鳥取大学(能勢隆之学長)は二十三日までに、鳥大大学院医学系研究科機能再生医科学専攻の押村光雄教授らによるヒト胚性幹細胞(ES細胞)を利用したダウン症候群の治療研究計画を承認した。
ES細胞の染色体改変にまで踏み込んだ点で注目され、ダウン症で起こる不整脈やアルツハイマー病の治療につながると期待される。
ダウン症などトリソミー症候群の患者は、通常は一対二本の染色体が一部で一対三本になっており、発達障害や循環器系の異常などが起こる。
計画では、ヒト二十一番染色体を導入したダウン症のモデルES細胞を作製。この細胞から心筋、神経、血液細胞などに分化を誘導し、不整脈やアルツハイマー病の治療法、医薬開発に役立てる。
ES細胞はあらゆる細胞に分化することができるため、再生医療への応用が期待されているが、今回の計画ではこれまでに確立した染色体導入技術を活用する。
押村教授は「新しい切り口の研究。一般の不整脈などの治療薬開発につながる可能性もある」と話している。
治療にES細胞を使うのではなく、各臓器別の細胞群に分化させて、どのように異常が出現するのかを見ようというものですかね。
実際の人の心筋細胞や神経細胞など、なかなか得られるものではありません。研究対象として遺伝子操作でダウン症の細胞を作れるのであれば、誰にも侵襲性がなくて研究も活性化するでしょう。
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