2008年07月24日

メタボ向けの運動は、短い時間で激しい運動を。

毎日の運動を考え直す:メタボリックシンドロームには、毎日は行わない高強度運動インターバルトレーニングがもっとも有効

 有酸素インターバルトレーニングを含めた運動療法がメタボリックシンドロームの者にベネフィットがあるらしいという小規模パイロット試験の結果が出た。

 ノルウェーの研究チームが2種類の運動療法の処方を比較したところ、メタボリックシンドロームのリスク因子のほとんどが高強度運動で実際に改善した。たった16週間の運動プログラム終了時には、この処方に割り付けられた患者のほぼ半数が、食事内容はいっさい変化していないにもかかわらず、すっかりメタボリックシンドロームから脱していた。定常的な中強度の運動ではこれほど印象的な成果は得られなかった

回数は少なく、運動は激しく

 筆頭著者であるDr Ulrik Wisl遵kff(ノルウェー科学技術大学)はheartwireに対して、今回の運動処方は週に3回で総時間120分であったことを強調した。

「この試験は、メタボリックシンドロームの者の心血管系に運動強度が及ぼす実際の効果を比較する初めてのものだ」と博士は言う。「この試験に参加した者が行った運動は、それぞれ強度は異なるが1回の運動セッションで消費するエネルギーは同じであった。」

 heartwireの前回の報告にあるように、メタボリックシンドロームの者32例をランダム化して、中強度の連続運動、有酸素インターバルトレーニング、特に推奨する運動なしのいずれかに割り付けた。16週間の試験期間と追跡検査を完了したものは全部で28例だった。中強度運動群の被験者は、インターバル群よりも運動時間を若干長くして、エネルギー消費量は群間で差がないようにした。

 ランダム化プロトコルに従った週3回の運動を16週間行ったところ、2つの運動群の被験者の体重と胴囲は、対照群に比べてだいたい同じ程度に減った。しかしインターバル群の被験者のほうが、内皮機能、血圧降下、インスリン感受性、空腹時血糖値、高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール、ミトコンドリア形成(活動のための燃料を細胞が産生する能力の指標)が大きく改善した

 16週間終了時にメタボリックシンドロームの基準に該当しなくなった者は、インターバル群では46%いたが、中強度運動群では37%だった。対照群の被験者は全員が追跡時もメタボリックシンドロームの基準に合致した。

 著者らは、高強度インターバルトレーニングが一定した中強度運動よりも優れているのは、インターバルトレーニングのほうが高い心拍数を必要とすることに関係があるとしている。インターバル群の患者は、酸素吸収能が35%向上したが、中強度運動群の患者の酸素吸収能は16%しか向上しなかった。

 メタボリックシンドロームの者のほとんどは過去5年から10年以上にわたって日常的な運動をしておらず、現行の運動推奨を順守すること自体が大きな壁であると、博士は考えている。

 「トレーニングを1週間の大半の日に行うのは困難だと多くの人は感じており、こうした人々にとっては現行の推奨はやる気を起こさせるというより、うざったいものでしかない」。

 「我々が伝えたいのは、そうした人々は今回の論文に記載されているインターバル運動の処方を週に2回で10週から14週をぜひ試してほしい、ということだ。皆、すぐに体形がしぼられ、この『医療』で観察される副作用は、今のところ、トレーニング日以外の日も身体を多く動かすようになることしかない。運動強度を運動時間数で代替することは不可能であることを、我々は明らかにした。健康を増進し、既知の心血管系リスク因子を正常化するには、短めで強めのトレーニングセッションが優れた療法であると考えられる。



 なんだ、やっぱりジョギングより卓球のほうがメタボには良かったんですね。

 毎日継続して運動、なんて目標を軽く達成できるような人ならば、そもそもメタボにはなっていないはずですしね。

 そういう人は、週に2、3度でいいので、しかも短い時間でいいので、激しい運動を、どうでしょうか。

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posted by さじ at 21:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 消化
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