2008年10月25日

2008年度マッチング最終結果 都道府県別充足率ランキング

依然続く研修医の大学病院離れ、2008年度マッチング

★大学病院 vs. 臨床研修病院、「50% vs. 50%」で定着★
 
 医師臨床研修マッチング協議会は10月16日、2009年4月からの卒後臨床研修先を決める医師臨床研修マッチングの最終結果を公表した。

 大学病院に決まった研修者(大半が医学部6年生)は全体の49.1%、臨床研修病院は50.9%で、臨床研修病院がやや上回った。この割合は2007年度と同率。

 大学病院での研修者の割合は、臨床研修の必修化前は約7割に達していた。これに対して、マッチングの最初の年である2003年度(研修開始時期は2004年度)が58.8%、以降、2004年度52.7%、2005年度48.3%、2006年度48.8%。臨床研修病院と大学病院の研修者はほぼ半々の割合で推移しており、必修化前の水準に戻る気配はない。

 「昨今の医師不足は卒後臨床研修が原因であり、募集定員と研修者の差が地域偏在を生んでいる」との指摘がある。

 今年のマッチングの参加者は全体で計8416人。うち希望順位を登録したのは、8167人、マッチングで研修先が決まったのは7858人。一方、マッチングに参加した病院は1091施設。募集定員の総数は1万1292人で、マッチングによる研修先決定者(7858人)はその69.6%にとどまる。

 地域別に見ると、都道府県による差が大きい。東京では都下の病院の募集人員は総計1510人で、ほぼその90%の研修者が決定。関東や関西、名古屋圏を中心に、募集定員の70%以上が埋まったのは10都府県。60%台が14県、50%台が18道県。一方、50%を下回ったのも5県ある。



 というわけで、マッチングも終了。本当なら各病院ごとにやりたかったんですけれど、あまりにも面倒なほど膨大なので、やめました。気になる方は「マッチング協議会」というサイトで詳しく知ることが出来ます。

順位 都道府県 募集定員(人) マッチ者数(人) 定員充足率(%)

1位 東京都 1,510 1,385 91.70%

 ダントツの募集定員を誇る首都東京。まぁそりゃそうです。国立、私立とも多数の大学病院がありますし、ブランド病院と呼ばれるような有名病院も数多くあります。しかしそんな首都東京でも、募集定員に対して9割ほどの充足率しかありません。まぁどこも多めに募集しているんで仕方ないんですけれど、1位の東京ですら、定員の余力が
ある現状というのは、何だかやるせないですね。医学部定員を増やすしかないか。

 以下、充足率順です。

2 沖縄県 175 147   84.00%
3 神奈川県 750 601   80.10%
4 福岡県 576 460   79.90%
5 京都府 347 268   77.20%
5 大阪府 811 604   74.50%
7 愛知県 697 510   73.20%
8 滋賀県 108 79   73.10%
9 兵庫県 417 305   73.10%
10 和歌山県 104 75   72.10%
11 熊本県 154 107   69.50%
12 千葉県 400 276   69.00%
13 徳島県 83 57   68.70%
14 宮崎県 70 48   68.60%
15 岡山県 227 155   68.30%
16 佐賀県 77 52   67.50%
17 岩手県 112 74   66.10%
17 栃木県 172 110   64.00%
19 宮城県 191 122   63.90%
20 茨城県 175 111   63.40%
21 香川県 95 59   62.10%
22 新潟県 152 94   61.80%
23 広島県 226 139   61.50%
24 福井県 81 49   60.50%
25 北海道 491 294   59.90%
26 埼玉県 306 183   59.80%
27 群馬県 141 84   59.60%
28 山形県 110 65   59.10%
29 静岡県 274 161   58.80%
30 三重県 154 90   58.40%
31 石川県 131 74   56.50%
32 秋田県 130 73   56.20%
33 奈良県 129 72   55.80%
34 大分県 110 61   55.50%
35 岐阜県 170 93   54.70%
36 長野県 204 111   54.40%
37 山梨県 89 48   53.90%
38 山口県 131 69   52.70%
39 愛媛県 125 65   52.00%
40 青森県 114 59   51.80%
41 福島県 144 73   50.70%
42 鹿児島県 133 67   50.40%
43 島根県 95 47   49.50%
44 高知県 82 40   48.80%
45 長崎県 150 73   48.70%
46 鳥取県 67 29   43.30%
47 富山県 102 40   39.20%
計 11,292 7,858   69.60%

 やはりというか何というか、圧倒的に地方の充足率が。まぁそりゃ首都圏のほうが、いいイメージありますよね、やる気のある研修医としては。わざわざ首都をとらず、地方の病院を取るメリットというと「地元だから」ぐらいしかないのが現状では?アピールしどころを増やすしかないですかね。

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posted by さじ at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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