医療系の学校法人「昭和大学」(東京都品川区)が、付属病院の医師を派遣した病院から寄付金として受け取った約6億円を収益事業に計上しなかったなどとして、東京国税局から2008年3月期までの5年間で約4億6000万円の申告漏れを指摘されたことがわかった。指摘の中には、大学の付属病院が外部からの委託研究費を収益から除くなど、1000万円を超す所得隠しも含まれるとみられる。
追徴税額は重加算税を含めて約1億1000万円の見込みで、昭和大は既に修正申告した。
学校法人などの公益法人は原則非課税だが、法人税法で規定された収益事業から生じる所得に対しては、法人税の基本税率(30%)より低い22%の税率で課税される。昭和大の説明などによると、同大は全国の医療機関に医師を派遣する一方、医療機関から寄付を受けていた。
同国税局は退職した医師を医療機関に紹介したケースは、収益事業の一つ「周旋業」にあたると認定。過去5年間に約120の医療機関から受けた約6億円については、医師派遣の見返りだったとして申告漏れを指摘した。
これとは別に、昭和大学病院のある部門が、大学の認可を受けず外部機関の委託で試薬を開発した見返りに約150万円を受け取り、医局の互助会費に充てていたことも判明。ほかにも不正があり、所得隠しは1000万円を超えるとみられる。
昭和大が同国税局から誤りを指摘された取引は総額で9億円に上るが、学校法人は収益事業から非収益事業に寄付した場合、50%を損金として所得から除外できるため、申告漏れ総額は約4億6000万円にとどまった。
昭和大総務課の話「(寄付は)医療機関の意思によるもので、本学が要求したものではないため非課税対象としていたが、指摘を受けて修正申告した」
単なる勘違い、でしょうねぇ。今更こんな所得隠しをしてバッシングされても、デメリット多すぎですし。
しかし寄付金とやらだけで凄い額になるものですね。いくら大学病院から人事権がなくなったといっても、まだまだその親方根性はあるようです。仕方ないことかもしれませんけれども。医療機関の意思によるもの、とありますが、それを暗黙の了解のように受け取る風潮が本当にないのかどうか。