2008年11月29日

医療崩壊を食い止めるために医学生が話し合う。

医療崩壊を食い止めるのは医学生

 医学生らが自身のキャリアについて学び、意見を発していくことを目的につくられた「医師のキャリアパスを考える医学生の会」は11月27日、「日本版総合医」「医師不足」をテーマにした第2回勉強会を慶大信濃町キャンパスで開催した。講師として招かれた渡辺賢治・慶大漢方医学センター准教授は、「医療崩壊は始まったばかり。崩壊が10年続くか、50年続くかは君たちに懸かっている」と、学生たちにエールを送った。

 渡辺氏は初めに、「医療崩壊がなぜ起こったと思うか」と学生らに質問。学生の間からは、「医療費の無計画な削減」「医学が進歩したため、医学が万能と患者が考え、訴訟などに発展しやすくなった」「総合医が不足しているため、大学病院などに軽傷でかかる患者が増え、負担が増大した」などの意見が上がった。こうした意見に対して渡辺氏は、「日本人のメンタリティーが不老不死を目指して、究極のところに来ている。医療崩壊をつくった原因の一つは、社会で医師を支えようとする姿勢が足りない、ということもあるのかもしれない」などと述べた。また、「医師と患者のコミュニケーションが崩れている。同列で医療を良くしようと考えなくてはいけない」と訴えた。

 続いて、渡辺氏は「総合医」について言及した。日本の今後について、「超高齢社会を迎える人類史上初めてのケース」と指摘し、特に老人医療費が伸びている現状などを紹介。その上で、以前は生産者人口を支え、高度成長を支えてきた臓器別専門医を中心に、病気を治すことが最優先とされていたのに対し、今後の高齢社会では病気と共存させ、QOLを保つことを目指した「全人医療」の医師が必要だとして、総合医の必要性を強調した。

 渡辺氏は最後に、「一つの治せる疾患を相手にすることも重要だが、複数の治らない疾患を有する高齢者と向き合えるコミュニケーション能力も必要」とした上で、「人類史上初の超高齢化社会の中で、全人医療を担う医師が社会を支える」と締めくくった。



 うーむ、難しい。

 渡辺氏の言っていることはご尤もなのですが、結局それってお金の問題なのでは。

 モチベーションの高い大学病院や大手総合病院の医師は、専門医でありながらも総合医であると思うんですよね。1つの疾患を治しつつも、慢性の病気も考慮してコントロールするという。

 いやそれはそうなんだけれども、この話は、いわゆる開業医がもっと全身をしっかり診れるようにならなければいけない、という話なのでしょう。そうなるためには、医師ひとりひとりのモチベーションの問題か。

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posted by さじ at 17:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護
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