運動神経が徐々に壊れ、全身の筋肉を動かすことが出来なくなる難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の患者の細胞を用い、さまざまな細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)を作製することに、米ハーバード大学のケビン・エッガン博士らのチームが成功した。
iPS細胞から正常な運動神経を作ってALS患者に移植する再生医療の実現のほか、病気の原因解明や治療法開発に結びつくと期待される。米科学誌サイエンス(電子版)に1日掲載された。
研究チームは遺伝性のALS患者(82)の皮膚の細胞に、山中伸弥・京都大教授が使った4個の遺伝子を導入してiPS細胞を作製。このiPS細胞から運動神経を作ることにも成功した。
期待は広がりますが、実現にはまだまだ年数を必要とするでしょうね。しかし理論的にはiPS細胞から神経を作ることは可能なので、原因不明の疾患といえど、治る可能性はありそう。(活性酸素を除去するSODの活性が遺伝子の異常で低下するために活性酸素を処理しきれず神経細胞が障害を受けるという説があるようですが)
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