2012年01月09日

6年間薬学を学んだこれからの薬剤師の将来に期待する。

「将来を担う6年制薬剤師に期待」−日薬・児玉会長

 日本薬剤師会の児玉孝会長は2012年の年頭所感で、4月に6年制教育を受けた薬剤師が誕生することに言及し、「薬剤師の将来を担う彼らに期待をするとともに、私共、各職域の先輩薬剤師が温かく迎え入れ、今度は社会人の薬剤師として実習時と同じように指導をしていきたい」とした。

 また、今年の薬剤師にかかわる重要課題として、▽診療報酬・調剤報酬改定▽社会保障と税の一体改革▽チーム医療▽地域医療計画の見直し▽公益法人の見直し▽薬事法改正の経過措置終了―を挙げた上で、これらに共通するポイントは「地域医療提供体制の構築」と指摘。その実現に向け、医薬分業支援体制中心から地域(在宅)医療支援体制づくり中心へ都道府県薬剤師会や地域薬剤師会の組織を強化する必要性を強調するとともに、「すべての職域の薬剤師一人一人の覚悟と実行力が問われる年である」とした。

 また、日本病院薬剤師会の堀内龍也会長は年頭所感で、病棟における薬剤師の専任配置を入院基本料の加算として評価することを「12年度診療報酬改定で実現し、病棟業務推進の基盤にしたい」との意欲を示した。その上で、「今後の近未来の病院薬剤師の将来を決める本当に大事な年」と強調した。



 確かに。6年制の薬剤師は、早期からマンパワーとして非常に重宝されることでしょう。

 処方するのは医師といっても、薬剤師がいるから安心して薬を処方できている面もありますし、ありえない処方に関して医師に忠告できるのも薬剤師ならではです。薬のスペシャリストとして、副作用など多くの面で患者に貢献していただけたらなと思います。これからの時代、ますます需要は高まるでしょうね。
posted by さじ at 18:10 | Comment(1) | 薬理

日本医師会、日本医療小説大賞を新設する。

日医が文学賞、選考委員に渡辺淳一氏ら−来年3月に第一回選考会

 日本医師会は文学賞を創設する。

 日本医療小説大賞(仮)で、国民の医療や医療制度への興味を喚起し、国民と医療関係者との信頼関係を深めることに貢献した小説が対象。選考は1年ごとで、各年1月1日から12月31日までに書籍で発行された作品に記念品と副賞100万円を授与。選考委員は作家の渡辺淳一氏ら。同賞は日医が主催で、新潮社が協力。第一回の選考会は2012年3月に実施し、「小説新潮」5月号誌上で発表する。



 イケテル小説じゃなくて、国民に「医療って素晴らしいもんですよ」ってな感じなことを伝えられる小説ってこと?

 帚木蓬生とか受賞しそう。
posted by さじ at 17:15 | Comment(0) | NEWS

医療計画見直し。うつ病と認知症に重点を置いた指針を厚労省が作成。

精神疾患の医療計画、うつ病と認知症に重点−厚労省検討会で方針

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長=武藤正樹・国際医療福祉大大学院教授)は16日、現行の「4疾病5事業」から「5疾病5事業」として新たに追加する精神疾患に関し、次の計画で盛り込む医療体制の指針について議論した。厚労省は、急増するうつ病と認知症に重点を置いた指針を作成する方針を示した。

 厚労省は、精神疾患の医療計画で目指すべき方向として、その特性を踏まえ、福祉との連携を強調。「住み慣れた身近な地域で、福祉や介護、就労支援など、さまざまなサービスとも協働しながら、必要な医療が受けられる体制」とし、患者の病期や状態に応じて求められる医療のイメージを描いた。その上で、医療計画の作成に当たっては、二次医療圏とほぼ重なる「障害保健福祉圏域」や「老人福祉圏域」などとの連携を考慮するとの案を示した。

 また、精神疾患の患者数は、全体で320万人(2008年)を超え、特に、入院では認知症患者、外来ではうつ病など気分障害の患者が、それぞれ増加しているのが目立つと指摘。このため、うつ病と認知症についての記載は、より分かりやすくなるように指針を工夫することを提案した。

 委員の反対はなく、うつ病と認知症対策の重要性を強調する声が相次いだ。一方で、地域生活への移行の難しさなどを指摘する意見も多く、「家族が受け入れを拒否することもある。精神疾患に対する偏見や差別を払しょくしてこそ、いろんな施策があり得る」「精神疾患に関するケアマネジャーらの教育がないと、地域で実際的な対応はできないのではないか」など、受け入れ体制の充実が求められた。



 絶対に力を入れるべきところなんでしょうけれど、

 開業の心療内科とかで「うつ病」と診断された人の果たして何割が、実際はうつ病ではないのか、と、そこらへんが疑問ですね。

 要するにうつ病などの気分障害について着目するのはいいけれど、それを対応する開業医の能力が劣っていては話にならない、と。

 精神科での勤務経験が15年以上ないと精神科・心療内科を名乗れないようにしたらどうでしょうか。いえ、ほんと、それぐらいしないと、やばいですよ。うつでないのに抗うつ剤出して、衝動性高くなって自殺したら、それって「医原性」ですからね。能力の無い医師に自覚がないだけで。本気で国には検討していただきたい。
posted by さじ at 16:58 | Comment(0) | 精神

産婦人科の医師数、久々の増加へ。負の連鎖、断ち切れるか。

産婦人科・産科の医師「増加に転じた」−厚労省・三師調査

 厚生労働省は6日、2010年医師・歯科医師・薬剤師調査(三師調査)の結果を公表した。それによると、産婦人科・産科の医師数は10年末現在1万652人で、08年の前回調査から2.5%(263人)の増。医師不足が特に指摘される産婦人科・産科だが、前回の3.1%増に続き微増となったことで、厚労省は「増加傾向に転じた」との見方を示し、「診療報酬や補助金などによる医師不足対策の効果が出ているのではないか」とした。

 医療施設で従事する医師の総数は、28万431人で3.1%の増だった。全体から見ると、産婦人科・産科の伸び率は下回るものの、2回連続の増加となった。15-49歳女子人口10万人当たりでは1.5人増の39.4人。これを都道府県別に見ると、島根が最多の54.8人。最少は埼玉の28.0人だった。

 同じく医師不足とされる小児科も増加。医師数は1万5870人で、前回から4.2%(634人)増えた。15歳未満の人口10万人当たりでは、全国平均94.4人(5.7人増)に対し、最多が鳥取の143.7人、最少は茨城の62.3人。

 一方、人口10万人当たりの医師数全体は219.0人で、6.1人の増。都道府県別では、最多の京都が286.2人、最少の埼玉は142.6人となり、厚労省は「依然として、地域間の格差は大きい」との認識を示した。



 まぁ増えなきゃおかしいか…。引退を自分で決められる職ですし。

 もともと産婦人科も小児科も、学問としてはめちゃくちゃ面白い。自分一人で何でも出来るし、開業も出来るし、専門性が高く、研究しても宝の山だし。

 でも患者がどうとか、家族からの訴訟がどうとかで、やる人が少なくなってしまって、負の連鎖が生まれてしまった、ここらあたりは弁護士の責任も少なからずあるでしょうな。

 このまま順調に増えていって、勤務医が増えれば、いい循環になるはず。そのためには勤務医の待遇改善を。そこらへんは官僚&政治家の役割ですよ。
posted by さじ at 09:12 | Comment(0) | 生殖

2012年01月08日

迅速にうるおい艶やかな唇を獲得するための方法とは

キスしたくなる唇!? うるおいツヤぷる唇の作り方

 クリスマス直前、女性はもちろん、男性もご自分の顔や体を入念にお手入れするのではないでしょうか。そこで今回は、恋人やパートナーを虜にする「ぷるるん唇」の作り方をご紹介します。ほんの10分程度のケアで、艶やかなぷるぷる唇になったと周囲の女性には評判です。是非お試しください。

境式・艶やか唇マッサージ

用意するもの

ワセリンもしくは保湿用リップクリーム
ラップ

ハンドタオルで作ったホットタオル

手順

手洗いを済ませ、清潔な手で行いましょう。

下唇
両手の親指と人差し指で下唇をはさむようにつまむ。親指を口の中に入れ、唇の内側、人差し指を外側に置いてつまむ。唇の根元(奥の部分)からプチプチを潰すように、少し強めに口先へ引っ張り上げる。左端から右端へ3往復しましょう。
上唇
同じように、上唇も唇根元からしっかりつまみ上げ、3往復する。この時も親指を口の中に入れ、唇の内側、人差し指を外側に置いてつまむ。

保湿
ワセリンをたっぷり唇に塗り、人差し指でクルクル円を描くようにマッサージする。自然と剥がれてくる皮膚を優しくティッシュでふき取り、さらにワセリンをたっぷり唇とその周りに塗って、ラップで唇全体を覆う。最後にホットタオルをラップの上に置き、5分間保湿する。

 食生活やビタミン不足が原因の方は、唇が一種のバロメーターである事を意識して、栄養バランスや水分摂取など、生活習慣を見直す必要があるかもしれません。また、唇は他の皮膚に比べて角質が薄く、皮脂腺もほとんど無いため、自力で水分や油分をコントロールしづらいです。よって、冬などの乾燥した季節には、どんな人でもセルフケアが必要になります。そこで冬の間は、以下の乾燥対策を毎日行うことをオススメします。

保湿:ワセリンは皮膚に浸透せず、保護してくれる。
加湿器:乾燥を和らげる。
ビタミンB2を摂取:粘膜を正常に保ってくれる。
外出時にリップを塗る:乾燥を防ぎ、水分バランスを狂わす紫外線をカットする。

 乾燥で切れて血が出てしまったりすると、ついつい舐めて潤わそうとしますが、これは逆効果です。乾燥から守るために出している保湿成分を唾液が奪ってしまうので、絶対に舐めないようにしてください!



 へぇー。これは役に立つ。唇がっさがさなんで。

 今実際に唇つまんでプチプチするのやってみたんですけど、痛気持ちいいですね。まあ私が唇ぷるんぷるんにしたところでどうにもならんのですが。
posted by さじ at 16:05 | Comment(0) | 皮膚

女性の肥満症の基準を変更。BMI25以下でも腹囲80cm以上なら肥満。

女性は腹囲80センチ以上も肥満症に…学会検討

 日本肥満学会は、体格指数(BMI)25未満で、腹囲80センチ以上の女性についても肥満症の対象とする検討を始めた。

 これまでBMI25未満の人は、肥満症の対象外だった。特定健診のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の腹囲基準(男性85センチ、女性90センチ以上)は、肥満症の診断基準を基本にしているため、厚生労働省が進める特定健診の腹囲基準見直しに影響を与えそうだ。

 現在の基準で肥満症と診断されるのは、BMIが25以上で、かつ「脂質異常や高血圧などの健康障害が見られる」「腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上」のどちらかに当てはまった場合。しかし、BMI25未満でも内臓周辺に脂肪がたまると、動脈硬化などが増加する傾向が指摘されている。



 肥満症の定義がうにょうにょ変更されて、一般の人としては時流の移り変わりがあってもしっかり肥満症と判断されるのでまぁいいでしょうけれど、つらいのは受験シーズンの医学生か。まぁ国家試験の問題は前年の夏には出来ているらしいので、いきなり変更があってもそれが試験に出題されるということはないので、この記事をみた医学生のアナタ、惑わされないようにして下さい。
posted by さじ at 14:00 | Comment(0) | 消化

βアミロイドの蓄積を防ぎアルツハイマー型認知症を予防する食材リスト

認知症を予防する食材 かぼちゃ、もやし、ウコン、納豆など

 認知症のうち最多の約6割を占めるのが、アルツハイマー型の認知症だ。アルツハイマー型がどのように発症するかは解明されていないが、最近は、βアミロイドというたんぱく質が脳内に蓄積することで、脳内の神経細胞が衰えて発症する説が有力だ。順天堂大学・加齢制御医学講座教授の白澤卓二さんはこう話す。

βアミロイドの蓄積を抑えるには、野菜などの抗酸化作用の強い食材を摂ることが最も効果的。というのも、βアミロイドは活性酸素がたんぱく質に作用することで発生すると考えられていますが、抗酸化作用の強い食材はその活性酸素を除去する働きがあるからです」

 認知症予防にいいとされるのは、野菜だけではない。例えば、鶏胸肉にも活性酸素を抑える成分が含まれている

 以下に紹介する10の食材は、抗酸化力が高い野菜や、その他、認知症予防に効果的とされる肉や魚など。意識的に食べるようにすることで、脳が元気に保たれるようになる!

■かぼちゃ
 βカロテンのほか、抗酸化作用のあるビタミンC・E、腸内環境を整える食物繊維などが多く含まれる。これらの栄養素が免疫力も高め、病気にかかりにくい体をつくる。

■にんじん
 便利な栄養素βカロテンが豊富。βカロテンは、体内でビタミンAが足りなくなったときに、ビタミンAに変化し、抗酸化作用を発揮する。またビタミンAと違い、熱にも強い。

■アボカド
 アルツハイマー病のリスクを下げることが確認されているビタミンEだけでなく、コレステロール値を下げる不飽和脂肪酸も豊富。

■納豆
 納豆に含まれるムチンは血糖値の上昇を抑え、老化を招くインシュリンの分泌を防ぐ。血液をサラサラにするナットウキナーゼという成分は脳梗塞の予防にも。

■鶏胸肉
 鶏肉のうち胸部分にだけ多く含まれるカルノシンには、活性酸素を除去する抗酸化作用が。また、疲労時に体にたまる乳酸を中和する働きも。

■トマト
 注目すべき栄養素は体内の活性酸素を取り除いてくれるリコピン。血液をサラサラにする効果もあり、脳血管が詰まることで発生するタイプの認知症予防に◎。

■ウコン
 クルクミンというポリフェノールの一種が豊富。インド人のアルツハイマー病の発症率はアメリカ人の4分の1。これは、認知症予防に効果があるクルクミンをよく食べているからと考えられている。

■ブロッコリー
 ファイトケミカルと呼ばれる、抗酸化作用のある植物成分を200種以上含む。ファイトケミカルは発がん性物質の発生も防ぐといわれている。

■もやし
 もやしなどの新芽野菜にたくさん含まれるスルフォラファンというファイトケミカルは、抗酸化作用が強い。有害物質を体の外に排出する解毒作用を高める効果も持つ。

■青魚
 あじやさばなどの青魚に多く含まれるDHAという脂質には、血栓を溶かす働きが。マウス実験では、DHAがアルツハイマー病の予防に効くという研究結果も得られている。



 これは便利。しかもこれらって、コンビニ弁当だけじゃ取りきれないところありますからね。

 最近、ブロッコリーがやけに注目集めてますね。意外と栄養満点だそうです。ただの森のミニチュア版ではなかった。ブロッコリーは嫌いじゃないんですけどね。カリフラワーが苦手でどうも。

 これらを美味しく食べて、体も脳も健康に。
posted by さじ at 13:42 | Comment(0) | 介護

月に1回以上ヒヤリハットを経験する医師は全体の3割にも上る。

“ヒヤリハット”月1回、医師3人に1人−薬剤の処方・投与が最多

 医師の3人に1人が月1回以上、医療事故に繋がった可能性のある“ヒヤリハット”の経験があることが、医療従事者向けにインターネット上で情報サービスを提供する「ケアネット」(東京都千代田区)の調査で分かった。発生事例では「薬剤の処方・投与」が最も多く、回答した医師からは「前の患者のカルテ画面のまま入力した」「似た名前の薬剤を押してしまった」など、電子カルテの入力ミスも一因として指摘された。

 調査は2-6日、インターネット上で実施。同社の会員医師1000人を対象に、1年以内に経験したヒヤリハットの頻度や事例について調べた。

 発生頻度に関しては、「週に一度程度」と「月に一度程度」を合わせると、月に1回以上ヒヤリハットを経験している医師が全体の3割強に上る一方、「経験なし」との回答は1割強だった。

 具体例では、「転倒・転落」との回答も全体の2割強に上り、自由記載では「患者の高齢化による転倒・転落事故は増加傾向にある」「認知症患者の転倒事故は、環境整備・監視体制の改善を行ってもなかなか無くならない」などの意見も出た。



 別の患者のカルテ開いたまま入力は、あるあるwwwだけど、月1回以上が3割って、それはちょっと多すぎる気がしますね。

 ミスを未然に防ぐのも大事ですけど、それ以上に注意散漫になってしまうほどの多忙さを何とかしたほうがいいような。
posted by さじ at 13:27 | Comment(0) | NEWS

川崎病の患児、6年連続で1万人越えと全国で急増している。

川崎病、全国で急増 6年連続1万人超え

 乳幼児がかかる原因不明の難病「川崎病」の平成22年の患者数が1万2755人と17年から6年連続で1万人を超え、長期的な流行になっている可能性があることが17日、日本川崎病研究センターの調査で分かった。0〜4歳の人口10万人あたりの発病率を示す罹患zzzzzz率は239・6人と調査開始以来最高を記録。医療関係者は警戒を強めている。

 全国調査は、昭和45年から2年に1度実施。過去に全国規模の流行があったのは、昭和54年(6867人)▽57年(1万5519人)▽61年(1万2847人)の3回。その後は5千〜6千人台で推移していたが、平成10年ごろから増加傾向が顕著になった。

 0〜4歳の人口10万人あたりの罹患率は、最も患者数の多かった昭和57年でも196・1人で、昨年の罹患率はこれを大幅に上回っている。

 調査を担当した自治医科大の中村好一教授(疫学)は「過去の3度の流行は短期間に患者数が増えたが、最近はジワジワと増加しており、長期的な流行になっている可能性がある」と分析している。

 これまでの研究では川崎病は日本人や日系人、東洋人に多く、1歳前後を中心とする小児に多いことが分かっている。しかし、原因が未解明のため予防法はなく、治療はそれぞれの症状を鎮めるための対症療法が中心のままだ。

 子供の後天性心疾患では、川崎病が原因のケースが最も多い。川崎病の子供を持つ親の会の浅井満代表(63)は「原因が分かれば、診断も早くなるだろうし、もっと効果の高い治療法も出てくる。早く原因を究明してほしい」と話す。

 小児科医の川崎富作氏が昭和42年に報告した原因不明の疾患。全身の血管が炎症を起こし、高熱や発疹といった症状がでる。重症化した場合は心臓の冠動脈瘤などの重い合併症が起こるため、重症化をどう防ぐかが大きな課題となっている。



川崎病 ステロイド併用有効 北里大

 川崎病で重症化する可能性の高い患者に対し、従来行われている血液製剤療法とあわせ、ステロイドを投与する療法を併用することで治療効果が上がることが、北里大学医学部の石井正浩教授の研究チームの報告で分かった。米・医学誌の電子版で発表した。

 現在、重症化リスクが高い患者には心臓の冠動脈障害を防止するため免疫グロブリンを静脈投与する治療法が行われている。ただ患者全員に効果があるわけではなく、投与後も冠動脈障害が起こることがあった。

 石井教授の研究チームは、重症化リスクを判断する「スコアリングシステム」を使い、平成19年4月から22年11月までに北里大病院を受診した患者のうち、重症化リスクの高い48例を、免疫グロブリン療法のみを行うグループと、ステロイドを点滴で2時間投与する治療法を併用するグループに分別した。その結果、併用グループは治療後36時間で、冠動脈の大きさが小さくなり、1カ月後には左の冠動脈の拡大が抑えられるなど、併用22例のうち19例で免疫グロブリン療法だけの治療より効果が上がったことが確認された。



 何で増えているんでしょうかね?未だに謎の病気ですが、そろそろ解明できないかなぁー。

 冠動脈瘤が出来るっていうところが、なかなか難しいというか、予後が悪いというか…。なんとかなればいいんですがねー。

医学処:川崎病の患者が2年連続で1万人を超す
医学処:川崎病の原因は複数の細菌だった?抗菌薬で治療に成功。
posted by さじ at 06:41 | Comment(0) | 小児

ヘッドフォンの大音量での試聴に注意。難聴のリスクが激増。

ヘッドホン 難聴… 大音量 耳の細胞に障害

 「昨夜コンサートに行ってから、耳鳴りがするようになりました。耳が塞がるような感じもあります」

 聴力検査した結果、周波数4000ヘルツの高音域の音が聞こえにくくなっていた。正常なら25デシベルくらいの音量でも聞こえるはずが、50デシベル以上でないと聞こえない。急性感音難聴(音響外傷)と診断された。

 音が聞こえる仕組みは、耳の奥の「蝸牛」という渦巻き状の器官にある有毛細胞が、先端に生えた毛の振動で音を感知すると、その情報を脳に伝えるものだ。感音難聴は、大きな音で有毛細胞に障害が起きることなどによって発症する。「ロック難聴」「ヘッドホン難聴」などとも呼ばれる。

 この男性を診察した院長の笠井創さん(60)によると、通常、様子を見て自然に治るのを待つことも多いが、検査の結果、高音域の聴力レベルがかなり落ちていたため、有毛細胞を保護する目的でステロイドやビタミン剤を処方。薬の効果かどうかははっきりしないものの、2日後には正常に戻っていた。

 同クリニックには、この1年余の間に、感音難聴と見られる10〜20代の若者が計11人訪れた。ロックコンサートや自分のバンドでの演奏などが原因と見られた。笠井さんは「症状に早く気づけばいいが、ヘッドホンで大音量の音楽を聴くのが習慣化しているような場合は、自覚がないまま悪化する恐れがある」と話す。

 難聴の症状が出ても、一時的なら静かな場所で耳を休ませれば多くは自然に治ることが期待できるが、慢性的な症状になると深刻だ。有毛細胞はいったん破壊されると修復力がなく、機能が回復しないためだ。まず何より大事なのは予防ということになる。

 コンサートでは、スピーカーのそばを避けたり、時々休憩したり、自分なりの工夫も大切だ。ヘッドホンやイヤホンは、使い方に気をつければ、安全に使うことができる。適度な音量は、外の音が入りやすいオープンエア型なら、静かな場所でヘッドホンをしていても周囲の音が聞こえる程度、遮音性の高いクローズド型なら、片側を耳から外し周囲の音と同程度の音量に設定するのが目安。長時間聴き続けないようにしよう。

 慶応大耳鼻咽喉科教授の小川郁さん(56)は「周囲に音漏れするほど大きな音量で聴くことは、マナーの問題だけでなく、自分の耳の機能を損なうことになる。若い時に耳に負荷をかけていると、年をとってから難聴になりやすいという専門家の声もあるので注意してほしい」と呼びかけている。



 コンサートは、爆音のほうが重低音が体に響くので心地よいというのは分かるのですが

 あのヘッドフォンで爆音にしている人は、わけがわかりませんね。音楽楽しんでるんですかね、あれも。別に一人でCD音源から聴いてるだけなんだから音量小さくすりゃいいのに。

 まあ難聴になるとほんと生活に不便なのでやめたほうがいいですよ。
posted by さじ at 06:19 | Comment(0) | 耳鼻

体外受精の培養液に化学物質フタル酸エステルが入っていた。

体外受精培養液に化学物質 妊婦血液の最大100倍

 プラスチックを加工しやすくする化学物質「フタル酸エステル類」が、人の体外受精で必要となる培養液に高い濃度で含まれていることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。妊婦の血液から検出される濃度の最大で約100倍に相当。動物の胎児の生殖機能に影響を与える濃度の千分の1ほどだが、マウスの細胞の遺伝子には異常が起きるレベルで、受精卵や胎児への影響が懸念される

 日本では体外受精で毎年2万人以上の赤ちゃんが生まれており、主任研究者で有隣厚生会東部病院(静岡県御殿場市)の牧野恒久院長は「生命発生の重要な時期にこのような培養液を使って大丈夫なのか、詳しく調べる必要がある」と説明、培養液に高濃度の化学物質が含まれるとの研究結果は世界初という。

 フタル酸エステル類は身近な工業製品に幅広く使われており、人の血液や尿からも検出され、空気や食品などを通じた体内への取り込みが問題となっている。

 研究班が調べたのは、精子を選別したり、受精卵を数日間育てたりするための培養液24製品と、培養液に栄養源として添加する人の血清6製品。国内の臨床現場で使われているほとんどの製品を分析対象にしたという。

 培養液からは、フタル酸エステル類のDEHPが1ミリリットル当たり約10〜110ナノ(ナノは10億分の1)グラム、DEHPが体内で代謝されてできるMEHPは約2〜250ナノグラム検出された。いずれも、人の血清が含まれる製品で濃度が高い傾向にあった。一方、妊婦の血液からはDEHPは約10ナノグラム、MEHPは約2ナノグラム検出された。

 培養液への添加用の血清では、DEHPが最大約980ナノグラム、MEHPが1840ナノグラムとさらに高濃度で、海外などで提供された血液が汚染されていた可能性があるという。



 まだ生まれた赤ちゃんたちがどうなったか、歴史が浅いので分からないんでしょうけれども。

 もしかすると、何かの臓器に支障がでる可能性が増えたりするの「かも」しれません。まぁ大丈夫だろうとは思いますけれども。
posted by さじ at 06:10 | Comment(0) | 生殖

異なる遺伝情報が混在する「キメラ」のアカゲザルが誕生。

世界初、「キメラ」のアカゲサル誕生 米大学グループ

 一つの体に異なる遺伝情報をもつ細胞が混在する「キメラ」のアカゲザルを作ることに米オレゴン健康科学大霊長類センターの立花真仁研究員らが世界で初めて成功した。米科学誌セル(電子版)に5日、発表した。ヒトに近いサルを使う医学研究や生命現象の理解に役立ちそうだ。

 動物の体は、もともと一つの細胞からなる受精卵(胚)が分割してできていくため、すべての細胞が同じ遺伝情報をもつ。これに対し、キメラはギリシャ神話に出てくるライオンの頭、ヤギの胴、ヘビの尾を持った怪獣に由来し、異なる遺伝情報をあわせもつ動物をさす。

 これまでもマウスのキメラの作製は広くなされてきた。胚性幹(ES)細胞を、別の胚の中に入れて作る方法が一般的だが、サルではうまくいかなかった。ES細胞は、分割が進んだ胚の内部の細胞を取り出して培養したものだ。

 そこで、ES細胞より初期の「4細胞期」と呼ばれる段階の胚3〜6個を混ぜて凝集させて、5匹のサルの子宮に戻したところ、双子を含む計3匹のオスの子ザルが生まれた。胎盤や血液の検査でキメラと確認された。うち1匹は6個の胚からなることからロクと名づけられた。



 2つの遺伝情報をもつってなんか面白いなぁ。

 人間でいうと、一時的ではありますが、骨髄移植をした直後ぐらいが、キメラと同じ定義になるんですかね。
posted by さじ at 05:40 | Comment(0) | 生殖

難治性てんかんの皮膚細胞からiPS細胞を作ることに成功。

難治性てんかん解明に期待、患者からiPS作成

 難治性てんかんの患者の皮膚細胞から、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を作製することに、大阪医療センターの金村米博・再生医療研究室長などのチームが世界で初めて成功した。

 病気発症のメカニズムの解明や、治療薬の開発に役立つと期待される。

 てんかんは、脳内の神経細胞同士でやりとりされる電気信号が過剰に出て、けいれんなどを引き起こす病気。多くは薬で治療できるが、薬が効かないものを難治性てんかんと呼び、現在は脳の一部を切り取る手術しか対処法がない

 研究チームは、この手術を受けた20人の患者から頭の皮膚細胞を採取し、iPS細胞作製を試みたところ、2人の細胞で成功。作製には山中伸弥・京都大学教授が開発した、ウイルスを使って4種類の遺伝子を導入する方法を使った。iPS細胞が神経細胞に変化することも確認した。



 てんかんの神経細胞を皮膚から培養できれば、その人に合った薬の調整なども出来るようになる、かも?

 難治性てんかんだと、抗てんかん薬もなかなかねぇ。難しいところありますけれど、薬で抑えられるところは抑えられますから、内服を欠かさずすることが大事です。
posted by さじ at 05:38 | Comment(0) | 薬理

不育症患者の、在宅でのヘパリン自己注射を、保険適用に。

不育症:ヘパリン自己注射、国が保険適用承認

 血栓症の治療や予防に使われる抗血液凝固薬「へパリンカルシウム製剤」について、厚生労働省中央社会保険医療協議会は21日、在宅自己注射の保険適用を承認した。へパリンは流産や死産を繰り返す不育症の患者に広く使われている。自己注射は負担が大きいとして患者団体と学会が保険適用を求めており、朗報となりそうだ。

 不育症の発症者は年約3万人と推定される。胎盤や子宮に血栓ができると胎児に栄養が届きにくくなり、同省研究班の報告によると、血栓ができやすい体質が原因とみられる不育症患者は全体の約25%を占める

 不育症予防のヘパリンは1日2回の注射が必要。毎日の通院は困難で、自宅で打つのが一般的だ。自己注射は保険適用外で月5万円程度かかり、妊娠中投与を続ける人も多い。

 ヘパリンは出血などの恐れがあるが、同省は研究班の患者調査などから「大きな副作用はみられない」と判断、治療の有益性が危険を上回ると判断した場合のみ、投与を認めた。



 子供が出来ないときの原因の1つが、微小な血栓が出来やすく、胎盤への血流がうまく流れずに流産してしまうことです。それを予防するために、血をさらさらにするヘパリンを使う必要がある。お金がかかってしまうことが大きな負担ではあったんですが、これが保険適用となるとかなり不育症でも出産できるようになるのでは。

 不育症は、命に関わることではありませんが、少子化が進む日本においては重要です。こういうところに医療費を使うことは将来的に国の利益になると思うので、どんどんやっていただきたいです。
posted by さじ at 05:25 | Comment(0) | 生殖

京都大学病院、iPS細胞の臨床開発部を創設し、研究に全力を尽くす。

京大病院にiPS細胞臨床開発部創設へ 診療へ基盤整備

 京都大病院(京都市)は18日、再生医療や創薬への応用が期待される人工多能性幹細胞(iPS細胞)を診療に役立てるための基盤整備に向け、新たに「iPS細胞臨床開発部」を12月1日に創設する、と発表した。難病患者から細胞の提供を受けて、iPS細胞を作製する専用外来などを設ける。iPS細胞を開発した山中伸弥京大教授は会見で「臨床応用を進めるための最初の1歩。10年以内に臨床試験の段階まで入りたい」と話した。

 同開発部は、山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所(CiRA)と共同で立ち上げる。初代部長には京大大学院医学研究科の平家俊男教授(発達小児科学)が就任。京大病院とCiRAの医師、研究者約80人が所属する。

 同開発部には、iPS細胞外来と品質管理技術開発室を設置。外来では、パーキンソン病や筋ジストロフィーなど難治性疾患を抱えている患者の窓口となり、皮膚などから細胞を採取してiPS細胞を作製する。1年に50人程度の採取を見込み、難病の原因解明や新薬の開発などさまざまな研究に役立てる。

 開発室では、データを蓄積した「iPS細胞バンク」の設立準備を進め、移植などの再生医療に向けた品質管理を担当する。

 京大病院ではこれまでもCiRAと協力し、難病患者の細胞からiPS細胞を作製しており、平家教授は「協力関係を深め、より多くの種類のiPS細胞の研究に生かせるよう支援していきたい」と話した。



 世界最先端の発見ですからねぇ、それ相応の設備で、惜しげも無くお金使って、ガンガン研究してもらいたいです.

 やっぱり、いい研究にはお金が必要ですからねぇ。そこをケチっていい研究はできず、そうすると医療後進国になって、アメリカに薬やら何やらで頼らないといけなくなってしまいますからね。
posted by さじ at 05:20 | Comment(0) | 大学

物事に積極的な女性はホルモン分泌が活発で乳腺が発達しやすい。

「胸大きい女性は性欲が強い」説が一部正しい根拠を医師解説

 私のクリニックにもグラビアアイドル並みのEカップやFカップの女性が診察に訪れることが増えて、驚くことも多いのですが、豊かなバストというのは、安定した生活習慣から作られるというのはご存じでしょうか?

 乳腺が発達し、女性ホルモンの分泌が活発になっておっぱいが大きく成長します。

 おっぱいと頭の良し悪しはただの俗説ですが、「おっぱいの大きな人は性欲が強い」という説については一部当てはまるところもあるのです。

 というのも、姿勢がよく物事に積極的な女性というのはホルモンの分泌が活発で乳腺も発達しますから、おっぱいが大きくなる傾向があります。そうした人は胸に自信がありますから、自分の性欲を無意識のうちに抑制せず、開放的になれるんです。その結果、性欲が強くなるという循環が起きやすくなるのです。

 逆に痩せている人、胸の小さい人は、体脂肪が少なく女性ホルモンの分泌量も少ないケースが多い。思春期に勉強ばかりして猫背、物事に関心を持たず、消極的な女性のおっぱいが小さいという傾向は乳腺の発育からもいえます。



 必ずしもそういうわけではなさそうだ、というのが、私の見解なのですが、ううむ。そうなんでしょうかねぇ。

 でもまぁ「巨乳の女医や看護師はあまりいない」といわれるように、やっぱり思春期の頃に勉強していた人はそういう意味では消極的な傾向にあるってことなんでしょうか。あくまで俗説の域を出ませんねぇ。
posted by さじ at 05:05 | Comment(0) | 内分

百万人に1人の副作用ポリオ生ワクチンvs安全だが未承認の不活化ワクチン

ポリオワクチン、生と不活化どう考える?

 厚労省の調査でも、不活化ワクチンを個人輸入する医療機関でのワクチン接種が、年明けごろから急増したことが分かっている。日本小児科学会と日本小児科医会の会員計3870人から回答を得た調査結果によると、今年7月に初回接種を受けたのは4048人で、10年12月(356人)の約11倍に上った。

 生ワクチンは、予防接種法に位置付けられており、国の定期接種に使用される。接種費用は公費負担で、接種後に健康被害が生じた場合、救済制度の対象になる。一方、不活化ワクチンは、予防接種法に位置付けられていないばかりか、薬事承認さえされていない。個人輸入している医療機関で接種を受けられるが、4回の接種に計2万円ほど必要になる上、健康被害が生じたとしても補償は受けられない。

 厚労省は、生ワクチンの接種を受けるべきとのスタンスだ。早くても12年度の終わりごろとなる不活化ワクチンの導入まで接種を待つことは「お勧めできない」として、生ワクチンの接種を保護者に呼び掛けるよう、10月4日付で各都道府県に通知している。

 同省の「不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会」で座長を務める国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は、「何もやらないのが一番危ない」と、生ワクチンか不活化ワクチンのどちらにしろ、接種を受けるよう呼び掛けている。背景にあるのは、中国・北京でのポリオウイルス感染例の発生。「近場のものとして警戒しなければならない。感染症は、一例でもあればそこから広がる可能性がある。国内でワクチン接種率が低下し、免疫を持たない人が増えれば増えるほど、その可能性は高くなる」と警鐘を鳴らす。

 では、生ワクチンと不活化ワクチン、どちらを接種すればよいのか―。岡部氏は、「100万人に一人、1年に一人という頻度とはいえ、それが生ワクチンによるまひであることが明らかなら、やめた方がいいのは当然」と、不活化ワクチンへの切り替えの必要性を強調するが、現時点では生ワクチンの接種を受ける方が望ましいと考えている。孫にも生ワクチンの接種を勧めたという。

 生ワクチンは、現場で使い慣れていて、リスクのレベルが分かっており、100万分の1というまひのリスクを承知して使えるからだ。一方、不活化ワクチンは高価で、現場で使用経験が少なく、日本におけるリスクのレベルが分からない。不活化ワクチンについて岡部氏は、「世界で広く使われている、恐らく安全なワクチンだが、まひ以外のリスクが分からない。健康被害が起きた場合の補償もない」と指摘する。

 一方、不活化ワクチンを個人輸入し、過去2年間で1700人以上に接種したという久住氏は、不活化ワクチンを緊急輸入すべきだと強調する。生ワクチンと違い、不活化ワクチンならまひの心配はない。生ワクチンでまひになる確率は「交通事故の確率よりずっと低い」ものの、不活化ワクチンの方が望ましいというのが久住氏の考えだ。

 しかし、厚労省は不活化ワクチンの緊急輸入に消極的だ。では、生ワクチンの接種を受けるのと、「早くても12年度の終わりごろ」となる不活化ワクチンの導入まで待つのと、どちらがよいのか―。

 久住氏も、ワクチン接種率の低下による感染拡大を懸念し、接種を待つという選択には否定的だ。しかし、生ワクチンの接種には慎重な考えで、「もう国に頼ってはいられないので、自治体や個別の医者たちが不活化ワクチンを個人輸入して、どんどん接種を勧めてあげればいい」と話す。

 また厚労省は、未承認の不活化ワクチンを接種して健康被害が起きた場合に、救済制度がないことを問題視している。だが、久住氏はあまり心配はないと考えている。不活化ワクチンでも、アナフィラキシーなどまひ以外の副反応が出る可能性はあるが、米国のワクチン副作用被害補償制度(VICP)での補償件数を見ると、日本で接種した場合に想定される、因果関係を否定できない重篤な副反応の発生頻度は3、4年に一人くらい。「生ワクチンによりまひになる可能性よりずっと低い」という。



 この問題は、厚生労働省が不活化ワクチンを早急に承認すればすむ問題なんですけれども、日本というのはどうにもこうにも新薬に対してはなかなか承認されない傾向にありますので。まぁ早く承認すればいいってもんでもないですけどね、不活化ワクチンで何か障害が出たら、結局不活化ワクチンを推奨していた親も医者も「国の責任!」と叫ぶのでしょうし。

 でも危険性が不活化ワクチンのほうが低い以上、できれば、ちゃんと国の基準をとおった安全な不活化ワクチンを使ってほしいですけどね。今の個人輸入というリスクを見逃しているほうが問題だと思いますし。
posted by さじ at 04:59 | Comment(2) | 小児

犬も温泉に入るとリラックスできることが判明。

気持ち良く温泉につかる犬も 岡山で効能調べる研究

 体ぽかぽか、全身リラックス―。そんな温泉の効能が犬にもあるかどうかや犬が快適に入浴する方法を研究している岡山理科大学専門学校が5日、成果を中間発表した。保温効果がみられ、慣れると自分から入ろうとする犬もいたという。

 2010年5月から、岡山県真庭市にある湯原温泉の旅館協同組合、市と協力し、7匹の犬を入浴させる実験を20回実施。体温や心拍数の変化のほか、ストレスがかかると上昇する唾液中のアミラーゼ値も測定した。

 入浴して最初の10分間はアミラーゼ値が上昇したが、風呂から出た後のアミラーゼ値は下降した。リラックスして入浴するには慣れが必要だという。



 でも正直言って、温泉ってあんまり効果ないんですよね。あんまり、というか、暖かい湯に浸かることで水圧がかかるってことと、入浴そのもののリラックス効果がある程度で。いや温泉大好きなんですけど、温泉の効能は多分おそらくない、というか日本温泉学会でもそういう感じになっているような気がするんで、そのー。
posted by さじ at 04:51 | Comment(0) | 精神

静岡県立こども病院では、セラピードッグが子供たちを癒している。

日本初セラピードッグ 延べ5000人を超える子どもと触れ合う

 病気の子供たちを癒す、セラピードックに注目が集まりつつある。セラピードッグとは、体や心の病気、けがをした人たちの立ち直りをサポートするために、盲導犬や介助犬などとともに、病院や診療所などで活動する犬のこと。

 静岡県立こども病院には、病気やけがと闘う子供たちを癒し続けている犬がいる。その名もベイリー。ベイリーは、ゴールデン・レトリーバー種のオスで、まもなく4才。オーストラリア生まれで、ハワイのトレーニングセンターで特別な訓練を受けて育てられたセラピードッグだ。

 すでに1年近くも入院生活を送っていたマコさん(当時16才)ばかりでなく、静岡県立こども病院には、いわゆる難病で入院している子供が少なくない。だから外科手術も日常の光景だ。しかし、子供たちにとって、手術が怖くないわけがない。当日となれば、恐怖で泣きじゃくる子供がいる。

 緊張のためか表情をなくし、一言も発しなくなる子供がいる。

 だが、ベイリーがそんな状況を一変させたと、ハンドラーの森田優子さん(30)はいう。

「手術室に向かうのは絶対に怖いはずなのに、“ベイリーとなら、行く”という子供が増えたんです。そういう子供は、手術室の手前で麻酔を受けるところまで、ベイリーのリードを持たせ、一緒に歩いていくんです」

 11月11日に発売された『ベイリー、大好き セラピードッグと小児病院のこどもたち』(小学館)には、同病院の麻酔科医長・堀本洋医師のこんな言葉が紹介されている。

<手術前に母親が付き添うなどして精神的に安定していると、手術後の苦痛も少なくなるというデータがあります。(中略)ベイリーがそばにいるのも、母親と同じような効果があると思います>
 ときには、「明日、ベイリーと手術なの」――そう自慢げに笑う子供までいるそうだ。

 そんなベイリーが、この2年間に病棟で触れ合った子供たちは、延べにすれば5000人を超えるという。



 病院に入院し続けるということは、相当なストレスですからね。静岡県立こども病院は、こども病院としてトップの部類だからこそ、こういう最先端のことができるのかもしれませんが、色々なところで取り入れてほしいと思います。

 セラピードッグは子供とは逆に、高齢者の施設などでも結構人気だそうで。いい活動として広まってくれるといいですねえ。
posted by さじ at 04:40 | Comment(0) | 小児

過敏性腸症候群や腸の細菌感染に、糞便移植療法が効果あり。

胃腸疾患に"糞便微生物移植"が有望

 とんでもない話にも聞こえるが、かつて医学界から避けられていた“糞便微生物移植(fecal microbiota transplant:FMT)”が広範な胃腸疾患に有用であることが新しい研究で示され、米ワシントンD.C.で開催された米国消化器病学会(ACG)年次集会で報告された。この治療法により、重度の過敏性腸症候群(IBS)や細菌感染を軽減することができるという。

 FMTでは、光学大腸鏡準備後にドナーの糞便を採取する。ドナーは通常、配偶者か親族であるが、誰でもかまわない。その検体を生理食塩水と混合し、60ccシリンジに吸引できる粘度にした後、患者はルーチンの大腸鏡検査を受け、その際に混合物を挿入するというもの。

 これは健常な微生物叢から新しく移植した微生物集団により、患者の潜在的な問題を解消するというもので、これが有効であるという。最も有望な研究のいくつかは、難治性のClostridium difficile(クロストリジウム-ディフィシル)感染に対する処置の有効性を示したもの。この細菌は、身体障害、さらには生命を脅かす下痢や吐気、嘔吐、腹痛を引き起こす。

 米インテグリスIntegrisバプティスト・メディカルセンター(オクラホマシティ)消化器健康センター内科部長のMellow氏は、「C. difficile感染が何度も再発する患者の細菌集団は正常な人と全く異なる。重要なのは微生物の多様性の著しい減少である。多種類の微生物の菌株が存在せず、少ない菌株および種が多数存在する」と述べている。

 同氏の研究では、以前に平均5つの治療コースを受け、反応がみられなかったC. difficile感染患者の98%で症状の迅速な解消がみられた。最初のFMT移植でみられなければ2回目でみられた。同氏は「患者の症状は平均11カ月間みられ、多くは救急施設や高度看護施設にいるか外出できないほどであった。ただし、移植はファーストラインの治療法ではない」と述べている。

 米ノース・ショア大学病院(ニューヨーク州)のDavid Bernstein博士は、「これは特に難治性のC. difficile感染に対する驚くべき治療法となる可能性がある。有効であり、その迅速さは劇的である」と述べている。また、オーストラリアの研究者らも、3例において潰瘍性大腸炎およびクローン病治療にFMTを使用し、成功したことを報告している。



 糞便療法って、みたことないですけど昔からある治療ですよね?たしか。何に使うんだったか忘れましたけど、要するに健常者の便に含まれるいい細菌たちを注入してやることで、細菌叢を確立しようという・・・。

 で、今回注目を集めているのは、クロストリジウム・ディフィシル菌感染症に効くのではないか、と。要するに偽膜性腸炎の治療に使えるのではないか、ということですね。

 これはある意味現代病でして、抗生物質を投与すると腸内のいい細菌も死んでしまうので、時々クロストリジウム・ディフィシルが繁殖してしまって、偽膜性腸炎を発症してしまいます。

 治療にはバンコマイシンなどを使うんですが、この記事は、難治例に効くのではないかということで、もしかすると日本にも輸入されて将来うまく使えるようになるのかもしれませんね。
posted by さじ at 04:35 | Comment(0) | 消化