「電子教科書」出版社は複雑な思い 重たい医学書から解放!学生は歓迎の声 電子書籍の普及が進む中、大阪府立大学(本部・堺市中区)で、教科書の電子書籍化に向けた実証実験が進められている。今年6月から一部の学生を対象に、電子化した教科書を収めたタブレット端末を配布。デジタルならではの検索機能に加え、教科書の重さから解放されることが、学生にとって最大のメリットだ。一方で出版社の側には、電子化による教科書の“価格破壊”への懸念も広がる。これに対し、タブレットを提供し二人三脚でプロジェクトを進めるシャープは、府立大での実験成果を踏まえて全国の大学に普及させたい考えだ。
府立大では6月、総合リハビリテーション学部で臨床実習中の4年生80人に、11月末までシャープ製のタブレットを貸与。10月から来年7月までは、第2陣として看護学部の3年生92人が実験に参加している。
これらの学生は
臨床実習のために、病院などの施設と、大学や自宅との間を往復する機会が多い。しかし、理系の学生ならではの悩みが教科書の重さ。学生によっては、15冊にも及ぶ分厚い医学専門書約10キロ分を、リュックなどに入れて持ち運ばねばならないという。総合リハビリテーション学部では約75%、看護学部の場合だと約95%を、女子学生が占める。重たい教科書の持ち運びは、学生たちにとって悩みの種だった。
これに対し配布されたタブレットは、大学ノートとほとんど変わらない大きさの10・1インチ画面で、重さはわずか640グラム。この中に必要な教科書すべてに加え、患者との接し方や採血の手順を学ぶ動画など府立大が独自に開発した教材、国家試験の問題集も収録されている。
紙の教科書にはない、電子化のもう一つの大きなメリットが
検索機能だ。タブレットでは、収録されているすべての教材を横断的に、一瞬でキーワード検索することが可能。
紙と同様に、重要な部分に付箋をつけたり、マーカー線をひいたりすることもできる。 また実験第1陣の総合リハビリテーション学部の学生から、「電子教科書に書き込みができるといい」という意見があったことから、看護学部で使用するタブレットにはノートのように書き込める機能も付加。
学生からはほかに、「画面に1冊分しか表示できないのは不便。机の上で何冊も本を広げるような使い方がしたい」との要望も出ているといい、今後も学生へのアンケート結果やタブレットに記録された使用状況記録を分析し、実用化へ向けた検証を進めていくという。
一方で、実用化には、クリアすべき課題も多い。その一つが、出版社側の対応の不透明さだ。実証実験には出版社約10社が協力し、タブレットに収録された教科書は無償で貸し出された。だが、実用化に際しては、対応を留保する社が少なくないという。
その大きな原因が、
電子教科書は紙の教科書に比べて価格が安く利益が出ないのでは、という懸念が出版界に根強く残っていることだ。出版社によって事情は異なるが、府立大によると、電子教科書を販売する条件として、紙の教科書と電子教科書の双方を購入することを挙げる社が複数出てくる可能性があるという。
しかし電子教科書を、これまでの教育界を変えるビジネスチャンスととらえる見方もある。実験に協力している医学系専門の出版社、
三輪書店(東京都文京区)は教科書の電子化に前向きだ。
青山智社長は「電子化によって、教科書に音声や映像を入れることも可能になる。これまでの教科書の概念を変え、大きく発展する可能性がある。出版社にとっても電子化は有益だ」と期待を込める。
シャープの辰巳剛司・モバイルソリューション事業部長は「府立大での実験で培ったノウハウは、他の大学へも転用することができる。今後、全国の大学で電子教科書が広まるのでは」と予想。
実証実験チームのリーダー、矢田泰規・同副部長は「電子教科書を導入する大学が増えれば、出版社側も積極的に電子化を推進するはず」と話している。
三輪出版やるじゃん!
三輪出版というとあまり聞いた事ないようですが、研修医なら「
研修医当直御法度ーピットフォールとエッセンシャルズ」や「
そこが知りたい! 感染症一刀両断!」などが超有名ですね。
やー、正直、
電子化は必須ですよ。他の出版社の方々。逆に三輪出版は先陣きってやれば凄いイニシアチブ取れるぞ。
日々勉強、日々進歩の医学においては、教科書は必須といえど、あの膨大な量の本を持ってまわらなければならないというのはありえない。家でも病院でも、電車の中でさえみられるようにしないといけない。それをなんだ、価格がどうのとか。層が少ないから買う人も少なくて専門書ほど高いつったって、1冊8000円とか、10000円とか、バカか!っつー話ですよ。
ハリソン内科学とか上下巻合わせて4000ページぐらいあるんですよ。大体字が細かすぎるし、索引が超使えないし、でかすぎてページを開くのすらおっくうだから、普通に使うのもメンドクサくて漬物石みたいになる。価格も3万円ぐらいするから勉強熱心の医学生も買わないし。東海大学は全員に配ってるんでしたっけ?そんなブルジョワジーなこと他の大学には出来ませんぜ。
そこで電子化ですよ。価格も1万ちょいにして、電子化して、検索充実させてごらんなさいよ。あとページをタブレットでみれるぐらいに見やすくしてさ。これだけやったらハリソン内科学買う人3倍にはなるよ。絶対。私も買うし。いや、私は書籍で持ってますよ、上記の理由であまり使ってないけど。ハリソン内科学を家から学校、病院にもっていく人がいたらマゾですね、ただの。皆さん、本屋に絶対あるから観て下さい。ハリーポッター上下巻セット4個分ぐらいの重さあるから。
あと、今やらなきゃ致命的な問題が1つある。
タブレット流通に伴って、医者たちはより最新の知識を得ようとして海外の本、いわゆる「原著」を電子書籍で買う。爆安だし、タブレットですごく見やすいし、何より検索しやすい。それに、良い専門書は海外のものが多いし英語をやらなきゃなーって思ってる若手医師やベテラン勢はみんなそっち買う。それを、未だにあんなバカでかい本を高値で買うやつがいると思って?学生じゃないんだから英語だって抵抗ないんですわ。
…まだだめか!じゃあ
電子化してもウケる究極のテクニックを教えたい! 冒頭にも書いたように、医学の世界は日進月歩です。新しい薬が出ればそれだけ薬の項目が増えるし、最新の知見が得られれば、版を更新します。特にガイドライン系などは、数年に1度は更新されるでしょう。
するとどうなるか。例えば精神科領域でいうと、「DSM」っていう疾患ガイドラインが、来年更新される。世界中で。今現在DSM4っていうのを使ってるけどこれがDSM5になる。来年なるってことは、今からDSM4を買う人が激減するでしょう?
そこで、電子化によって、アルティメットな革命が起こせるわけですよ!もしDSM4の日本語版を電子書籍で買っていたら、
安価でDSM5にアップデートできるようにすればいい!今書籍として売っているDSM4が4000円だから、電子書籍を2000円ぐらいにして、アップデートを500円で行えばいい。そしたら今からDSM買いたい人も買い渋らなくて済むし、安価だからみんな買うでしょう。しかも軽い!ガイドラインなんて別に他の教科書みたいに書き込むところもないんだから、電子書籍にしない手はない。手軽に調べられるのがミソ!
どうですか。どうですかね。ホント、このアップデートシステムがあれば参考書買う医師絶対増えるよ。しかもずっと使えるんだから。各出版社さん、どうぞお願いします。
…ちなみに引っ越しのたびに
段ボール6箱分ぐらい医学書を移さなきゃいけないので死ぬほど面倒です。お願いします、ホント…。