2008年06月19日

医学部の定員を増加させる方針へ転換するのが遅すぎる。

医学部の定員増へ、医師不足解消目指す…厚労省方針

 深刻化する医師不足の解消に向け、厚生労働省は、これまで四半世紀にわたり抑制してきた医師養成数を増加に転じさせる方針を固めた。

 今後10年程度の医師不足対策を示す「安心と希望の医療確保ビジョン」に盛り込み、近く発表する。

 大学医学部の総定員は現在、ピーク時(約8300人)の9割強の約7600人(暫定措置を含めると約7800人)。同省は、関係省庁との調整で、ピーク時まで戻すことについてはおおむね同意を得ており、今後、さらに上積みする可能性を模索する。

 ビジョンでは当初、増員の数値目標を掲げる方針だったが、80年代のピーク時の8300人でも不十分との見方もあるほか、財源問題の調整も残るため、今回は数値の明記は見送った。

 ビジョンには、2004年度に導入された新臨床研修制度の見直しも盛り込む。新制度は、新人医師が原則として自由に研修先を選べるため、都市部に医師が集中するなどの混乱が生じたとされる。



医師養成数、増加へ転換 医療危機受け厚労省方針

 医師不足問題を受けて将来の医療のあり方を検討していた厚生労働省は18日、「安心と希望の医療確保ビジョン」をまとめた。82年以降初めて、医師総数が不足しているとの見解をとり、医師養成数の抑制方針を転換。中長期的に医師を増やす方針を打ち出した。看護師など他職種との連携強化、救急医療の充実なども盛り込んだ。

 1月に検討会を設置した舛添厚労相はこの日、「これからの新しい医療体制の構築に向け、一つの方向付けができると確信している」と述べた。

 医学部定員は、84年の8280人をピークに89年に8千人を割り、07年は7625人(文部科学省調べ)。減少は、養成数抑制の方針を打ち出した82年の閣議決定のため。97年の閣議決定でも維持された。国は06年以降、「地元枠」などとして一部で定員を増やす緊急対策をとったが、「地域、診療科ごとの偏在や不足」との立場。将来は医師が過剰になるという推計を根拠に、恒久的な医師総数の増加には消極的だった。

 ビジョンでは「総数が不足しているとの認識の下で、対策を行う必要がある」とこれまでの姿勢を修正。抑制策をやめ、「医師養成数を増加させる」とした。具体的な人数は今後議論する。

 ただ、医師が一人前になるには入学から約10年は必要。当面の策として、看護師や助産師、薬剤師ら関係職種との役割分担を進める▽過重勤務せずに、子育てをしながら働ける労働環境を整備する▽診療科別の医師数を適正にする方策を検討する――などとした。

 また、地域内の医師数には限りがあるため、病院ごとに得意分野に集中して治療分担する必要があるとした。例えば重症患者の搬送先探しが問題となっている救急分野では、受け入れ調整役となる「管制塔病院」を整備。症状に応じて地域内の病院に振り分ける役割をもたせる。

 さらに、患者側の意識転換の必要性にも触れ、軽い症状で夜間休日に受診することが病院の負担を増している、と指摘。時間外受診の減少には、急な症状について診療必要度を相談できる電話相談窓口などの拡充が必要とした。



 普通こういうことって、あらかじめ予測して動くものじゃないんですかね?そのための国家公務員なんだと思いますけれど。医師不足だと昔から言われ続けてきたにもかかわらず「医者は飽和状態」とか訳のわからないことを言われ続けてきました。

 で、コレだ。正直今更感があります。今増やしても、この効果が出てくるのは何十年後のことなんでしょうか。

 あと、科ごとに確実に入れたいのならば、選択性ではなくて、「定員制度」を設ければ良いのではないでしょうか。

 1医局に新規で入れる人数を2人ぐらいにすれば、医学部の定員を増加したときに懸念される「眼科や皮膚科が増えるだけ」という状況を確実に抑えることができます。

 そして、希望の医局にいけるかどうかは、在学時の成績または国家試験の成績や研修後に何らかの形で評価して、優秀順でどうでしょう。

 全体のレベルアップと共に、確実な入局が可能になる、と。要するに昔に戻すわけですが。医師たるもの社会の状況も考慮して、社会に還元していかなければいけない職ですので、それくらいの規制は構わないと思いますけどね。

 興味のある科に行くのはいいんですけど、「楽したい」とかそういう理由で科を選んでしまうと、どうしても偏りが生じてしまいますからね。研修医の「やる気」を信じるのか、それとも現実を重視するのか、といった問題です。
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posted by さじ at 01:39 | Comment(1) | TrackBack(0) | 大学
この記事へのコメント
入局のはなしは、面白いと面白いと思いますが、、、
でも、優秀でない生徒ばかりを、産婦人科とか救急とか、小児科に送るのは、危険な気がしますが…
Posted by 都内私立医大生 at 2008年06月19日 19:00
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