今の日本では、腸内環境の良し悪しが、健康の質を左右する重要な要素になっていることが一般に知られるようになり、腸内環境を整えるサプリメントが伸びている。特に、乳酸菌を乳や大豆、黒糖などの培地に加え、発酵させてつくる乳酸菌酵母分泌物が注目されている。
一般に知られている通り、乳酸菌の一種で善玉菌のビフィズス菌は、生まれて間もない頃には腸内細菌の90%を占めるほどに豊富に腸内に存在するが、乳児期にはすでに20%程度にまで減少し、青年期では10%から15%に、60歳前後では1%程度にまで減少しているとされる。
乳酸菌は血液をきれいにするだけでなく、発ガン物質などの有害物質を分解・排出したり、ビタミンやホルモン、酵素、抗生物質を作るなど健康維持に大きな役を果たしている。一方で、加齢と共に、腸内では大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌が増加してくる。健康な状態では善玉菌と悪玉菌のバランスが保たれているため、害はないものの、病気に罹ると、そのバランスが崩れ、免疫力が低下し、悪循環に陥ることになる。
このため、乳酸菌製品は根強い人気を保っているが、乳酸菌は私たちの体温や胃酸、肝臓から十二指腸経由で送られてくる胆汁に弱いため、飲んでも腸に到達するまでに99・9%が死んでしまうことがわかっている。
こうしたことから、乳酸菌酵母分泌物が注目されることとなった。乳酸菌酵母分泌物は、乳酸菌の弱点をカバーし、乳酸菌以上の働きをするということが専門家の研究によってわかってきたからだ。乳酸菌酵母分泌物は乳酸菌自身が生産する物質でありながら、胃酸や胆汁にも強く、口から摂取すれば生きたまま腸に到達し、ミネラルの吸収促進やビタミンの生産性調節、コレステロール、脂質、糖の代謝正常化などの働きかけを行う。
漢方医薬新聞社が加齢対策読本(健康編)の中で乳酸菌酵母分泌物の効果についての臨床研究成果を紹介している。それによると、16種の乳酸菌と24種の酵母を共棲培養した乳酸菌酵母分泌物を飲用した結果、糖尿病患者では病院の治療と食事療法と併用することにより、血糖値が改善し、その後も安定している事例や、蛋白質の検査結果も改善されたとしている。
糖尿病患者に併用した乳酸菌酵母分泌物は小牧原液加工食品で、糖尿病の各種指数は大概改善傾向を示した。効果は遅効性で、少なくとも3週間以上の期間が必要と思われた、と研究成果について学会や学会誌で発表している。
あの、ザ・プレミアム・カルピスって、最近ペットボトルで売ってますよね。あれ、乳酸菌飲料ですけれど、ちゃんと「殺菌」って書かれていて。飲む意味あるのかな?ってちょっと思ったりもしたんですけれど
公式サイトのQ&Aに答えが載ってました。
Q10. パッケージに、“乳酸菌飲料(殺菌)”と表示されていますが、殺菌でも乳酸菌の働きはあるの?
答え:
「カルピス」は、できたてのおいしさを保つために、最後に加熱処理をし、密封しています。このとき、乳酸菌自体は死んでしまいますが、乳酸菌がつくりだした乳酸の作用により、おなかの環境を整えたり、発酵によってつくられたカラダによい成分や牛乳の成分が、より消化吸収しやすいカタチになっているという特性には、変わりがありません。
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