2011年05月09日

アメリカのノーベル平和賞受賞団体が日本の放射能学校基準を批判

学校基準は「安全でない」 ノーベル賞の米医師団

 福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。

 PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。

 声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。



 確かに、放射能に安全なんてない、のかもしれん。特に子供ならば。

 目安を設定したことに納得いかなかったのでしょうなぁ。


posted by さじ at 03:14 | Comment(1) | TrackBack(0) | 小児

ステロイドの使い方について。副作用を防ぐにはどうしたらよいか。

ステロイドの副作用と用法による違い

 ステロイドは、薬効がほぼ確実という強みもありますが、非常に副作用発症率の高い薬剤でもあります。にもかかわらず、研修などを行っていると、意外に副作用について把握していない薬剤師が多いことに気づかされます。特に、経口ステロイドでは原則禁忌となっている「高血圧症」「緑内障(セレスタミンでは禁忌)」はほとんど無視されている印象さえ受けます。また、目の感染症や、白内障、緑内障は点眼剤でも起きるにも関わらず、ステロイド点眼液の濃度ミスも散見されます(例:リンデロンの点眼液は、「リンデロン点眼・点耳・点鼻液0.1%」と「リンデロン点眼液0.01%」では10倍の濃度差があります)。

■副作用の種類と用法・用量による違い

1)大量(プレドニゾロン換算で1日40mg以上)投与した場合に起きる副作用
高血糖、不整脈
 ⇒投与数時間後から現れてくる副作用です。

2)中等量(プレドニゾロン換算で1日20mg以上)以上投与した場合に起きる副作用
高血圧、不整脈、高血糖、精神障害、浮腫
 ⇒投与後、数日以内に起きてくる副作用です。
感染症(細菌)、無菌性骨壊死、骨粗鬆症、満月様顔貌、脂質異常症、精神障害、緑内障、ステロイド筋症、消化性潰瘍、高血糖
 ⇒投与後、1〜2カ月ごろから現れてくる副作用です。

3)少量でも起きる服用
感染症(ウイルス、結核)、満月様顔貌、二次性副腎不全、骨粗鬆症、脂質異常症、動脈硬化、白内障、緑内障、ステロイド筋症、消化性潰瘍、高血糖
  ⇒投与後、3カ月以上たってから起きてくる副作用です。

 なお、吸入ステロイドは、従来「原則禁忌」の項目に高血圧がありましたが、現在では削除されています。

■小児に注意すべき副作用

 小児で特に問題になるのは、成長障害ですが、容姿の変化(ざ瘡、満月様顔貌、野牛肩、多毛、皮膚線条、中心性肥満など)も重要だと捉えられています。

■高齢者に注意すべき副作用

 高齢者で、最も注意が必要なのは、感染であると言われます。時として致命的となるからです。そのほか、動脈硬化は心疾患や脳血管障害の原因になりますし、精神障害は高齢者では記憶障害として現れることがあります。ステロイドミオパチーは、筋力低下を起こし、骨粗鬆症と並んでADL低下の原因になります。

■副作用を回避する工夫

1)用法変更による回避
 ステロイドの副作用は、一般に、持続点滴のような継続使用時に最も大きくなります。ですから、経口薬などでも、分割する投与回数が多ければ副作用も大きくなります。

 可能であれば、分1投与や隔日投与にしますが、炎症性疾患では、症状が日単位で起きるので、隔日にすると服用しない日に治療効果が得られません。

 この他、副作用回避のために、次のような用法変更が行われることがあります。

a)短期大量投与:短期間で投与を終了できます。
b)他の療法との併用:漸減しつつ、他の免疫抑制剤などをかぶせる方法です。
c)漸減:少しずつ1日量を減らしていく方法です。後半は0.5〜1mg単位で減らすこともあります。
d)隔日投与:1日おきに連日必要分の2倍量を投与する方法です。

2)薬剤変更による回避
 高血圧を回避するのに、電解質作用の少ないベタメタゾンやメチルプレドニゾロンに変更するといった方法です。

3)予防薬投与による回避
 消化性潰瘍に対するPPIの投与、骨粗鬆症に対するビスホスホネート系薬剤の投与などです。

4)日常生活の工夫や検査での初期症状チェックによる回避
 食事療法を取り入れたり、ものの見え方や感染症初期症状の自己チェックを行うように指示が出ることがあります。また、各種の検査を行うことで、副作用を早期に発見できます。



 ステロイド、というと、怖い薬と思われがちですが、医療の分野では幅広く使われます。免疫能を抑制することで日常生活を楽に行えることが多いからです。アレルギーだけでなく、神経内科などの分野でもよく用いられます。というかほとんどの科で使われますね。

 もちろん副作用がおきやすいことも知られています。そこは副作用が起きた場合に、主治医や薬剤師と相談すると良いと思います。決して自己判断でどうこうしようとしないようにしてください。
posted by さじ at 02:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | 薬理

抗てんかん薬を飲んでいる人の自動車事故を防ぐためには

てんかん患者の自動車事故を防ぐために

 4月18日の朝、栃木県鹿沼市でクレーン車が暴走し、登校中の小学生6人がはねられて死亡するという痛ましい事故がありました。

 この運転手には、てんかんの持病があり、事故発生時にてんかん発作が起きていた可能性が指摘されています。新聞報道によると、本人は「普段は夜に飲んでいるてんかんの薬を、事故の前日は飲むのを忘れ、当日の朝に飲んだ」と供述しているそうです。

 てんかん患者は、かつて、運転免許を取ることができませんでしたが、2002年に道路交通法が改正され、条件付きでの取得が認められました。「発作が過去5年以内に起こったことがなく、医師が『今後、発作が起こるおそれがない』旨の診断を行った場合」などが、その条件になっています。

 ですが、今回と同様の事件は、2008年にも横浜市で起こっています。この時は、てんかん発作で運転手が意識を失ってトラックが暴走し、信号待ちをしていた当時14歳の少年がはねられて死亡しました。2010年3月4日の新聞によると、この少年の遺族が運転手の男性に対して損害賠償を求めて提訴したそうですが、この記事には「遺族は『男性は医師に薬の服用を指導されていながら、飲まずに運転した』と指摘している」と書かれています。

 この2008年の事故でも、今回の事故でも、医師や薬剤師の責任が問われている様子はありません。でも、この運転手たちを診察していた医師や、投薬・指導に当たっていた薬剤師は、この事故を未然に防げなかったのでしょうか。そんな思いから、昨年、上記の報道があったときに、抗てんかん薬の服薬状況確認の必要性と、TDM(薬物血中濃度モニタリング)の必要性について、当社の社員には解説をしました。

 私たち薬剤師が、同様の事故の再発防止のためにできることは何でしょうか。われわれは薬の専門家として、再発防止策を真剣に考える必要があると思います。

 てんかんでは、病状を話したがらない患者も多いので、現実には難しい面も多々ありますが、できる限り、以下の点についてしっかりと確認する必要があると私は考えています。

(1)危険な仕事に従事していないか
(2)TDMを実施しているか
(3)服薬の重要性の説明を理解しているか


 (1)は、普段の業務で行われているかと思いますが、なかなか詳細な情報までは得られていないことが多いと思います。

 (2)のTDMは、「服薬状況の確認」の意味もあります。欲を言えばデータまで入手したいところですが、そこにまでは至らなくても、検査をしているかどうかの確認はしておくべきです。定期的に血中濃度測定を行っていて、処方変更がないことを確認できれば、少なくとも、きちんと服用を続けていることの証明にはなります。

 現在でも、血中濃度データを利用して薬局でTDMを実施しているところがあると聞きますが、抗てんかん薬に関しては、遠くない将来、薬局でのTDM実施が求めらる時代が来るかもしれません

 (3)は、医療機関でもきちんと指導され、理解している患者も多いと思いますが、薬局でも定期的に確認し、常に患者に意識してもらうことが大切です。まれにでも、なんらかの事情で服用できない状況が発生するようなら、剤形変更や、場合によっては薬剤変更で対処できないか、検証する必要があると思います。



 薬とは本来、定期的に飲まなければ体の血中濃度を一定に保てず効果にばらつきがでてきます。

 今回のように、てんかんに対する薬を1度飲み違えてしまうだけで、日常生活がままならなくなってしまうこともあるのです。

 血中薬物濃度が瞬時に分かれば、服薬忘れなどもなくなるんでしょうけれども。。現実的に「パッ」と表示するのは難しいですからねぇ。

 やはり患者本人によって服薬したかどうかは決められてしまうというのが現状でしょうか。こういう悲劇を起こさないためにも、飲み忘れを徹底しなければなりませんね。。
posted by さじ at 01:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 脳神

2011年05月07日

骨新生を促進する作用のある破骨細胞抑制剤テリパラチドが骨粗鬆症治療薬に

骨形成促進薬で転換期迎える骨粗鬆症治療

 2010年に骨形成を促進する薬剤が登場したことで、骨粗鬆症の治療は大きな転換期を迎えた。以前からの骨吸収抑制薬についても、服薬コンプライアンスを高めるために投与間隔を長くするなどの工夫を凝らした薬剤が相次いで発売予定だ。骨粗鬆症診療の変化をリポートする。

 「骨形成促進薬という全く新しい治療薬の登場は、標準治療薬の一つとなっているビスホスホネート製剤の登場時と同等のインパクトがある」─。新潟大学整形外科学教授の遠藤直人氏は、2010年10月から発売となったテリパラチドについてこう話す。

 現在、骨粗鬆症治療の主役であるビスホスホネート製剤をはじめとする骨吸収抑制薬は、破骨細胞の活性を低下させ、骨吸収を抑制して新たな骨破壊を抑制する。しかし、骨吸収を抑制することで骨芽細胞の分化も少なくなり、骨形成が同時に抑制されてしまうという負の側面があった

 これに対し、テリパラチドは前駆細胞の骨芽細胞への分化を促進し骨芽細胞のアポトーシスを抑制することで骨新生を促進する。東京大学整形外科学准教授の田中栄氏は、「骨を鉄筋コンクリートに例えれば、今まで周囲のセメントを作る作業しかできなかったのに対し、これからは鉄筋自体を作ることができるようになったといえる」と骨形成促進薬の登場を歓迎する。

 では、テリパラチドの登場によって、骨粗鬆症治療はどのように変化するのだろうか。

 田中氏は、「まずは、これまで治療が困難だった、骨密度が非常に低く骨折リスクの高い重症骨粗鬆症患者や骨代謝回転が大きく抑制されているステロイド性骨粗鬆症患者にテリパラチドを積極的に使用したい」と期待を込める。

 鳥取大学保健学科教授の萩野浩氏はこれに加えて、「ビスホスホネート製剤には、手術後の患者の骨癒合が遅くなる傾向があるという問題があった。一度骨折した患者が再度骨折を来すリスクが高いことを考えると、骨折後の患者への使用も適しているだろう」と話す。

 テリパラチドは、ビスホスホネート製剤を上回る腰椎骨密度の増加や骨折発生率の抑制が示されている。さらに、海外ではテリパラチドによって背部痛発生リスクが低下したとの報告もあり、除痛効果にも関心が高まっている。

 もちろん、テリパラチドにも幾つか残された課題はある。まず、現在発売中のものは1日1回の皮下注射剤で、インスリン注入器と似たペン型注入器による患者の自己注射が必要ということだ

 製造販売元である日本イーライリリーでは、患者の不安を少しでも取り除こうと、自己注射の方法を説明したわかりやすい冊子やDVDの配布、患者への電話サポートなどを行っている。



 画期的。

 自己注射型というのがネックではありますけれど、糖尿病の患者さんでも行えていることなので時間が経てば安心かなと。骨粗鬆症が酷くなるよりも行いたいという人は大勢いるでしょう。
posted by さじ at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

2011年05月06日

ユッケで死亡者が出たのは国の管理問題なのではないだろうか。

生肉食中毒、死亡4人目 70歳女性、重症は21人

 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒で、富山県砺波市の店舗で食事し、重症だった女性(70)が5日午前、死亡した。

 女性は4日に死亡した40代の女性の家族で、同チェーンの食中毒による死者は4人目。これまでに砺波店や福井渕店(福井市)でユッケなどを食べた男児ら3人が亡くなったほか、神奈川、富山両県で34人が入院、うち21人が重症となっている。チェーンを運営する「フーズ・フォーラス」の勘坂康弘社長は5日午後、金沢市の本社前の路上でひざまずき「本当に申し訳ございませんでした」と声を震わせた。



O111で死亡の報告は初

 今回、食中毒の原因となった「O111」は、およそ180種類あるとされる病原性大腸菌の1つで、仲間には「O157」や「O26」などがあり、感染すると、下痢やおう吐など、どれも似たような症状を引き起こします。

 しかし、国立感染症研究所によりますと、O157に感染した人が死亡した例はありますが、O111で死亡が報告されたのは、先月の6歳の男の子が初めてだということです。

 病原性大腸菌は牛などの家畜の腸内やヒトの便などに含まれる毒性の強い細菌で、この菌に汚染された食品や水を口にしたり、菌が付着した物に触れたりすることで感染します。国立感染症研究所によりますと、国内では病原性大腸菌に年間およそ3000人から4000人が感染しています。

 このうち0歳から4歳までの乳幼児がもっとも多く、その原因のほとんどは、病原性大腸菌O157で、O111については、平成19年に宮崎県の保育園で集団感染が報告されるなど、毎年、感染例はあるものの、死亡したという報告はありませんでした。

 国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「これまで死亡した例がなくても、生肉を食べれば、もともと大きなリスクがあるということを十分認識する必要がある。特に子どもや高齢者は症状が重くなることもあるため、レバーやユッケなどの生肉は口にしないでほしい。今後、感染が広がる可能性もあり、どの時点で大腸菌が付着したのかなど感染経路を早急に調べる必要がある」と話しています。



生肉の食中毒問題 厚労省の食肉流通基準が形骸化

 生肉のユッケによる集団食中毒問題で、厚生労働省の基準を通った生食用の牛肉が一切、出荷されていないはずなのに実際には流通するなど、基準が形骸化していたことが分かりました。

 生食用の食肉について、厚生労働省は1998年、食肉の処理施設に消毒に必要な設備を設けることなどの基準を定めています。厚労省が調査を始めた2008年度と2009年度について、この基準を通った生食用の牛肉は一切、出荷されていなかったということです

 一方、富山県警は、生肉のユッケを食べた男の子2人が死亡するなどした問題で、3日に焼肉店の運営会社社長を任意で事情聴取しました。



焼肉チェーン最大手「牛角」もユッケ販売中止

 ユッケが原因とみられる集団食中毒を受けて、焼肉チェーン最大手の牛角は、ユッケを使用したメニューを一時休止すると発表しました。

 牛角を運営するレインズインターナショナルによると、「国産牛ユッケ」と「石焼ユッケビビンバ」の販売を5日からいったん休止したということです。牛角では、ユッケの表面を280度で1分間加熱して調理するなど厳格な衛生管理を行っているため、継続して提供することを検討してきました。しかし、業界全体に対する客の不安や不信感に最大限配慮するため、休止に踏み切ったと説明しています。安楽亭や焼肉屋さかいなど、ほかのチェーンではすでにユッケを使用したメニューを休止しています。



「子供や高齢者は生肉控えて」蓮舫消費者担当大臣

 生肉のユッケなどによる食中毒で男の子が死亡した問題で、蓮舫消費者担当大臣は、不安がある場合には生肉を食べることは控えるよう呼びかけました。

 蓮舫消費者担当大臣:「不安がある場合は、生肉の料理を子供、ご高齢者、健康状態が優れない大人の方が食べることは控えて頂きたい」

 蓮舫大臣は、ユッケや生レバーなど生肉を食べる場合には、飲食店などに加熱用で販売されたものではないことを確認するよう求めました。さらに、不安がある場合には、子供や高齢者、健康が優れない人は食べること自体を控えるよう呼びかけました。



 んー・・・

 この事件、焼き肉屋だけが悪いわけではなさそうです、よね。

 社長が謝罪しながらも「ぶちまけていた」ことも、一理あると思います。すなわち、「日本には、生食用として流通している牛肉が存在しない」ということ。

 それでもユッケが出され続けていたわけです。

 各焼き肉屋は、加熱するなどの対処を行っていたのでしょうけれども、食品衛生法的にそれを「生肉」として提供していたわけで。

 生食用の牛肉を使用しなければならなかったにもかかわらず、それが流通していないという矛盾。

 最終的に「国」の責任な気はしますけれども。。

 犠牲者が出てしまったのは・・・。
posted by さじ at 04:11 | Comment(3) | TrackBack(0) | 感染

糖尿病治療薬のチアゾリジン誘導体が何故浮腫を起こすのかを解明する

経口糖尿病薬の副作用による浮腫発症のメカニズムを同定

 経口糖尿病薬として知られるチアゾリジン誘導体は、細胞核内の受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)に結合し、代謝に関連する遺伝子の転写を調節してインスリン作用を増強させます。この働きによってインスリン抵抗性が改善し血糖値も下がるため、糖尿病の治療に広く使用されています。

 しかし副作用として体液貯留を伴う浮腫を生じることがあり、また心不全が悪化することもあるため、心機能が著しく低下している場合には使用できません。チアゾリジン誘導体による浮腫発症のメカニズムとして、腎臓の遠位尿細管ナトリウム輸送体遺伝子の発現が増加することが原因の一つと考えられてきましたが詳細は不明でした。

 この度、東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 講師 関常司と 教授 藤田敏郎らのグループは、近位尿細管では遠位尿細管と異なり、PPARγに結合したチアゾリジン誘導体が遺伝子転写の調節を介さずに速やかに腎臓のナトリウム再吸収を亢進させることを発見しました(米国雑誌Cell Metabolism オンライン版にて日本時間5 月4 日午前1 時に発表)。

 この発見は、これまで主に遺伝子転写調節を介して働くと考えられてきたPPARγ の新たな生理機能を明らかにしたもので、チアゾリジン誘導体による浮腫発症の予防や、浮腫を起こさない新しい糖尿病薬の開発につながることが期待されます。



 近位尿細管のほうが圧倒的にナトリウムを吸収する力が強いということですね。

 人間の体液の量というのは、ナトリウムによります。水(真水)はナトリウムにくっついて動くからです。

 ポカリスエットなどのスポーツドリンクにナトリウムが多く含まれているのはそういうわけです。失った水分をすぐに体液として補充するために存在します。逆に汗をかいたときにミネラルウォーターを飲んでも、ナトリウムが汗として失われているために、体の中に水を引きつけておくことができず、尿としてすぐに排出されてしまうのです。

 で、浮腫というのは体の水分が過剰な状態を指しますが、このチアゾリジン誘導体の薬を飲むと、ナトリウムが過剰に体内に吸収されてしまうため、いらない水分までも引きつけてしまって、体液過剰となるわけです。

 ということは併せて近位尿細管のナトリウム吸収を阻害する薬を飲めば、浮腫がなくなると。そういう合剤ができるかもしれませんね。
posted by さじ at 03:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分

2011年05月05日

発達障害の専業主夫が育児に奮闘する漫画「プロチチ」イブニングで開始

逢坂みえこ、専業主夫描く「プロチチ」イブニングで始動


 本日4月26日に発売されたイブニング10号(講談社)にて、逢坂みえこの新連載「プロチチ」がスタートした。

 「プロチチ」の主人公は、専業主夫として0歳児の世話をすることになった徳田直。妻の職場復帰初日、泣きやまない息子を抱えた直はパニックに陥ってしまい……。イブニング初登場となる逢坂が描き出す、育児ドラマに注目しよう。

 なお次号11号では、そにしけんじの新連載「深海マンガ くらげちゃん」がスタート。またこだくさん「きょうの思春期」と小野洋一郎「ブッシメン!」が連載を再開する。



 発達障害(アスペルガー症候群)の専業主夫が主人公とのこと。なるほど、題材はすこぶる面白い。

 これは単行本が出たら買ってみよう・・・。

 第一話がちょっとだけ上がってましたのでこちらから

医学処:ニートは発達障害や精神疾患かもしれません
医学処:ADHDの小児新薬「ストラテラ」が承認される見通し
医学処:アスペルガー症候群に対しての公的支援が不十分と感じる。
posted by さじ at 02:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2011年05月04日

手術室で執刀医が画面を直接触れずにパソコンを操作する方法

カナダの医療技術グループ、「Kinect」を活用して手術の効率化を実現

 カナダ・オンタリオ州政府は、トロント大学の研修医とサニーブルック・ヘルス・サイエンス・センターの癌外科医による医療技術グループが、Microsoftの家庭用ゲーム機Xbox 360のモーションコントローラ「Kinect」を手術中の重症患者の画像視認技術として活用していることを明らかにした。

 癌などの外科手術ではMRIやCTスキャンの画像を視認するために、手術中に無菌領域を離れる必要がある。同技術グループでは、この問題解決のために、手術室のコンピュータにゲーム機を接続し、それを身振りで操作するだけで、患者のスキャン画像を確認できるようにし、患者の無菌領域を離れずに手術を続行することが可能となったという。

 同システムは、Kinectから送信される3次元データを用いて執刀医を認識、その身振りや姿勢をトレースするため、執刀医は何も触ることなく、また無菌領域から出る必要のなく、コンピュータのプログラムを制御することが可能となるというもの。

 従来、手術室では、臨床医が管理の行き届いた無菌領域の内外で作業をしているが、こうした環境の中で執刀医が手術中に患者の画像を確認する必要がある場合、コンピュータは非無菌領域にあるため、執刀医はキーボードやマウスに直接触れることはできず、無菌領域を侵さないため、非無菌領域にいる助手などに画像の調整指示などを出していた。

 こうした画像誘導は、癌手術において重要であり、医者が腫瘍をすべて摘出しつつ、可能な限り健康な組織の温存のために患者の体内のどこに何があるのかという情報を知るために用いられる。今回のKinectと組み合わせた技術は、執刀医が手を一振りするだけで、そうした画像を無菌領域から直接コントロールできるようにし、正確な画像を思い通りに表示できるようにしたもので、「まさに手術室の魔法」とサニーブルック・オデット癌センターの胃腸癌医療チームの腫瘍外科医であり、肝臓、すい臓および胃腸の複合手術を専門とするCalvin Law博士はコメントしている。



 日本でもこれはすぐにやるべきでしょう。

 日本の手術室もまさに同じで、画像を確認するときは、無菌になっていない手術室に入っている医者が執刀医の言う通りに動かします。無菌操作をしている執刀医はパソコンに触れないからです。

 これがあれば自分で想い通りの画像を素早く表示できるわけですからね。。
posted by さじ at 18:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

大動脈解離を見逃し死亡したとして1億円の賠償を求める

「疾患見落とし死亡」遺族が1億円賠償求め提訴

 北九州市立八幡病院(八幡東区)で2009年、男性患者(当時31歳)が死亡したのは男性内科医が大動脈解離の疾患を見落とした医療ミスが原因として、患者の妻と両親が市と内科医を相手取り、慰謝料など約1億円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こしたことがわかった。

 提訴は7日付。市などによると、患者は09年4月14日、胸の痛みや呼吸困難を訴え、同病院に搬送された。内科医は心因性の過換気症候群(過呼吸)と診断して内服薬を処方、呼吸法を指導した。

 男性は翌日も背中の痛みを訴えて来院したが、同じ内科医が心因性と診断して院内の精神科を紹介していた。男性は同19日に症状が悪化し、市内の別の病院で大動脈解離と分かったが、その日に死亡した。

 市は昨年7月、「2回目の来院時に心因性以外の疾患を疑い、コンピューター断層撮影法(CT)検査などを行っていれば、救命できた可能性がある」と誤診を認めて公表し、遺族側と示談交渉を開始した。遺族側は「男性は約35万円の月収があった。約1億円の賠償が必要」と主張、市側は「男性は別の持病があり、当時の収入を証明する書類もない。4千数百万円が妥当」としていた。



 まあ・・・確かに・・・これは・・・

 翌日も痛みを訴えてきているのに、除外診断であるはずの「心因性」としてCTの検査を行わなかったのが・・・痛いですねぇ。
posted by さじ at 18:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

本当は健康に良くない、驚きの日常生活7つを改善しよう。

実は健康によくない7つの習慣 / 「毎日シャワーを浴びる」「毎晩8時間寝る」「便器に座る」など

 人には、何となく健康にいいと思って行っている習慣というものがいくつもある。しかし近年行われた研究によって、その中に、実は健康に害を及ぼしている習慣があることが分かった。

 そして今回、英国紙「Daily Mail」が実は体によくない7つの習慣を紹介しており、多くの人に衝撃を与えている。ほぼ全部日本の生活習慣と当てはまるので、自分の生活習慣と照らし合わせながら見ていくといいだろう。

(1)毎日シャワーを浴びること

コンサルタント皮膚科医のニック・ロウ氏によると、衛生面に関する現代の過剰な心配は、肌に大きな影響を与えているとのこと。ロウ氏は毎日シャワーを浴びることに関して、次のように述べている。

「お湯と石けんを使って体を洗うことは、皮脂をはぎ取り、結果として肌に乾燥やひび割れ、場合によっては感染症さえもたらすこともあります。ほとんどの人が、毎日体をしっかり洗う必要はないのです。もしシャワーを浴びない生活が嫌というなら、より温度の低い水で体を洗うようにして下さい」

(2)毎晩8時間寝ること

ラフバラー大学睡眠研究センターのジム・ホーン教授によると、毎晩しっかり8時間寝ないといけないという考えは現代になって生み出されたもので、このせいで夜中に起きてしまうと、人々はとても不安に感じ、睡眠の質が落ちてしまうという。

ホーン教授は「石器時代の人間が一晩中寝てたら、生きたまま食われていたでしょう」と述べ、一日の睡眠を何回かに分けるというように、人はもっと柔軟な睡眠スタイルを使って進化してきたことを強調している。

よって、夕方の早い時間に2時間、夜12時近くに3時間または4時間、そして夜明け前に2時間寝るという睡眠スタイルでも人間は大丈夫らしい。また、「4分から15分の短い昼寝でも、夜の1時間分の睡眠に値します」と述べ、夜以外の睡眠を推奨している

(3) 歯を磨いた後、口をしっかりゆすぐこと

 ロンドンのフレッシュブレスセンターに勤める歯科医フィル・ステマー氏は、歯磨き後に口をゆすぐことに関して次のように話している。

「フッ素は歯の保護作用を数時間もたらしてくれるのですが、口をしっかりゆすぐと、歯磨き粉が残したフッ素を洗い流してしまうことになるのです。またこの観点から、私は歯を磨いた後、少なくとも30分は何も飲まないようにしています」

 ステマー氏はこの他にも、歯磨き粉の効果を薄めないようにするため、歯磨き前に歯ブラシは濡らさない方がいいと話している。そして食後すぐの歯磨きも、ステマー氏はよくないと主張しており、その理由について次のように語った。

「歯磨きは、食後少なくとも30分は待って下さい。なぜなら食物が持つ酸や糖が一時的に歯のエナメル質を弱めているからです。もし食後すぐに歯を磨いてしまうと、歯の再石灰化が起こる前にエナメル質を洗い取ってしまうことになるのです。一番いい習慣は、食事の前に歯を磨き、そして食後にノンアルコールの洗口液で口をゆすぐことです

(4)便器に座ること

学術雑誌「Digestive Diseases and Sciences」に掲載された研究によると、人にとって、座った姿勢よりしゃがんだ姿勢の方がより自然なもので、より体に負担をかけないらしい。よって、しゃがんだ姿勢で便器に座った方が、痔や憩室性疾患などの腸の問題を引き起こしにくい。

では、どうしたらしゃんだ姿勢で便器に座れるのだろうか? このことについて、コンサルタント胃腸科医のチャールズ・マレイ氏は次のように話している。

「便器に座った時に、足を6インチ(約15センチ)の足台にのせ、体を前に傾けることでしゃがんだ姿勢になれます。また効果は弱まりますが、トイレットペーパーを足の下に置くことでも、しゃがんだ姿勢に近づけます。このように便器に座っている時に足を上げることは、便器に座っている時間を短くさせ、体により負担をかけずに済むのです」

(5)家での掃除

複数の研究により、清掃用品を使用することはぜんそく発症のリスクを高めることが分かっており、現にヨーロッパ10カ国の3500人以上を対象にした調査では、普段清掃スプレーを使っている人はそうでない人より、ぜんそくにかかる確率が40パーセントも高かったと示されている。

このぜんそくにかかる確率は、掃除の頻度、そして使用するスプレーの種類の数に比例して上がっていく。

また、家事そのものも私たちの健康に害を及ぼしているらしく、アメリカの科学者が100人以上の働いている男女を対象に調査を行ったところ、普段家事をしている人たちは、パートナーに家事を任せている人たちよりかなり血圧が高かったという

この高血圧は家事の身体的負荷から来ているのではなく、それを行うことで感じるストレスに由来している。

(6)胸式呼吸

「大きく深呼吸してみて下さい」と言われたら、みなさんはどんなふうに呼吸するだろうか。恐らくほとんどの人が、胸を膨らませながら息を吸い込むだろう。しかし、これは精神療法士ニール・シャー氏によると間違った呼吸法らしく、このことについて次のように述べている。

「私たちが赤ん坊の頃、お腹を使って呼吸をしていました。つまり、肺機能をフル活用した呼吸法です。しかし私たちは年をとるにつれ、より効率の悪い胸式呼吸を行うようになります。これは新鮮な空気が肺全体に行き届かず、古い空気が肺の底にとどまることを意味します」

正しい呼吸法はトレーニングによって身に付くとシャー氏は話しており、そのトレーニングとは次のようなものである。

1) まず息を吸い込む時に、胸の位置はそのままにしながら、お腹を膨らませる。この際、自分の下腹部と背骨の間でビーチボールが膨らんでいくのをイメージする。
2) そして腹筋を引き締めながら、息を吐く。

シャー氏によると、呼吸というのは1分間に12回から20回というようにリズミカルで規則的に行うとよく、毎日数分の呼吸トレーニングをするだけで、ストレス軽減や高血圧解消などとても大きな効果が得られるとのこと。

(7)夕食後にリラックスすること

ケンブリッジ大学の栄養学者クレア・マックエヴィリー氏によると、夕食後に全く動かないこと、また寝る直前に食事をとることは、体の脂肪を増やすことにしかならなく、それなら夜の食事を減らし、朝食の量を増やした方がいいとのこと

なぜなら朝のカロリー摂取量を増やしても、そのエネルギーは一日を通して消費できるから。また、食後に20分のウォーキングをすれば、夜8時、9時に夕食をとろうが体重が増えることはないらしい



 し・・・知らなかった・・・
posted by さじ at 17:32 | Comment(4) | TrackBack(0) | 生理

「がんばろう日本」・・・安易な復興ムードは遺族を逆に追いつめる。

東日本大震災:安易な復興ムードに警鐘−−精神科医・野田さん

 被災者支援について調査・提言している関西学院大学教授で精神科医の野田正彰さん(67)が15、16日、宮城県沿岸部に入り遺族や被災者の話を聞いて歩いた。東日本大震災では2度目の被災地入り。家族を失って1カ月が過ぎた遺族らと接した野田さんは「復興ばかりに重点を置いて『がんばろう』を繰り返せば、遺族の疎外感と喪失感は強まる。復興支援は一番つらい遺族の視点に立つべきだ」と安易な復興ムードに警鐘を鳴らす。

 県南部、福島県境にある山元町。641人が死亡し、131人の行方が分かっていない(18日現在)。

 野田さんは山元町立坂元中学校の避難所を訪ねた。「家族全員が見つかるまでは」と震災後ひげをそっていない男性がいた。目黒裕一さん(36)。両親、祖母、姉の5人家族だったが、4人の行方が分からない。「避難所にいれば、いつかみんなが顔を出すんじゃないかって。甘い考えだったかな。携帯もメールもつながらないんです」。今月上旬、姉ゆかりさん(39)に目元が似た遺体の写真を見つけた。DNA鑑定の結果を待っている。

 「家族が夢に出てこない。俺って冷たい人間なんですか」。そう尋ねた目黒さんに野田さんは「そんなことはない。家族もあなたのことを思って流されたはずだよ」。目黒さんは「それならやっぱり俺が早く見つけてあげたい」とつぶやいた。

 仙台市の南隣、名取市閖上地区。「あれは、妻が育ててたんだ」。汚泥をかぶったビニールハウスを指して、荒川勝彦さん(63)は野田さんに言った。中に、ピンクや白のカーネーションが、枯れずに残っていた。

 妻八千代さん(58)はあの日、ハウスにいた。近所の人の話では地震後、自宅にいた三男孝行さん(27)を迎えに車で自宅に戻り、一時公民館に避難。更に約500メートル離れた中学校に向かう途中、津波にのまれた。孝行さんは遺体で見つかったが、八千代さんは見つかっていない。自宅から公民館まで、野田さんは荒川さんと八千代さんの話をしながら歩く。「なかなか気持ちの整理がつかなくて……」。そう話す荒川さんに、野田さんは「奥さんが生きた記憶を忘れずに生きていくんだよ。奥さんの生前の姿を一番伝えられるのはあなたなんだから」と声をかけた。八千代さんの足取りを荒川さんに追体験してもらうことで、少しでも心の整理をしてもらおうと、野田さんは考えた。

 野田さんによると、遺族は被災直後、家族を失った現実をなかなか受け入れられない。遺体が見つかり数カ月が過ぎたころ、喪失感に襲われる人もいるという。そんな時「遺族に寄り添って、悲しみを共有してあげることが大切」という。

 野田さんは「遺族ほど悲しみや苦しみに耐え、頑張っている存在はいない。周囲が死を見ないようにして『頑張ろう』と復興ばかり強調すれば遺族は『放っておかれている』と思う。喪失感は増し、最悪自殺という手段を選択させてしまう」と遺族の孤立化を危惧している。



 まぁ、個人的にもずっと思ってたんですけど、あの「がんばろう日本」ってキャッチコピーは、誰のものなのかと。

 被災者というか、被災して最愛の人を失った人にそんなこと言ったら、仮に殴られても仕方ないなとも思います。

 だって、被災者は、他の人が募金したりとかボランティアしている以前に、震災に会った日からずっと、頑張ってきてるんですもの。あのメッセージが、被災者以外の人、すなわち募金したりボランティアしたりする側に向けられるなら分からんでもないですけどね。我々はまだ、頑張れますから。

 と、まあ、そういう見解もあるんだということを、知っていただきたい。

 鬱病に頑張れ、は禁句であるように、遺族に対して頑張ろうと日本という国単位で言ってしまうのは危険です。
posted by さじ at 16:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

脂肪吸引で腸管を損傷し、女性死亡。執刀医逮捕。

脂肪吸引女性死亡:執刀医逮捕 「やむを得ぬ」「驚き」 美容外科医、割れる反応

 S院(東京都豊島区)で腹部の脂肪吸引手術を受けた荒川区の無職、Mさんが死亡した事故で執刀医のH容疑者(37)が警視庁捜査1課に業務上過失致死容疑で逮捕されたことについて、美容外科医師の反応が割れている。理解する見方がある一方、医療行為に刑事責任が問われることへの懸念も出ている。

 逮捕容疑は09年12月、Mさんへの脂肪吸引手術で注意義務を果たさずに皮下脂肪に挿入した吸引管を動かし、内臓損傷により脱水死させたとしている。捜査1課は吸引管を標準より速いスピードで動かしたとみている。H容疑者は任意聴取の段階から「手術は適切だった」と容疑を否認したが、捜査1課は「結果は重大で証拠隠滅の恐れがある」と逮捕に踏み切った。

 日本美容外科学会理事長で医師の保阪善昭さんは「考えられないミスで逮捕はやむを得ない」と話す。患者が高齢だと内臓の筋肉組織がもろいケースがある。保阪さんは「高齢者は手術のリスクが高まるのは当然で、吸引管の操作には細心の注意を払うべきだった」と指摘する。

 一方、日本美容外科医師会に所属する医師の真崎信行さん(53)は「脂肪吸引に携わる医師全員に起こりうる事故で、逮捕は驚きだ」と話す。「いくら注意を払っても、筋肉組織がもろいと腹膜に穴を開けたことに気付かない場合がある」と指摘し、「医師たちが萎縮し、技術が立ち遅れてしまうことが心配だ」と話した。

 国民生活センターによると、脂肪吸引手術を含む美容医療に関する苦情は、05年度の201件から、09年度は287件、10年度は3月8日までで242件と、増加傾向にある

 腹部の脂肪吸引手術では、「手術から4年たってもかゆみがある」「痛みが取れずおなかがでこぼこになった」といった相談が寄せられているという。



 まず美容形成でクレームが多いのは、ちゃんとインフォームドコンセントを行っていても、美の部分であるために「不満」があるということが挙げられます。もちろん医師側の問題として「こんなに良くなりますよ」と効果を過度に伝えている場合もあります。

 そもそもこの脂肪吸引は、もちろん事故が起こる可能性はあるにはありますけれど、それを回避するためにトレーニングや経験が必要なわけで。

 どうなんでしょうかね。終わった後に腹部レントゲンを撮るとかすれば防げる事故だったんじゃないですかね。
posted by さじ at 02:12 | Comment(1) | TrackBack(0) | 皮膚

臓器移植が増えても、移植を行える外科医が日本には不足している。

現場発:家族承諾のみで脳死判定・臓器提供 深刻な執刀医不足 /岡山

 家族の承諾で臓器提供が可能になった昨年7月の改正臓器移植法施行から、家族承諾のみで脳死判定、臓器提供が行われた手術は40件に達した。年間50件を超えるペースで、これまで脳死臓器移植手術が最も多かった07年、08年の年間13件をはるかに上回る急増ぶりだ。大きな変化に医療現場の医師から「移植が標準的な医療になった。救われる命が増えた」と歓迎する声があがる一方、移植手術の経験がある執刀医が不足するなど手術体制の整備が追いつかない現状が浮かび上がった。

 岡山大病院(岡山市北区)は昨年7月以降、脳死肺移植を6例、肝臓移植を4例実施した。全国トップクラスの移植実績を誇るが、執刀医不足は深刻だ。同病院で肺移植手術を執刀できるのは大藤剛宏医師1人だけ。大藤医師は「法改正前に手術は年間1〜2件しかなく、少人数でも対応できた。だが移植医療が現実的な選択肢となったいま、もっと充実した手術体制を整えないと、いずれ破綻する」と訴える。

 移植手術は「時間との戦い」だ。提供患者が出ると、執刀医には深夜でも日本臓器移植ネットワークから連絡が入る。そこから不眠不休で準備が始まる。患者への連絡、臓器摘出チーム派遣の手配、手術室の確保−−。手術以外の業務まで全てが執刀医にのしかかる。連絡を受けて手術が終わると28時間が過ぎていた。そんなことも頻繁にある。移植と並行して通常の診察、手術もこなさなけらばならない

 大藤医師は昨年末、移植医を希望する若手外科医とともに臓器移植手術件数が多い豪州の病院を訪れた。02年〜07年にかけて大藤医師が勤務していた病院だ。自身の経験を生かし、若手医師に海外で手術経験を積ませる狙い。「ある程度の症例数をこなさないと1人で判断できない。国内だけで育成するのは限界がある」と話す。

 昨年7月の改正法施行後、心臓や肝臓などの脳死臓器移植で実績を積み上げる大阪大病院でも事情は同じだ。阪大病院で肝臓移植を担当する永野浩昭准教授は「通常の手術や医療の間に移植手術が入る。外科医自体が不足し、臓器移植手術増加を前提にした執刀医育成は今後の課題だ」と話す。

 移植ネットワークによると移植を希望する患者は肺だけで153人。新たにネットワークに登録し、移植を待つ患者は増えている。今後、手術件数が増加するのは確実で、病院側の体制整備をどう進めるかが移植医療の定着に向けた急務となっている。



 外科って難しいんですよねぇ。多すぎると症例数が不足して腕を磨くことが出来ないし、少ないとある一定以上の大病院でないとできない手術に対応できないし。

 移植が増えてきて、各病院ごとに行える件数も増えていくのでしょうけれど、それをこなす外科医の数に問題ありと。

 もっと雑用させている若手に、今のうちから経験を積ませておくことが必要だと思いますね。どこの病院も、「オペやりたがりの重鎮」が積極的にオペするようになってしまって、若手の教育がおざなりになってると感じます。

 先を見通せる能力のある人が権力者だと、若手に経験積ませられると思うんですけどね。そういう師とあおぐべき外科医が大病院にいるかどうか。それが今後の外科の運命を分けるのでしょうか。
posted by さじ at 01:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

2011年05月03日

医学生・研修医向け総合キャリア情報サイト「DtoDレジデント」

医学生・研修医向け 総合キャリア情報サイト「DtoDレジデント」がスタート

 医業経営コンサルティング・医療情報サービスの総合メディカル(福岡市中央区)は25日、医学生・研修医向けの総合キャリア情報サイト「DtoDレジデント」をスタートさせた。臨床研修(初期研修、後期研修)に関する情報・サービスを提供する。

 同サイトでは、初期研修情報、後期研修プログラムについて、エリア、給与といった諸条件で検索・絞込みを行い、利用者の希望にあった病院、プログラム情報をみつけることが可能。また、問い合わせフォームを利用して個々の病院に質問を送ったり、見学依頼をすることも可能になっている。現在、新規登録キャンペーンを実施中。同サイトに登録した利用者のうち先着順で200名に、もれなくAmazonギフト券1,000円分をプレゼントするという。



 マッチングを売りにしているのか。確かに今まではレジデント向けのフェアみたいなもので就職活動をやったり、紙媒体をみて決めたりしていましたが、それらの情報を網羅したサイトか。

 研修医に来てほしい病院側からのアプローチも見やすくていいかもしれませんね。
posted by さじ at 16:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS

小児脳死臓器移植で提供した家族の勇気をもっと評価しよう。

小児移植「家族たたえて」と話す佐地医師- 「年内にあと3例ほど」

 国内初となる15歳未満の小児の脳死判定が4月12日に行われ、翌13日から各地で移植手術が実施された。改正臓器移植法が施行されて9か月目のことだった。改正法で可能になった小児からの臓器提供では、虐待の有無の確認のためのマニュアル作成など、医療機関に新たな体制整備が求められた。また、小児の臓器提供は家族の同意を得ることも成人に比べ難しく、これまで提供事例はなかった。移植事例が出たことで、小児の臓器移植をめぐる状況は変わっていくのか―。日本臓器移植ネットワークの提供施設で、小児からの臓器提供への体制も整えている東邦大医療センター大森病院で移植医療に携わる佐地勉医師に話を聞いた。

―国内初となる小児の移植事例をどのように受け止めましたか。

 報道で世間にも注目されたので、改正法が施行された昨年のうちに1例は出るかと思いました。9か月かかったということは、改正法の社会的な周知や病院側の受け入れ体制が十分でなかったということだと思います。

―改正法施行から9か月たちますが、小児の臓器提供に対応している施設が少ないように感じます。

 そもそも臓器提供をするには、最大限の救命治療をした結果、脳死という状態になり、その上で脳死判定を適切に2回行うことが必要です。臓器提供の際には、マスコミへの対応なども考えると、事務職員も含めて50人ぐらいのチームが必要になります。そのレベルで、スムーズに対応できる施設はそれほど多くありません。

 加えて、小児の救急医療が可能な施設が少ないことも理由の一つだとわたしは感じます。小児科医が当直していない施設に搬送されても、救命治療や脳死判定には対処できません。仮に小児科医がいても、その専門領域が救急医療にほとんど接しない分野だった場合には、適切な対処はできません。このように、小児の臓器提供に対応できる施設や医師、そして時間も限られてくると思います。

―成人と比べ、小児への対応の難しさは何でしょうか。

 子どもの臓器は成人と比べて小さいだけでなく、特徴的なこともたくさんあります。臓器自体が発達中なので、性質も大人とは違います。単純に大人の“ミニ版”というわけにはいきません。同じ心臓外科でも小児を専門とするかしないかで、知識や技術、そして経験が異なります。普段、小児医療に携わっていない他科の医師は、小児の脳死判定や臓器摘出を「できない」とか「責任を持てない」と返答することも多いと思います。

―小児の臓器移植をめぐっては、虐待の有無の確認の難しさも指摘されています。

 臓器提供の場において「虐待の疑いが晴らせない限り、臓器提供はできません」と、両親が悲しみの極致にある時に簡単に伝えることができるでしょうか。それは臓器提供の意思を多少なりとも否定することになるのではと感じます。今回の小児移植のケースは交通事故でしたが、その点については警察も確認すると思います。臓器提供や司法解剖をすると死因が分かってしまうので、そもそも虐待した親は臓器提供には簡単に同意しないと思います。

 ただ、今まで脳死判定のための虐待の確認をやったことがないから、「できない」と回答する医師や施設がまだ多いのではないでしょうか。経験がないのに、簡単に「できる」とは言えないと思います。

―小児の移植例を増やしていくために、対応できる施設を増やす必要はないのでしょうか。

 個人的には臓器提供施設をそれほど増やす必要はないと感じます。正しく脳死判定するためには、一般の市中病院では難しいのではないでしょうか。医学的なレベルを維持するためにも、総合的な設備を兼ね備え、熟練した医師がいる総合的な施設で対応すればいいと思います。

―小児の移植を進めるためには、どうすればいいのでしょうか。

 移植事例について、学会などで「こういう症例が申請されたけど、どう判断しますか」「移植の適応に合致しますか」など、意見交換する場面がもっとあったらいいと感じます。それは、医師だけでなく、看護師やコーディネーターたちも同様に、それぞれの部門で意見交換すべきだと思います。今回の小児移植事例は、今後、よりスムーズな移植に近づくために何をすべきなのかを議論するきっかけになるのではないでしょうか。

―そのコーディネーターが不足しているという話もよく聞きます。コーディネーターを増やすにはどうしたらいいのでしょうか。

 コーディネーターの研修会を増やし、専門職を与えるなど、地道な努力が必要になると思います。臓器によっても、そしてドナーコーディネーターかレシピエントコーディネーターかでも異なります。ただ、コーディネーターをやりたいという人を増やすには、今回の小児移植事例をはじめとした歴史が引っ張っていかなければならないと思います。小児移植事例が出たことにより、今後、小中学校の授業で、生と死に関して取り上げられるようになるかもしれません。まずは、考える機会を与えるのもいいと思います。中には、授業でやったからコーディネーターになってみようと思う人もいるかもしれないですよね。バランス良くネガティブファクターを減らしていくことが、今は重要だと思います。そういった面では、マスコミの中立な報道も重要だと感じます。

 日本の報道で感じることは、あまり臓器提供をした家族の勇気をたたえていないことです。小児移植の第一例なので、家族にも相当プレッシャーが掛かっていたと思います。それを、「本当に承諾されているのですか」「虐待はなかったのですか」「救急救命措置は行われたのですか」などの質問は、両親が聞いたらどう感じるでしょう。日本での歴史を変えるような勇気を出したのに、それ以外のことで疑惑を投げ掛けられているわけですから。「何人もの子どもの命を助けるために、立派な決断をした」と、たたえる言葉が一言もないのです。わたしは、臓器提供を“密室の協議”などと評するのは腹立たしいと思います。個人的には、一部の報道は中立ではないように感じます。もっと、家族の善意と、大切な臓器を届け移植手術に携わった何百人もの医療関係者をたたえる報道をすべきだと思いますよ。

―小児の移植例は今後増えていくのでしょうか。

 臓器移植はドナー側の問題だけではなく、レシピエント側も含めてさまざまなステップが必要なので、大幅に増えることはないと思います。レシピエント側も、大まかな年齢や病院名など、ある程度情報を公開することになりますし、登録自体をためらう親もいますしね。移植事例が増えていくためには、医療現場だけの問題ではなく、インフラの整備や社会全体の理解、啓蒙などが必要になってくると思います。

 ただ今回の事例を受けて、家族に臓器提供に踏み切る勇気が出てくるとともに、移植への理解も進むと思いますので、わたし個人としては年内にあと2、3例は提供事例が出ると思っています。



 色々考えさせられるニュースでした。

 確かに、提供を決意して下さった家族に対して、日本は冷たすぎる。もともと臓器移植に保守的(それでも自分や家族が臓器を必要とするときになって初めて、臓器移植を考えるんでしょうけれども)な日本で、しかも子供の移植で、もっと家族側の声を重視してほしかったところはありますね。

 医学処は、臓器提供に賛同してくださったご家族を応援しています。
posted by さじ at 16:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

東日本大震災、被災地の妊婦について神戸大病院医師に聞く。

災地の妊産婦は 派遣の神戸大病院医師に聞く 

 東日本大震災で被害が大きかった宮城県石巻市で、神戸大医 学部付属病院産科婦人科(神戸市中央区)の医師2人が妊産婦らを支援した。石巻市ではすべての産婦人科医院が被災し、石巻赤十字病院に妊産婦が集中。同病院で診療や手術に当たった2人は「家を失ったことなどが影響して、入院中の産婦が体調を崩すこともあった」と活動を振り返った。

 石巻市では4カ所ある産婦人科医院がいずれも被災し、派遣時はうち1カ所がようやく外来や分娩を再開。妊産婦が集中した石巻赤十字病院では、正常分娩なら、通常より早い産後3日目程度で退院してもらうなどの対応を取っていた。

 2人は、避難所なども巡回する必要がある常勤医らの支援として、分娩や外来、妊産婦健診などを担当。帝王切開手術も3日連続で実施した。

 妊産婦には、被災の影響もうかがえた。30代の女性は、帝王切開による出産の約3日後から血圧が上昇した。話を聞くと「津波で自宅を流され、夫が職を失い、先行きが見えない」などと涙を流した。精神的なダメージが高血圧につながったとみられる

 健診では、泥だらけの母子手帳を持参する女性がいた。車に乗っていて津波に遭遇し、窓から逃げて助かったという。常勤医からは「津波を避けるため屋根の上に逃げ、2〜3日救助を待った妊婦もいた」という話も聞いた。避難所から外来に訪れた20歳代の妊婦は、風邪が治らないと訴え「避難所では水が不足し、うがいや手洗いが十分できない」と嘆いていた。



 尊い命を抱えながらの避難、被災地生活はさぞかし大変だったことでしょう。。

 ボランティアで参加した産婦人科医の方々もおつかれさまでした。

 この糧を生かして、今後こういう災害時のマニュアルなどがあると、より妊婦を助ける事に繋がると思います。災害から色々得ないと、前に進めませんからね。
posted by さじ at 07:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

2011年05月02日

日本医師会、被災した開業医に月30万円の給付金を提供。

日本医師会、被災開業医に月30万円給付へ

 東日本大震災で、診療所など地域医療を担う施設が大きな被害を受けたことから、日本医師会は医療活動を続ける開業医らに独自の支援金給付に乗り出した。

 また、被災地での実態調査を始め、政府に医療機器の再購入やスタッフ雇用への補助、債務の免除などを求める方針だ。

 宮城、岩手、福島各県医師会などによると、宮城県で沿岸部を中心に病院9か所と診療所68か所が全壊し、病院53か所、診療所327か所が一部損壊。医師9人が死亡した

 岩手も57の医療機関が被害を受け、このうち19か所が全壊した。医師2人が死亡し、3人が行方不明。福島は、いわき市で診療所9か所が全半壊している。

 規模が小さい診療所などへの支援は手つかずで、再開を目指す開業医からは「壊れた医療機器の購入などの負担が重い」と経済的な問題を訴える声が相次いでいる。

 日本医師会は会員らから寄せられた義援金を、診療所や自宅を失いながらも再開を目指して診療を続ける医師に1人月30万円を支援金として給付していく。

 同医師会の葉梨之紀常任理事と日本医療救援機構の鎌田裕十朗理事長らが4月29日、宮城県石巻市や南三陸町などで、被災状況や再建に向けた課題について聞き取り調査を始めた。日本医師会は、岩手、福島、茨城県でも調査を行っている。

 石巻市で内科医院を開業していた班目仁さん(53)は、津波で2階建ての医院が屋上まで浸水し、医療機器などすべてが使えなくなった。一時は勤務医への転身も考えたが、「慢性疾患を抱える患者にとって開業医は必要」と再開を決めた

 同市内の郊外に新たな診療所を開く計画だが、2億5000万円ほどかかる見込みで、「補助や融資の返済猶予期間を延長するなどの予算措置があれば」と話す。

 葉梨常任理事は「開業医が減ると、地域医療体制が崩壊してしまう。被災地での開業医への支援は重要だ」と話している。



 診療所の設備もお金バカにならないですもんねぇ・・・。

 それでもこういうところで医療を行おうとする志をもった医師を、全国的にサポートしなければなりませんね。
posted by さじ at 20:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 救急

結核菌と肺内の酵素との関連を見いだし、MMP-1を同定する。

結核治療薬の実現に大きな一歩、「悪玉」酵素を特定

 結核菌(TB)に肺組織の破壊を働きかける酵素を特定したとする論文が、25日の米医学誌「Journal of Clinical Investigation(臨床試験ジャーナル)」に発表された。結核治療薬の早期実現を導く発見だという。

 結核は感染力が強く、死者は年間約200万人にのぼる。結核の出現から数千年が経ったいま、ようやく仕組みが解明されようとしているところだ。唯一の治療法は抗生物質を長期間にわたり服用するというものだが、薬剤耐性株には効果がないことが明らかになりつつある。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)など米英の研究チームは、結核菌と肺内の酵素MMP-1の増加との関連性を見いだし、肺組織の破壊をもたらしているのがこのMMP-1であると特定した。

 研究チームが、結核菌に感染させたヒト細胞に既存のMMP-1阻害剤「Ro32-3555」を適用させてみると、結核菌におけるMMP-1の活動を抑制できることが分かった。 MMP阻害剤は関節炎の治療薬として1990年代に活発に開発され、一部はがんの治療薬としても期待された。人体への安全性は臨床試験で実証済みだ。



 これだけ医療が進歩しても、古典的感染症との闘いには未だに終止符が打たれていませんからね。

 そろそろ決定打がほしいところ。
posted by さじ at 03:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

睡眠不足の脳は部分的に寝てしまいミスを起こしやすくなる。

睡眠不足の脳、覚醒時も部分的に居眠り

 ラットを睡眠不足にして脳の電気的活動を観察したところ、問題解決をつかさどる脳の領域が一種の“局所的睡眠”に陥っていたことが明らかになった。この状態はおそらく、睡眠不足のヒトにも生じていると研究チームは述べている。

 驚くべきことに、脳の一部が睡眠に似た状態に陥っていても、「(ラットの)覚醒状態が通常と異なることは傍目にはわからなかった」と、ウィスコンシン大学マディソン校の神経科学者で今回の研究を共同執筆したジュリオ・トノーニ氏は話す。 局所的睡眠の状態にあるときも、脳の全体的な活動はラットが完全に覚醒していることを示しており、行動にも異常は見られなかった。

 この局所的睡眠という現象は、「意義は不明だが興味深い観察事例というだけでなく、実際に行動に影響を及ぼす。つまり、ミスをするようになるのだ」とトノーニ氏は言う。例えば、前肢を使って砂糖玉を取るという難度の高い課題をラットに与えたところ、睡眠不足のラットは成功率が低かった。

 研究チームは、ラットの頭部に脳波センサーを取り付け、脳の電気的活動を記録した。ラットが覚醒しているときには、予想通りニューロン(脳内で信号を受け取り伝達する神経細胞)が高頻度かつ不規則に発火した。

 一方、睡眠中はニューロンの発火頻度が下がり、脳波は規則的に上下するパターン(徐波)を示した。ノンレム睡眠(急速眼球運動を伴わない睡眠)と呼ばれるこの状態は、ラットやヒトの睡眠全体の約80%を占める。

 トノーニ氏によれば、通常「ラットはしょっちゅう昼寝をする」が、研究ではおもちゃを使ってラットの気をそらし、数時間眠らせないようにした。その結果、過労状態となったラットでは、大脳皮質の2つの領域において、ニューロンが本来なら睡眠時に現れる徐波を示した。

 覚醒している脳の一部が睡眠状態に陥る理由は不明だが、哺乳類が睡眠をとることと無関係ではない可能性がある。哺乳類がなぜ眠るのかは、今なお残る謎だとトノーニ氏は話す。

 有力な説は、ニューロンは常に新しい情報を「記録」しているため、自らをリセットし、また新たな情報を記録できるように、どこかの時点で「スイッチをオフ」にする必要があるというものだ。

 トノーニ氏によると、睡眠不足は危険な事態を招きかねず、しかもこの種のミスは今後、増える可能性があるという。

 理由のひとつは、睡眠時間の短い人が増えていることだ。米国疾病予防管理センター(CDC)の2008年の調査では、一晩の睡眠時間が7時間未満という人が米国の成人の約29%を占め、また慢性的な睡眠障害や覚醒障害に悩む人は5000万〜7000万人に上った。米国睡眠財団によると、一般に成人には1日約7〜9時間の睡眠が必要だという。

 さらに重大な問題は、たとえ眠気を感じていなくてもミスをする可能性があることだとトノーニ氏は警告する。「自分では元気一杯だと感じていて、問題なくやれているつもりでも、脳の一部領域はそうでない状態の可能性がある。その領域は、判断や決定をつかさどる場所だ」とトノーニ氏は述べた。



 やっぱ寝ないとだめですね。

 そうなると「当直のある勤務医制度」はすごく恐ろしいものに思えます。

 仮に救急外来が込んでいて、そんな日に当直をすると、「昼間働いて、夜はほとんど眠れず、朝を迎え、そのまま日勤」となる。そうなってしまうとミスが起こってしまう。

 医療ミスを防ぐためには医療従事者の過労を防ぐのが第一だと思いますが、今の日本の勤務医制度ではそんなもの到底できそうにない。

 どうすればいいんでしょうか。答えを出すのは医療従事者ではなく国民である一般人です。
posted by さじ at 03:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 生理

無医村危機に陥っていた秋田県上小阿仁村に新任医師が赴任する。

嫌がらせで辞める医師続出の秋田の山村に新任医師

 医師の度重なる退職で、無医村になる危機に陥っていた秋田県・上小阿仁(かみこあに)村で唯一の医療機関「村立上小阿仁国保診療所」に、新任医師が6月に赴任することが決定した、と読売新聞が報道した。

 最近5年の間に2人の医師が相次いで退職した同村の診療所。村は相当な危機を持っているようで、読売新聞によると、一部村民による嫌がらせなどが原因で前任者の有沢医師が辞意を表明したことから、 村は「今度起きたら人物を特定して直接抗議する」と強行手段に出ることを辞さない構えだという。

 なぜ、ここまでの事態になったのか。前任者たちは、月休1〜2日ほどで働き、年間の休診日は20日ほどだったという。盆明け、正月三が日開けを休診日にすると、心ない声を浴びせられるなどしたようだ。

 一部の村民は、医師は村長よりも給料が高いと思いこんだり、村から家を買ってもらっている、という思い込みもあったと言われている。

 もちろん感謝の声の方が多いとはいうものの、こうした事態は村役場の耳にも入り広報紙で次のような注意を出すほどだった。

 「有澤先生には村民の健康維持のため、献身的にご尽力をいただき、大変ありがたいことであります。しかし、土・日・祝日は原則的に休日であり、医師にも同様に休日が必要であることから、村民の皆さまには、緊急かつ必要な場合以外は、連絡を遠慮するよう配慮していただきたいと考えております」

 そして、有澤さんの前任者の松澤医師は村の広報紙の2008年9月号に「村の診療所を守るために」としたコラムを執筆。「一度は書かなければならないと思っていたことを書いてみます」と決意の表明をした。よほど、溜まっていたことがあるのだと思われる。

 村は、新任医師のために北海道まで面談に行き、長くとどまってもらいたいという考えを話したようだ。しかし、一部の心ない村民の意識がどう変わっているか。村が監視を続けていくしかないのだろうか。



上小阿仁 無医村の危機回避 診療所 6月に男性医師が赴任

 上小阿仁村唯一の医療機関「村立上小阿仁国保診療所」に、北海道北見市在住の男性医師(48)が赴任することが24日、分かった。有沢幸子医師(66)の辞職が3月に発覚して以来、村は無医村の危機に直面したが、ようやく回避できた。有沢医師は5月末で退職し、男性医師は6月から同診療所に勤務する。

 村によると、10年ほど前から北見市の私立診療所に勤務する男性医師から先月末、「地域医療に貢献したい」と連絡があった。

 その後、萩野芳昭副村長(65)が北見市内で男性医師と面談し、採用が決定した。村では「性格が温厚で気概のある人だと聞いた。末永く村で暮らしてもらいたい」と期待をかける。

 男性医師は5月20日前後に村に入り、前任の有沢医師と仕事を引き継ぐ。有沢医師の辞意表明をきっかけに、村は支援態勢を整えており、3月から秋田市立秋田総合病院長を務めた佐々木秀平医師(68)が毎週月曜日、外科と泌尿器科の診療を始めた。

 また、高齢者の健康管理と予防医学を担当する医師も招く予定だ。

 一部村民による嫌がらせなどが原因で有沢医師が辞意を表明したことから、村は「今度起きたら人物を特定して直接抗議する」と強い口調で話す。

 高血圧の治療で月2回は診療所に通うという農業小林コトさん(80)は「近くに医師が居ると安心感がある。新しい先生が快く生活ができるよう歓迎しないといけませんね」と声を弾ませていた。



 個人的に、思うことは、「僻地医療は医師にとって美徳でも何でもない」ということです。

 僻地医療を熱望する人もおられますし、そのやりがいというか、必要性は分かります。しかし「現実問題」として、村社会の閉鎖性というか、必ずしも村民が医師を受け入れるわけではないという現状、また、村の役場が必ずしも協力的ではないという現状を知ってしまうと、どうにも。

 もちろん医師は必要だというのは分かりますが、それならば村が協力姿勢をみせないといけないなと。逆に言えば、医師歓迎ムードを村全体で推していけば、今回のように医師が来る事もあるわけです。医師のなかには「地域医療に貢献したい」という感情をもつ人は結構いると思います。大学病院や都会の市中病院で疲れた人にとって、まったりと、全てを自分で診療することは魅力的にうつるでしょう。しかし村が受け入れるかどうかという問題があります。それだけ、都会の人にとって田舎は恐怖の対象なのです。地域勤めの医師が「田舎であったありえない患者の話」「田舎の役所でされた嫌がらせ」を都会で語り、広まるたびに、都会の医師は田舎から離れていくのでしょう。

 全員が悪いというわけではありません。田舎だから、性格的に悪性の患者が目立ってしまうというだけの話です。それでも、医師と密接に関わる「地域医療」だからこそ、村を揚げて、医師をつぶさないようにしていただきたい。

2010年

1通の辞職願で上小阿仁村が揺れている。村唯一の医療機関「上小阿仁村国保診療所」 に勤務する有沢幸子医師(65)が「精神的に疲れた」と先月下旬、突然、退職表明し、 61年ぶりの無医村になる可能性が出てきたのだ。休みは20日に1回という激務に耐え、地域医療を支えてきた有沢医師に何があったのか。

辞意を表した理由を有沢医師は公にしないが、小林宏晨村長(72)は「言われ無き中傷により、心に傷を負わせてしまったことが最大の原因」と語る。

村幹部らによると、有沢医師は昨秋、診療所向かいの自宅に「急患にすぐに対応できるように」と自費で照明を設置。だが、直後に「税金の無駄使いをしている」と言い掛かりを付けた村民がいたという。

また、昼食を食べに行く時間が無く、診療所内でパンを買った際、「患者を待たせといて買い物か」と冷たい言葉を浴びせられたり、自宅に嫌がらせのビラがまかれたこともあったという

昨年、有沢医師の完全休診日はわずか18日。土日や祝日も村内を駆け回り、お盆期間も診療を続けた。しかし、盆明けの8月17日を休診にすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と再び批判を受けたという

診療所の小嶋有逸事務長補佐(60)は「こんなに身を粉にして働く医師は過去に例が無い。無医村になったら村民が困る。自分で自分の首を絞めている」と憤る。



2011年

上小阿仁村唯一の医療機関である村立上小阿仁国保診療所の有沢幸子医師(66)が退職願を出し、 受理されたことが28日、分かった。有沢医師は昨年、一部住民の嫌がらせが原因で辞意を示したが、住民の熱意で、その後、撤回した。 今回は、健康上の理由だというが、今でも嫌がらせが続いていることが背景にあると指摘する村関係者もいる。後任探しは難航が予想され、 再び無医村の危機を迎えた。

 有沢医師は昨年9月、小林宏晨(ひろあき)村長に対し、「激務をこなせる体力がもうない」と退職願を提出した。 小林村長は「土日を完全休診にする」「週2日は非常勤医に任せる」などの待遇改善策を提示して慰留に努めた。

 しかし、有沢医師は昨年末の検査入院で「現状が続けば健康維持は難しい」と診断されたことを挙げ、申し出を断った。 意志は固いと判断した小林村長は2月下旬、受理した。退職にあたり、有沢医師は「後任に引き継ぐまでは頑張る」と話していた。

 有沢医師は当初、辞任の公表を望まなかったが、今月中旬に有沢医師から 「いつ辞めるか分からないのに実情を知らせないのは村民に不誠実」との申し入れがあり、 村は事実の公表と、ホームページ上での医師公募に踏み切った。また、退職願を受け、村は、有沢医師の負担を軽減するため、 4月から秋田市立秋田総合病院長を週1回招いて、外科と泌尿器科の診療を実施する。
posted by さじ at 02:48 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS
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