福岡県八女市の公立八女総合病院で、危篤状態の患者2人に酸素と誤って二酸化炭素を吸入させ、その後2人が死亡していたことが27日、わかった。
病院は「吸入したのはわずかな時間で、患者の死亡に影響したとは考えていない」としているが、経緯を県警八女署に届け出た。
病院によると、24日午前3時50分ごろ、病気で危篤状態となった高齢患者に緊急手術を行うことになったが、手術室の入り口から手術台までの二十数メートルを運ぶ際、誤って二酸化炭素のボンベを接続したという。この患者は手術中に死亡した。
さらに24日午後6時ごろ、病気で運び込まれた高齢患者を手術台に運んだ際にも、同様に二酸化炭素を吸入させてしまったという。この患者は翌25日朝に死亡した。
病院は「2人は手術を行わなければ数時間以内に死亡することがほぼ確実で、手術中に死亡する可能性も高かった」としている。
九州大病院救命救急センターの橋爪誠センター長は「医療現場で二酸化炭素を体内に注入するのは、内視鏡手術で腹の中にスペースを作るために使うくらい。口から二酸化炭素を入れたとしたら、窒息状態になる」と話している。
まあ病院としては、二酸化炭素との因果関係を否定したいでしょうけれど、明らかにあってはならない医療ミスですからね。死因との関連はないかもしれませんが、やってしまったことが大きな問題なわけで。
誰かも言ってましたけれど、酸素と二酸化炭素のボンベの口の部分の形を変えるとかの工夫をしたほうがいいと思うんですよね。いくら色が違うといっても紛らわしいですし、午前3時の切羽つまった状態だったらそこまで気をまわす余裕もないかもしれませんし。小さな工夫でミスがなくなるなら、やるべきでしょう。