点滴治療で多数の患者が体調を崩し、うち1人が死亡するという問題を起こした、三重県伊賀市上野車坂町の診療所「谷本整形」に12日、県警の家宅捜索という捜査のメスが入った。問題発覚から3日目のこの日も、同診療所には大勢のマスコミが詰めかけ、あわただしい雰囲気に包まれた。
県警の家宅捜索は正午過ぎに始まった。診療所の外に車を止めた捜査員約15人が、報道陣の前をゆっくりと歩いて玄関から診療所内へ。その後、捜査員が出入りするものの、診療所の中での捜索の様子はカーテンでさえぎられわからない。
捜索を終えて捜査員が出てきたのは、約4時間後の午後4時15分。押収資料の詰まった段ボール箱を抱えて1列になって出てくる捜査員に向け、再びカメラの放列から無数のシャッター音が響いた。これらの様子を、近所の住民たちが遠目に眺めていた。
その直後、谷本広道院長(57)が報道陣の前に姿を現し、点滴によって発病(うち1人死亡)した患者らに対して「すべて院長の私の責任」と謝罪しながら「世間に迷惑をかけた」と頭を下げた。ヒゲをたくわえた谷本院長の表情は終始神妙で、ときおり声を詰まらせて、今回だけでなく以前から点滴を作り置きしていたことを認めた。
一方で、「一部の報道で“もうけ主義”と伝えられたが、私の家には風呂がない。どうしてこんな開業医が、もうけ主義に走らねばならないのか」と報道を批判するひと幕も。また、家宅捜索を受けたことについて、「私自身、腹をくくっている。若い職員がこれを教訓にして、強く生きてほしい」と語った。
もうけ主義と、「谷本氏の家に風呂がない」のは関係ないのでは?と私の周囲でも笑い話のように話されていました。
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点滴した外来患者13人が入院、1人が死亡する。