交通事故やスポーツ、転倒などの外傷で発症するとされる脳脊髄液減少症について県は15日、診察・治療が可能な病院名を公表した。昨年3月、県に調査・公表を申し入れていた和歌山市のNPO法人、脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表理事は「この病気は経験しないと分からない苦しみがある。対応に感謝したい」と話した。
脳や脊髄を衝撃から守っていると考えられる液が漏れ、脳の位置が下がり、頭痛やめまい、けん怠感などの症状が出るとされる。
県は、この症状に関する研究の報告書がまとまったことなどを受け、県内全92病院を対象に、有効とされる硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ)療法の実施の有無などを調べた。県医務課は「同意を得た病院だけ公表した。体制が整えば、より多くの病院が公表できると思う」としている。
調査結果は次の通り。
【ブラッドパッチ療法ができる病院】
今村病院(和歌山市)
日赤和歌山医療センター(同)
橋本市民病院(橋本市)
国保日高総合病院(御坊市)
【診療可能な病院】
琴の浦リハビリテーションセンター付属病院(和歌山市)
稲穂会病院(紀の川市)
白浜小南病院(白浜町)
マイナーだった疾患が広く世に伝わるのは良いことだと思います。特に脳脊髄液減少症のような、今まで病態が分かっていなかった疾患を診ることのできる病院がわかれば、その病気で苦しんでいる人も大いに助かることでしょう。
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