慶応大学は2日、医学・生命科学分野で優れた業績をあげた研究者に贈る「慶応医学賞」の今年の受賞者に、京都大学の坂口志文教授(57)と、米ソーク研究所のフレッド・ゲージ教授(57)の2人を選んだと発表した。
それぞれに賞金2000万円が贈られる。
坂口教授は、免疫系が自分自身の体を攻撃するのを抑制する「制御性T細胞」を発見、機能を解明した。
ゲージ教授は、これまで再生しないと考えられていた哺乳類の脳の特定部位で、生涯にわたって神経細胞が新たに生み出されていることを発見した。
おめでとうございます!
本当は慶應大学という表記なのに、何故慶応医学賞なのか、という疑問はありましたが、実際は「慶應医学賞」が正しいようです。そりゃそうか。
坂口志文教授とフレッド・ゲージ教授の受賞内容は下記のとおり。
坂口志文教授 授賞研究テーマ :制御性T細胞の発見と免疫疾患における意義の解明
正常な免疫系は外来異物に反応しますが、正常な自己組織には反応しません。この自己と非自己を識別する免疫自己寛容の維持機構の解明は、免疫学、医学生物学の重要課題です。特に、免疫抑制機能に特化したT 細胞が存在するか否かについては長年議論がありました。
坂口志文博士は、1980年代に、正常動物から特定のT 細胞を除去すると自己免疫疾患が発症することを示し、その機序の解明に取り組んだ結果、自己免疫を抑制する特異なT細胞を発見されました。この細胞は、のちに制御性T細胞(Regulatory T cell)として確立され、免疫自己寛容の維持に重要な役割を果たすことが明らかになりました。
坂口博士は、制御性T細胞の発見に続き、自己免疫病・アレルギーを特徴とするヒト遺伝性免疫疾患IPEX症候群の原因遺伝子であるFoxP3が制御性T細胞のマスター調節遺伝子であることを発見されました。
さらに制御性T細胞による免疫抑制の分子機構の解明および自己免疫疾患・移植・がんなどの免疫関連疾患における制御性T細胞の意義の解明に一貫して多大な貢献をされました。現在、制御性T細胞は、免疫制御の新しい標的として、世界中で活発な研究が行われています。
フレッド・ゲージ教授 授賞研究テーマ :哺乳類の成体脳におけるニューロン新生の生理的役割の解明
中枢神経系の疾患や傷害は根治が難しく、成体哺乳動物においては、中枢神経系が一度損傷を受けると二度と再生しないと信じられてきました。ニューロン自体に分裂能がないことに加え、成体脳内にはニューロンを新しく産み出す幹細胞が存在しないためと長らく考えられてきたからです。
ゲージ博士は、ヒトを含む哺乳類の成熟脳の特定部位では生涯にわたってニューロン新生が起こっていることを発見されました。空間認識や記憶の中枢である海馬の歯状回には、持続的に分裂し、ニューロンやグリア細胞を生む神経幹細胞が存在し、恒常的に新しい脳細胞を生み出していることが示されました。
ゲージ博士の研究により、成体脳におけるニューロン新生が脳の構造と機能にとって重要な役割をしている事が明らかになるとともに、豊かな環境での生活や身体的運動によって成体脳ニューロン新生が活性化することも示されました。これらの研究は、神経系の再生医療実現への基礎となり、脳や脊髄の傷害および疾患に対する新しい治療戦略の確立に貢献すると期待されています。
参考:慶應医学賞
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結局、日本に戦争後半、原爆部品や技術が先に持ち込まれ、ニューヨークに日本軍から水爆として爆撃されるわ、日本人兵で将来の日本経済の主なリーダーになるはずの大学生も特攻隊や人間魚雷にされる戦略を打ち立てたつまりは…乗っ取られてしまった日本軍部、、軟禁捕虜状態で権限を悪用された昭和天皇という状態。。そのなかで、湯川博士や独から渡米したアインシュタインのもたらした資料で?原爆が大慌て開発され、テロに乗っ取られた日本軍が原爆自爆作戦を対米に向けられる前に、先に投爆した。。というのが実態だったのだろう。。