うつ病は「ココロの病」ではなく「カラダの病」、ということはすでに証明されつつある。だが一方で、「うつは心の弱い人がなるもの」「気の持ちようで治せるはず」という偏見が後を絶たないのも事実だ。
客観的にうつ病を証明できる機械や数値があれば、という思いは、苦しんでいる患者本人は特に強いはず。そんな“うつ発見器”ともいうべき研究が実際に行われ、成果が出始めている。
うつ病の客観的指標の一つとして研究されているのが「脳血流」だ。95年ごろから研究が進んでいたが、当時はうつ病の原因を探るという目的が中心で、うつ病か否かを判定するというものはほとんど行われていなかった。
08年7月に労働者健康福祉機構が発表した研究結果では、うつ病の症状緩和に伴い、患者の脳血流も改善していることがわかった。患者の不調期に血流低下が見られたのは主に左脳。「左の前頭葉は、いいことがありそうかどうかを予感する“快”を司る部分」(香川労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長・小山文彦氏)。この部分の血流が低下することで、マイナス思考に陥りやすいと考えられる。
この研究は、うつ病のなかでも、自分を責める傾向にある「メランコリー親和型」の患者25人が対象。他人に迷惑をかけたくないという気持ちが強いため、治り切っていないにもかかわらず“背伸び出勤”をして、さらに症状を悪化させてしまうという例が急増している。
改善したかどうかの目安として脳血流を検査すれば、このような悪循環は防げるはずだ。また、重度のうつ病になる前に予防するという役割も期待できる。実際、「労働行政や人事労務担当者からの反響は多い」(同氏)と、企業側の関心も非常に高い。
では、うつ病を装う人を見破ることもできるのか。この点については、まだクリアすべきハードルがあるという。「疲労の蓄積と脳血流の関係などほかの研究も行っているが、あえて“自称うつ”的な人を対象にした研究は困難」(同氏)と、うつの真偽判定の役割を期待するのはまだ難しいようだ。
脳血流のほかに、客観的指標として期待されているのが「血液検査」の数値。うつ症状の改善を見るうえでの指標として、すでに診断の一部に血液検査を取り入れている病院もある。公徳会佐藤病院では06年から血液検査を開始。うつ病の不調期に血中濃度が低下(一部は上昇)する4つの物質を測定し、「症状を診ながら、投薬の調節や復学・復職の目安の一つとして役立てている」(教育研究部長・栗田征武氏)という。
現状の診断は、ほとんどが問診などに頼っている状況。「客観的診断は絶対に必要」という医師の声も多く、現場への普及が待ち望まれるツールだ。
今後医学が進歩してくれば、より客観的に鬱病を評価することのできる指標が出来るかもしれません。
それはすなわち、鬱病が脳の病気であって、心が弱いからどうだとかいう猛烈な偏見も減るのではないかと予想されます。今の世の中、特に日本では偏見が強すぎますからね。少しでもうつ病に対する理解として深まれば、と思います。
薬と体が合えば、良い方向に進んでいくと思いますよ。合っているかどうか分かるまでに2週間ぐらいはかかるので根気良く調節していくしかないのですが、脳血流からそれらを判断できればより簡便に適切な薬剤が分かりますからね。
>>金沢大学様
あれ、以前も書き込んでいただきましたよね?ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
そして、今、NHKの番組で
脳血流検査を見ました
検査するには、まだ保健はきかないのでしょうか