11日付の英紙デーリー・テレグラフは、重い白血病を患い、抗がん剤治療で心臓移植が必要になった英国の13歳の少女が、病院の移植の勧めを拒否し、「尊厳死」の権利を勝ち取ったと報じた。
病院側は裁判で争って少女に心臓移植を受けさせようとしたが、手術が成功する保証はなく、成功しても免疫機能が低下して白血病が再発する恐れもあることから、少女は専門家に相談して移植を拒否。病院側が、余生を家族と過ごすことを認めたという。
少女は5歳のときに白血病と診断。家族は、少女が今年のクリスマスまで生きてくれることを願っているという。
これもひとつの選択です。
正常な思考力をもって、自身で考えた結果、こういう選択を選ぶのは「ひとつの人生を全うする」という意味で非常に良いのではないでしょうか。
日本では尊厳死、安楽死ともに、法律的に曖昧な形です。合法か否かと言われれば、合法ではない。違法でもない。といった感じでしょうか。東海大安楽死事件で裁判側が提示した安楽死の4項目を満たせば、「違法性が阻却される」ということで、殺人罪に問われることはない、ということですが・・・よくわからんですよね。本来なら法律化すべきことだと思います。そういうのをナァナァにしておくのが日本の悪いところでもありますけど。
尊厳死において何より大事なのは「延命しない」という意思を生前に表明しておく、リビングウィルという概念です。
「本人の意思」を「生前」に明確なものにしておくことの大切さを13歳の少女から学んだ気がします。
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