2012年06月19日

子供の熱性けいれんについて、正しい対処法について知っておこう。

小児熱性けいれんでのダイアップ坐剤 「単純型なら使用」4割 医師調査

 熱性けいれんを起こした小児に対する投与で賛否のあるダイアップ坐剤(一般名:ジアゼパム坐剤)の使用について、医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、会員医師を対象に意見を聞いた。501件の回答が寄せられ、「単純型熱性けいれんであれば使用する」とする医師は約4割だった。その中には再発を懸念し積極的に使用する医師がいる一方で、「家族が希望すれば」と消極的な医師もみられた。

 同サイトによると、ダイアップの使用により、けいれんを起こしやすくなった、意識状態の評価が難しくなるとの意見もある。そこで、調査を行うことになった。

 単純型であれば使用するとした医師は42.7%。この中には、再発もなく、意識評価に困ったことがなく全例に使用しているケースや再発を懸念して使用するとする医師がいる一方で、「けいれんが既に止まっていれば、それ以上抗けいれん剤を使う必要はないという考えを聞いてから、使わなくなった」「何もしていないと、クレームを言う親が多い。親を納得させるためには、ある程度は仕方がないと思っている」といった消極的な見解を示す医師もいる。

「再発、初発などで使い分けている」とする医師も35.9%いた。初発は使用しつつ原因検索をし、再発した場合は専門的な検査をしたりするといったもの。また、「病院到着時には治まっていることが多く、ダイアップの使用対象ではないと思う。その後状況で『単純性』か『複雑性』かが決まるため、なおさらむやみな使用は避けるべき」との意見もあった。



 熱性けいれんは、子供にはまぁ多い病態なんで、普通ならそのー、何もしなくてへっちゃらです。でも親御さんからすると、自分の子供が痙攣!?なんて思っちゃうんで、過剰な医療を期待しちゃうんでしょうね。

 以下に熱性けいれんについて書いたんで見ておいて下さい。大事なのは、痙攣がどれだけ続いたか、という時間だったりするんで、慌てず時間だけはちゃんと計るようにして下さい。




★熱性痙攣について覚えておくべき知識

・好発年齢は? → 6ヶ月〜6歳(6〜6と覚える)
・好発時間は? → 午後6〜12時に多い。季節は1月に多い(インフルエンザが多いし)
・基本的には良性疾患。
・子供の2〜5%に起こる(小児の救急疾患の中で最多)




★問診

・発熱の有無
・嘔吐、下痢はあったか。
・★けいれん直前に目が合っていたか、声を出したりしゃべったりしていたか、おもちゃであそんでいたか




★親への説明で一番大事なこと → 親をびびらせないこと!

・発熱した日に多い
・家族発症が多い
・通常痙攣は1〜2分で治まる
・脳の異常はめったにない。
・てんかんになるのはまれ
・熱性けいれんで死亡することはない




★再発時のアドバイス

「痙攣を観察して部位や持続時間をみてください。
5分以上痙攣が続いたら救急車を呼んでください。」

「熱性痙攣の1/3が再発します!」




★痙攣の中で再発しやすいタイプはどんなの?

・複雑性
・複数回痙攣するとき
・Low grade fever:低い発熱で発症した場合
・1歳以下で初発した場合
・家族歴がある場合
・痙攣が5分以上ある場合




★検査はどこまで必要か?

ガイドライン上は・・・
・1歳以下は腰椎穿刺をする
・12〜18ヶ月は腰椎穿刺を「考慮」する程度。

とはいっても、まずは良性疾患であることを強調することが大事。




★画像診断、検査のしすぎに注意しよう。

・2歳で、初発で、痙攣は1分以内で、めちゃくちゃ元気で、7月なら、、、血液検査すらしなくていいんじゃないか。




★初発の単純性熱性痙攣にはルーチン検査は不要!

・痙攣後のもうろう状態が遷延化したら・・・必ず血糖をはかる!
・無熱性痙攣なら検査する(低ナトリウム血症などがみつかることもあるから)
・熱性痙攣と通常の発熱では菌血症の率は変わらない。(血液培養も選択的に行う)




★では、いつ腰椎穿刺をすべきか?

・熱性けいれんで髄膜炎を発症している場合は、1〜5%
・つまり、元気ならいらない。
・痙攣後、意識障害が遷延していたら腰椎穿刺は有用。

(適応:複雑性痙攣+意識障害遷延、痙攣持続延長、部分発作 髄膜刺激症状、ショック、傾眠傾向)




★では、複雑性なのは??

・痙攣が15分以上続く
・断続的なら30分を超える
・24時間以内に2回以上の痙攣
・局所性(部分発作・片側だけ)
・神経学的基礎疾患がある




★複雑性痙攣は怖い!小児科にコンサルトすべき!

親へのアドバイス「痙攣が起こったらきちんと時間をみてくださいね」

Question:CTは必要か?

→初発の複雑性熱性痙攣であっても神経学的局在所見や特別な基礎疾患がなければ画像診断は不要
 再発例、重大な基礎疾患、身体所見が疑われる場合に初めて必要。




★目の前で痙攣になったらどう止める?

→ジアゼパム0.5mg/kgを静注 0.5mg/kg 直腸内注入

・直腸挿入が難しいとき・・・ミダゾラム 鼻腔から投与 0.2mg/kg

・無効ならフェニトイン18mg/kgを20分かけて静注 ECGモニター、挿管準備




★発熱時の応急ジアゼパムが必要なときって?

・15〜20分以上の遷延発作のとき
・短期間で発作が頻発するとき(半日に2回以上、半年に3回以上)




★ジアゼパム座薬と解熱剤座薬を同時に使うと吸収阻害があるので30分以上間隔をあけること!




★熱性けいれんの予防・・・よほどじゃないとしない。

・解熱剤は熱性痙攣の予防にはならない。

・抗けいれん薬は有効だが頻回の痙攣や持続時間の長い場合に限るべき(抗けいれん薬を使うとぐったりしてしまうしね。)




★まとめ★

・単純性熱性痙攣は良性疾患です。

・単純性熱性痙攣は正しく対処すれば怖くない!
posted by さじ at 03:20 | Comment(0) | 小児

2012年06月17日

うつ病のリワークプログラム(復職支援)が必要とされている。

広がる鬱病患者の復職支援 集団生活で「日常」取り戻す

 鬱病患者が急増する中、医療機関などで復職支援(リワーク)のプログラムが広がっている。厚生労働省の調査では、鬱病などを含む気分障害の患者は推計で、平成8年は43・3万人だったのが20年には104・1万人と、12年間で2・4倍。鬱病は、いったん復職しても再休職する例も多く、再発予防が大きな課題となっている。

 メディカルケア虎ノ門(東京都港区、五十嵐良雄院長)は17年、復職支援専門のリハビリテーション施設を国内で初めて開設した。昨年12月末までで、597人が復職支援プログラムを終了し、585人が復職。復職者の再休職率は半年で6割といわれているが、終了者の就労継続率(推計値)は1年後で81・5%、2年後は70・1%だという。

 リワークプログラム(デイケア)は週2日(半日と1日)から始まる。自分の病気を理解し、集団生活に慣れるのが目的だ。会社生活と同じように午前8時半に始まり、週5日安定して通えるようになると、企業と復職について相談。早い人で6カ月程度だという。

 保健師など専門スタッフのもと、仕事で想定されるチームを組んで作業に取り組むなど、復職後に想定される事態に対応できる力を身に付ける。福島南事務長は「同じ病気の仲間がいることで、復職へのモチベーションも保てる」と話す。

 これまで、鬱病の治療は薬物と休養が中心だった。だが、五十嵐院長は「薬物と休養だけでは不十分」と指摘する。

 診察程度の短い時間なら、患者が調子がいいように振る舞うことが可能だからだ。だが、同院では1日6時間のプログラムでの様子を観察するため、五十嵐院長は「プログラムは治療の一環。長時間接すると、回復状態がより正確に分かり、治療にも生かせる」と説明する。

 医療機関での復職支援は広がっており、うつ病リワーク研究会(港区)によると、現在、120を超える医療機関で復職支援プログラムが行われている。

 仕事を辞めた鬱病患者の支援も始まっている。再就職支援に特化した施設「ハビトゥス市ケ谷」(新宿区)はグループワークを行い、患者同士が悩みや目標を共有し、再就職を目指す。現在、問い合わせが相次いでおり、見学や体験を断っている状態だ。

 昨年10月、鬱病でコンサルティング会社を退職した女性(39)は「人とかかわることで、自信を取り戻すことができた」。現在、就職活動中だ。求職中の鬱病の患者は、病気を隠して就職活動を行うケースがほとんどのため、就職しても周囲の配慮が得られず、再発しやすいという問題がある

 施設を経営するリヴァの伊藤崇社長(34)は「鬱病の人はまじめで能力が高い人が多く、復職や就職できないのはもったいない。今後は、病気を開示しても就職できる企業が広がるように活動していきたい」と話している。



 この「鬱病」というのは本当の意味での内因性の鬱病なんでしょうか。なんか心因性の不安神経症の類の人が多いのかな。

 どうしても就職となると、ストレスに感じてしまいます。まぁ普通の人でもキツいのに、更にストレス耐性の低い人だと体調不良を引き起こしやすい。そのためこのようなリワークプログラムが必要です。少しずつ再就職に向けた形で進んでいますけれど、記事にもあるように、まぁこういううつ病の人を雇うのは、雇い主側もお得だと思うんですよね。ミスを恐れて確実に真面目にコツコツやるタイプの人が多いので、そういう点で活かせれば良い労働力になりますよ。
posted by さじ at 04:52 | Comment(0) | 精神

青森県立つくしが丘病院精神科の殺人事件、同室の2人に刑事責任能力あり。

青森・入院男性絞殺:殺人罪で患者起訴 精神科病院入院の2人、地検「責任能力あり」 /青森

 青森市三内の精神科病院「県立つくしが丘病院」で4月、男性入院患者(当時52歳)が絞殺された事件で、青森地検は14日、同じ病室に入院していた、いずれも無職のO(59)とS(40)の両容疑者を殺人罪で青森地裁に起訴した。

 起訴状によると、2被告は共謀し、4月8日午後6時半から8時33分ごろまでの間、同病院で男性入院患者の首に腰ひもを巻き付けたうえ、ひもの両端を引っ張って強く絞め付け、窒息死させた。

 地検は4月25日から6月8日まで2被告を鑑定留置し、刑事責任能力の有無について調べた。鑑定結果や供述などを総合的に分析した結果、「責任能力について問題ない」と判断し、起訴したとしている。



 何の疾患で入院していたんでしょう?閉鎖病棟だったみたいですけれど。同室であることによるトラブルとかかなぁ。共謀して行っている時点、かつ殺人罪に問われないとでも思っていた時点で内因性の疾患は考えにくいですけどねぇ
posted by さじ at 04:20 | Comment(0) | 循環

都立松沢病院、新築病棟を携えてより幅広い精神医療を行う。

精神科医療の草分け 都立松沢病院、本館診療棟が完成

 明治時代の初めから東京の精神科医療を支えてきた世田谷区の都立松沢病院が敷地内に7階建ての新しい本館を建設し、28日に診療を開始します。これからは思春期やストレスケアといった分野にもより力を入れるということです。

 松沢病院が上野から世田谷区上北沢の現在地に移ったのは1919年のことです。精神病の治療には1人当たり100坪が必要との考えからでした。東京ドーム4個分の敷地には低い建物が点在し、治療の一部として農地も設けられています。太平洋戦争後はA級戦犯として東京裁判にかけられた大川周明が病状を悪くして長期入院したことで知られるなど歴史を刻んできましたが、築50年以上の病棟もあり、敷地内への新築となりました。建築と15年の維持管理費など735億円をかけ、全体の3分の2の病棟を集約する形で7階建ての新館が完成しました。

 新しい建物は受付から精神科に配慮した特長を設けました。閉塞感を除くための森に向いた大きな窓や、患者同士の目が合ってトラブルにならないような待合いすの配置になっています。そして、松沢病院の先駆的な取り組みである思春期外来も充実させ、ゆったりとした造りで心理療法士などの診療が受けられるようにしました。

 また、病室、保護室も壁の材質を厳選したり、各部屋にトイレを付けたりと一層の配慮がなされました。そして、社会復帰につなげるための策として、作業を通して症状改善を促すフロアを充実させたり閉ざされがちだった病院のスタッフルームをオープンカウンターにしたりするなど工夫を凝らしたといいます。松沢病院の分島徹副院長は「今までは精神病の患者を中心に治療していたが、それ以外の現代の世相を反映して思春期、うつ、ストレスケアなどの問題にも対応していける病院づくりを目指している」と話します。さらに、病院の特性から周辺住民の理解も必要と考え、ことしから新しい取り組みも始めました。分島さんは「一般の方々に広くわれわれの活動を知ってもらう必要がある。そのためにも公開講座をつくって皆さんに参加してもらうことなどを考えている」と話しています。

 地元の理解を得ながら、時代とともに症例の変化にも対応しようという松沢病院の新館での診療開始は28日です。



 都立松沢病院。都内にこの病院があることで、東京都中が救われている、そんな病院です。

 東京都の、いや、日本の精神科医療を語るうえで、この病院なくしては語れぬという歴史ある病院でもあります。

 昔から色々と先進的なことをしている松沢病院ですが、今の役割として最も大きいのは、東京都内の自分が抑えられなくて暴れまわる超重症精神疾患を都立松沢病院でほぼ一挙に診ているという点もあるでしょう。

 精神科の病院としては都内ナンバーワンの優秀病院です。勿論超重症だけでなく思春期疾患や珍しい疾患まで全てみるキャパシティとマンパワーがあるのも特徴ですね。
posted by さじ at 04:12 | Comment(1) | 精神

小学生に抗精神病薬を大量に処方する精神科医がいるらしい。

向精神薬漬けにされる子どもたち―文科省方針で乱用・大量投与

上半身の揺れが止まらない小学生、足の先が小刻みに痙攣し続ける高校生―番組冒頭にショッキングな映像が流された。取り上げたのは「向精神薬」と言われる薬の副作用で多くの子供たちが苦しむ姿だ。発達障害の症状がある子どもに対し、小学校低学年までに副作用のある向精神薬を処方している専門医が、全国で7割に達することが明らかになっている。いったい今、子供の世界で何が起きているのか。

番組の初めにキャスターの国谷裕子がこんな異例の前置きをした。「精神的疾患は早く発見し、治療をすれば治ると考えられており、この番組では一律に薬の投与を否定するものではありません

NHKらしい気遣いだが、多量な薬の投与に苦しむ子ども、「ヒヤヒヤしながら」処方する専門医の証言など、向精神薬を子どもに投与することへの疑問をストレートに伝えた。

背景にあるのは文部科学省がすすめる学校と医療機関の連携だ。教師の指導で多くの子供が精神科を受診し、精神を穏やかにする向精神薬や激しい落ち込みを改善するための向うつ薬、向不安薬、さらには睡眠薬を服用させられている。これについて、文科省の担当者は「子供たちの心の問題を早期に発見し、早期に治療するためには医療の力を借りないと解決しないところがある」という。

しかし、副作用に苦しむ姿を見ると、子どもが身を持って「くすり漬けにはなりたくない。安易に薬に頼る風潮を国が推進していいのか」と訴えているように見える。しかも、向精神薬を止めると「離脱」という恐ろしい反応があり、命にかかわることもあるという。

厚労省が行っている患者調査では、発達障害やうつ病などの精神疾患で受診した未成年の患者は、平成20年に15万人、12年前に比べ倍増しているという。国立精神・神経医療研究センターが、どんな薬を何歳からどれだけの量を与えていたかを、全国の精神科・小児科医を対象に調査したところ、薬物の開始年齢は就学前が39%と一番多く、次いで小学校低学年が36%。小学校低学年までが7割を超えていた。このなかには、興奮性を抑える薬を3〜4歳から与えていた医師、睡眠障害をおさえる薬を1〜2歳の幼児に投与していた医師もいた。いっぽうで、「内心ヒヤヒヤしながら処方」「重篤な副作用がまれでない向精神薬を使い続けることに疑問を感じながら処方」と語る小児精神科の医師もいた。

成長過程にある子どもがこうした薬物を服用した場合の影響について、現段階ではほとんど解明されていないし、どのくらいが適量かも明らかにされていないという。

井上登志子記者はこう答えた。「最近は、発達障害やうつ病などの兆候をいち早く見つけ、早期治療に繋げて専門的なケアをした方が病状の悪化を防げるという考えが学校現場や医療の世界に浸透しています。文科省では子供の異変を見抜く教師向けの手引書を作成しているし、医師が学校へ入って行って教師の相談に乗るという取り組みも各地で始まっています。しかし、なかには深刻な副作用に苦しむケースも出てきています」

児童精神科医の石川憲彦医師は「問題は2つある」と次のように指摘する。「10年ぐらい前からだが、精神障害の兆候があると親も先生も医師も見逃してはいけないという『善意と怖れ』の混じりあった意識が強く働くようになった。昔なら子どもの行動をこれは元気な証拠だとか、個性的だとか、面白い行動と見ていたのを、最近は問題行動と悪い方向で見るようになってしまった」

では、成長過程の子どもを持つ親は子供の異変にどう対処すればいいのか。石川医師は「人間の脳は生まれ落ちた時にすでに土台と大ワクができている。5歳ぐらいまでに内装工事をしていくし、その後数年間はものすごい勢いで配線工事が起こる。私は12歳ぐらいまではほとんど薬なしで問題を乗り越えていけると思っている」

福島原発事故の放射線汚染と似ている。国の方針、情報を鵜呑みにして子どもをくすり漬にすると取り返しのつかない事態になることもある。



 実はめっちゃくちゃ難しい問題です、これは。簡単に「薬漬けにしてはいけない」と言い切れないんです。

 まず、おそらく小学生のうちに薬を投与するというケースは、統合失調症やうつ病、双極性障害ではほぼありえないでしょう。(発症年齢からして)

 未就学時に抗精神病薬を投与するとなると、まず間違いなく、発達障害絡みです。

 この発達障害というのがなかなか難しくて、何でかというと、簡単に言ってしまえば、完治ができません。例えば小学生で発達障害、それも、重度の発達障害がいたとしましょう。そうすると、何か説得して生活が送れるようになるとか、親の愛や医師の努力でどうにかなるとか、そういうことはありません。本人が、自分の特性を理解して自分なりにストレスがかからないように生きることは教育で何とかなりますが、それすら全く入らない重度の発達障害の子供の場合、周りが対処法を覚えてうまく生活していくしかない。

 些細なことで上手くいかず、癇癪を起こしてしまう子供、それも何か言っても全く聞かない子供がいたとしましょう。どうしますか。昔ならどっかに閉じ込めておけばよかったかもしれませんが、現代ではそういうわけにもいかない。親としては、少なくとも日常生活をうまく送ってほしい。そういう場合に抗精神病薬で「衝動性」を抑える必要があるわけです。何も医者が大量にバカスカ薬を出してるわけじゃなく、必要最小限です。記事にもあるように、出さずに、親に対処法を教育する精神科医のほうが多いと思いますが、この記事で取り上げられているように「抗精神病薬漬け」になっているのは、よほど勉強不足の医者か、患児の症状が重すぎる場合ではないでしょうかね。

>精神的疾患は早く発見し、治療をすれば治ると考えられており

 と、キャスターは言っていたようですが、これは統合失調症の場合ですね。最近では統合失調症は、早期に発見して早期に治療を開始すれば再発が圧倒的に少なくなるらしいです。重度発達障害の場合はそういうことは見込めませんので、治療しても完治するということはないでしょう。しかし生活にうまく適応させることは、できるかもしれない、そのために少量の薬を使うのは何も間違ったことではないと思います。

 ここまで肯定的に書いてきましたけど、確かに精神科医の中にはろくに勉強せず薬を出せばいいと思っているバカ医者も多いので、いきなり大量に薬を出された場合は要注意です。おそらく精神科医としての力量が伴っていないでしょう。
posted by さじ at 03:59 | Comment(0) | 精神

ハウス加賀谷、統合失調症を乗り越えて再度お笑いの道へ。

統合失調症を乗り越えて復活した芸人・ハウス加賀谷が語る"お笑いの意味"

 NHK Eテレでは、ことし4月6日から、『バリバラ〜障害者情報バラエティー〜』が放送されている。公式サイトに「これまでタブー視されていた障害者の性やお笑いのジャンルにも果敢に切り込みます」とある通り、"バラエティーを通してバリアフリーを考える"を番組のコンセプトとしている。人道的に見れば、障害者を笑い物にすることは決して許されることではない。しかし、番組に出演している障害者たちの"笑われる"のではなく"笑わせたい"という情熱は、テレビを通して伝わってくるものがある。

 この『バリバラ』に、プロのお笑い芸人が自らの障害をカミングアウトして出演している。お笑いコンビ「松本ハウス」のハウス加賀谷さんだ。1990年代の『ボキャブラ天国』(フジテレビ系列)では、「汚れなき壊れ屋」として、異常なまでのハイテンションを売りにして活躍した。しかし、"ボキャブラブーム"の終焉とは無縁に、彼らは表舞台から姿を消した。その理由は、ハウス加賀谷さんが、精神疾患の一つである統合失調症を発病したからだ。

 障害者と"お笑い"。一見すれば相反するものに見える。健常者は、つい障害者を腫れ物のように扱ってしまう。憐れみを受けたら笑ってもらうことが不利になるお笑いの世界で、ハウス加賀谷さんは自らの病名をカミングアウトして舞台に立っている。彼にとって、あるいは障害者にとって、人を笑わせることの意味とはなんだろうか。10年近くの治療を経てお笑いに戻ってきたハウス加賀谷さんに、その心中を聞いた。

(続きは上記リンクで。大変面白いです)



 ハウス加賀谷が何らかの精神科の病気でドロップアウトしたというのは聞いていましたが、統合失調症だったんですね。ボキャブラ天国、懐かしいです。あの頃はある意味発症前というか前駆症状だったんでしょうか。そんな松本ハウスも、松本キックが賛同してくれたので再度コンビとして復活したみたいですね。病気を克服していければいいですねー。全国の病院回ってほしいわー。統合失調症は、薬さえ合ってしまえば、ある程度様子をみながら日常生活を問題なくおくれます。個人的には、普通の人よりも正直でまじめな印象ですね。頑張って「お笑い」を届けてほしいです。
posted by さじ at 03:45 | Comment(0) | 精神

スマートフォンに自分の病歴を入れられるアプリを開発する

スマホに持病や薬を登録…迅速伝達へアプリ開発

 急病時に救急隊や病院に伝える搬送者の持病やかかりつけ医の情報を登録できる高機能携帯電話(スマートフォン)のソフト(アプリ)を、慈恵医大(東京都港区)とNTTドコモが共同開発した。

 近く、アプリを約1000人に配布し、救急現場で有用かどうかを調べる実験を始める。

 利用者は、持病、内服薬、アレルギーの有無・種類、かかりつけ医の連絡先をアプリのメニュー「マイカルテ」に登録。スマートフォンは他人が勝手に使えないよう暗証番号を入力する設定にしている場合が多いが、意識不明になった利用者に代わり、そばにいた人が情報を救急隊に伝えられるよう、このアプリは暗証番号なしで起動できるようにした。

 アプリには、119番通報と、家族への一斉メール送信の機能も装備した。



 これは素晴らしい。もしセキュリティが完璧になったなら、本当なら全国の病院で1つの電子カルテにしたいぐらいですからね。(ホント、思っている以上に自分の飲んでいる薬とかアレルギーとか持病関連を覚えていない人もいますし、その人が意識障害になってたりすると何だか分からないですしね。)

 これみんな入れてほしいなぁ。ついでに脳死に同意するかどうかの選択も。
posted by さじ at 03:35 | Comment(2) | 循環

ひきこもり外来で引きこもりをケアすることが今後の日本では必要

[ひきこもり外来]理想の人間でなくていい

 A男さんがひきこもるようになったのは20歳の時。大学に入学したのを機に一人暮らしを始めたが、友達ができずに外に出るのがだんだんおっくうになった。 深夜までテレビを見たり、インターネットをしたりして、昼過ぎに起きる生活が4年続いた。このままではまずいと、ホームセンターでレジ打ちのアルバイトをしたり、倉庫で品物の検査をする契約社員になったりしたが続かなかった。30歳で実家に戻ると、春と秋に農作業を手伝うほかは家に閉じこもった。「他人とかかわるのが怖かった」

 佐潟荘に通い始めたのは2011年3月。その日に入院を指示され、午前7時半に起き、午後9時にベッドに入る規則正しい生活が始まった。昼間はバドミントンなどのスポーツで汗を流した。週に1回、入院患者と課題を決めて話し合うミーティングも行った。

 正社員、高収入、やりがいのある仕事――。A男さんは中垣内さんの診察を受けるうちに、自分が偏った考えにとらわれていることに気づいた。「理想の人間でなくてもよい」という当たり前の現実を受け入れると、少しずつ人と話すのが苦でなくなった。同年の7月末に退院した。

 その後、コンピューターのソフトを作る職業訓練を半年ほど受講。今は仕事を探しながら、週に1回、外来に通っている。

 中垣内さんがひきこもり外来を始めたのは2001年。受診者は、学生時代の不登校から抜け出せない人や、職場での人間関係が原因となった20〜30歳代の元会社員が多いという。

 外来では、まずうつ病など精神的な病気か見極め、必要があれば薬を処方する。このほか当事者が院内のロビーで同じ苦しみや悩みを分かち合う「居場所」や、親たちが情報交換したり、励まし合ったりする「親の会」を作り、治療に役立てている。

 これまでに受診した人は約200人。このうち5割が接客アルバイトなどで働き、4割が高卒認定資格を取得したり、自動車学校に通ったりした。全体でも7割が何らかの社会復帰を果たしたという。

 内閣府が10年に発表した調査で、ひきこもりの若者は全国に70万人と推計されたが、「ひきこもりに的を絞った精神科外来が全国に広がっているとは言い難い」のが現状だ。長野県の会社員男性(50)は月に1回、ひきこもりの長男(21)と佐潟荘に通っている。車で往復6時間かかるという。「こうした外来が全国に必要ではないか」と話す。

 中垣内さんは「ひきこもる人は精神的な疾患を患っているケースが多い。無理に外に出したり、しかりつけたりせずに、まずは精神科の医療機関を受診してほしい」と指摘。「医療機関の側も根気よく支援を続けてほしい」と話している。



 まずひきこもりの原因が何であるのか、というのを考えないといけないですね。統合失調症やうつ病などが理由で引きこもりになる人を除くと、精神科が介入出来るひきこもりはおそらく発達障害でしょう。特にこのケースのように、高収入がどうとか、自分のプライドが云々っていうことで不適応を起こす場合は往々にして発達障害が考えられます。

 そしてこの発達障害がなかなか難しく。大人になってから診断されても、じゃあ何が出来るか、というと、日本にそういう疾患をサポートする場所がないんですよね。結局この外来のように、「その人がどういう性質で、どういうふうに生きれば生きやすいか」を教え続けるしかないです。まぁ本当のアスペルガー障害とかだと治療対象になるんでしょうけれど、ある程度の発達障害だと何もできないのが現状ですし、そういう人を障害者枠で就職出来ないのが難しいところです。

 今のアホな政治家だといつまでたってもそういうのは難しいんでしょうけれど、先日精神障害者も障害者枠で就職できるようになったみたいですし、次第にそういう人も何とかなるんでしょうねぇ。

 職業を選ばなければ、システムエンジニアとか農業とか、できることはあるんですけどね、と正直なところ思います。
posted by さじ at 02:46 | Comment(0) | 循環

まつげエクステンションのトラブルをなくすため、何らかの資格を

まつ毛エクステンション施術 目に被害相次ぐ

 目元を彩るメークとして女性に人気の「まつ毛エクステンション」で、目の炎症などの被害が後を絶たず、業界団体や国が安全対策に苦心している。人工毛を接着剤でまつ毛に貼り付けるデリケートな施術で美容師免許が必要だが、無資格が横行するほか、美容師の技術不足も背景にあるという。専門サロンは全国に1万店以上あり、業界団体は、技術水準の向上を目的に、専門資格の新設を国に要望した。

 「数日間はまぶたが腫れてヒリヒリした」。大阪市中央区の会社員Oさん(29)は約3年前、市内の専門サロンで施術を受けた際、接着剤のアレルギー症状が出たという。それでも店を変え、今も3週間に1度は通う。「リスクがあるのはわかっているが、つけまつ毛より自然な感じで朝の化粧も楽。やめられない」。

 国民生活センターには「角膜が傷ついた」などの相談が毎年90件前後あり、「潜在的な被害はもっと多いはず」(同センター)。各地で美容師法違反(無免許営業)容疑による摘発も相次ぐ。

 業界団体などによると、美容師の養成課程でほとんど指導されず、美容師の国家試験で過去の出題例はない。大半の美容専門学校で使われる教科書にも今春発行で2ページ登場しただけ。免許取得後に講習会などで学ぶが、指導内容にばらつきがあり、見よう見まねの美容師もいるという。

 こうしたことから、厚生労働省は昨秋から有識者や業界団体などによる検討会で議論。一般社団法人「NEA日本まつげエクステ協会」(大阪市中央区)は今年3月、検討会の中で、「美容師とは別の資格を」と同省に要望した。同協会を含む業界9団体は昨年12月、施術方法や安全衛生の統一基準を策定するための組織を発足し、自主規制にも動き始めている。

 日本眼科医会の福下公子副会長は「医師としては施術自体に反対。ただ、広く浸透しており、行政が安全の仕組み作りを主導すべきだ。消費者も危険性を認識してほしい」と指摘する。

 同省生活衛生課は「美容師法に基づき美容師が施術する方針に現段階で変更はない。検討会で各方面から意見を聞き、今後の対策を決めたい」としている。



 確かに。美容師がやっていいこととしては過剰かもしれんね。

 何らかの資格にしないといけないだろうなぁ。医師でなくていいだろうけど、失敗したら目に障害が出るもんね。でも女性にとっては、確かにつけまつげとか塗るやつとかより、見た目が自然でいいですもんね、面倒でないし。
posted by さじ at 01:43 | Comment(1) | 眼科

自治体、大学、企業と連携した「温泉医科学研究所」を開設する。

「温泉医科学研究所」を開設

 温泉療法や気候療法など、自然環境を利用した自然療法などの研究を行っている日本健康開発財団(東京都中央区)は、温泉や入浴に特化した研究拠点「温泉医科学研究所」(同)を開設した。日本人にとってなじみの深い温泉や入浴の効果について、科学的に検証していくという。

 開設は今月1日。温泉療法の専門医でもある早坂信哉・大東文化大准教授(医学博士)が所長を務め、大学や自治体、企業などと連携して研究を行う。

 研究対象は、「温泉」と温泉・家庭の内風呂・銭湯での「入浴」。主任研究員の後藤康彰さんは「日本には世界最大規模の温泉資源、長い歴史を持つ温泉文化がある。日常的に40度程度の湯につかるのも日本人ならではの生活習慣。これらの効果について医科学的な根拠を構築していく」と話す。

 具体的には、温泉地に滞在することによるストレスの緩和▽湯船につかることによる眠りの質改善▽温泉や入浴の長寿への影響−などについて、医学的、疫学的に研究を行う。研究成果を応用し、温泉・入浴などを活用した健康づくりの提案なども行っていく見通しだ。



 そもそも論として、温泉と普通の入浴以前に「熱いお湯」と「そうでないお湯」で医学的に効果があるのかという話をすると、多分「ない」と思うんですけども。

 温泉に入ることでの医学的な効果ってあるんですかね?効果があるとすればそりゃ温泉業界も大々的に宣伝できるんでしょうけれど、多分ないんだよなぁ、残念ながら。や、温泉は好きですけど、それは雰囲気とか、観光として好きなんで。あの「効能」のうさんくささは一体なんなんだろうなぁっていつも思います。「貧血」とかかかれてると、なんだそれと。

 というわけで意外と期待してます。多分効果ないけど。それでも医学的に成果あげられたら画期的なことだと思うし。リラックスって意味で効果あるならそれは温泉街に効果があるんであって温泉と入浴に差はないと思うけども。懐疑的ですみません。
posted by さじ at 00:55 | Comment(0) | 介護

2012年06月02日

脱法ハーブのおそろしさを知らぬ若者、安易に手を出す。

「脱法ハーブ吸い運転」 2人はねた男逮捕

 大阪府警南署は1日、大阪・ミナミの繁華街で女性2人をはね軽傷を負わせたとして、自動車運転過失傷害の疑いで容疑者(26)を現行犯逮捕した。

 南署によると、容疑者は「脱法ハーブを吸いながら運転していた」と供述。同署は車内からハーブのような物質を押収しており、詳しく調べる。

 逮捕容疑は1日午後9時35分ごろ、大阪市中央区心斎橋筋1丁目の市道で軽乗用車を運転し、歩道を歩いていた40代と30代の女性2人をはね、腰に軽傷を負わせた疑い。

 現場は市営地下鉄御堂筋線心斎橋駅から数十メートルで、飲食店や大型百貨店が立ち並ぶ人通りの多い路地。



 脱法ハーブを吸うのはほーんとにやめたほうがいいです。脱法ハーブは、要するに統合失調症の陽性症状を作り出しているようなものですからね。脳の障害が著しい。

 正直言って、この脱法ハーブブームはさっぱり意味が分かりません。やる人の気持ちがわからないから。無知だから、煙草や大麻と同じようなものと思ってやってるというのもあり、お手軽感があるのもあるんでしょうけれど、脱法ハーブは脳を障害して、ずっと苦しむ可能性があります。実際都内の精神科病院では脱法ハーブでガタガタになってしまった人がいますしね。陽性症状が消えなくてずっと拘束されている人とかもいるんじゃないでしょうか。

 昔は、覚醒剤を使ってしまい、「反省してはいるけれどもフラッシュバックで苦しみ続けて一生後悔している人」などが多かったでしょうけれども、今後は脱法ハーブで苦しみ続ける人が増えるんでしょうね。アレに手を出すだけでアホであると言っているようなもんだと思いますが。
posted by さじ at 09:08 | Comment(0) | 精神