 15件の副作用は、服用が原因で意識障害や血圧低下などにつながった可能性が否定できないケースで、全員が入院した。このうち認知症などの病気を持ち、他の薬と併用して長期投与を受けていた80代の女性と70代の男性が、ショック症状などを起こし死亡した。15人中13人は、服用を半年以上続けていたとみられる。

 酸化マグネシウムは薬局で買える市販薬にもある。厚労省はこの成分を含む製品を副作用の危険が最も低い3類から、薬剤師らに情報提供の努力義務が課せられる2類に引き上げることを決めた。市販薬での副作用報告は今のところないという。



 よく使われる薬ですから、今までにものすごい数の人たちが酸化マグネシウムを飲んだことがあると思います。その凄い数の投与機会のうち15件、ということはかなり少ない頻度で副作用は生じていると分かります。

 ですが少ないとはいえ起こっている事実は軽視できません。副作用のない薬なんてないのですから。酸化マグネシウムはほとんどの場合においては問題ないのですが、万が一異常が起こった場合と、その対処法を知っておく必要があります。

 女性は、血清マグネシウム値が「17.0mg/dL」と高く、ショック状態のため、カルシウム製剤投与と急性血液浄化(HD)が行われた。しかし、血清マグネシウム値は徐々に低下したものの、敗血症を併発。腹水から「bacteria」を検出したため、腸管壊死が疑われたが、手術に至ることなく死亡した。

 厚労省は「酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症については、添付文書の『副作用』の項に『高マグネシウム血症』を記載し、注意喚起を図ってきた」とした上で、「医療関係者におかれては、酸化マグネシウムの投与中においては、高マグネシウム血症の初期症状に十分注意するとともに、特に長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど、異常が認められた場合に適切な処置が取れるよう、さらなる注意をお願いする」と呼び掛けている。

 厚労省によると、「高マグネシウム血症」が表れると、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。このため、「悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」を求めている。


参考:CB 酸化マグネシウム

関連:全ての病気を治すと言って塩化マグネシウムを売っていた男
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posted by さじ at 17:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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