物忘れ、認知症の予防で、青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)の効果を実証しようと、島根大医学部生理学講座(出雲市)の橋本道男准教授(環境生理学)らの研究グループが十月、二年間の臨床研究に乗り出す。疫学調査を進めている島根県川本町の六十五歳以上百人が対象で、国内ではかつてない規模。DHA、EPAを多く含むソーセージを食べ続けてもらい、認知機能の維持、改善との関連を確かめる。
研究メンバーは、DHAによる脳の神経細胞の再生効果を動物実験で確認し、国際特許を出願している橋本准教授のほか、県立大学短期大学部(出雲市)の山下一也教授、仁寿会加藤病院(川本町)の加藤節司院長ら。
川本町を含む県内三カ所で、継続中の食事と認知機能の関連を調べる疫学調査で「魚介類の摂取は認知機能低下の進行を遅らせる可能性がある」との中間結果を得たのを踏まえ、DHA、EPAの効果実証に絞った介入研究に入る。
認知症予防をめぐっては、国内外の研究で、サプリメントによるDHA、EPA摂取と比べ、食事介入による治療、食事療法がより効果的との報告がある。
このため、DHA、EPAを食事から取るのが有効と仮定。被験者には、厚生労働省許可の特定保健用食品で、焼きイワシ一・五尾相当のDHAを含むソーセージを支給。二年間、毎日一、二本食べてもらい、半年ごとに問診と血液検査を実施。記憶や計算などを点数化して調べる認知機能の変化と、血中のDHA、EPA濃度の相関関係から効果を実証する。
代表研究者の橋本准教授は「認知症の予防により、究極的には、超高齢化社会を乗り切る手段として医療費抑制、介護負担軽減につなげたい」と、成果に期待している。
ニッスイ ドラえもんソーセージ。
DHAのサプリってのもあるんですね。サプリメントの存在意義って、普段の食生活で摂取不足に陥りやすいものを摂るためにあるようなもんなんですけれど、DHAを普段どのくらい摂ってるかなんて分かってるんですかね?普通に食事から、食べましょう。
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