2012年01月30日

ベーコンを鼻の穴に詰める事で、鼻血を止めることができる。

ベーコンが鼻血の治療に効果、米医療専門誌掲載の研究論文が話題に。

 この論文は、米気管食道科学会の学会誌「Annals of Otology, Rhinology, and Laryngology」最新号に掲載された「グランツマン血小板無力症の患者への“塩漬け豚肉の切り身”を使用した圧迫止血法」。大ざっぱに言ってしまえば、鼻の穴にベーコンを突っ込んで鼻血を止める方法を説いた論文です。

 グランツマン血小板無欠症は、通常なら血小板にある血液凝固作用が先天性の異常で機能しづらく、そのために出血時間が長くなり、止血も困難になる病気のこと。論文は米ミシガン州のデトロイト・メディカル・センターの研究者が行った臨床実験の結果をまとめたもので、この疾患を持つ4歳の患者が鼻血を出して入院した際の2度の事例を紹介しています。事例ではベーコンを鼻腔に詰め込んだところ、双方のケースで24時間以内に出血がストップ。患者も72時間で退院できたそうです。

 米ニュースサイトのハフィントンポストや英紙ガーディアンなどによると、ベーコンを鼻に詰め込むというこのアイデア、実は米国では民間療法として、昔から行われていたとのこと。70年ほど前の医療論文でもその医療的な使用法が報告されていますが、近代医学の発展により、ベーコンによる鼻血治療は姿を消していきました。



 なんで?なんでなん?凄すぎないですか。

 そしてそれをやろうと思ったメディカルセンターに乾杯。

 Glanzmann病は、常染色体劣性遺伝する、先天性の血小板の機能異常です。

 何がどうおかしいのかは既に分かっていて、「血小板膜糖蛋白GPUb/Vaの欠損」によって、血小板の凝集反応がなくなる病気です。

 症状としては、幼児期からの鼻出血、歯肉出血、皮下出血。検査することで分かります。

 血小板の固まる能力がオカシイだけなので、血小板の数そのものには異常がないというのが特徴です。唯一の治療法は、血小板の輸血をして、正常に機能する血小板を与えてやることなんですけど、そこにベーコン登場。何で?ねぇ、何で?
posted by さじ at 01:41 | Comment(0) | 小児

今年も猛威をふるうノロウイルス。山口大学病院を急襲。

ノロウイルスに入院患者ら感染 山口大病院

 山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)で、入院患者と職員の計30人以上が吐き気や下痢の症状を訴え、このうち2人からノロウイルスが検出されていたことが27日、分かった。同ウイルスの集団感染による急性胃腸炎とみられる。重症者はおらず、感染は終息に向かっているという。

 病院の説明によると、16日と17日にそれぞれ入院患者1人が発症、ノロウイルスの陽性反応があった。21日には職員11人を含む計28人が同様の症状を訴えたため、病棟の一部を閉鎖するなどして感染防止措置をとった。同病院での集団感染は初めてと言い、感染経路を調べているという。岡正朗院長は「保健所と連絡をとりながら対応しており、幸い重症の患者さんがなく、終息に向かっている」と話した。



 ノロは強力すぎて、病院が頑張ってもなかなか防げるものではないですね。面会を完全にシャットアウトするわけにもいきませんし。

 それでも立ち向かってゆく、あくまで予防に徹底するのが医療従事者のあるべき姿勢なのです。
posted by さじ at 01:34 | Comment(0) | 感染

地域に貢献する医者になるために、フリーターからの再出発。

フリーター生活から一念発起 医師の道へ

 フリーター生活を経て医師の道へ―。下北地方の拠点病院であるむつ市のむつ総合病院に、そんな異色の経歴を持つ研修医がいる。福岡県北九州市出身の桐谷浩一さん(35)。大学を退学してアルバイトに明け暮れていたが、両親の離婚をきっかけに一念発起し、猛勉強の末に国立大学の医学部に合格。「全国的に危機が叫ばれる地域医療に関わることで、世の中の役に立ちたい」との思いから、医師不足問題が特に深刻な下北の地をスタート地点に選んだ。
 
 桐谷さんは北九州市南部の小さな集落で生まれ育ち、地元の高校を卒業後、九州大理学部へ進学。日々の暮らしのために始めたアルバイトが次第に生活の中心となり、1年ほどで大学を辞めた。引っ越しセンターや日雇いの派遣労働などで生計を立て、時間があれば「好きな車で峠越え」を楽しんでいたという。人生を見つめ直す契機が訪れたのは今から8年前。両親が離婚し、母が地元で一人暮らしとなった。久々に実家へ帰ってみると、病弱で元気のない母や、お世話になった近所のおじさんが都会まで出向き、人工透析を受けている姿を目の当たりにした。

 「やんちゃな生活にピリオドを打ち、恩返しをしなければ」。これまでの生き方を改め、故郷のように医療体制の整わない地域でも活躍できる医師になることを決意した。働きながら独学で勉強し2005年4月、28歳で九州大医学部に入学。卒業後の昨年4月、自らむつ総合病院を赴任先に選び、医師としての第一歩を踏み出した。

 同病院は、さまざまな症状を持つ地域の患者を一手に引き受ける。医師の人員も限られ、急患で夜中に起こされることもしばしばだ。それでも、桐谷さんは「地域に愛される病院だし、即戦力として経験を積むことができる」とやりがいを感じている。医師の少ない地域に可能な限り高いレベルの医療を提供できるようにと、研さんに励む毎日を送る。青森県内をはじめ、全国の地方での医師不足問題は深刻さを増すばかりで、抜本的な解決策は今も見えない状況にある。

 桐谷さんは自らの歩みを振り返りながら、未来を担う若者たちに、こんな熱いメッセージを送る。「自分のような普通の人間でも医師になれた。努力するのに値する仕事だから、ぜひチャレンジしてほしい」



 素晴らしい話ですね。こうやって地域を支える一人の医者が誕生すると思うと。

 医者ってのは何歳からでも出来ますし、案外志しが高い分、いい医者になったりするものです。逆に受験だけで医学部来て医者になっても、つらーい人生になってしまいますからね。どこかのところでプロ意識が入るのが肝心なんでしょう。

 みんな頑張れ!
posted by さじ at 01:26 | Comment(0) | NEWS

2012年01月16日

エビリファイの重大な副作用に肝機能障害を追記する。

エビリファイなどの添付文書改訂を指示−厚労省

 厚生労働省は10日、大塚製薬の統合失調症治療薬エビリファイやサノフィ・アベンティスの抗凝固薬クレキサン、アステラス製薬の免疫抑制剤プログラフやグラセプター、糖尿病の治療に用いるα-グルコシダーゼ阻害薬などの添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう関係企業に指示した。

 エビリファイについては、「重大な副作用」の項に「肝機能障害」を追記するよう求めた。同省によると、直近3年間で肝機能障害の副作用が24例(このうち、因果関係の否定できない症例は13例)報告されている。

 クレキサンでは「重大な副作用」の項に「肝機能障害、黄疸」の追記を指示。これについては、直近3年間で39例(同15例)の報告がある。

 また、プログラフやグラセプターについては、「重大な副作用」の項に「無顆粒球症、溶血性貧血」「肝機能障害、黄疸」を追記するよう求めた。直近3年間で無顆粒球症が5例(同2例)、溶血性貧血が5例(同1例)、肝機能障害、黄疸が9例(同3例)報告されている。

 さらに、α-グルコシダーゼ阻害薬については、アカルボース(先発品はバイエル薬品のグルコバイ)、ボグリボース(先発品は武田薬品工業のベイスン)、キッセイ薬品工業のグルベス配合、三和化学研究所のセイブルの「重大な副作用」の項の「腸閉塞様の症状」を、「腸閉塞」に変更するよう指示。直近3年間の副作用報告については、アカルボースが1例(同ゼロ)、ボグリボースが3例(同3例)、グルベス配合がゼロ、セイブルが6例(同3例)の報告がある。

 このほか、同省が添付文書の改訂を指示したのは、▽第一三共の抗菌薬グレースビット▽大日本住友製薬の統合失調症治療薬セレネース▽アボットジャパンのHIV感染症治療薬カレトラ配合▽セルジーンの多発性骨髄腫治療薬レブラミド▽アンジェスMGのムコ多糖症VI型治療薬ナグラザイム▽ツムラのツムラ柴苓湯エキス顆粒など▽ツムラのツムラ大建中湯エキス顆粒など▽ジェーピーエス製薬のJPS漢方顆粒-30号▽抗菌薬クロラムフェニコール含有製剤―。



 このように薬には多くの副作用がありますが、特に重要なのは「重大な副作用」でして、起こる可能性があること、を認識しておけばある程度副作用が起こったときに予測がたてられるのです。
posted by さじ at 02:34 | Comment(0) | 薬理

2012年01月15日

「女の子になりたい」男子高校生に女性ホルモン剤を売った男を逮捕。

「女子になりたい」高1に未承認ホルモン剤売る

 厚生労働省未承認のホルモン剤を販売したとして、奈良県警生駒署は6日、川崎市高津区、無職I容疑者(33)を薬事法違反(未承認医薬品の販売)の疑いで逮捕した。

 発表によると、I容疑者は昨年8月31日、携帯電話の交流サイトで知り合った生駒市在住の高校1年の男子生徒(16)に、筋肉の成長を抑えるなど女性ホルモンを促進する作用がある2種類のホルモン剤計1250錠を1万1050円で販売した疑い。

 男子生徒は昨年春にI容疑者と知り合い、体の悩みなどをメールで相談していたといい、「女の子になりたかった」と話しているという。男子生徒の保護者から「息子が変な薬を飲んでいる」との相談を受けた同署が調べていた。



 最近はなんかネットで普通に薬が買えてしまう時代ですからねぇ…。ただあのー、あれは、もう何度もこのブログで言ってるんですけど、医者に処方してもらうのとは訳が違いますからね。まず何が入っているかわからない。とんでもない量のステロイドが入っていたりする可能性もありますし。恐ろしくて飲めたものではありません。

 しかも今回のニュースにもあるように、厚生労働省に未承認の薬ということは、体に激烈な副作用が出る可能性が否定できないわけです。

 この男子生徒の場合は、自分の性別について悩んでいたのでしょう。もし性同一性障害という診断がつけばちゃんと医療機関で適切な処方を受けられるはずなので、親御さんは自分の子供の悩みを十分理解して、正しい治療に導いてほしいと思います。
posted by さじ at 23:15 | Comment(0) | 生殖

温泉の囲炉裏で食事→一酸化炭素中毒で病院へ。

囲炉裏で一酸化炭素中毒?…乳頭温泉で3人搬送

 7日午後11時20分頃、秋田県仙北市の乳頭温泉郷にある温泉で、「宿泊客3人が頭痛や吐き気を訴えている」と、従業員から119番があった。

 症状を訴えたのは、同じ部屋に泊まっていた東京都の女性2人(40歳、30歳)と神奈川県の女性(25)。3人は市内の病院に運ばれたが、軽症で翌8日昼に退院した。

 仙北署の発表によると、3人は7日午後6時頃、客室の囲炉裏で魚を焼くなどして食事をとった。その後、1人が頭痛を訴えて部屋で休み、温泉に入っていた2人も部屋に戻ると、頭痛や吐き気を催したという。同署では、一酸化炭素中毒の可能性もあるとみて調べている。

 温泉は「外に雪が積もっていたために換気扇からの換気が十分でなかった可能性もある。口頭で換気の注意を促すとともに、改善したい」と話した。



 確かに一酸化炭素が出やすい場所ではありますけれどもねー。こういう事故って頻繁にあるんですかね?ただ換気不十分だっただけ?今までなかったのに起こってしまったということを分析して、こういうことがないように全国で徹底してほしいですね。もし分析結果が出たらまたニュースとしてやっていただきたいところ。
posted by さじ at 23:06 | Comment(0) | 呼吸

雅子さま、ウイルス性腸炎の疑いとの診断で療養される。

雅子さま、ウイルス性胃腸炎の疑いとの診断

 宮内庁の小町恭士・東宮大夫は13日の定例記者会見で、皇太子妃雅子さまに10日、発熱や胃腸炎の症状があり、東宮侍医によってウイルス性の胃腸炎の疑いがあると診断されたことを明らかにした。

 熱や症状はほぼ治まっており、しばらく東宮御所で療養されるという。



 最近ウイルス性腸炎がものすごく流行ってますからねー。雅子さまも早めに治られると良いのですが。御大事にしていただきたい。

 かくいう私も昨日38度の発熱がありまして、その他の症状がないことと、腹部にやや鈍い痛みがあるという程度だったので、おそらくウイルス性腸炎、もしくはウイルス感染による風邪だったものと思います。

 こういう時解熱剤を飲んでしまうと、ただ強制的にウイルスを退治する熱を下げられてしまうので、よほどのことがない限り飲みません。飲んではいけないと思います。

 まずポカリスエットのような電解質補充のできる水分を1、2リットルほど飲みます。4、5枚着て汗をかくぐらい厚着します。昨日はそれでも発汗しなかったので、腸炎だったらあまりよろしくないんでしょうけれど、小さい鍋を作って食べました。するとえらい勢いで発汗したので、そのまま寝ました。

 起きたとき、熱は下がっていました。腹部にまだわずかな違和感はありますが、おそらく明日には治っているのでは、というぐらいです。

 みなさまもお体お大事に。
posted by さじ at 22:48 | Comment(0) | 消化

東日本大震災後の医療活動やカルテをデータ化する試み。

震災後のカルテ データ化…岩手

 東日本大震災後の医療活動を記録するため、岩手県は2012年度中に、災害時の診療情報をデータベース化する。避難所などで診療した医療救護チームが作成したカルテを基に、治療内容や投薬状況を入力。患者を引き継いだ医療機関や行政が閲覧できるようにする。被災3県では初の取り組み。

 入力されるデータは、患者の氏名、年齢といった基本情報のほか受診日、場所、症状、診断、投薬や注射の状況など。医療救護チームが活動した昨年3月中旬〜7月末のカルテ数万枚が対象になる。県は事務を県医師会に委託、春から入力作業を始めたい考えだ。

 データベースは、医療機関や市町村で閲覧可能。糖尿病や高血圧といった慢性疾患を持つ患者への投薬状況を確認する際などに役立つ。また津波の被災地で必要な装備や薬を把握し、今後の災害医療の充実に向けた資料とする。

 県医療推進課によると、震災発生から昨年7月までに全国の自治体や日本赤十字社、国立病院、大学などから派遣された約1000の医療救護チームが、県内で活動した。だが、その際に作られたカルテは、ほとんどが被災地の医療機関や市町村、保健所に預けられたままで、未整理の状態になっているという。



 今後全国で電子カルテ化が進めば、例えば遠隔地にいるときの緊急の場合などでも、情報提供しやすかったりするのでしょうね。それは例えば既往歴とか、アレルギーとか、飲んでいた薬とか、そういうもの全てが迅速に手に入るので、医療の質は上がるはずです。

 紙カルテならではの良さというのもあまりありませんしね。字が汚すぎて読めないわ、すぐに検索できないわ、そもそも紙カルテを取り寄せられなかったら情報が全く入らないわで。そのかわり個人情報保護を徹底する必要がありますが。
posted by さじ at 22:42 | Comment(0) | NEWS

癌を自動的に追跡してピンポイントで放射線を照射するシステムを開発

動くがん追跡、治療 島津製と北大、システム共同開発

 北海道大と島津製作所(京都市中京区)は16日、がん組織のみにピンポイントで放射線を照射して治療するシステムを開発した、と発表した。呼吸するたび動く肺や肝臓などの臓器にできた腫瘍の位置をとらえ、正確に照射できるという。

 新システムは、既存のエックス線治療装置と組み合わせて使う。腫瘍近くに複数埋め込んだ金マーカー(直径2ミリ)の位置をエックス線透視装置でリアルタイムで把握。放射線の照射位置は固定されており、マーカーが予定位置にきたときだけ腫瘍に照射する

 これまでの腫瘍の移動範囲すべてに照射する方法に比べると、照射体積は2分の1〜4分の1となり、正常な組織への照射を減らせるという。

 今後、ピンポイント照射の精度向上を図り、2012年度の商品化を目指す。



 すごー。

 これ実用化したら、他の臓器には全くといっていいほど放射線を浴びせることがない、つまりは副作用がほとんどなくなるということでは。今やられている最新の放射線治療も相当コンピューターで計算されて、極力副作用がでないようにはなっていますが、このシステムだと呼吸や少しの体の動きで微妙に動くのも防ぐことができるってわけです。
posted by さじ at 22:38 | Comment(0) | がん

C型肝炎ウイルスを高脂血症治療薬で予防できるかもしれない。

C型肝炎、高脂血症治療薬で感染防止

 小腸からのコレステロール吸収を抑える高脂血症の治療薬に、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染を防ぐ効果があることが、広島大と米イリノイ大の共同研究でわかった。

 将来、がんになる危険性が高いC型肝炎の治療につながると期待される。医学誌ネイチャー・メディシンに9日、発表する。

 広島大病院の茶山一彰院長らは、小腸でコレステロールを吸収する際に働くたんぱく質「NPC1L1」が、肝臓細胞の表面にもあることに着目。ウイルスの体にはコレステロールが含まれているため、NPC1L1がHCV感染にも重要な役割があると考えた

 人間の肝細胞を移植したマウスをHCVに感染させる実験で、NPC1L1の働きを妨げる高脂血症治療薬「エゼチミブ」を事前に投与すると、7匹のうち5匹は感染しなかった。また、HCVに感染させた細胞にエゼチミブを加えると、HCVの増殖が抑えられた。



 感染を予防できるというと、C型肝炎の場合どうするといいんでしょうか。針刺し事故を起こした人に対して予防的投与をすると効果があるとかそういうのはどうでしょうか。もし可能なら結構革命的な。
posted by さじ at 22:24 | Comment(0) | 消化

直径2ミリの鉗子を開発。経管腔的内視鏡手術(NOTES)に有用。

慶大、直径2・3ミリメートルの世界最小級鉗子システム開発−膜貫通の瞬間も判別

 慶応義塾大学の大西公平教授は内視鏡手術の際に内臓をつまんだり突いたりする感触を伝える直径2・3ミリメートルの鉗子システムを開発した。柔軟性があって、標的部位で血管を縫う感覚や繊細な臓器に触れた瞬間が分かる。柔軟性と高感度を兼ね備えた鉗子としては世界最小という。体を傷付けずに手術する経管腔的内視鏡手術(NOTES)の実用化を後押ししそうだ。今後動物実験を進める予定で、2―3年以内の実用化を目指す。

 高感度に感触を伝えられる鉗子の中でこれまでの最小は直径3ミリメートルで、柔軟性はなかった。開発した鉗子は、人が操作するマスター部と、先端のスレーブ部で構成される。鉗子を前後に動かした時と、対象物をつまんだ時の感覚を伝える。

 センサーを使って、マスター部とスレーブ部の動きを0・1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の精度で読み取り、釣り合うようにモーターで力や位置を制御して感覚を伝える。応答速度は0・1マイクロ秒。作用・反作用の法則を応用した。スレーブ部は長さ1・5メートルのワイヤでできているため、体内で柔軟に動かせる。

 触覚は最大で約16倍まで増幅できるため、わずかな感覚も詳細に伝えられる。例えば肝臓は表面の膜が薄く慎重な操作が必要になるが、このシステムを使えば膜を貫通した瞬間が判別できる。近い将来に有望と期待されるNOTESでの利用を見据え、まずは遠隔ではない通常の手術で、内視鏡画像を見ながら利用する技術を確立し、将来は遠隔手術への応用も視野に入れる。

経管腔的内視鏡手術(NOTES)
 口や肛門、へそなどを利用して体の表面を切らずに手術する方法。一つの孔に鉗子や内視鏡など複数の細い術具を差し込んで手術する。新しい低侵襲治療として期待が大きく、世界中で研究や臨床試験が進む。ただ安全性の確立などが必要で実用化は未定。



 こまかーくなって来ましたね。

 あとはより手術の精度があがるような、機械を用いた手術を開拓できれば。
posted by さじ at 16:54 | Comment(0) | NEWS

飲料水に含まれるヒ素を効率的に除去できる素材を開発する

飲料水中のヒ素、効率的に除去する新材料開発

 飲料水に含まれる有毒なヒ素を効率的に除去できる新材料を、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)が開発した。

 井戸水のヒ素汚染が深刻なアジアや南米、アフリカでの活用が期待される。今後、国内外の民間活動団体(NGO)や企業と協力して実用化を急ぐ。

 同機構資源循環設計グループのシェリフ・エル・サフティ主幹研究員らは、表面に5〜8ナノ・メートル(ナノは10億分の1)の穴が無数に開いた酸化アルミニウムの多孔質体に注目。ヒ素だけ吸着させる化合物を、穴の内壁に敷き詰めた。

 ヒ素の濃度を2ppm(日本の基準値の200倍)にした水道水に粉末の除去材を加えたところ、半日後の除去率は約90%。2段階の浄化により、ほぼ完全に除去できた。



 おー。日本でヒ素というと和歌山カレー毒物事件を思い出しますね。

 少し気になって・・・というのも、あの時「四人は何故死んだのか」という本を出した中学生の女の子、確か医者志望だったはずなんですが、どうなったのかなと思って。ネットで今検索してもなんか微妙な記事しか出てきませんね。
posted by さじ at 04:17 | Comment(0) | 薬理

大人の発達障害で困る人が増えている。社会適応に問題も。

増える大人の発達障害 仕事に支障、ひきこもりも

 注意欠陥多動性障害(ADHD)やアスペルガー症候群(AS)などの発達障害に苦しむ大人が増えている。障害のために仕事に支障をきたし、ひきこもってしまう人も少なくない。発達障害者支援法の成立から7年。行政の取り組みは遅れがちだが、障害を持つ人たちが自助努力で立ち向かう動きも出てきた。

 「イージーミスが多すぎる。君に営業はできない」。都内に住む20代の男性は昨年夏、上司にこう指摘され、しばらくして会社を辞めた。

 旅行会社の営業マン。まじめで人当たりもいいが、段取りや整理が下手。細かい連絡を忘れてしまう。添乗員として随行した先で、用意する弁当の数が変更になったのに業者への連絡を忘れてしまい、トラブルになったこともあった。

 まだ、きちんとした診断は出ていない。再就職への意欲もあるが、「サービス業はもう無理だと思う」という。

 発達障害は従来、子供のものとされてきた。だが近年、ひきこもりや鬱病、子供への虐待などの2次障害が表れ、初めて受診する大人の患者が多い。

 計31万部のベストセラー『発達障害に気づかない大人たち』シリーズ(祥伝社新書)の著者、心療内科医で福島学院大の星野仁彦教授は「私のクリニックに来る患者さんは2次障害が深刻な状態。復帰するのは容易ではない」と話す。

 星野教授の調査では、外来を受診した成人のADHDとASの患者130人のうち、2次障害がない人はわずか13人。専門医が少ないため、発達障害を見抜けず、2次障害だけの治療を受けた結果、再発、長期化する傾向にある

 冒頭の男性のようなケースでも、「まずは自分で発達障害を認識し、診断を受ける。そのうえで長所と短所を把握し、サポートしてくれる人を見つけることが大切」と星野教授は言う。

 発達障害者同士の自助グループも生まれている。自らもADHDとASの混合型という冠地情さん(39)が主宰する「イイトコサガシ」は、22都道府県で160回以上のワークショップを行った。

 6〜8人のグループで、2人が5分間、テーマに沿った会話をし、残りの人はその会話の良かった点だけを指摘する。時間を区切って相手の話に集中するので、しぐさや口調の変化にも気づきやすく、独りよがりな会話を避けられる。聞く側は良い点だけを探すため、思いやりや共感を伴ったコミュニケーションの力を磨ける。冠地さんは「発達障害の人は自己肯定感に乏しい。批判や助言はそれに追い打ちをかけ、トラブルになることもある」と話す。

 相手の長所を探し、自分の良い所に気づくのはコミュニケーションの基本だ。冠地さんは「発達障害はもはや社会現象。でもできることから始めてほしい」と話している。

 成人の発達障害に対する行政の取り組みは緒に就いたばかりだ。厚生労働省によると、全都道府県とほぼ全ての政令市に発達障害者支援センターが設置され、ハローワークなどと連携した就労支援などが行われているが、「症状や障害の程度は千差万別で、具体的にどんなサポートをしたらいいか開発を行っている段階」という。

 また、ADHDに対して欧米で効果を上げている中枢神経刺激薬、メチルフェニデートによる薬物療法も昨年11月、18歳未満で投与を受けていた人のみ継続使用が可能になったが、大人への初回投与は認められていない。



 発達障害というのは、診断されていないだけで、あなたの近くにも大勢いますし、もしかしたらあなたも発達障害かもしれません。増えているというより、「昔からあるけど、誰も診断していない」というのに近いと思います。今の高齢者、中年にもものすごく多いですから。

 ちょっと空気読めない人とか、なんかやたらこだわりのある人とかも、発達障害圏の可能性があります。もちろん「障害」と診断するには、症状があって、日常生活に齟齬を来すレベルのものでなければなりませんが。これは学歴などは関係ありません。むしろ強迫的に勉強したりこだわりがあって受験をものすごく頑張ったりするので、高学歴の人にも多いです。

 よく「うつ病」と診断されている人の中には「発達障害で社会適応がうまくできず、抑うつ状態になる」人も多いです。でも本人に発達障害とは言えない(言ったら怒る人も多いですよね)のでうつ病と言われることもしばしば。

 ですが最近は、発達障害に関して認知度が高まってきたのか、自分でネットで調べて病院に来られる人も多いようです。まあ、いいことですね。発達障害専門の外来などもあるので、診断してほしい人はそちらに行ってみては。
posted by さじ at 03:38 | Comment(1) | 精神

子供の死因を登録し、原因を検証しなければ、子供の魂が報われない

子どもの死因 登録して検証 小児学会、予防策に反映へ

 事故や虐待による死など「助けられる命」を救おうと、日本小児科学会が、子どもの死亡状況を登録し、その原因を検証する仕組みを作ることを決めた。子どもの死に立ち会った医師が、なぜ、どのように亡くなったのか情報を登録する。現在の国の統計調査では子どもの詳しい死因がわからず、死につながったリスクを探ることで、予防策にいかす。

 登録は病死も含め、18歳未満で亡くなった子どもが対象。来春から数カ所の地域でモデル事業を始め、2〜3年以内の本格稼働を目指す。データ収集には司法機関や児童相談所などの協力も必要なため、連携できる制度も整えていく。

 18歳未満の死亡者は年間約5千人に上り、交通事故などの「不慮の事故」は年代によって死因の1、2位を占める。厚生労働省研究班の分析では、日本の新生児の死亡率は先進国27カ国中最低なのに、1〜4歳の幼児では17位と突出して高い。虐待で亡くなる子どもも年間約50人に上る。しかし、現在の国の統計調査では、死亡の詳しい状況はわからない。



 子供、というだけで、解剖の件数が少なかったりしますしね。

 本来なら解剖というのは、その人の死因を調べるものなので、全例にやるべきなんですよねぇ。

 でもなんか傷つけるのがかわいそうということで、子供はほとんどされていない。まぁわかりますよ、自分の子供の肉体を傷つけるっていうのはどういうことなのか。

 ですが、「死因が分からん」というままにしておくほうが、果たして子供のためになるのか。

 医学の発展ももちろんありますけど、子供の魂を救うための1つの選択として解剖し原因を究明する必要があるのでは、という提案です。
posted by さじ at 00:07 | Comment(0) | 小児

2012年01月12日

在宅ホスピス医によるホスピス学校、山梨に開講。

命を学ぶホスピス学校、山梨に開校 多彩な講師招く

 末期がん患者らのホスピスケアに取り組む山梨県甲府市の在宅ホスピス医、内藤いづみさん(55)が、命について多角的に学ぶ「ホスピス学校」を7日に開校する。年2回程度、講師を招き、ホスピスについて理解を深めてもらう。

 内藤さんは旧六郷町(現市川三郷町)出身。福島県立医大卒業後、勤務医を経験した。さらに英国でホスピスを学び、1995年、甲府市に緩和ケア診療所「ふじ内科クリニック」を開いた。

 内藤さんは、命について学ぶことは自分や相手、自然への感謝の気持ちにもつながっていくといい、ホスピスケアは「患者が持っている宝物に気付くためのお手伝い」という。

 新たに始めるホスピス学校には、全国各地で活躍する、親交が深い医師や心理学者、映画監督、環境活動家らを講師として招く予定だ。将来的には常設し、分校や支部をつくることも考えているという。

 初回となる7日は北杜市で、悩みを抱えた人のための安らぎの場「森のイスキア」(青森県弘前市)を主宰する佐藤初女さんが講師を務める。講演会に加え、秘伝のおむすびの作り方を教わるワークショップもある。

 初回は予約で満席。ホスピス学校の日程はホームページ(http://www.naito-izumi.net/)で確認できる。



 これは期待。社会に生きる職としてうまく成り立たせることのできる学校であることを願います。

 今の日本の癌治療は、まぁ最後が悲惨になってしまうものも少なからずありますからねぇ。痛みを止めることに集中するのならばより良い最後の迎え方があるのは間違いないでしょう。専門の治療機関と協力してやることが必要だと思いますけれどね、なかなか治療は治療、ホスピスはホスピスって感じで完全に分かれているのが惜しい。こういう学校の存在で代わることもあるでしょう。
posted by さじ at 01:51 | Comment(0) | がん

2012年01月10日

当直明けの外科医に手術をさせない病院の診療報酬をアップする。

当直明けの手術、やめれば診療報酬加算 厚労省方針

 厚生労働省は7日、当直明けの外科医に、手術の予定を入れないよう取り組む病院について、来年度から診療報酬の加算対象に加える方針を固めた。勤務医の負担軽減策の一環。診療報酬改定に向けて議論する中央社会保険医療協議会(中医協)に提案し、大筋で了承された。

 厚労省は、当直明けに手術を行う頻度を985人の外科医に尋ねた日本外科学会の調査結果を中医協に報告した。「いつも」が31%、「しばしば」が26%、「まれに」が15%であわせて7割に上った。

 当直による疲れが原因で「手術時に医療事故や、事故には至らないミスの経験がある」のは4%、事故経験はないが手術の質が低下することが「多い」「まれにある」と答えたのは83%に達し、医療安全に影響があると判断した。

 勤務医の負担減対策としては、長時間の連続勤務を減らす取り組みなどに加算する仕組みがある。当直明けに手術を入れないことも追加する。



 え、だって人が足りないんだからしょうがなくないですか?

 手術しない科の給料を0.9割ぐらいに下げて、外科医の給料を1.2ー1.3倍に上げて、外科医志望を増やしたほうが良くないですかね?

 当直後の手術をやめるって、手術する人が少なかったらどうすりゃいいんですかね?この案は外科医も納得づくなんでしょうか。それとも机上の話なんでしょうか。
posted by さじ at 02:34 | Comment(0) | 大学

野田首相、診療報酬はプラスマイナス0で現状維持。

診療報酬、据え置きで調整 野田政権、両論に配慮

 野田政権は、診療報酬の来年度の改定率について、据え置きの方向で最終調整に入った。

 「薬価部分」は市場での値下がりを反映して約1.3%分引き下げる一方、医師の人件費や技術料などに当たる「本体部分」を同じ分だけ引き上げ、報酬全体でプラスマイナスゼロとする方向。財務省や経済界などの引き下げ論と与党の引き上げ要求の間で、バランスをとる。21日にも決着させる方針だ。



 この野田首相のフワフワしたアプローチの仕方、何かに似ているというか…。

 「日本のために」ってメディアで言いながら、実態はどこかから何か貰ってて「犠牲になってくれ」って言われているかのような。

 TPPの医療ジャンルだけは何としてでも阻止してほしいんですけど、アメリカから何か貰ってるのか、断固としてやる気満々なのが気になりますね。まぁ確かに自分が首相やめても、貰えるもん貰っちまえばってところなんでしょうかね。韓国とアメリカのFTAみたいな奴隷契約にならないことを切に願います。
posted by さじ at 02:19 | Comment(0) | NEWS

未承認薬を条件付きで容認する方向で厚生労働省は動いている。

未承認薬、条件つき容認へ 重病患者を対象、厚労省方針

 厚生労働省は、ほかに治療法がない重い病気の患者に対し、国内では承認されていない薬を一定の条件で使えるように制度化する方針を固めた。26日夜、薬事行政の見直しを検討している厚労省の審議会で大筋了承された。同様の制度は欧米にあり、がん患者らが要望していた。

 日本は欧米に比べて薬の承認時期が遅れるため、欧米で受けられる最新の治療を受けられないことがある。医師や患者が海外の薬を個人輸入して使っている例もあるが、偽造薬を買わされる危険性や、副作用が起きたときに対応ができるのか、などの問題がある。

 創設する制度では、欧米で承認済みで、国内で承認を得るための臨床試験(治験)が始まっている薬を対象とする。医療機関が厚労省に必要な届け出をすれば、複数の病気を抱えているなど治験に参加できない患者に、この薬を使えるようにする。患者にとっては治療の選択肢が広がることになる。



 どんどんやってほしいですね、これは。

 厚生労働省的には、まぁ確かにサリドマイドとかで叩かれまくった経緯もありますし、なるべくなら副作用をちゃんと確認して使いたいというのもあるのでしょう。欧米で大丈夫でも、アジア人では重篤な副作用が出る事もありますしね。

 でも、それでも、難病の患者は一日一日が大事、承認なんて待ってられないってこともあります。そういうときにこういう治療の選択が広がることはいいですね。

 もちろん、だからといって、承認を遅らせる言い訳にはなりませんぜ!
posted by さじ at 01:33 | Comment(0) | 薬理

被災地で働く看護師の3人に1人がPTSDを懸念する状況に。

被災地で働く看護師、33%にPTSD懸念 専門家調査

 東日本大震災の被災地で働く看護師を対象にしたストレス調査で、3分の1が心的外傷後ストレス障害(PTSD)が懸念される状態にあることが分かった。うつなどにつながりかねない「精神的不健康」度の高い人も約3分の2に及んだ。

 調査した専門家は「ほかの惨事後に実施されたストレス調査結果より特異に多い。うつや離退職につながりかねない」としている。

 調査は松井豊・筑波大教授らが、8〜9月にかけて実施。岩手県・宮城県の沿岸部で勤務する看護師407人から回答を得た。



 大変だったんでしょうねぇ。

 こういうところのケアも重要です。そのためにも精神科医のボランティア活動はまだまだ続きそう。
posted by さじ at 01:26 | Comment(0) | 精神

2012年01月09日

胃ろう造設の新技術、鮒田式で安全に胃壁を固定する。

胃ろう造設安全に 開腹せず胃壁固定具、医師開発 三重

 病気やけがで自力では食事ができない患者の腹部に穴を開け、胃に通じるカテーテルを挿入して水分や栄養を送る「胃ろう造設」。三重県松阪市上川町のふなだ外科内科クリニック院長の鮒田昌貴さん(57)が開発した胃壁固定具は、胃ろう造設を安全に行う「鮒田式」として、全国の医療現場で活用されている。

 胃ろう造設の手術をめぐっては、カテーテルが抜けて胃壁と腹壁が離れて腹膜炎を起こしたり、肝臓や横行結腸へ誤って穴を開けてしまうといった医療事故が相次ぎ、中には死亡例もある。

 鮒田さんは、安全な胃ろう造設を医療現場に普及させようと、開腹せずに胃壁と腹壁を縫合固定する胃壁固定具の開発を進めてきた。この「鮒田式」だと短時間で手術できるうえ、手術後には体外から抜糸することができ、体内に異物が残ることもないという。

 1990年に特許出願し、3年後に製品化された。胃ろう造設は全国で年間10万例以上あるといい、このうち鮒田式は年間約4万1千例で実践されているという。さらに、胃がんの摘出や虫垂の切除など、ほかの腹腔(ふくくう)鏡下手術にも応用されているという。

 昨年8月には、手術にあたる医師が片手で操作できる改良版も製品化。医師が内視鏡カメラの画像を見ながら1人でも操作できるようになった。

 鮒田式の胃壁固定具を取り扱う医療機器メーカーによると、旧製品はこれまで国内で34万本、改良版は今年9月までに1万2千本が出荷されたという。海外の医療現場でも使用例が増えており、2002年からドイツを中心に中国や韓国、イタリア、イランでも使われているという。

 鮒田さんは「アメリカなどほかの国の医療現場でも活用してもらい、安全な胃ろう造設の普及へ情報発信を進めたい」と話している。



 説明文を読む限り、いまやられている胃ろう造設が血行な割合で鮒田式な気がします(といってもどれが鮒田式なのか細かいところではよくわかりませんが。笑)
posted by さじ at 18:32 | Comment(0) | 消化