8月に開催される北京オリンピック(五輪)期間中、米国・英国などの外国選手が大気汚染遮断用マスクを使用する可能性が高まっている。 特に、全世界の数十億人が見守る開幕式で、外国選手がマスクを着用した場合、主催国の中国にとって大きな侮辱になるのは確かだ。
昨年北京で行われたサッカー試合で待機中だった選手らがマスクを着用すると、中国サッカーファンは「中国を侮辱する行動だ」と抗議したという。
米国オリンピック委員会(USOC)は北京の大気中の塵と煤煙から600人の国家代表選手を保護するため、マスクを配ったと、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が21日報じた。 選手団には‘かん口令’が下され、正確な形態・性能はベールに包まれている。 ただ、2年間かけて特別開発されたこのマスクには、炭素フィルターが装着され、カラフルに制作されている、ということだけが伝えられている。
USOC所属の生理学者ウィルバー氏はマスクを公開しないことについて「われわれの戦略や装備は1級秘密」とし「公開すればライバルが真似をするだろう」と述べた。
米国がマスクを準備することになったのは「北京の大気汚染は深刻」と判断したからだ。 昨年11月、米ボクシング選手11人が北京で8キロほど走ったが、その結果5人が気管支炎にかかり、他の3人は医師の治療が必要だったという。
マスクを準備したのは米国だけでない。 英国は先端バルブがついて競技中にも使用できる最新型マスクを用意した。 WSJは「その間、中国人も大気汚染のためにマスクを使っていたが、数十億人が見守る開幕式にマスクが登場するのは完全に別の話」と指摘した。
中国当局はこれに対し、車両運行の制限と汚染工場の閉鎖などで大気汚染は解消され、マスクを使用する必要ない、と主張している。 ジャック・ロゲ国際オリンピック委員会(IOC)委員長も「マスクを使用しても特に効果はないというのが専門家らの意見」と不使用を勧告している。
しかし一部は「屈辱を経験することが中国の環境改善に助けになる」とし、マスクの使用を主張している。 米国のトライアスロン代表選手は「北京五輪に参加する間はマスクを使う計画だが、着用が認められるかどうかは分からない」と語った。
そりゃ中国側からしたら不快に思うかもしれないけれど、世界最高のアスリートたちが集うわけだから…この日のために結果を出そうと最高のコンディションでがんばってきた選手たちが、大気汚染にやられたら、駄目でしょう。
それほどまでにひどい、中国の環境。国家の威厳より選手の体調を優先してこそのオリンピックだと思いますけどね。日本の選手団も一応用意しておくべきでは。
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