ビタミンDが欠乏すると、特に心臓血管系疾患による死亡リスクが高まる。オーストリアのグラーツ医科大学(Medical University of Graz)がこのような研究結果を23日発行の医学誌に発表した。
米国医学会(American Medical Association)の機関誌「Archives of Internal Medicine」によると、研究チームは、同大の病院に1997-2000年に来院した患者3258人(平均年齢62歳)のビタミンD値を測定し、7.7年間にわたり追跡調査した。
この期間に737人が死亡したが、その内訳はビタミンD値が最も低いグループでは307人で、ビタミンD値が最も高いグループの103人を2倍以上上回った。なかでも、ビタミンDの欠乏と心臓血管系疾患による死亡には強い相関が認められた。死者数の62.8%にあたる463人が心臓血管系疾患によるものだったのだ。
ビタミンDが人間の免疫系に重要な役割を果たすことは、数々の研究で示されている。米ハーバード大学(Harvard University)は6月初め、ビタミンD値が低い人では心臓発作を起こす確率が高くなるとの研究結果を発表している。ビタミンDの欠乏が糖尿病、肥満、高血圧のリスクを高めるという研究も発表されている。
同機関誌によると、世界の高齢者人口の50%以上でビタミンDが欠乏しており、若年層でも同じような傾向が見られる。ビタミンDの欠乏は、屋外活動の減少や加齢、大気汚染が原因に挙げられる。
ビタミンDは、紫外線に当たることで体内に生産される。太陽に1日あたり10-15分当たるだけで充分という。ビタミンDを含有する食品には、魚、牛のレバー、卵黄などがある。マグロ缶85グラムには200 IUのビタミンDが含まれているという。(c)AFP
現代人の食生活はビタミンが不足しがちですからねぇ。
ビタミンDは脂溶性ビタミンといって、水溶性ビタミンと違って沢山摂取しても尿に出ていくようなものではないので、過剰に摂取すると「ビタミンD過剰症」として、要するに高カルシウム血症や尿路結石になってしまうんです。
ですからサプリとかで無計画に飲み続けると危険です。毎日必要な分だけを、食事で摂取する習慣をつけましょう。
【ビタミンD欠乏症】
日照不足や過度な紫外線対策、肝障害、腎障害によりビタミンD3が不足して、くる病、骨軟化症が引き起こされることがある。
【ビタミンD過剰症】
高カルシウム血症、肝機能障害、腎臓障害、多飲・多尿、尿路結石、尿毒症、高血圧、易刺激性(不機嫌)、腹痛、発熱、発疹、かゆみ、吐き気または嘔吐、食欲不振、便秘、虚弱、疲労感、睡眠障害、歩行困難、体重減少、貧血、脱毛、けいれん、昏睡など
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