米ラスカー財団は14日、コレステロール値を下げる物質「スタチン」を発見した遠藤章・東京農工大特別栄誉教授(74)にラスカー賞臨床医学賞を贈ると発表した。この発見をもとにコレステロール低下剤が開発され、心臓病などの予防や治療に画期的成果をもたらしたことが評価された。
日本人では、過去にノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進・マサチューセッツ工科大教授ら4人が基礎医学部門で受賞したが、臨床医学部門では初めて。遠藤特別栄誉教授は、製薬大手「三共」(当時)の研究員だった1973年、体内でのコレステロール合成に必要な酵素の働きを強力に抑えるスタチンを、コメの青カビから発見した。スタチンの製剤化は87年、米企業に先を越されたが、三共も89年に発売。その後も大手メーカーが参入し、現在は世界で3000万人以上の患者が使用する。
ラスカー賞は45年に創設され、受賞者の75人が後にノーベル賞に輝いている。
スタチンの発見。革命的治療薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬です。
まさに画期的な発見でした。ノーベル賞は当然・・・と思いきや、1985年、遠藤氏の協力を得てコルステロールの作用の解明をしたアメリカのブラウンとゴールドシュタインに与えられました。おそらくノーベル賞はとれませんが、スタチンの発見という功績は紛れもなく本物です。
おめでとうございます!
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