そうめんや冷ややっこなどの夏の薬味として親しまれているショウガ。その辛み成分には食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があることが、近畿中国四国農業研究センターの研究で明らかになりつつある。動物実験の段階で人での効果は未確認だが、糖尿病予防につながると期待される。
マウスの体重1キロあたり50mgのショウガ抽出物を19日間投与。その後、体重1キロあたり2グラムのグルコース(ブドウ糖)を与えて60分後の血糖値を調べたところ、平均上昇値は147.3mg/dlで、ショウガ抽出物を投与しなかった対照群の平均228.4mg/dlより低かった。
血糖値上昇が抑制されるのは、ショウガの辛み成分「6−ジンゲロール」が、血液中のグルコースを取り込む「脂肪細胞」を増やすためだ。脂肪細胞に分化する前のマウス由来の「前駆脂肪細胞」に6−ジンゲロールを加えると、6−ジンゲロールの濃度が高いほど脂肪細胞への分化が進んだ。濃度100μMのときの脂肪細胞分化は、6−ジンゲロールを加えない場合の4倍以上になった。
同センターの関谷敬三・特産作物機能性グループ長は「6−ジンゲロールは、眠っている前駆脂肪細胞を目覚めさせて分化を促進し、小型の脂肪細胞を増やす。1つの脂肪細胞がインスリンに反応しやすくなり、グルコースを多く取り込むことも確認できた」と話す。人でも同様の効能が明らかになれば、糖尿病の予防や治療に新しい道をひらくことになりそうだ。
インスリンの感受性を上げるということかな、要するに。だとするとかなりナイスな発見ですわな。
生姜って、小さい子は嫌いでしょうけれど、大人になってくると、欠かせない食材になってきますよね。あの生姜の用途の広さには感服させられます。
糖尿病となるとどうしても食に広がりがなくなってしまいがちですが、そこでひとつ生姜を用いた食事、なんてのはいかが。
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現在、インスリン注射を約5年継続しており、経験的に私自身には生姜が体内にインスリンを取り込むのに有効に働く(インスリンの感受性を高める)のを実感しております。
多くの糖尿病患者の前にインスリン抵抗性は克服しなければならない課題として立ち塞がっています。
多くの糖尿病患者の為にも、今後、近畿中国四国農業研究センターの研究成果を期待しております。
菅原敏治