2013年04月01日

結婚すると心筋梗塞・狭心症の発症リスクが下がる。

結婚が心臓病から男女を救う―フィンランド研究

 結婚は、本当に「人生の墓場」なのか。そんな疑問を抱かせるような研究結果が、1月30日発行の欧州医学誌「European Journal of Preventive Cardiology」(電子版)に発表された。報告したフィンランド・トゥルク大学病院のAino Lammintausta氏らによると、フィンランドに住む35歳以上の男女のデータを検討した結果、未婚者に比べて既婚者では急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)の発症リスクが低かったという。特に既婚女性ではより低リスクだったようだ。

 Lammintausta氏らは、フィンランドに住む35歳以上の男女を対象に急性冠症候群の発症を追跡したデータベースから、1993〜2002年の登録者23万3,000人を解析。10年間で1万5,330人(男性8,137人、女性7,193人)が同症候群を発症しており、発症から28日以内の死亡は7,703人だった。

 その結果、既婚者に比べた急性冠症候群リスクは、未婚の男性で1.58〜1.66倍、未婚の女性では1.60〜1.65倍で、28日以内の死亡はそれぞれ1.60〜2.68倍、1.71〜2.75倍高かった。35〜64歳の男性における28日以内の死亡率は、既婚者が26%、離婚者が42%、未婚者でが51%。同年齢の女性では、既婚者が20%、離婚者が32%、未婚者が43%で、いずれも未婚者で高い死亡率が認められた。これは、65〜74歳と75〜99歳の年齢層でも同じ結果だったという。

 では、なぜ既婚者では急性冠症候群にかかる割合が低かったのか。Lammintausta氏らはその理由として、健康状態が良くない単身者を除外し切れなかったこと、家族と同居している場合、発症後すぐに対応できること、再発を予防する薬をきちんと服用していることなどを挙げている。



 なんだ、結婚すると愛情パワーでストレスが減るとかそういう話ではなかったのか。考察が現実的すぎて面白い。

 まあ結婚したほうがストレスが溜まって心臓病のリスクが上がる、というわけではないことを証明しただけでも価値があるというもの(男にとっては)。
posted by さじ at 01:19 | Comment(0) | 循環

緑内障の進行をMRIを用いて予測する新手法を開発する

緑内障 進行予測に新手法 MRI使い高精度 

 緑内障を発症したサルの視神経を磁気共鳴画像装置(MRI)で観察し、進行を高精度で予測する新手法を、岐阜薬科大(岐阜市)と理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市)の研究チームが開発した。

 緑内障は日本の失明原因の1位。眼圧が適正以上に強くなることが原因で、自覚症状としては少しずつ視野が欠けてくる。しかし症状には個体差があり、眼圧だけでは症状悪化の速さが予測できなかった。

 研究チームは、カニクイザル5匹を使って実験。神経線維を画像化できる特殊なMRIを使い、緑内障のサルの脳内を撮影したところ、視神経線維の欠損と眼圧の高さに相関関係があることが判明。予測通りの速さで5匹の症状が悪化した。

 人体に応用できれば、視野が欠ける前に病気の発見が可能になる。治療の効果計測が容易になり、新薬や治療法の開発が期待できるという。

 研究の中心となった岐阜薬科大の嶋沢雅光准教授(46)は「新しい治療の道を開く画期的な研究だと思う。早期の臨床応用を目指していきたい」と話した。



 眼科領域の画像化も飛躍的に進歩している分野の1つですね。一度失った視野は戻らないのが現代の緑内障の特徴なので、こういった予防を、眼圧だけでなく画像を用いて臨床で扱うことが出来れば、病状をコントロールする良い指標になるのでしょう。
posted by さじ at 01:15 | Comment(0) | 眼科

体毛をなでると快感を感じるのはMRGPRB4ニューロンの活性化による

体毛を撫でられると快感を感じるニューロンを発見:研究結果

 デイヴィッド・アンダーソン率いるパサデナのカリフォルニア工科大学の科学者たちは、この実験のために開発したある特殊なブラシを利用して、マウスの体毛を撫でた。そして、脳機能イメージング技術で実験動物の脳を観察することによって、この刺激がミエリンを欠く一群のニューロンを活性化させることを発見した。これらのニューロンは、体毛で覆われた体の部位のみに神経を延ばしており、MRGPRB4と呼ばれるタンパク質を発現している。研究者たちは、これとは異なる別の種類のニューロンが、肌をつねる刺激に対応していることも発見した。

 科学者たちによればこの行動実験は、MRGPRB4ニューロンの活性化が、マウスに抗不安効果をもたらし、報酬系、つまり快感と関係する感覚を促進することを示唆している。このことを理解するために、研究者たちはブラシで刺激を受けているマウスに、いわゆるCPP(Conditioned Place Preference:場所嗜好性)試験を行った。特別な刺激や体験に起因する動機づけ効果を、対照用のニュートラルな状況での動機づけ効果と比較しながら測定する実験だ。

 研究者たちの結論は、おそらくマウスやほかの多くの種の動物に見られる互いに体毛をつくろい合う習慣は、まさにMRGPRB4ニューロンによって活性化される報酬系と関係しているというものだ。「同じことが人間にも起こると決めつけるにはまだ早過ぎます。わたしたちの次の実験は、人類もマウスで観察されたのと同じようなニューロンをもっているかを調べるのに役立つでしょう」と、アンダーソンは結んでいる。



 特に女性の場合、頭をなでられると居心地が良いと感じるのでしょうか。

 高校生の頃、友人の男子がクラスメイトの女子の頭をなではじめたことがありました。付き合ってもいないし、皆のいる教室で。臆する事無くMRGPRB4ニューロンを活性化させた男子に敬意を抱き、一方で拒否するでもなくその行為を受け入れている女子に驚きを禁じ得ませんでしたが、あれもMRGPRB4ニューロンの抗不安作用によるものだったのでしょうか。

 異性間で皮膚に触れるか触れないかのあたりで撫でると心地よい(らしい)のも、除毛してもうぶ毛をなでることでMRGPRB4ニューロンを活性化させているからなんでしょうか。興味は尽きませんが、そのあたりの考察はプレイボーイに任せたいと思います。
posted by さじ at 01:12 | Comment(0) | 皮膚