2008年06月22日

慢性疲労症候群の特徴について

慢性疲労症候群 体と心のバランス崩れ重症化

 「疲れ」は体の危険信号−。異常に長引く疲れをほっておくと、「慢性疲労症候群(CFS)」に陥る。長年、「疲労回復外来」を行ってきた東京都多摩北部医療センターの高橋孝・内科部長に聞いた。

 −−どんな病気なのか

 「およそ20年前から明らかになってきた病気。休みを取っても回復せず生活を著しく損なう疲れが6カ月以上続くと病気の可能性が高い。うつ症状との鑑別が難しいが、身体と心の両方のバランスが崩れて重症化する。厚生労働省の設定した基準もあり、他の原因が見当たらずに微熱やのどの痛み、筋肉痛、物忘れ・集中力低下などの自覚症状、および身体所見では、リンパ腺の腫れがなかなか引かないのが特徴だ

 −−その発症機序は

 「疲れがたまると、まず体の抵抗力(免疫系)が弱りリンパ系の異常をきたす。それが修復できないと今度は脳(神経系)に影響してくる。慢性的に脳にもストレスがかかり、ホルモン分泌もおかしくなる。そういう3つの相互作用から常に脳が“心の疲れ”を感じ内臓系にも影響する」

 −−疲労外来の経験では

 「中等・重症の方がほとんど。どこの病院でも異常なしといわれてドクターショッピングを重ねることになる。厚生労働省のアンケート調査では、3人中1人は6カ月以上の慢性疲労を訴えているという結果が出ているが、CFSはまだよく知られていない。好発年齢は、高齢者よりも若い人(15〜34歳)で仕事を休職するケースも多い。今後、進む一方のストレス社会では患者も増加するのでは。実は朝起きられず不登校になってしまった子供をよく調べたらCFSだったというケースもある」

 −−病気の原因は?

 「ちょっとした感染症が最初のきっかけだが、リンパ腺が何かの刺激を受け、普通はリンパ腺がが腫れても治療ですぐに引いてくるものだが、いつまでも腫れが引かない。前述のごとく免疫系・中枢神経系・ホルモン系の3つのバランスが大きく崩れて元に戻らなくなってしまったと考えられる」

 −−感染症というのは

 「ブルセラ菌という人と家畜共通の感染症があってよく似た症状を呈する。この研究は今でも進められているが、例えば、インフルエンザや溶連菌などの細菌も原因となることが知られている」

 −−回復、治療には

 「2年間病気だった人は、回復するのに2年かかる。メンタルな症状の強い人には、心理療法やカウンセリングを施し、運動療法や気力を高める漢方薬を勧める。それと予防もかねて、早寝早起き、3食しっかりとる食生活、日光浴など人の体内時計に合わせた自然な生活のリズムを取り戻すことが肝心。体の元気のもとであるペプチドや、疲労回復のマウス実験でも効果が明らかになったビール酵母エキスなどの健康食品も役立つ」



 今のところ病態機序がよくわかっていないだけで、実際には確実に何か起こっているんでしょうねぇ。ただ、うつ病との違いや、病気と定義してよいのかどうかといった点で、日本全国どこでも診断できるかというと、難しいでしょうねぇ。定義そのものも把握できている人は少ないと思いますし。

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医学処:原因不明の激しい疲労が続く「慢性疲労症候群」を理解しよう。
医学処:朝食を食べないと、低体温や疲労感など体調低下の原因になる。


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posted by さじ at 00:35 | Comment(1) | TrackBack(0) | 内分
この記事へのコメント
慢性疲労症候群を東大病院も慶応病院も認めてないと聞きました。不登校児の何割かは慢性疲労症候群かも知れません。どういう考えで認めないのでしょうか。
Posted by ラッシー at 2008年06月27日 13:48
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