JST(理事長 北澤 宏一)はこのほど、独創的シーズ展開事業・委託開発の開発課題「統合失調症の検査キット」の開発結果を成功と認定しました。
本新技術は、新潟大学教授 那波 宏之の研究成果をもとに、DNAマイクロアレイを用いて患者の血液から抽出した遺伝子を測定し、分類予測モデルで発現量の変動を解析することによって統合失調症の診断をサポートする手法です。統合失調症の治療では早期治療が重要とされていますが、生物学的マーカーを用いた客観的な検査法がないため、早期診断を支援する方法が望まれていました。
本開発では、DNAマイクロアレイを用いた約5万5000遺伝子の分析結果から統合失調症に関連して変動する10種類程度の遺伝子を抽出し、分類予測に優れたニューラルネットワークというアルゴリズムを活用した分類予測モデルを構築しました。
専門医による統合失調症の早期診断を支援する技術として活用され、早期治療の実現によって患者の重症化回避や治癒率向上に貢献することが期待されます。
統合失調症は行動や言動がおかしくなってくることで、他の人が見て病院に連れていこうと思うものです。早期の統合失調症だったら、特徴的な幻覚や妄想は出現しないこともあり、統合失調症なのか他の疾患なのか分からないこともしばしば。そういうときにこのキットを使えば診断できる、ということですかねぇ。なんかこれで決め付けてしまうのも怖い気もしますが。
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