梅雨で体調を崩しやすいこの季節、咳や微熱が長引くようなら要注意。てっきり夏風邪とばかり思っていたら、アレルギー性の肺炎に罹っているケースがあるからだ。
とくに高温多湿が続く秋ぐらいまでは、繁殖したカビの胞子を吸い込むことで発症する夏型過敏性肺炎の可能性がある。
やっかいなのは症状が、チェックリストの(1)(4)のように、専門医でないと風邪とまったく見分けがつかないこと。しかもカビが繁殖する夏季を過ぎれば自然と症状が消えてしまうため、知らずに毎年繰り返していている人も多い。数年も続くと、体質によっては肺胞が固く縮んで呼吸困難を引き起こす肺線維症を招く恐れがあるのだ。
主な原因となる「トリコスポロン」というカビは、風呂場や脱衣所の腐った木枠、台所の水漏れ個所、洗濯機の付近など、自宅の水回りに発生していることが多い。そのため、「家に帰ると症状が重くなる、家から離れれば軽くなるという居場所によって症状の程度が変化するのが大きな特徴」(谷本内科クリニック・谷本普一院長)。
一番の治療法は原因のカビの根絶。除菌剤でふき取ったり、表面を覆うだけでは効果がないので、発生源をつきとめたら腐木を取り除き、徹底した修繕やリフォームが必要だ。
★「夏型過敏性肺炎」チェックリスト
(1)ひどくはないが咳が出る
(2)息苦しさがある
(3)微熱が2週間以上続いている
(4)漠然とした風邪症状がある
(5)旅行や出張へ出かけると治る
(6)会社から家へ帰ると調子が悪い
(7)週末自宅で過ごすと症状が重くなる
(8)毎年6〜10月に限って症状がでる
「すべて該当すれば疑いが強いので、呼吸器科の専門医に診てもらおう」
キました。梅雨の季節、じめりじめりとして、カビが繁殖するにはもってこいの環境。カビが出るということは当然、人体に悪影響を与えているということです。
夏型過敏性肺臓炎は、有機粉塵の吸入により感作され発症する間質性肺炎です。夏型過敏性肺炎は免疫複合体が沈着することで起こるV型アレルギーと、細胞性免疫であるW型アレルギーが関与すると考えられています。
中年女性に多く、関東から西日本の太平洋沿岸に多いそうです。古い木造家屋で、湿気が多く日当たりが悪い状態で多い、要するにカビが繁殖しやすい環境で暮らす人の多い病気です。
農家の堆肥でカビが繁殖することで起こったり、キノコの胞子によって引き起こされる「農夫肺」も有名です。
原因を除去しないとずっと症状を引きずりますので、まずは病院へ行って検査してみて下さい。