2008年07月12日

牛にホルモン剤を投与すると地球温暖化を防止できる。

乳牛への成長ホルモン投与で温室効果ガス削減?米研究

 100万頭の乳牛に乳量を増加させる成長ホルモンを投与すると、自動車40万台分に相当する温室効果ガス削減が可能とする米研究チームの研究が、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)6月30日号に発表された。

 ニューヨーク(New York)のコーネル大学(Cornell University)のジュディス・キャッパー(Judith Capper)氏らの研究チームは、乳牛への遺伝子組み替えウシ成長ホルモン(rbST)の投与が温暖化防止につながると主張している。

 キャッパー氏は、大規模な牛乳生産には、広大な土地に加え、水や飼料も大量に必要であることを指摘。rbSTを使用すると生産者は需要を満たす量の牛乳を生産しながら、温室効果ガスを削減することができるとしている。

 しかし、rbSTの使用に反対する意見も根強い。欧州連合(EU)は乳牛の健康への懸念からrbSTの使用を禁止しているし、rbSTは伝統的な小規模農家が生産する農産物価格を下げる大手企業の権益の象徴とみなされることもある。

  研究チームでは、100万頭の乳牛にrbST を投与すると、15万7000頭少ない乳牛で同じ量の牛乳が生産でき、乳牛の飼料もトウモロコシが49万1000トン、大豆が15万8000トン、飼料全体で最大230万トンの削減できるとしている。また、酪農に使う土地を最大で21万9000ヘクタール減らすことができ、土壌流出を年間で最大230万トン減らせるとしている。

 国連(UN)の食糧農業機関(Food and Agriculture Organization、FAO)が2006年にまとめた報告書によると、人間活動に起因するメタンガス(CO2以上に地球温暖化を促進する)の37%がウシの飼育によって排出されたもので、その大半が家畜の消化に伴って発生したものだという。また、人間活動に起因するアンモニア(酸性雨の原因となる)については64%がウシの飼育によって発生しているという。

 FAOのこの報告書は、ウシの飼育に起因するCO2は、人間活動に起因するCO2全体の9%を占め、世界全体では自動車が排出する量を上回るだけでなく、SO2などのCO2よりも有害な温室効果ガスも排出しているとしている。



 牛の反芻(物を噛んで第一の胃に入れ、一度戻し、更に噛んで飲み込んで第二の胃に送り・・・というのを繰り返して草を消化していくこと)の際に出るゲップが、実はかなりの勢いで温暖化をまねいているという報告を10年以上前にみたことがあります。

 しかし、だからといって牛にホルモン剤を使う、というのはどうにもね。エサだけでも結構ナイーブになりつつあるのに、そこにホルモン剤を使うとなると。あんまり食べたくないですし飲みたくないですね。もはや酪農の域を超えてしまうような。

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posted by さじ at 00:01 | Comment(1) | TrackBack(0) | 内分
この記事へのコメント
日本人はすでに牛成長ホルモン剤を生まれたときから注射した牛肉をとっくに食べていますよ。
どこで食べたって「吉野家の牛丼」だよ、、、、
吉野家はアメリカ牛にナゼか!こだわり100%アメリカ産牛肉を使用しています。

吉野家の牛丼には「ホルモン剤使用」とは書かれていませんがね?!
Posted by 吉野家 at 2008年12月09日 18:00
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