2008年11月26日

腎臓移植と血液透析と腹膜透析について

「人工透析で疲れました」と猟銃自殺

 23日午後10時45分ごろ、埼玉県越谷市南越谷5丁目の公園で、男性が倒れているのを近くの住民が発見、110番した。男性は既に死亡しており、遺体のわきに猟銃と遺書があった。「警察に迷惑を掛け申し訳ない。人工透析で疲れました」と書いてあった。越谷署は男性が頭を撃ち自殺したとみている。

 調べでは、越谷市内で1人暮らししている無職の57歳男性で、東京都公安委員会から猟銃所有の許可は得ていたという。



 うああ。

 人工透析というのは、血液透析のことでしょうかね。週3回、4時間ほどかけて血液を機械にかけて、綺麗にする技術です。本来なら腎臓がやってくれます。ですので腎臓というのは、かなり大事な臓器なんです。

 透析をやっていない、腎臓が健常な方、あなたがもし明日から透析をしないと死ぬとしたら、血液透析をやらざるをえません。週3回、1回4時間。仕方ないにしても、、、透析で疲れてしまう気持ちも分かるかと思います。

 ですので本来なら腎臓移植をしたいところなんですが、日本では残念ながら伸びません。どうも日本人は移植に抵抗を示すようです。脳死移植(脳死になったときに腎臓を提供すること)、献腎移植(死んだときに腎臓を提供すること)、色々ありますが、どれも数は伸びていません、残念ながら。

 最近では生体腎移植のほうがスムーズですね。術後成績もいいですし。でも出来ることならば、脳死移植や献腎移植のほうの数が増えてくれることを望みます。

 また、透析にはもう1つ、「腹膜透析」というものがあります。この技術は欧米ではかなり広がっていますし、韓国でも広くやられていますが、日本ではまだまだといったところです。腹膜透析のいい点は、血液透析のように週3回病院に通って4時間拘束されなくてもいいというところです。具体的には、おなかのなかに透析液を入れて、老廃物を液に出して、その液を交換すればいい。朝液を入れて会社へ行き、昼交換し、夜交換するということもできれば、夜の間じゅう液の交換を自動的に行うだけの方法もあります。画期的な治療法ですが、腹膜透析の知識をもった医師がなかなかいないのが残念なところ。

 腹膜透析にも当然弱点はあります。これは、何十年も行える治療ではないということが挙げられます。腹膜を介して老廃物の除去を行うため、長期に渡って行うと、被嚢性腹膜硬化症などの合併症が出現する可能性もあります。こういった合併症が起こる前に血液透析へ移行するのも、大事なことです。

 移植を行うか、血液透析を行うか、それとも腹膜透析を行うか。これらは患者さんの状態や今後やりたいこと、生活の質などと絡めて決定されるものです。そのことを把握した上で、十分に情報提供をし、選んでもらいたいと思います。

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posted by さじ at 01:20 | Comment(3) | TrackBack(0) | 内分
この記事へのコメント
はじめまして。勉強になることばかりで参考にさせてもらっています。これからも訪問させていただきます。もしよければ、相互リンクしませんか。よろしくお願いいたします。
http://ecomedi.seesaa.net/
Posted by ケイ at 2008年11月26日 13:11
初めましてー。お、似たようなジャンルのブログですね。申し訳ないのですがリンクというシステムを構築していないものでして・・・。もし作ったときはどうぞよろしくお願いします。
Posted by さじ at 2008年11月26日 21:56
構いませんよ〜。こちらこそよろしくお願いします。
Posted by さじ at 2008年11月27日 17:15
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