魚類のガマアンコウが鳴き声を出す際の脳の働きが、ヒトなど陸上の脊椎動物とよく似ていることが、コーネル大学などのグループによる研究でわかった。魚とヒトの共通の祖先が、発声のための脳の仕組みをもっていたようだ。これにより、ヒトの発声能力の起源は約4億年前にさかのぼることになるという。18日付の米科学誌サイエンスに発表した。
ガマアンコウは北米の浅い海に住む。求愛行動や縄張りを守るため、浮袋を使って「グエッ、グエッ」「ブーン」などの鳴き声を出す種類がある。
コーネル大のアンドリュー・バス博士らは、ガマアンコウの稚魚に麻酔をかけ、脳の神経細胞を染めて観察した。発声に関係しているのは後脳から脊髄にかけてで、発声器官を動かす神経細胞や、隣接する鳴き声の間隔などを調整する神経細胞の働き方が、鳴き声を出す哺乳類、鳥、カエルなどと、使う器官は違うのによく似ていた。
ガマアンコウなどの浮袋をもつ硬骨魚類と、肺をもつ陸上の四肢動物はどちらも脊椎動物で、約4億年前に祖先の魚から分かれたとされる。このため、発声器官や使う筋肉は種ごとに別々に進化したが、発声をつかさどる脳の機能は分かれる以前からの原始的なものと考えられるという。
こういう研究もあるんですなぁ。うーむ全世界の研究者がどういう実験をしているのか、きっと想像も付かないような研究もあるんでしょうね。アンコウと人間の発声器官について研究するなど、なかなか思いつかんですよ。笑
しかしこういった研究の積み重ねで、生物について深く知ることができるわけですからね。