2008年10月31日

日本人向けのヒトパピローマウイルスに対するワクチンを開発

子宮頸がん:原因ウイルスの新ワクチン開発 国立感染症研

 子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの新たなワクチンを、国立感染症研究所などが開発した。日本人は欧米人と異なるウイルスの型での感染例が多いことも確認した。欧米などで使われているワクチンは一部の型しか効かないが、新ワクチンは日本人に幅広く有効となる可能性が高い。29日、名古屋市で開かれる日本癌学会で発表する。

 ウイルスは遺伝子の型の違いから約100種に分類され、このうち15種類に発がん性がある。欧米では16型と18型が発症原因の約70%を占めるが、日本の患者では16型42%、18型7%と半数にとどまる。製薬企業が厚生労働省に16型と18型に対応したワクチンの承認を申請しているが、認可されても感染防止には不十分とされる。

 研究チームは15種類に共通する構造があることに注目。この構造を作るアミノ酸配列を特定し、その特徴からワクチンを開発した。ウサギに接種し、16型と18型を含む6種類で感染防止を確認した。日本人の患者の76%が6種類による感染だったことも突き止めた

 日本では毎年1万2000人以上が子宮頸がんを発症。ウイルスを発見したドイツの研究者は今年のノーベル医学生理学賞に決まった。

 国立感染症研究所の神田忠仁・病原体ゲノム解析研究センター長(腫瘍ウイルス学)は「発がん性を持つ残りの9種類への効果は未確認だが、理屈から感染防止に有効と考えられる。実用化と予防接種の普及に努め、患者を減少させたい」と話す。



 遺伝子の人種的違いが明らかになって以来、アメリカでよく効く薬が日本人に効きにくいということもあるということが、分かってきました。

 そこで国産の薬やワクチンの開発に乗り出すのですが、いかんせんむこうと違って、かけられるお金が少ない、というのが問題ですねぇ。もっと開発資金が増えれば、アジア人向けの、疾患を治療する薬も沢山開発されるような気がします。

関連
医学処:子宮頚がんを引き起こすヒトパピローマウイルスのワクチンが米で承認
医学処:2,30代の子宮がんが増加しているのに、がん検診受診者は5%程度
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posted by さじ at 01:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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