お待たせいたしました。
第107回医師国家試験学校別ランキング 総計編はこちらから
第107回医師国家試験 学校別ランキング 総計編 毎年恒例のこの企画ですが、毎年のようにコメントで叩かれる側面もあります。
大学別で何の意味があるのか、と。つまり「受験のときの大学の偏差値づけに何の意味があるの」と言っておられるのと同じわけですよね。それはその通りだと思います。が、やはり偏差値の高い大学に入学させている高校は、勉強もすれば情報処理能力も総合的に高いわけで、一側面での評価はできるわけです。
大学別で評価することで、医師になる前段階の、医学生としてどれだけ勉強したか、それを大学としてどのように教育したか、大学がどれだけ医学に対してのモチベーションを向上させたか、というものをある程度予測することができます。
医師国家試験は、数多くの問題があり、それを解くには医学全般の知識が必要で、それも座学で得られるものだけでなく、近年は臨床的な知識や医学に興味をもって接しないと解けないものも増えてきています。
この試験に落ちるということは、情報処理能力が低い?いいえ、そういうことではないはずです、少なくとも医学部の受験を乗り越えているわけですから。では何がいけないのか、医学を本当に勉強していたか、つまり医学生として、医師になるために、学問を学んできたか、に他ならないのではないでしょうか。
批判はごもっともと思うところもありますが、やはりこういった形で提示することで、全体のレベルの底上げをはかりたい、そう思います。厳しいことを言いますが、医師国家試験に落ちる医学生は、今の医療現場には必要とされていない。医師として患者を診る覚悟があるのなら、最低限はクリアーしていただかないといけない。
前置きが長くなりました(毎年の事ですが)。
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新卒編は、毎年説明していますが、「現役医学部6年生のみを対象としたランキング」です。これまでの6年間、留年などもあったでしょうけれど、現在の学校の実力、そして未来ある医師になる若者の医学に対する情熱が反映されています。特に学年単位でパーセンテージ表示することで、学年全体での教育、モチベーションを評価する1つの指標になると思います。
いつものように新卒編では、
BEST13を重点的に紹介させていただきます。
なお、票の見方として、「出願数 受験数 合格数」となっております。
「出願数ー受験数」は、留年した人の値としてみて下さい。
第1位 何と今年は
2つの大学が学年全員合格の快挙達成です。
名古屋市立大学医学部 74 74 74
100.0% 埼玉医科大学 99 99 99
100.0% 見事なまでの学年全員合格を果たしたのは、
名古屋市立大学と埼玉医科大学。
圧倒的なまでの実力で優秀な医学生を、医師への道に羽ばたかせました。
図を見ていただくとお分かりのように、名古屋市立大学は全80大学のうち半数より上のことが多い、安定した順位を保っています。しかも数年のうちに2度も1位を達成しているという快挙。このあたりの安定して成果を出すというのは市立ならではなのでしょうか。
しかも名古屋市立大学はこの功績もあって、総合編でも2位という快挙。
そして埼玉医大は、私大らしいといいますか、4年ごとの上がり下がりの差が著しい。このあたりは、医師国家試験の問題作成のポイントがだいたい4年ごとに変遷するためですかね。よく私大は国家試験対策を重点的に行うから云々と言われますが、そもそも9割が合格する医師国家試験の問題すら解けない医師というのはどうかと思うので、昨年4位、今年1位という成果は大いに誇って良い成績だと思います。
あとは来年、この成績を保ち続けること、これに尽きますね。教育は間違ってません。
自信をもって、初期臨床研修に臨んで下さい。本当に、本当におめでとうございます!
第3位 日本大学医学部 119 114 113
99.1% 安心と実績の日本大学医学部が第3位!
出願者ー受験者が5人なので、5人留年したということでしょうか。まぁ留年させるってことは最低限の合格ラインに達していなかったと学校が判断したので、それはいいとして、送り出した114人のうち113人が合格。凄いことですよ、100人を越える医師が誕生したわけですから。
日本大学は受験偏差値的には私大の中でも中堅以上ではありますが、やはり図をみていただけると分かりますように、私大はブレが激しいですね。逆に、来年ここでそう言われないように、兜の緒を締めて頑張っていただきたい。
おめでとうございます!
第4位 自治医科大学 106 105 104
99.0% 自治医科大学が104人合格で第4位!いやーもう上位とほとんど変わらない、素晴らしい成績です。
まぁ自治医ファンの私としては、やはり
自治医と防衛医大は常勝将軍でいていただきたい! この図の
安定かつ上位っぷり…
やる気尋常じゃないでしょうこれは…。
過去8回の医師国家試験、どれだけ凄い成績たたき出してるんだ…。
来年こそは、と期待せざるを得ない!おめでとうございます!
第5位 東京大学医学部 102 99 98
99.0% 天下の東大が、医師国家試験でも無双!
4位の自治医と同じく、1人落ちなだけ。凄いですわ。いや、実際ね、国立と私大だと医師国家試験対策が違うって言うじゃないですか。でもそれを言っていいのは東大だけだと思う、ってぐらい、東大はホントに国家試験対策していないですよね。6年のこの時期にそんな問題出しちゃう!?っていう驚きの教育法。しかも年度にもよりますが、最初から臨床ではなく研究を中心に考えている医学生は、医師国家試験なんて眼中にすらないでしょう。
今まで順位が微妙すぎてここでコメントすることもできませんでしたが、6年ぶりに言わせていただきたい。
ですがやはり、受験で判別された日本有数の情報処理能力はダントツです。それに東大生の持ち味である「勉強する」という点に関しては全大学一なのは間違いありません。今年はしかも、医師国家試験合格率が99%という、医学に対してのモチベーションも兼ね備えている。医学に情熱をもつ理3生ほど優秀な医師はいないですからね。来年度の東大出身の研修医は大いに期待できそうです。
おめでとうございます!
第6位 順天堂大学医学部 90 90 89
98.9% 全国の私立大学の教育担当の職員の方々
このグラフを見よ
自治医に引けを取らない安定っぷり。私大でコレですよ。これがどれだけ凄いことか。
このランキングは1年1年のものですけれど、その積み重ねが見事なグラフとなって表されています。
順天堂はこういった順位だけでなくて、臨床でも革新的なことをどんどんやってますし、病院経営の面でも卓越したものを持ってます。なんというか、私大のもっている良さというものを医療の場で全面的に出している印象。
もう「新御三家」じゃなくて、御三家でいいんじゃないんですかね。
おめでとうございます!
第6位 東京慈恵会医科大学 90 90 89
98.9% 同着、順天堂と同着です。
東京慈恵会医科大学は、私大の中でまぎれも無い「御三家」でしょう。
近年の合格率の高さ、素晴らしい。
私大なのに出席を全く取らない、それなのにこの高さは、もともとの入学者の医学へのモチベーションが高いのか、それとも熱意ある教育で最終的にこうなるのか。
慈恵は、学費の安さもあって、何となく私大というイメージが少ないのですが、国立以上の成績を残している点もそれを裏付けます。
おめでとうございます!
第8位 福島県立医科大学 80 80 79
98.8% 震災の影響もなんのその、持ち前の実力を如何なく発揮して見事8位となった福島県立医大です。
まぁ1人落ちなんで、県立の入学者などから考えてもランキングにすると不利なんですが、その点はご容赦下さい。誰しもが納得の結果を出してますので。
しかしこうみると、やはり昨年の64位は、震災の影響が大きく出ていたのか…。医師としてのプロ意識が他の大学より早く芽生えた結果なのか、堂々の順位でした。
おめでとうございます!
第9位 慶應義塾大学医学部 97 97 95
97.9% ここからは二人落ちです。
しかし改めてグラフにすると良くわかるのが、慶應の安定した上位独占傾向です。
慶應も東大同様、自由度が高いといいますか、学生に任せるところが大きいのでしょうけれど、それでもこの高い位置を維持し続けているのは、流石と言わざるを得ない。普通、自由だったら、妥協しますよね。惰性にのまれますよね。
違う。慶應は違うんだ。学問とは何たるかを体現しているから、「大学でやるべきこと」を強く認識しているのかもしれない。
このまま私大トップの位置を保ち続けてほしいものです。
おめでとうございます!
第10位 産業医科大学 95 94 92
97.9% 企業戦士のための大学、産業医大がトップ10にランクイン。
もともと上位層でしたが、10位以内は久しぶりですね。しかし全体のうち2人しか落としてないというのは圧巻でしょう。
よく考えると医師国家試験合格率が9割で、下1割に入らなければ受かるという試験なわけですから、1大学の学年がだいたい100人と考えると、10人落ちる計算ですよね。でもこれまでご覧戴いてわかるように、上位の大学は1人か2人しか落としていない。これですよ。学力のボトムアップが図れると、落ちないんです。
おめでとうございます!
第11位 金沢大学医学部 97 94 92
97.9% こちらも94人中92人合格で第10位の産業医大と同着ですが、留年数で11位とさせていただきました。まぁ留年させる勇気というのも必要ですから、このへんはさじ加減ですけれどもね。本来留年させないのが一番でしょうけれど、安易に知識不足の学生を卒業させて運良く試験に受かったとしても、それは無責任なことですから。
しかし…
金沢大学、頑張った!!
昨年は不振で、
極めて不名誉なニュースが流れるほどでしたが
金沢医科大学が医師国家試験合格率で金沢大学を追い抜かす。 教師陣、学生ともに頑張ったのでしょう。見事にベスト13入りに返り咲きました。
グラフをみるとまだまだ不安定な国立大ではありますが、持ち前の地頭を活かして今後も
某大学の手本となるように頑張って下さい。
おめでとうございます!
第12位 日本医科大学 88 88 86
97.7% コメントいただきました。いや、うっかりしてました。
日本医大さんごめんなさい。旧設での大躍進、おめでとうございます!(詳しくはコメント欄で)
12位とはいえ、ここまで2人しか落としていないのは流石ですね。(人数の少なさは気になりますが。まぁ今までの学年でツケをあまり貯めなかったということでしょう。)
ただグラフにするとやはり私大ならではの、好調不調が目立ちますね。それでも好調のほうが多いのは流石か。
おめでとうございます!
第13位 東京医科大学 107 107 104
97.2% 栄えあるBEST13のラストを飾ったのは、またしても私大。東京医科大学@新宿です。
しかし東京医大、どうしたんでしょう。低迷からの大躍進、しかも調子を落とす事無く今回も堂々のランクイン。
教育の質が良くなったのであれば栄えあることです。この上昇っぷりをみて、新宿のバーでここの大学の部員が
自分のところのジャージを着てクッソ騒いでたのを許そうと思いました。
おめでとうございます!
さて、では以下は惜しくもBEST13に漏れてしまったけれども、見事な成績を残した大学を紹介。
下にいくにつれて不合格者の多さに引きかねるところもありますが、それはまた別の話。
14 藤田保健衛生大学医学部 113 107 104 97.2%
15 新潟大学医学部 105 105 102 97.1%
16 九州大学医学部 104 104 101 97.1%
17 千葉大学医学部 100 99 96 97.0%
18 秋田大学医学部 98 98 95 96.9%
19 福井大学医学部 100 97 94 96.9%
20 神戸大学医学部 95 95 92 96.8%
21 群馬大学医学部 94 94 91 96.8%
22 旭川医科大学 100 94 91 96.8%
23 横浜市立大学医学部 62 62 60 96.8%
23 和歌山県立医科大学 62 62 60 96.8%
---公立大学平均の壁--- 計 652 652 628
96.3% (公立の大躍進、とんでもないですね。公立大平均で96%って…)
25 弘前大学医学部 107 107 103 96.3%
26 筑波大学医学専門学群 105 104 100 96.2%
27 奈良県立医科大学 100 100 96 96.0%
28 京都大学医学部 101 100 96 96.0%
29 島根大学医学部 91 91 87 95.6%
30 昭和大学医学部 116 112 107 95.5%
31 名古屋大学医学部 107 105 100 95.2%
32 京都府立医科大学 104 104 99 95.2%
33 大阪大学医学部 97 97 92 94.8%
34 獨協医科大学 104 96 91 94.8%
35 鳥取大学医学部 77 77 73 94.8%
36 岡山大学医学部 95 95 90 94.7%
37 香川大学医学部 96 95 90 94.7%
38 大分大学医学部 93 92 87 94.6%
39 大阪市立大学医学部 72 72 68 94.4%
39 防衛医科大学校 72 72 68 94.4%
41 三重大学医学部 103 103 97 94.2%
42 岐阜大学医学部 70 69 65 94.2%
43 東北大学医学部 103 102 96 94.1%
44 佐賀大学医学部 100 100 94 94.0%
45 徳島大学医学部 84 84 79 94.0%
46 札幌医科大学 98 98 92 93.9%
---国立大学平均の壁--- 計 4177 4137 3883
93.9% 47 北海道大学医学部 114 113 106 93.8%
48 杏林大学医学部 97 94 88 93.6%
49 滋賀医科大学 110 108 101 93.5%
50 富山大学医学部 93 93 87 93.5%
51 浜松医科大学 95 93 87 93.5%
52 関西医科大学 107 105 98 93.3%
---全国平均の壁--- 7918 7742 7205
93.1% 53 東海大学医学部 119 114 106 93.0%
54 宮崎大学医学部 99 99 92 92.9%
55 東京医科歯科大学医学部 85 85 79 92.9%
56 広島大学医学部 95 95 88 92.6%
---私立大学平均の壁--- 計 3052 2916 2677
91.8% 57 東京女子医科大学 108 108 99 91.7%
58 愛知医科大学 103 94 86 91.5%
59 山口大学医学部 100 100 91 91.0%
60 鹿児島大学医学部 104 100 91 91.0%
61 山梨大学医学部 111 110 100 90.9%
62 琉球大学医学部 98 98 89 90.8%
63 山形大学医学部 88 87 79 90.8%
64 近畿大学医学部 91 85 77 90.6%
65 長崎大学医学部 105 105 95 90.5%
66 信州大学医学部 91 91 82 90.1%
67 愛媛大学医学部 100 98 88 89.8%
68 兵庫医科大学 115 106 95 89.6%
69 帝京大学医学部 102 96 86 89.6%
70 大阪医科大学 108 104 91 87.5%
71 北里大学医学部 113 110 96 87.3%
72 熊本大学医学部 104 102 89 87.3%
73 東邦大学医学部 107 99 86 86.9%
74 福岡大学医学部 109 101 87 86.1%
75 久留米大学医学部 102 99 85 85.9%
76 聖マリアンナ医科大学 115 108 90 83.3%
77 川崎医科大学 133 108 90 83.3%
78 岩手医科大学 90 82 66 80.5%
79 高知大学医学部 89 88 70 79.5%
では…
今年の新卒ワーストの発表です…。
80 金沢医科大学出願者:105 受験者:100
合格者:74合格率:
74% 昨年のワーストは川崎医大の79.3%という恐るべき数値でしたが、まさかその下をいく猛者が現れるとは思いもよりませんでした。
しかも、重ねていいますが、昨年は金沢大学よりも上の順位だったんです。
慢心以外のナニモノでもない ・・・しかしホント酷いです。
この
地を這って進む傀儡のようなグラフは一体。
昨年金沢大学より上だったといっても、金沢大学が不調だっただけで、金沢医大は
55位と全国平均以下ですからね。
一度ぐらい空気吸いに上がってきてはいただけないものか。
国立と私立では6年で行う勉強に差があるとよく聞きます。ですが、はっきり言えば
それがどうした、と。私は自信をもって、「普通に医学を勉強していれば、あんなに簡単な試験はない」と言えます。国家試験に合格した人の大半はそう思うのではないでしょうか。
医師国家試験の合格数は、ぶっちゃけて言えば国からの研修医育成のための予算で分配され、だいたい9割の人が合格するといわれています。医学生の上位9割が合格する試験です。難問・奇問はもちろんありますが、ほとんどの問題は知ってて当たり前の知識です。
医師国家試験を振り返って思うのは、これを勉強していたおかげで、研修医になった時に大いに役立つ知識ばかり得ているなと。ああ、これはこうだったな、と臨床の場で思うところも大きいはずです。
今回合格された方、
本当におめでとうございます。 上にも書きましたが、学んだことは無駄ではないというのが、これからの臨床の場で大いに理解されることだと思います。今度はその知識を使って、実際に患者に医療を提供する立場になるわけです。最新の「知っていなければならない知識」をもった研修医は、専門として臨床をやっている上級医の手助けにもなることでしょう。
これからは今まで以上に勉強しなければならない過酷な道ですが、
頑張って最良の医師を目指して下さい。
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