産科医の負担軽減を図ろうと、済生会宇都宮病院(中沢堅次院長)は五日、正常分娩の妊婦が対象の院内助産所「バースセンター」を宇都宮市竹林町の同病院九階に開設した。県内の中核病院では二番目の院内助産所。同病院によると、産科病棟とは別の場所に設置し、助産師が独自に運営する施設としては全国で初めて。
同センターは、妊婦が陣痛から出産、産じょく期までを過ごす個室四室や、マタニティーヨガなどを行う多目的スタジオなどを整備。助産師六人が出産前後の妊産婦健診や相談、運動指導などを行う。
年間百五十人の受け入れを見込んでいる。妊婦の経過に異常がみられリスクが高いと判断された場合、同病院母子医療センターの産科医が即対応する。
開所式で中沢院長は「医師が行っていた正常分娩の一部を移譲できれば、産科医のマンパワーを異常分娩に集中できる。院内助産所は産科医の地域貢献にも今後役立っていく」とあいさつした。
この日同センター初の出産に挑むことになった宇都宮市の三十代の女性は「こういう施設ができたのは魅力。信頼している助産師さんがずっと一緒にいてくれるので安心できる」と話していた。
ああ、これは素晴らしいですね。患者さんにとってもリスクが減るし、医者にとっても負担が減るし、何より助産師の能力を最大限に発揮できると思います。
今後、こういった形の病院が増えてくれば、産婦人科医の過重労働も軽減して、結果的に妊婦さんにとってリスクの少ないお産ができるようになるのではないでしょうか。
関連
医学処:産婦人科医不足の市で、助産師による助産院を開設
医学処:米国女性研修医が見た、日本の産婦人科現場
医学処:医学ちょっといい話7「ベテラン助産師の卒業」