2008年10月01日

2008年度マッチング人気大学病院ランキング中間発表

 日経メディカルに、今年のマッチング中間発表が出ていたのでご紹介。要するに「研修するのに人気のある大学病院ランキング」ですね。

 といってもまぁ、研修医の2年間なんていうのは、正直どこで受けてもスキル的には一緒です。ブランドとか関係なく。むしろブランドを頼って行くと痛い目にあうかも?

 では何を基準にマッチング先を決めるべきなのかというと、「医局の雰囲気」が最優先ではないでしょうか。病院見学で行って、こういうガッツのあるところで学びたい!と思えるようなところがいいでしょう。どうせ教わるなら、熱意のあるところで。

 ・医者としてガッツのある人は、モチベーションの高い病院を選ぶ。

 研修先を選ぶ基準としては「給料」や「休暇」などもあるかもしれませんが、正直どの病院に行っても薄給ですしほぼ毎日働きますからね。それでも横浜市立大学などのように給料の高いところはありますが、それでも微々たる違いです。修行中の身なのですから、毎月十数万もらえれば御の字なのでは?奢ってもらえたりするでしょうし。それに、どうせお金を使う暇がないですよ。

 あとは「立地条件」ですかね。やはり都市圏のほうが人気です。これはまあ分かりますけれども。




日経メディカル

順位 変動 大学名 定員(人) 1位希望者数 充足率(%)

1 1 → 東京医科歯科大 115 95 82.6%
2 1 ↓ 東大 130 86 66.2%
3 4 ↑ 京大 105 64 61.0%
4 27 ↑ 兵庫医大 60 58 96.7%
5 3 ↓ 順天堂大 68 55 80.9%
5 17 ↑ 聖マリアンナ医大 72 55 76.4%
7 5 ↓ 北里大 100 54 54.0%
8 9 ↑ 東京女子医大 80 50 62.5%
9 8 ↓ 自治医大 60 49 81.7%
9 15 ↑ 熊本大 92 49 53.3%
9 11 ↑ 九大 98 49 50.0%
12 12 → 藤田保健衛生大 75 48 64.0%
13 15 ↑ 阪大 90 46 51.1%
14 17 ↑ 日大 65 45 69.2%
15 27 ↑ 大阪市立大 60 44 73.3%
16 33 ↑ 滋賀医大 46 40 87.0%
17 52 ↑ 福岡大 55 39 70.9%
17 17 → 北大 78 39 50.0%
19 39 ↑ 杏林大 65 37 56.9%
20 42 ↑ 慈恵医大 49 36 73.5%
20 9 ↓ 和歌山医大 63 36 57.1%
20 27 ↑ 東海大 69 36 52.2%
20 6 ↓ 神戸大 72 36 50.0%
20 17 ↓ 筑波大 80 36 45.0%
20 26 ↑ 京都府立医大 90 36 40.0%
26 25 ↓ 久留米大 76 35 46.1%
27 73 ↑ 愛知医大 40 32 80.0%
28 62 ↑ 東邦大 38 31 81.6%
28 35 ↑ 東京医大 50 31 62.0%
28 39 ↑ 大分大 64 31 48.4%
28 22 ↓ 札幌医大 70 31 44.3%
32 23 ↓ 香川大 40 30 75.0%
32 17 ↓ 佐賀大 56 30 53.6%
32 35 ↑ 川崎医大 68 30 44.1%
35 33 ↓ 日本医大 40 29 72.5%
35 27 ↓ 愛媛大 42 29 69.0%
35 42 ↑ 宮崎大 50 29 58.0%
35 35 → 大阪医大 55 29 52.7%
35 7 ↓ 慶応大 55 29 52.7%
40 13 ↓ 千葉大 95 28 29.5%
41 27 ↓ 金沢大 45 27 60.0%
41 24 ↓ 横浜市大 48 27 56.3%
41 48 ↑ 新潟大 60 27 45.0%
41 42 ↑ 山梨大 60 27 45.0%
41 35 ↓ 奈良県立医大 70 27 38.6%
46 54 ↑ 徳島大 40 26 65.0%
46 27 ↓ 近畿大 50 26 52.0%
46 54 ↑ 信州大 90 26 28.9%
49 60 ↑ 島根大 48 24 50.0%
50 13 ↓ 獨協医大 66 23 34.8%
50 54 ↑ 長崎大 80 23 28.8%
52 50 ↓ 広島医大 60 22 36.7%
53 54 ↑ 山口大 55 21 38.2%
54 65 ↑ 山形大 50 20 40.0%
54 71 ↑ 名古屋市立大 56 20 35.7%
54 59 ↑ 帝京大 60 20 33.3%
54 39 ↓ 浜松医大 80 20 25.0%
58 52 ↓ 群馬大 59 19 32.2%
59 67 ↑ 東北大 40 18 45.0%
59 45 ↓ 鹿児島大 60 18 30.0%
61 62 ↑ 旭川医大 40 17 42.5%
61 54 ↓ 埼玉医大 50 17 34.0%
63 77 ↑ 岐阜大 37 16 43.2%
63 45 ↓ 関西医大 50 16 32.0%
65 73 ↑ 福島県立医大 44 15 34.1%
65 50 ↓ 福井大 52 15 28.8%
67 71 ↑ 金沢医大 48 14 29.2%
68 65 ↓ 琉球大 36 13 36.1%
68 60 ↓ 鳥取大 40 13 32.5%
70 69 ↓ 名古屋大 20 12 60.0%
70 73 ↑ 弘前大 40 12 30.0%
72 48 ↓ 昭和大 38 11 28.9%
73 62 ↓ 秋田大 40 10 25.0%
74 79 ↑ 三重大 26 9 34.6%
75 77 ↑ 産業医大 30 8 26.7%
75 76 ↑ 岡山大 32 8 25.0%
75 67 ↓ 高知大 37 8 21.6%
78 45 ↓ 富山大 46 7 15.2%
79 69 ↓ 岩手医大 35 5 14.3%



 大変面白いランキングだと思います。

 というのも、やはり大学受験の時と違って、研修医を直接指導する、指導医のやる気や、医局の雰囲気、病院の総合的な実力が結構反映されてるかなーと思ったもので。なるほどなーと思う大学が上位にいたので、研修先を選ぶ人たちはやはり敏感に反応してるのかもなぁと。

 上位大学のほうが、ガッツがあるっていうんですかね、医者1人1人のモチベーションの高さや、研修医に教えるための環境づくりが出来ているのではないかなと思います。

 どこの大学も、人材的な意味で、研修医を欲しています。そこで研修医を熱心に教え、世界に羽ばたかせようとする大学は、強いですよ、やはり。そりゃ人気も出るわって話です。まあ立地条件の面での有利不利はあるでしょうけれど。(立地条件だけで上位にくいこんでいる大学もあるにはあります)

 狭い世界なので、医局の雰囲気の悪さとか、イケテナイ部分ってのは、結構広まってしまうものなんですよね。ガクーンと順位の下がっている某大学はそこらへんを直したほうがいいのではないかなぁとすら思いました。

 あとは、そうですね。大学によっては、自大学に残らず、外に出てしまうところもありますからね。2年間外で修行積ませて、3年目から戻す、とか。それもこのランキングに反映されていると思います。

 あ、あと前もって言っておきますが、このランキングと臨床能力は全く関係ないでしょう。まあ、あるわけないですけどね。

 あとは大学病院と市中病院の競い合いかー。これはまた別の話なので。

関連
医学処:研修医後の進路の選択肢を広げる、マッチングプラザを開催
医学処:大学病院に不満あり。研修医は市中病院のほうが満足度が高い
医学処:毎年恒例、臨床研修医争奪戦が始まる。
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posted by さじ at 21:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学
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