胃から分泌されるグレリンという食欲増進ホルモンが、急性心筋梗塞の症状を改善することを、国立循環器病センター(大阪府吹田市)の研究チームがラットの実験で確認した。
国内では年間約4〜5万人が急性心筋梗塞で死亡しており、治療薬開発への応用が期待される。米国の内分泌学専門誌に掲載する。
研究チームは、ラット26匹に心筋梗塞を起こさせ、グレリンを注射した群と、しない群とに分けて比較した。その結果、注射したラットは、6時間後に10匹が生存し、不整脈もほぼゼロだったが、注射しないラットは不整脈が頻繁に起き、3匹しか生き残らなかった。
グレリンには、不整脈を引き起こす心臓の交感神経を鎮静化させる働きがあるらしい。岸本一郎医長は「グレリンはもともと体内にある物質で、心筋梗塞の有効な治療薬になる可能性がある」と話している。
ホルモンって面白い。
グレリンについて、まだまだ解明されていないことが多そうですが、食欲に関与するだけのホルモンではなく、もっと大きな調整も行われているようです。ここらへんの全身に与える影響が、内分泌の興味深いところなんですなぁ。
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