自分の家族が死に瀕している場合、医師の宣告よりも神の奇跡を信じるという米国人が過半数を占めることが、外科医が実施した終末期医療に関する調査で分かった。
調査はコネティカット大学のレンワース・ジェイコブズ教授らが、無作為に抽出した一般の米国人1000人と、医師、看護師などの医療従事者774人を対象に2005年に実施。18日付の医学誌に発表した。
一般の人を対象とした調査では、57・4%が「自分の家族が治療を続けても助かる見込みはないと医師に宣告されたとしても、神の力で助かる可能性はあると信じる」と回答。医師が勧めない治療でも家族が要求する権利はあるとの回答も4分の3に上った。
一方、医療従事者では、神の力で助かる可能性があると答えたのは19.5%にとどまった。
ジェイコブズ教授は、外科医療の進歩によってこれまでは即死だった患者も延命されるようになり、外科医が人の死にかかわる比重が大きくなったと指摘。助かる見込みはないと告げても、神が助けてくれると信じて治療継続を望む家族も多いという。医師はその気持ちを尊重しながら、レントゲンなどの検査結果を示し、奇跡は起こらないと納得してもらわなければならないと同教授は話している。
まぁ、現実的には神様なんていませんからね、と言ってしまうと酷なようですが、終末期医療において、その自分の病状を受け入れるということは大切なことです。
死を否定することはそのプロセスにおいて大切ですが、最終的には悲しみ、そして受け入れることで、自身の限られた命をより有意義に使ってもらうことができます。
奇跡を信じ続けて闘病するか、死を受け入れて残された人生を歩むか。