2008年06月10日

てんかんやパーキンソン病の頭部保護具をオシャレに。

我が子に考案 愛の頭部保護帽

 軽くて快適、母心のアイデア――。知的障害を持ち、自傷行為が激しかった息子のため、金沢市の主婦甚田ノブ子さん(68)が考案した頭部保護帽「としちゃんCAP」が好評だ。パーキンソン病など歩行困難で転びやすい患者に広まり、甚田さんは私財を投じて製造販売を始めた。まだ知名度は低いが「息子への愛情を形にした帽子。役に立てるよう息長く続けたい」と意気込む。

 甚田さんの長男、俊夫さん(45)の名にちなんだ保護帽「としちゃんCAP」はパイル織りの綿を使い、丈夫で通気性が良く、何度も洗えるのが特長。刺繍やアップリケで飾ったり、上からバンダナなどを巻いて、既製のヘッドギアやヘルメットよりおしゃれも楽しめる

 俊夫さんが柱に頭をぶつけるなど自傷行為を繰り返していた10歳の頃、革の保護帽が汗で蒸れているのが切なく、「何とかしたい」と思い立った。手ぬぐいなどを試した末に、軽さと耐久性を併せ持つ素材にたどり着いた。

 俊夫さんの自傷行為は帽子を変えて半年ほどで収まり、それから約30年、帽子のことは忘れていた。4年前、交通事故で入院した甚田さんは、足が思うように動かず何度も転ぶパーキンソン病患者の男性を見かけて、再び胸がうずいた。

 「何とかしてあげたい」。帽子を思い出し、同じものを作ってプレゼントすると「安心して歩ける」と感謝された。その後「パーキンソン病の妹が転んで救急車で運ばれた」という知人にも贈ったところ、「同じ悩みの人が入手しやすいようにして」と励まされ、市販化を決意した。

 約180個を用意して、昨年8月に販売を始めた。実用新案登録の費用と合わせ、経費約150万円は蓄えから持ち出した。昨秋、県バリアフリー社会推進賞と県発明くふう展で奨励賞を得たが、売れ行きは「月に1〜2個」。採算ラインには遠いが、俊夫さんと歩んだ人生が詰まった帽子への思いは深い。

 「としちゃんを授かって人の悩みや痛みが分かるようになり、優しくなれた。お金より人助け。世話を焼くのが好きなんです」

 冷え性や腰痛持ちの人のためにと、帽子の素材を応用したベルトは半年で約90個売れた。「愛情があればアイデアがわいてくる」。甚田さんの意欲はつきない。

 帽子は1個5775円と、保護機能などを強化した7120円の2種。問い合わせは甚田さん(076・298・2603)まで。



 確かに、疾患で転びやすい人には今まではヘッドギアなんかをつけていましたけれど、あからさまに無骨で。たとえマイノリティとはいえど、着けていても他人に奇異の目でみられないような頭部保護具は、その人の生活の質を向上させると思います。

 補聴器や車イスなども、今ではおしゃれなものを使える時代です。頭部を保護しなければいけないような人って、パーキンソン病だけでなく、例えば「てんかん」などもそうですよね。彼らのためにも「としちゃんCAP」、メジャーに認知されるようになってほしいです。ネーミングさえもう少しシンプルにヒネればもっと売れてもいい商品だと思います。

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posted by さじ at 21:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護
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