2008年06月16日

富士市立中央病院の産科に数年勤めれば開業時に1億の助成。

産科開業時に1億助成 富士市 市立病院勤務が条件

 富士市立中央病院産婦人科の派遣医引き揚げ方針を受け、医師確保に奔走する同市は13日までに、医師誘致の基盤整備の一環として、同病院の産婦人科に一定期間勤務した医師が市内に分娩取り扱い医院を開設する場合に、最高1億円を助成する制度を設ける構想を固めた。

 勤務医の確保で富士地域の産科拠点の維持を図るとともに、中期的に通常分娩を担う開業医を増やし、地域の産科医療体制の拡充を目指すのが狙い。市は関係者の理解を得ながら、16日開会の6月議会で条例案を提出するとみられる。

 制度は県内初。全国では補助規定などで制度を設ける先行例はあるが、条例化はまれ。

 制度は同病院産婦人科の勤務期間が2年以上から5年以上の医師を対象に、分娩を扱う医療機関を独立・開業する場合に、勤務期間に応じて1億―7000万円を開設資金として助成する。5年の時限条例を構想している。

 市は、医師派遣元の東京慈恵会医科大に医師確保の協力要請を続けるとともに、市出身者などつてをたどって医師誘致に飛び回っている。現在の産婦人科部長はハイリスクや救急対応が継続できる現行4人体制の維持を条件に残留意思を示しているが、残る3人の確保はめどが立っていない。

 市は医師の確保活動の中で、病院内の環境整備とともに、独立・開業に至る将来への環境を整えることが勤務地選択の材料になりえると判断。病院産科医の分娩手当の新設に追加して、助成制度を構想したとみられる。

 人口24万人の同市で、分娩を扱う開業医は現在3院。病院産婦人科の閉鎖危機は、通常お産にも大きな影響が懸念されている。開業医の高齢化が進めば、分娩取り扱い機関がさらに減少する恐れもあり、開業医院の確保も望まれている。市の構想では、病院勤務を経ずに市内に分娩取り扱い医院を開業する場合にも、5000万円程度の助成制度を盛り込む方針。



 なかなかいい案・・・ですけど市側の負担もなかなかですね。それでも背に腹は変えられないというところなのでしょう・・・。無理解な国や役人、そして訳のわからない文句をつける一般人が招いた種が、こういうところで芽を出し、結果的に末端が苦しむわけです。

 しかし果たしてこの案を提示されて来る産婦人科医がいるのかどうか。そういうレベルで、不足しているんですよね、実際。

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posted by さじ at 22:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生殖
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