2012年01月08日

一酸化炭素を吸うとストレスを軽減する効果がある、のか?

都市生活も意外に悪くない?一酸化炭素にストレス軽減効果 イスラエル研究

 都市部の道路で車から吐き出される一酸化炭素ガス(CO)は、都市生活のストレスを軽減してくれているのかもしれない。イスラエルのテルアビブ大の研究チームが、このような論文を同大のウェブサイト「American Friends of Tel Aviv University」に発表した。

 イツァク・シュネル教授のチームは、健康な成人36人にテルアビブ市内の歩道を歩いてもらったあと、バスに乗って市場に買い物に行ってもらい、この間に吸ったCOの量を測定した。COはにおいも色もない有毒ガスで、高濃度の場合は人を死に至らしめることがある。

 その結果、30分ごとの吸引量は約1〜15ppmと、予想をはるかに下回っていた。さらに、被験者は街の騒音や人ごみによりストレスレベルが上がったものの、COにこうしたストレスを和らげる麻酔効果があるらしいことが分かった

 論文は、以上の結果から、「都市生活は研究者が予想していたほどには健康に悪くないかもしれない」と述べている。ただし、COに長時間さらされるとストレス軽減効果は弱くなっていったという。



 いや体には悪いでしょう。笑

 アラブ系ジョークみたいな医療ニュースでした。
posted by さじ at 04:12 | Comment(0) | 呼吸

アルコール依存症は、女性のほうが男性の3倍のダメージを負う。

女性のアルコール依存症、脳へのダメージは男性より3倍早い

 女性のアルコール依存症者の脳へのダメージは、男性に比べて3倍早く進むとの研究結果を9日、スウェーデンの研究チームが発表した。

 アルコール依存が進むと、特にセロトニンと呼ばれる脳内神経伝達物質が減少する。セロトニンは抑うつ状態・慢性不安の進行や治療の鍵となる物質で、衝動の制御や入眠・覚醒を調整する能力もコントロールしている。そのため、気分や衝動、睡眠などに影響が出る。

 スウェーデンのイエーテボリ大学(Gothenburg University)心理学部と、サールグレンスカ・アカデミー(Sahlgrenska Academy)の名で知られる同大保健科学部の共同チームは、アルコール依存症だと自認する42人(うち3分の2は女性)と健常対象者28人の脳機能を研究した。すると、アルコールの過剰摂取を4年間続けた女性の脳内では、セロトニンの機能が半減していたが、男性で同程度の影響が出るまでには12年間かかっていた。

 実験に参加したアルコール依存症の女性たちは、平均して週にワイン12本分に相当するアルコール飲料を4年間飲み続けていた。一方、男性の参加者が飲んでいたアルコール量も同等だったが、現在の依存状態になるまでに12年かかっていた。セロトニンの機能に起こっている障害については、両者で違いは見られなかった。

 研究を行ったクリスティナ・ベルグルンド(Kristina Berglund)氏は「機能障害は、女性のほうがずっと早く進んでいる」と指摘した。

 この結果は、アルコール依存症に関する医学誌「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」2012年1月号に掲載される予定だが、ベルグルンド氏は「アルコール依存症者でセロトニンの機能が低下することは驚きではないが、脳内でさえ、女性のほうがずっと傷つきやすいことが分かり、驚いている」と語った。

 ただし、サールグレンスカ・アカデミーの研究者の1人、ウルフ・ベルグレン(Ulf Berggren)氏は、時間的には違いはあるものの、男性の依存症患者もいずれはセロトニンの機能に女性と同程度の障害をきたすと警告している。また、セロトニンの機能に起きる著しい障害とアルコールの過剰摂取に関連があることは分かったが、障害がもたらす心理的影響についてもさらに研究する必要があると述べた。



 女性の場合は、水商売というか、キャバクラのおねえちゃんとか、結構な量のお酒飲むじゃないですか。

 お酒の強い弱い関係なく、毎日お酒を飲む女性は、頭のCTを撮るとすごく良くわかります。

 20代なのに、脳が小さくなっているのです。もう隙間が凄い。

 あれをみると、絶対お酒はやめたほうがいいな、と思います。もちろん男でもなるんですが、やっぱり女性のほうが、脳の縮小っぷりが凄いです。ですので、この記事は何となく、しっくりきますね。
posted by さじ at 04:04 | Comment(0) | 精神

急性膵炎の原因を予防する遺伝子IRF2を長崎大学が発見する。

長崎大、急性膵炎治療に光 膵臓の酵素抑制作用を解明

 長崎大医歯薬学総合研究科の松山俊文教授らの研究グループは11日、膵臓から分泌され、急性膵炎の原因にもなる消化酵素「トリプシン」が、免疫機能に関わる遺伝子「IRF2」によって抑制される仕組みを解明したと明らかにした。

 松山教授によると世界初の成果で、急性膵炎の治療法確立につながる可能性がある。成果をまとめた論文は、10月31日付の米国科学アカデミー紀要電子版に掲載された。

 トリプシンにはタンパク質を分解する作用があり、膵臓自体の組織を分解し始めると急性膵炎となる。



 急性膵炎というのは意外にもおそろしい病気でしてね。

 アルコールによるもの、胆石によるもの、そして原因のよくわからん特発性があります。

 で、簡単に言ってしまうと、食べ物の脂肪分を溶かす役割などをしている膵液が、自分の膵臓を溶かしてしまうのです。すると炎症がどんどん広がってしまいます。

 重症になると命を落としてしまうこともあるのです。アルコールを飲まれている方!ご注意ください。

 治療としては絶飲食、大量の点滴、膵液の影響をなくすため蛋白分解酵素阻害剤の投与などを行います。重症急性膵炎がいた場合は、大きい病院で全力で治療をする必要があります。
posted by さじ at 03:58 | Comment(0) | 消化

プロバイオティクスヨーグルトは果たして効果があるのだろうか。

プロバイオティクスヨーグルトが腸に及ぼす影響を科学的に解明

 人気の高いプロバイオティクスヨーグルトの健康に対する有益性を調べた新しい研究で、このヨーグルトの摂取により食品が代謝される方法が変化する可能性が示された。ただし、プロバイオティクス食品やサプリメントによって健康が改善するかどうかはまだわからないという。

 “プロバイオティクス”という用語は、一般に十分な量を摂取すれば健康の増進につながりうる細菌やウイルス、酵母などの消化可能な生きた微生物を指す。サプリメントの製造業者は、これが免疫システムを活性化させ、“悪い細菌”から防御し、消化プロセスを助けるために疾患と闘うことに役立つとしている。

 米ワシントン大学医学部(セントルイス)ゲノムサイエンスセンター所長のJeffrey Gordon氏らは、米国立衛生研究所(NIH)とダノンプロバイオティクスヨーグルトActiviaを製造する食品複合企業の一部門であるダノン研究所の資金援助を受け、マウスとヒト双生児を対象に先端技術を用いた研究を実施した。研究結果は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス・トランスレーショナル医療)」10月26日号に掲載された。

 同氏らは、無菌マウスの腸内環境が、遺伝子配列の決定された15種類のヒトの腸内細菌のみになるよう慎重に飼育した。この“ヒト化”マウスと、健常な双子の若い成人女性7組に4カ月間、市販のプロバイオティクスヨーグルトを摂取させ、摂取前後、摂取中の腸内細菌叢の組成と行動パターンを分析した。

 研究の結果、ヨーグルトの細菌種はヒト、マウスともに新たな居住者として腸内に留まらなかったため、マウスとヒトの腸内細菌環境はヨーグルト摂取前後でほぼ同じであった。ただし、“ヒト化”マウスの尿検査で代謝に関与する酵素活性に“有意な変化”がみられ、最も顕著な変化は炭水化物の分解に関係していた。同氏らは、プロバイオティクス摂取がヒトの健康に及ぼす影響について確定的なことを述べるには、さらに研究が必要であるとしている。

 Gordon氏は「連邦規制当局では、プロバイオティクス食品の製造業者によるすべての栄養機能表示の評価への興味が高まっている。実際、食品成分の代謝に影響を及ぼす可能性が示され、微生物群の構造は変化しないが機能は変化する。我々は、これらの微生物が腸に及ぼす影響を調べる方法の開発に成功した」と述べている。別の専門家は「実際にどの微生物が存在するかではなく、何をするかが問題である」としている。



 あれ、細菌の群は変わらないんだ。へー、じゃあ腸内細菌がいいのか悪いのかよくわからんですね。いちおう、尿検査では良くなったっぽいですけど。腸内細菌が既にガタガタの人には効果あるのかもしれないですけどね。
posted by さじ at 03:35 | Comment(0) | 消化

痛風を起こしにくい強化スキムミルクを開発する。

GMP、G600強化スキムミルクに痛風再発の予防効果

 痛風の治療では食生活の改善も重要とされるが、痛風発作の再発予防のために、グリコマクロペプチド(GMP)とG600乳脂肪抽出物の2つの牛乳由来の成分を強化したスキムミルクを摂取したところ、痛風発作の頻度が減少することが示された。11月5日からシカゴで開催中の米国リウマチ学会(ACR2011)で、ニュージーランド・オークランド大学医学部のNicola Dalbeth氏らが発表した。

 「これまでに縦断観察研究により、スキムミルクの摂取と痛風再発リスクとが負の相関を示すなどが示されているが、ランダム化二重盲検試験によってGMP・G600強化スキムミルクの効果を調べたのは初めて」(Dalbeth氏)だという。

 対象者は痛風発作の再発患者120人で、対照群にはラクトースのみ、スキムミルク群にはスキムミルクのみ、GMP・G600強化スキムミルク群にはGMP・G600入りのスキムミルクを、それぞれ250mLのバニラシェイクにして毎日1回摂取した。

 その結果、120人の対象者のうち、最後まできちんと試験を終了したのは102人だった。2人は副作用で試験を中止、8人は追跡不可能、副作用のためシェイクの摂取を中断したが試験を継続したのが8人だった。

 主要評価項目の痛風発作の再発回数は、3群ともベースライン時よりも減少した。ただし、GMP・G600強化スキムミルク群(−1.9回)は、対照群(−0.7回)と比較して統計的に有意な減少を示した(ANCOVA Pgroup=0.039、Tukey post hoc test 対 対照群でP=0.042)。

 またGMP・G600強化スキムミルク群は、痛風発作の痛みや自己評価の発作回数、尿酸の排泄率などでも改善が見られた。



 風が吹いても痛いというほどの痛風ですが、経口で予防できるミルク・・・ミルクて。日本ではなかなかなじみ無いんで難しいのかもしれませんけれども。現在の高尿酸血症治療薬でもうまくいかない人にとっては期待の一品か。
posted by さじ at 03:28 | Comment(0) | 薬理

高齢出産で後悔するような親は不妊治療しないほうがいい。

57歳で母親になった女性、高齢出産を後悔

 体外受精(IVF)により、57歳という高齢で初めての子供を妊娠・出産した女性が、高齢での不妊治療に疑問を投げかけている。「デイリー・テレグラフ」紙が報じた。

 エセックス在住のスーザン・トレフセンさん(61)は、3年前にロシアで、他者から提供された卵子と、11歳年下のパートナー、ニック・メイヤーさんの精子によるIVF治療を受け、初めての子供となる娘のフレイアちゃんを授かった。初産婦としては最高齢で、出産当時は何かと議論の対象ともなった。

 しかしながら、60代で子育てに追われるスーザンさんは今、「IVFの対象年齢を50歳までにすべきだ」と、訴えているという。日曜紙のインタビューに対し、スーザンさんは、「母親としての苦労と責任が人生にとって大きな負担となり、パートナーとの別れにもつながった」と、語っている。スーザンさんによれば、パートナーのニックさんには子供のために自分の生活を変える気が全くなく、サッカー・チーム「ウェスト・ハム」の応援に忙しく、子育てへの協力がまったく得られなかったという。結局スーザンさんは、ニックさんと別れて家も出、現在はひとりで子育てに奮闘しているという。

 スーザンさんは、「子供を授かることは間違いなく人生で最も素晴らしいことと前置きしながらも、今思えば私の出産に対する批判的な意見の中には、もっともなものもあったと思えるの。娘を見ていると、様々な感情が湧いてくる。私の時間が残り少なくなっていることにも気づいて、悲しくもなる。できることなら、若返りたい。そうすれば、娘の成長や結婚、出産などを見届けられる。私が死んで、娘と離れ離れになったら、また、娘がまだ幼いうちに死ぬことになったら、などと考えると、胸が張り裂けそう」と話している。

 さらに、高齢での育児は苦労が多い上、他の母親たちから疎外されているように感じることもしばしばだと告白。「学校の送り迎えで会う母親達と自分との違いに直面するとは思ってもみなかった。皆よい人たちだが、世代は異なり、共通点もほとんどない。他の母親たちが(自分にはない)若さや将来の可能性を持っていることが、時々、うらやましく感じる」と、話しているという。



 なんつーか、、、

 まるでタトゥーを入れて後悔してる若者みたいですね。

 子供のことを第一に考えたら、「じゃあ何で生んだん?」って感じですけども。愛の結晶が云々って思ったんでしょうか?なーんか微妙な思考ですねぇ。イライラしてくるというか何というか。
posted by さじ at 03:22 | Comment(0) | 生殖

国立成育医療研究センターのES細胞を使った肝臓治療を全力で支援したい。

ES細胞で初の治療へ 肝臓病の0歳児 国立成育医療研

 重症の肝臓病で治療法がなく、肝移植も難しい0歳児に、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)からつくった肝細胞を移植する治療を、国立成育医療研究センター(東京都)が計画している。ES細胞による治療は国内では例がなく、肝臓病への応用は世界初とみられる。研究センターは3年後をめどに、倫理委員会の承認を受けて臨床試験に臨む。

 受精卵からつくられるES細胞には、生命の萌芽を壊すことになるという倫理面の問題やがん化の危険性があり、研究レベルに制限され、一部の認められた研究機関でしか扱えない。しかし、研究が進んで海外では臨床試験も始まっていることなどから、ほかに治療法がない難病患者に限って臨床研究の対象として、厚生労働省は先月、指針づくりを始めたところだった

 治療するのは先天性代謝異常症で、肝臓が有毒なアンモニアを分解できない新生児。血中の濃度が高くなると脳に障害が出る。10万人に1人程度の割合で発症し、生存率は10〜20%。



 今生まれてくる子供の命のことを考えたら、早速やってほしいものですよね。倫理的にどうのと議論するのも大事ですけども、議論しているのは「今を生きている、昔からある倫理に流された大人」じゃないですか。しかも日本人っていったらばりばりの保守体質じゃないですか。そんなんでかけがえのない子供の命を左右していいのか?と思いますね。人体実験をしないとか、そういう当たり前の大前提は既に倫理的に確立していて、それ以上の倫理って、何なんでしょうね。時代に即したものでしかないわけで、そんなんその子供や子供の親や担当している主治医からしたらクソくらえだと思うんですよね。だからといって時代に逆行するのも違うし、明らかに間違っているものも違います。要は倫理は大事だが二の次だと言いたいのですが、自分で書いててツッコミどころ満載だなと。
posted by さじ at 03:12 | Comment(0) | 小児

希少植物ヒゼンマユミの実から抗がん作用のある化合物を発見する。

がん細胞増殖を抑制 絶滅危惧T類、ヒゼンマユミの実

 環境省のレッドデータブックで絶滅危惧T類に指定されているニシキギ科の希少植物ヒゼンマユミの実に、がん細胞の増殖を抑える効果があることが、徳島文理大学の橋本敏弘教授(生薬学)らのグループの研究で分かった。19日に筑波大学で開かれる学会で発表する。

 グループは、ヒゼンマユミの実から抽出した8種類の化合物に、ヒト肺がん腫瘍細胞株、ヒト子宮頸部がん細胞株、口腔扁平上皮がん細胞株をそれぞれ加え、がん細胞の生存率を調べた。

 その結果、8種類の化合物のうち、2種類は全てのがん細胞、2種類は肺がん腫瘍細胞のみ、1種類は口腔扁平上皮がん細胞のみにおいて、それぞれ増殖を抑制する効果があった。グループは今後、実用化に向けた研究も進めたいという。

 抽出した8種類の化合物のうち、7種類は今回初めて見つかった新規化合物で、橋本教授は「ほかの病気への応用も期待できる。葉や根の研究も進めて効果を検証したい」と話している。

 ヒゼンマユミは、阿南市伊島の西部にある棚子島など国内3カ所のみで自生する。橋本教授は2010年1月、ヒゼンマユミの実と苗木1本を譲り受け、同大植物園で栽培している。



 古来より人間は植物の恩恵に与っていますが、未だに植物が宝の山であることに代わりはないようで、続々と抗がん剤などのヒントが植物から得られていますね。
posted by さじ at 03:05 | Comment(0) | がん

iPS細胞から血小板を大量に作り出す事に京大&東大が成功する

iPSから大量に血小板 京大が初、がん患者らへの輸血に

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、体外で血小板のもとになる細胞を大量に作り出す手法を京都大iPS細胞研究所の江藤浩之教授(再生医療)らと東京大のチームが開発し、米国血液学会で12日、発表する。

 止血する機能を持つ血小板は輸血に利用され、献血で集められているが、血液は不足傾向。もとになる細胞は無限に増やせ、血小板の安定供給につながる。チームはこの細胞を保存するバンクをつくり、繰り返し輸血が必要な血液がんや骨髄の機能が低下する再生不良性貧血の患者らへの使用を目指す。



 これ結構凄い。献血しなくても、血小板輸血がすぐ出来るようになるかも。

 血小板ってのは血を止める小さな小さな円盤みたいなもんなんですけど、すぐ固まってしまうので、2週間ぐらいしか保存が利きません。10日ぐらいが寿命と言われています。消耗品です。

 で、血小板輸血をしなければいけない人がいるんですけど、そのときに使う血小板が、現在不足気味なんですわ。

 そんな中素晴らしいこのニュース。でも臨床応用まで時間かかりそうなのでみなさん献血して下さいね。
posted by さじ at 03:01 | Comment(0) | 生理

医薬品作りのプロ「日本政府がやる気ないから研究できん」アメリカへ

新薬開発「日本は無力」…国の推進役、米大学へ

 日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが12日わかった。

 中村教授は今後、米国を拠点に、がん新薬などの実用化を目指すという。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好で、波紋を呼びそうだ。

 同推進室は今年1月、仙谷由人官房長官(当時)の肝いりで、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さん(52)らを室長代行に迎えて発足。省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化するための司令塔となることを目指した。

 ところが、発足直後に仙谷長官は退任し、10月の第3回医療イノベーション会議には、それまで出席していた経済産業省や内閣府の政務三役も欠席。今年度の補正予算や来年度の予算案策定でも、各省庁が個別に予算要求を出すだけで「日本全体の青写真を描けなかった」(中村教授)という。

 中村教授は、ゲノム(全遺伝情報)研究の第一人者で、国際ヒトゲノム計画でも中心的な役割を果たした。中村教授は「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だったのだが。せめて米国で新薬を実現したい」と話している。



 要するに、日本政府がダメすぎるということでしょうね。

 政治家って不思議なんですけど、日本を良くしようとホントに思ってるんでしょうか?官僚も、なんつーか、日本を良くしようと思って行動してる人たちは優秀なんですけど、結局楽しようと思ってしまうとトコトン楽できてしまうので、期待できないんですよねぇ。そんな中、こういった頑張ろうとしている人が、頑張れない土壌が日本に存在するってーのが、悲しいというか何というか。お粗末ですよねぇ。
posted by さじ at 02:56 | Comment(0) | 薬理

老化した細胞を除去することで、加齢が原因の疾患の発症を遅らせる研究

体の老化した細胞を除去すると

 身体の老化した細胞(body's old cells)を除去することにより、加齢による疾患の発症を遅らせ、老齢期を
元気に過ごせることがマウスの研究で示され、英科学誌「Nature(ネイチャー)」オンライン版に11月2日掲載
された。研究著者である米メイヨー・クリニック(ミネソタ州ロチェスター)教授のJan van Deursen氏によると、
研究グループは、いわゆる“老化(senescent)細胞”(正常に機能しなくなっても体内に留まり、健康な組織を
損傷する細胞)を特定し、除去する方法を突き止めたという。

 van Deursen氏によると、老化の機序には多数の説があるが、そのひとつとして、加齢とともに老化細胞が
蓄積し始め、周囲の正常な細胞の機能を低下させる老化蛋白(たんぱく)やその他の因子を産生するという
ものがある。老化を早めるよう遺伝子操作したマウスの老化細胞を除去すると、残った組織の健康状態が向上し、
性能が改善されることが判明した。

 老化細胞の数は、ヒトの高齢者で最大15%を占める。研究グループは、マウスの老化細胞を除去するため、
p16と呼ばれる蛋白の追跡子(tracer)に着目。「p16は細胞の老化をもたらす一連のステップの引き金
となる可能性があるとされ、若く健康な細胞には発現しないが、加齢とともに組織内に増えてくる」と研究共著者の
James Kirkland博士は説明している。このp16を用いて、老化細胞内の「自殺遺伝子
(suicide gene)」の一種を活性化させた。

 老化を早めたマウス2群を用い、1群はマウスの典型的生存期間である15カ月を通して老化細胞を除去し、
もう1群については加齢による障害が十分に進行するのを待ってから、数カ月間の老化細胞除去を行った。
その結果、生涯にわたり処置したマウスには、白内障、筋肉量や筋力の低下などの加齢による問題がみられ
なかったが、高齢期に老化細胞除去を行ったマウスでも、加齢による健康問題の進行を遅らせることができたほか、
活動レベルの大幅な改善もみられた。「ヒトを対象とする研究は未だ実施されていないが、現時点では動物
モデルで老化細胞を安全に除去できることがわかった」とVan Deursen氏は述べている。

 専門家らはこの知見に期待を示す一方、「健康効果を得るためには、いつ、どのくらい老化細胞を除去すれば
よいのか、また、ヒトを死亡させずにどの程度まで老化細胞を除去できるのかなどの疑問が残る」と指摘している。
別の専門家は、「老化は癌(がん)などに対する防護機構の一種であるとも考えられてきたが、今回の知見は
そうでないことを示しており、さまざまな可能性を開くものだ」と述べている。



 理論的には老人に対しても効くってことかー。なんか壮大だなぁ。

 でも人間みたいな大動物の老化細胞を除去、って、どうやるんでしょうかね。なんかイメージ的に、ブラックジャックの「キャンサー・ハンター」の機械を思い出しました。キャンサーハンターは、日焼けマシンみたいなのに人を入れると、全身から癌細胞を取り除いてくれる装置なのですが、副作用として眼とかに影響があるとかなんとか。この研究も臨床応用できるのかどうか。
posted by さじ at 02:40 | Comment(0) | 介護

高脂肪食を食べ続けると腸内細菌叢が崩れて菌の種類が激減する

高脂肪食で腸内細菌のバランスが崩れる

 脂肪が多い食事を食べると、消化液(胆汁)が大腸の「善玉菌」を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことが北海道大の研究でわかった。

 消化液の分泌が引き金となってメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や大腸がんが発症する可能性を示しており、米消化器病学会の専門誌11月号に掲載された。

 研究したのは同大農学部の横田篤教授(微生物生理学)らのグループ。ラットの普通のえさに、高脂肪食で分泌される濃度に近い胆汁を混ぜて10日間食べさせ、盲腸の細菌の変化を調べた。

 通常は、大腸や盲腸で約1000種類の細菌が見つかるが、胆汁を混ぜたえさのラットは「クロストリジウム」に分類される菌が98・6%を占め、菌の8割はたった4種類になった。この菌が大半を占めるのは、米国の肥満患者の研究と同じ傾向だった。通常は1割ほどいる乳酸菌などは、ほとんど見つからなかった。



 やっぱ体にダメージくるんですねぇ。

 うかうかと脂マシマシのラーメンとか食べられませんなぁ。
posted by さじ at 02:34 | Comment(0) | 消化

2012年01月06日

あけましておめでとうございます@2012

 今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 2011年は色々と忙しい年でした。なかなか更新できず、楽しみにして下さっていた方々に申し訳なかったなぁと思っております。

 今年は「知識体系を幅広く構築する」こと。

 医学の広く深い世界を、少しでも自分のものに出来れば、と思っております。

 短い挨拶、そして既に6日というめまぐるしさですが、今後とも医学処を宜しくお願いいたします。
posted by さじ at 20:25 | Comment(2) | 日記