2008年10月26日

高齢者のCOPDは冬に悪化するので要注意。

高齢者の肺の病気 冬に悪化多く COPD検査で早期治療

 たばこなどで汚れた空気を長期間吸い続けた高齢者に多い肺の病気「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」。命にかかわる怖い病気だが、国内ではまだ理解が進まないため、日本呼吸器学会は今年から「肺年齢」という考え方を導入し、検査の普及に本腰を入れ始めた。冬には症状が一気に悪化することが多く、特に警戒が必要だ。

 COPDでは、肺の広い範囲に炎症が起き、呼吸の効率が落ちる。坂道や階段を上るだけで息切れするなど、日常生活も脅かされる。最大の原因は直接、間接の喫煙。粉塵や有害ガスなども危険で、10年以上かけて、肺が侵されていく。

 かつては「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていたが、2001年に世界保健機関(WHO)が病名を統一した。国内の患者は推定530万人以上。60-70歳代で受診する人が多く、風邪などの感染症を機に呼吸状態が急激に悪化する

 悪化した場合、48時間以内に抗生剤などで治療を始めないと重症化しやすく、入退院を繰り返すうちに寝たきりになる患者も少なくない。厄介なことに、多くの患者は肺がんや心臓病、糖尿病、骨粗しょう症、うつ病、認知症などの持病を抱えており、COPDになると、相互作用でどちらの症状も悪くなってしまう。

 日本医大呼吸ケアクリニック(東京・九段)所長の木田厚瑞さんは「非常に怖い病気なのに、『息切れは年のせい』と誤解されがちで、専門医以外の認識もまだ十分ではない。実際の患者の9割程度が見過ごされていると見られる」と指摘する。

 前兆は、たんが絡むようなせきと息切れ。ぜんそくなど他の疾患と区別するため、胸のレントゲンと心電図のほか、最大限の肺活量などを調べる肺機能検査「スパイロメトリー」で診断する。

 検査値のうち、最初の1秒間にはいた呼気の量などを基に、肺の老化の度合いを示すのが日本呼吸器学会が提唱する「肺年齢」で、病院や健診センターなどでCOPD患者の早期発見や禁煙指導などに生かされている。

 COPDと診断されれば、気管支拡張剤などを使った薬物療法や、たばことの決別、体力を高めるための運動療法が必要で、全国に668ある同学会の認定施設を中心に行われている。

 木田さんは「肺は一度壊れたら回復しないが、早めに適切な治療を受ければ息苦しさが軽減され、病状の進行も食い止められる。冬には感染の危険も高まるため、インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を受けてほしい」と呼びかけている。

 日本呼吸器学会の認定施設は公式ホームページで検索できる。

COPDのチェックポイント(木田厚瑞さん監修)
・おおむね40歳代以降である。
・自分や他人のたばこの煙、粉塵などで汚れた空気を10年以上吸い続けた。
・風邪でもないのに、たんが絡むようなせきが続く。
・風邪をひきやすく、長引く。
・同世代の人と坂道や階段を並んで上っていると、息切れが強くてついて行けなくなる。
・高血圧や心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の治療を受けている。



 腎臓でも肝臓でもそうですが、何か1つの臓器が大きく障害されると、その人の生活が激変してしまいます。

 肺などもまさにその例に当てはまります。普段は調子悪くても、ちょっと息苦しいかな?とか咳が出るかな?程度ですが、高齢になり更に風邪を引くと、一気に状態が悪くなったりします。

 COPDという概念で、慢性的な肺の炎症をまとめられたのは良いことですが、まだまだ認知度が低いかなぁという気も。単に年のせいだと思わず、自分から受診してみる必要があります。

 特に長いこと喫煙していた人は要注意です。

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posted by さじ at 13:28 | Comment(1) | TrackBack(0) | 呼吸
この記事へのコメント
COPDに関心のある方、なってしまった方、
COPD中等症に罹った人の日記です、一度のぞいて、コメント下さい。
Posted by copdの患者から at 2008年10月27日 08:46
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