2010年09月29日

クロレラの光合成を使って心停止後の臓器を復活させる

臓器:光合成で復活 心停止後、クロレラ投入 製薬会社チーム、ラットで成功

 クロレラの光合成能力を利用し、心停止から時間が経過した膵臓内の酸素、二酸化炭素濃度を改善、機能まで回復させることに、山岡一平・大塚製薬工場主任研究員らのチームが動物実験で成功した。世界で初めて動物と植物の間で、酸素と二酸化炭素のやり取りを実現させた成果で、心停止後の臓器を移植する道が開かれる可能性がある。11日に宇都宮市で開かれた日本蘇生学会で発表した。

 チームは、呼吸不全状態にしたラットの腹膜上に酸素が溶け込みやすい液体とクロレラを入れてLED(発光ダイオード)を照射した。すると、低かった血液中の酸素濃度が、光合成を行ったクロレラからの酸素によって高まる一方で、高濃度だった二酸化濃度はクロレラに取り込まれ、いずれも元通りに近づいた

 また、心停止から3時間放置したラットの膵臓を摘出。同様の仕組みの液体に30分間膵臓を入れ、別の糖尿病のラットに移植した。その結果、移植された全6匹の血糖値が改善し、膵臓が機能していることが分かった。

 移植で使われる臓器保存液に入れた膵臓は、6匹中1匹しか血糖値が改善しなかった。

 現在、心停止後に移植可能な臓器は腎臓、眼球だけで、それも心停止直後の摘出が必要だ。人に応用できるかどうかは安全性を含めて調べなければならないが、同社特別顧問の小林英司・自治医大客員教授は「呼吸不全に陥った患者の治療や、心停止後の臓器提供の機会を増やすのに役立つのではないか。心停止からの時間が延びれば、家族が別れを告げる時間も十分確保できる」と話す。



 すげえ・・・なんだこれは。

 最初の、腹膜に入れるやつは、救急医療においても利用できるのではないか。
posted by さじ at 05:50 | Comment(1) | TrackBack(0) | 循環

クモの糸を1万本束ねることに奈良県立医大の教授が成功

クモの糸、1万本束ねてバイオリンの弦 「柔らかい音」

 細くて強いクモの糸を使ってバイオリンの弦をつくることに奈良県立医科大の大崎茂芳教授(生体高分子学)が成功した。高級品である羊の腸の弦(ガット弦)と比べ「柔らかい音」がでるという。大崎さんは「演奏家の好みで選ばれる弦なら実用化の可能性も高い」と話している。

 大崎さんは約30年間、クモの糸の研究を続け、利用法を探っていた。バイオリンの弦にできないかと考え、おなかに黄色と黒の虎縞が横に入ったコガネグモと、縦に入ったオオジョロウグモを計300匹以上集め、糸をださせた。

 この糸を約1万本束ね、太さ0.5〜1ミリ、長さ50センチにしてバイオリンの弦にした。すると、4種類の太さがある弦のうち一番細いものをのぞく3本は、実際にバイオリンにつけて演奏できた。

 バイオリンの弦はガット弦のほか、金属製やナイロン製があり、ガット弦は特に上級者に好まれる。クモの糸の弦の音色をガット弦と比べるため「ラ」の音を詳しく調べたら、クモの糸の方がオクターブ違いの音が多く含まれ、その分「柔らかい音」になっていたという。ただ、引っ張る力に耐える強さは3分の2ほどと、やや弱めだった。

 「長くて均一な糸を集めるため、クモに途中で糸を切られないように、さらに工夫したい」と大崎さん。成果は15日に札幌市である高分子学会の討論会で発表する。



 蜘蛛嫌いの私にとってはおぞましい記事・・・と思いきやそこまででもないですね。

 これ医療的に応用できないかなぁとか、関係ない記事でも生物系ならいつも考えてしまいます。
posted by さじ at 05:46 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS

ナルコレプシーの脱力症状の原因を初めて突き止める

「ギャバ」欠乏が原因と解明 ナルコレプシーで小山福大教授グループ

 日中の活動時に突然、脱力症状や過度の眠気に見舞われる病気「ナルコレプシー」のうち、未解明だった脱力症状が起きるメカニズムを福島市の福島大共生システム理工学類の小山純正教授(55)らの研究グループが突き止めた。レム睡眠時などに作用する脱力をもたらす脳の細胞群の働きを抑えるガンマアミノ酪酸(ギャバ)が欠乏していることが原因だった。ナルコレプシーは車の運転中に発症した場合、事故につながりかねないなどの危険もあり、根本的な治療法や治療薬づくりにつながると期待される。

 小山教授とNPO法人日本ナルコレプシー協会などによると、ナルコレプシーは1000人に3人程度が発症する病気で突然、耐え難い眠気や脱力発作に襲われたり、夜間の睡眠が分断されたりする。発症年齢は10代から20代前半に集中しているのが特徴で、全国に推定20万人いるとされる。発症しても病気と分からず、診断を受けない例も多いとみられている。

 小山教授らの研究グループは、脳幹にある「黒質」と呼ばれる神経細胞が分泌する神経伝達物質の「ギャバ」に着目。ギャバは、体を脱力させる細胞群の働きを抑える作用を持つ。小山教授らは、これが欠乏すると脱力発作を引き起こすことをマウス実験で解明した。

 黒質は「オレキシン」と呼ばれる物質がないと働かない。オレキシンを分泌するのが「オレキシンニューロン」という神経細胞で、これまではオレキシンニューロンの欠乏が脱力症状などの発症の要因であることまでは分かっていた。黒質やギャバの関係が分かったことで、脱力発作の全体の発症メカニズムが解明されたことになる。

 過度の眠気を引き起こす原因については、オレキシンニューロンが欠乏することで覚醒をつかさどる細胞群が機能しないことが理由と分かっていた。脱力発作については研究が進んでおらず、小山教授は旭川医大、東京都神経科学総合研究所の協力を得て約8年前から研究を進めてきた。

 小山教授は「今後は臨床研究などを進め、治療薬開発につなげたい」としている。

 ナルコレプシーの第一人者である東京都精神医学総合研究所睡眠研究プロジェクトリーダーの本多真医師(48)は「脱力発作のメカニズムの解明は初めてで重要な発見。治療薬をつくる上での指針になる」と評価。日本ナルコレプシー協会の河野通久副理事長(67)は「病気の症状を抑える治療はあるが、根本的な治療法はない。原因究明や治療薬開発などにつながれば」と期待している。



 ここまで解明されたのなら、薬もすぐに出来そうですけれどね。まあ臨床応用にはまだ早いのか。でも凄い発見です。こういう睡眠系の疾患は理解されにくいですからねぇ。
posted by さじ at 05:26 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

病原菌の毒素生成だけを抑制する薬を京都府立大が開発

病原菌の毒素生成を抑制 府立大准教授ら

 病原菌が食中毒などを引き起こす毒素を作ることを抑える阻害剤を、京都府立大生命環境科学研究科の宮崎孔志准教授(病原細菌学)たちのグループが開発した。治療が難しく、院内感染で大きな問題となっている「多剤耐性菌」に毒素をほとんど作らせなくする薬剤としても期待できるという。

 緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの病原菌は、それぞれ特異的なフェロモン様の物質を出して情報交換し、菌が十分に増えたことを互いに確認してから一斉に毒素を出して宿主を攻撃する。フェロモンの働きを阻害する物質は研究されているが、病原菌の種類だけ阻害剤も必要で、実用化には課題が多い。

 宮崎准教授は、多くの病原菌でフェロモンを作るスイッチとなる化学物質が共通していることに注目し、この化学物質を菌体内で合成する酵素の阻害剤を開発した。緑膿菌などの培養液に入れると、毒素の産生を約20分の1に減らすことができた。虫歯菌(ミュータンス菌)でも、歯垢の原因物質の産生が約4分の1になった

 宮崎准教授は「(開発した阻害剤には)殺菌作用がないので、有用な常在菌を殺さない新しいタイプの消毒・除菌剤としても期待できる。動物実験で効果を確かめたい」と話している。



 これは医療現場で色々応用できそうな技術ですね。

 抗生剤は常在菌までも殺してしまうデメリットがありますけどもこれならば。
posted by さじ at 05:18 | Comment(1) | TrackBack(0) | 薬理

女性をデートに誘う場合は、3回連続で誘うと成功率が上がる

デートは「3回」まで誘ってみよう!

「あと一回誘ってくれたら、デートに行ったのにな」そう、女友達がぼそっと呟いていたので、実際に何度誘われたのか聞いてみました。

1度目に飲みに行こうと言われたときは、まだよく相手を知らなかったので、ちょっと警戒して断ってしまった。メールを交わすうちに「悪い人じゃないかも」と思うようになったのだけれど、2度目は本当に用事があって行けなかった。「次は行こう」と思っていたのに、2度目を断った後から、ぱったり、連絡をくれなくなった……という経緯だったそうです。

 「二度も断ったのが悪い!」と男性陣は思われるかもしれませんが、いきなり二人で出かけることを躊躇する気持ちも分かりますし、先日『恋に「じらし」ってやっぱり有効?』の記事内でも書きましたが、「すぐOKすると軽そうな女性と思われる」のではないかという不安を持つ女性の心理も働くもの。

 脳や身体の生まれつきの性質で言えば、好みの女性を見ると熱しやすい男性に比べ、一般的に女性は「好かれている、相手に欲されている」と感じるほど、気持ちが温まっていくもの。最初のアプローチではまだ自分の感情に「?」な部分が大きくても、諦めないでいてくれる姿勢に好感が増すことも多々あるのです。

 カナダのマギル大学、ジェラルド・ゴーン博士という社会心理学の博士の発表でも、1回よりも、3回想いを伝えた方が相手が自分を好きになってくれる確率が31%も高くなる、というデータがあります。無論、「一度でも勇気を出して誘って断られるのは辛いのに、3回もそれを味わなきゃいけないの?」という男性側の声も十分察することができますが、それでも、「いいかも?」と強く思った女性に対してならば、できれば「3回」までは、ダメもとでも声をかけてみると、結果が変わるかもしれません。

 ただし、3回連続で断られた場合、「嫌われている」もしくは「恋愛に発展する気がない」可能性も大きいので、 ここはスッパリと諦めて次に行くほうが賢明なのかも。女性側も、もしも悪くはないかもと思っている男性に誘われたけれど、何度も本当に仕事で断らなくてはならない場合は、自分から「別の日はどうですか?」ときちんと代替案を出し、感謝の意と好意を伝えるのが、ベストですね。

 また、少し前に、ある心理学者から「デートの断り文句」について面白い傾向がある、と聞きました。

男性が嘘で断る場合、「仕事」を理由にしがち
女性が嘘で断る場合、「体調」を理由にしがち

というものです。「確かに、「今日は体調が優れない」と言ってしまうかも!」と、そのときの女性陣は至極納得していたのですが、皆さんはいかがですか? とはいうものの、実際、男性よりもバイオリズムの波の影響が強いため、「なんとなく気分が優れない、イライラする、ものすごく体調が悪いわけじゃないけど、身体が重い……」なんて症状が女性には本当にあるため、「体調が悪い」と言われたからと言って、必ずしも嘘の断り文句だ、ということは決してないはずです。おそらく、男性の場合も女性の場合も、相手がそう言われると「仕方ないか」と感じる理由を自然と使ってしまうのかも。ある意味、一番、角が立たない理由なのかもしれませんね。



 ちょうど2回誘って都合合わなくて断られた相手がいて、もう駄目なんじゃないかと思っていたのですが、今日向こうからご飯に誘われて食べてきました。さじです。

 なるほど、3回押すべきだったのか・・・。

 というか記事後半の、嘘で断る場合。これ私の場合「仕事が」って言います。笑

 もちろん本当に仕事があって断らなければならない場合もあるんですけれど、そういうときは別の日をアプローチしますね。
posted by さじ at 03:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

2010年09月27日

カプサイシンで皮膚がんなどを促進する可能性が生じる

カプサイシンががんの発生促進、建国大教授らが解明

 各国で料理に愛用されているトウガラシの辛味成分で鎮痛剤にも利用されるカプサイシンが、がんの発生を促進するとの研究結果が出た。

 建国大学が6日に明らかにしたところによると、同大学特性化学部生命工学科の李基ウォン(イ・ギウォン)教授、ソウル大学の李炯周(イ・ヒョンジュ)教授、米ミネソタ大学のアン・ボード教授が共同で研究を行い、カプサイシンががん誘発タンパク質となる上皮成長因子受容体(EGFR)の活性を誘導し、炎症の誘発およびがんの発生に重要なタンパク質(COX−2)を発現させることで、皮膚がんなどを促進することを、マウス実験で証明した。

 今回の研究で、皮膚に塗る局所用鎮痛剤に用いられるだけでなく、がん細胞の死滅を誘導する効果が立証されていたカプサイシンが、がん発生を促進するプロセスを明らかになり、注目される

 特に、痛みを和らげる上で重要なタンパク質TRPV1など、がん抑制物質が相対的に不足した成人の場合、カプサイシンの大量摂取ががん発生を大きく促進しかねないこともわかった。

 ただ、カプサイシンだけを調理した場合は、TRPV1遺伝子が存在するマウス、不足したマウスともがん発生を誘発しなかった。このことから、カプサイシンはそれ自体ががん誘発物質なのではなく、がん発生を促進する機能を備えているということだと、研究陣は伝えた。

 また、トウガラシの場合はカプサイシン以外にも多くのビタミンCをはじめクェルセチン、カロテノイドなど有益な生理活性成分が大量に含まれており、この研究結果をトウガラシに一般化して解釈することはできないとしている。

 研究結果は、米国がん研究協会が発行する学術誌「キャンサー・リサーチ」9月号に記載された。



 逆の効果も。

 というかまぁ、刺激物ですから、こちらのほうが何となくしっくりくるような気がしないでもないです。
posted by さじ at 00:34 | Comment(1) | TrackBack(0) | がん

多剤耐性菌がインドから持ち込まれる―獨協医大―

新耐性菌、独協医大で国内初確認 インド帰りの50代男性

 独協医大病院(栃木県)は6日、ほとんどの抗生物質が効かない新たな菌(多剤耐性菌)が、インドから帰国後の50代の日本人男性から見つかったと発表した。国内での確認は初。患者は既に回復し、ほかの患者への感染もなかったという。

 新たな菌は多くの抗生物質に耐性を示す「NDM1」という遺伝子を持つ。インドやパキスタンが発生源とされ、欧州などで患者が増加。世界保健機関(WHO)などが各国に監視を呼び掛けていた。

 男性はインドで病院にかかっていた。菌は現地で確認されているものと同じで、院内感染対策の責任者、菱沼昭准教授は「感染経路は不明だが、菌はインドから持ち込まれたと考えている」との見解を示した。

 独協医大病院によると、男性は昨年4月に入院、翌5月に約38度の発熱があり血液検査で多剤耐性の大腸菌が1度、検出されたが、当時日本で多かった耐性遺伝子はなく原因不明とされていた。個室で治療するなどの感染対策を取り、感染の拡大はなかったという。男性は10月に退院した。

 厚生労働省の注意喚起などを受け、今年8月に保存していた菌を培養して検査。NDM1と確認した。



 いくら抗生剤が発達しようと、一時しのぎでしかないのかもしれません。

 適切な抗生剤の使用と、完治に向けた対応を全国で普及しないかぎり、猛威は終わらない。
posted by さじ at 00:29 | Comment(1) | TrackBack(0) | 感染

iPS細胞の山中教授、バルザン賞を受賞。

iPS細胞開発の山中・京大教授にバルザン賞

 優れた業績を残した研究者らを表彰しているバルザン財団(本部・伊ミラノ、スイス・チューリヒ)は6日、今年のバルザン賞を京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授(48)ら4氏に授与すると発表した。

 さまざまな組織や臓器に変化するiPS(人工多能性幹)細胞を世界で初めて開発し、難病の解明や治療法の開発などにつながる技術によって医学全般に貢献したと評価された。

 同財団は、伊日刊紙「コリエレ・デラ・セラ」のオーナーだったエウジェニオ・バルザン氏を記念して1956年に設立された。自然科学と人文科学から2人ずつ計4人の研究者が毎年表彰され、人道・平和に貢献した人も数年おきに選ばれる。日本人では、カーボンナノチューブを発見した飯島澄男・名城大教授が2007年に受賞している。

 授賞式は、11月19日にナポリターノ伊大統領が出席してローマで行われる。



 もう世界中の賞を全部受賞してほしいほど凄い、山中教授のiPS細胞。

 そして最後はノーベル賞を受賞してほしい。

 今こうしている間にもiPS細胞の研究をしているかと思うと最高にかっこいい。
posted by さじ at 00:25 | Comment(1) | TrackBack(0) | 移植

毛髪からコルチゾールを測定し心臓発作を予測する

毛髪から心臓発作を予測、数か月前から可能に カナダ大研究

 毛髪に含まれるストレスホルモンのコルチゾールの量を調べることで、心臓発作を数か月前から予見できる可能性があるとする論文が、医学誌「Stress(ストレス)」に掲載された。

 仕事や結婚生活、お金の悩みは、心疾患リスクの増大と結びついているが、慢性ストレスを測るための生物学的指標はなく、心臓発作のリスクが高い人を数か月前から割り出すといったことも不可能だ。

 そこでカナダ・ウェスタンオンタリオ大学の研究チームは、毛幹のコルチゾールに着目した。これまで血清、尿、だ液中の量が測定されていたが、数時間から数日前までしかさかのぼることができず、長期間のストレスレベルは反映されなかった。

 研究チームは、イスラエル・クファルサバの病院で、心臓発作で入院した患者56人と心疾患以外で入院した患者56人から毛髪を採取し、比較した。すると、心臓発作で入院した患者の毛髪の方がコルチゾールが多いことが分かった

 毛髪は平均して1か月で1センチ伸びるので、6センチ分を調べるだけで長期間のストレスレベルを測定することが可能になる。 

 論文は、糖尿病、高血圧、喫煙、家族の冠動脈疾患の病歴などのリスク要因をかんがみても、毛幹のコルチゾールは心筋梗塞の予測因子として期待できると結論付けている。



 ストレスを測定する簡便で有意義な方法か。

 コルチゾールかー。

 ストレスというと日常生活で受けることを連想しがちですが、例えば臓器の障害とか、侵襲とか、そういうのもストレスです。特にこっちのほうが、劇的に身体に受けるわけですね。
posted by さじ at 00:21 | Comment(1) | TrackBack(0) | 循環

オカルト黄斑ジストロフィーの原因遺伝子を解明することに成功

オカルト黄斑ジストロフィーの原因遺伝子を解明

 国立病院機構東京医療センター感覚器センターと東大医学部神経内科の共同研究チームは9月9日、両眼の視力が徐々に低下するオカルト(目に見えない)黄斑ジストロフィーの原因となる遺伝子を解明したと発表した。

 共同研究チームは、この病気に罹患している家系を国内で確認し、その家族からDNAを採取。この家系の中で、病気にかかっている人とかかっていない人のDNAを比較した。そこから、この病気に関与している遺伝子の染色体の位置を推定し、その領域内にある遺伝子の中から原因遺伝子を特定することに成功した。



 視力系の疾患、特に遺伝などでどうしようもない疾患は、その患者さんの生活の質に大きく関係してきますからね。。

 遺伝子が解明されたのは大きな前進でしょう。あとはそれに対する治療。
posted by さじ at 00:17 | Comment(1) | TrackBack(0) | 眼科

歯周病の原因細胞を奥羽大学教授がみつける

奥羽大教授が歯周炎の原因細胞突き止める

 奥羽大薬学部生化学分野の大島光宏教授は5日までに、これまで原因が特定されず、細菌を除去する治療が主流だった歯周炎=歯槽膿漏=について、歯周炎患者の歯肉の線維芽細胞に原因があることを突き止めた

 大島教授が中心となって行った日大、筑波大、スウェーデンのウプサラ大、ドイツのフンボルト大との共同研究で、論文が8月、権威ある米歯学専門誌「ジャーナル オブ デンタル リサーチ」電子版に掲載された。「細菌の影響」というだけでは説明がつかなかった部分が解明され、歯周炎治療に新たな方向性が見つかった



 歯科に定評のある奥羽大学

 是非とも完治するプロセスをお願いしたいですね。

 健康な歯を維持することで健康な老後を送ることができると信じています。
posted by さじ at 00:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | 歯科

他者の悔しい表情をみた勝者の脳の反応を分析する

「敗者」の悔しい表情を見た「勝者」の脳の反応を、放射線医学総合研究所(千葉市)の研究チームがとらえることに初めて成功した

 脳の前頭葉と呼ばれる部位で通常より強い電気信号が現れ、自己愛(ナルシシズム)の強い人ほど反応が大きかったという。神戸市で4日開かれた日本神経科学学会など3学会の合同大会「ニューロ2010」で報告された。

 他人の幸福や不幸に対し、同じ気持ちを抱く心理状態が「共感」と呼ばれるのに対し、野球やサッカーなどの試合で勝者が敗者の悔しい表情を見て喜ぶ感情は「反共感」と呼ばれている。

 研究チームは、反共感の際、実際に反応する脳の部位を確認するため、トランプで数の大きい方が勝ちとなる単純なゲームを実施。敗者の悔しげな表情を見た勝者では、前頭葉の前部帯状回と呼ばれる部位に現れる「フィードバック関連陰性電位」という電気信号が、通常よりも強く脳波計で測定された。

 被験者に自己愛度を測る心理テストも受けてもらったところ、自己愛の強い人ほど、この電位が高くなった。一方、相手に同情しがちな人では、電位はあまり変わらなかった。

 チームの山田真希子研究員は「自己愛性人格障害など様々な対人関係障害の病態理解につながる」と話している。



 私はどうなんでしょうかね。

 悔しがる表情をみたらやっぱり自分の勝利の気持ちが高まるから強烈に働いてるのかもしれません。

 ということは自己愛が強い?強いかもしれませんね。
posted by さじ at 00:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

2010年09月26日

心室の壁が薄くなる病態の原因を慶應大が発見する

先天性心疾患の原因発見 カルシウム調節の異常で

 胎児の時に、細胞中のカルシウム濃度を調節する機構に異常があると、心室の壁ができないなど、先天性の心疾患につながることを、慶応大と理化学研究所のチームがマウスを使った実験で突き止め、1日付の米科学誌プロスワンに発表した。

 日本では出生児の約1%、年間1万人以上が、心臓に何らかの病気を持っている。同大小児科の山岸敬幸専任講師は「こうした病気の予防法開発に向け、手掛かりの一つになる」と話している。

 チームは、体の細胞の中でカルシウム濃度の調節にかかわる「イノシトール三リン酸受容体」と呼ばれるタンパク質のうち、1型、2型という種類をつくることができないマウスの胎児を遺伝子操作で作製。するとこのマウスは、心臓の厚い壁をつくる細胞ができなくなった。

 心臓の壁や弁の細胞をつくるには、カルシウムイオンによってカルシニューリンという酵素が活性化される必要がある。マウスが活性化したカルシニューリンをつくることができるよう、さらに遺伝子操作を加えると、細胞の数が増加したという。



 心臓とカルシウムイオンは切っても切り離せない関係にありますからな。先天性心疾患は、まだ生まれたての幼い命に重大な影響を及ぼしかねません。ここのところを臨床的な治療に使えたら凄いことです。
posted by さじ at 23:56 | Comment(1) | TrackBack(0) | 循環

2010年09月23日

前立腺がんの診断キットを田中貴金属工業が開発

前立腺がん診断キット開発 田中貴金属工業が発表

 田中貴金属工業(東京)は1日、金の微粒子を利用した高感度の前立腺がん診断キットを開発したと発表した。血液が1、2滴あれば15分以内に判定可能で、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を高感度で検出でき、早期発見に役立つという

 キットは、インフルエンザの迅速診断などに使われているイムノクロマト法を改良した。金の微粒子に結合させた抗体と血液中に含まれるPSAとの反応を利用して検出。キットのラインが赤くなる。

 従来のイムノクロマト法は感度が低く、再発などを調べる検査で必要なわずかな量のPSA検出ができなかった。

 今後、実用化に向けて医療機器メーカーなどと協議する。



 これはいいかもしれません。

 前立腺に特異的なマーカーであるPSAを測定することで前立腺がんを早期に発見しようとするもの。前立腺がんっていうのは初期には症状がでなかったりする怖い癌でもありますからね。

 ただPSAというのは前立腺に刺激が加わるような状態で上昇したりしますので、そこらへん注意が必要か。

 もし高かったりしたら、前立腺針生検が必要になってきます。
posted by さじ at 20:48 | Comment(1) | TrackBack(0) | がん

2010年09月14日

安岡力也、ギランバレー症候群と生体肝移植を乗り越える

安岡力也、生体肝移植…徹夜の大手術

 肝のう胞や肝細胞がんと闘っていた俳優・安岡力也(63)が30日、都内の病院で生体肝移植手術を受けた。力也の肝臓を全摘出し、息子の力斗さん(24)の肝臓の一部を移植する大手術。力也は午前8時に手術室に入ったが、手術時間はかなりの長時間になり、手術終了は31日になる見込み。30日夜の時点で、手術は順調に進んでいるという。

 今年5月にギランバレー症候群の闘病の末、芸能活動を再開したばかりの力也だが、再び病に倒れ、息子の肝臓を移植する大手術に臨んだ。

 関係者によると、力也は肝のう胞、肝硬変が進行、さらに肝細胞がんにも侵された。肝臓の移植手術を受けない限り、生命にも危機が及ぶ状態に陥っていた。そのため、長男・力斗さんが、自らの肝臓の一部を提供することを申し出た。

 力也は30日の午前8時に手術室に入った。手術は、力也の肝臓を全摘出し、同時に力斗さんの肝臓の一部を摘出。それを力也に移植する大がかりなもの。30日の夜の時点では、順調に進んでおり、すべてが終了するのは31日午前になるという。病院では、親族が付き添っているという。

 力也は05年2月にも多発性肝のう胞症のため都内の病院で肝臓の手術を受けた。その後復帰したが、06年6月に運動神経に障害が起き、四肢に力が入らなくなる10万人に2人という難病「ギランバレー症候群」と診断され、闘病生活を続けていた。

 仕事も休養していたが、今年の5月17日に放送されたテレビ朝日・ABC系「徹子の部屋」に出演し、4年ぶりに仕事復帰。28日には、11月6日公開の出演映画「Oh!マイブラザー」の舞台あいさつが都内で行われたが、体調不良のために欠席していた。



 手術にはいろいろなものがありますが、時間や侵襲性を考えるとトップに入る手術のうちの1つが、生体肝移植でしょう。かなりハードな手術ですが見事乗り越えたようです。おめでとうございます。
posted by さじ at 22:12 | Comment(2) | TrackBack(1) | 消化

2010年09月01日

J・K・ローリング、多発性硬化症研究施設に13億円寄付

J・K・ローリングさんが難病クリニック設置に13億円を寄付=英

 ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズで知られる英作家のJ・K・ローリングさん(写真)が多発性硬化症(MS)の研究・治療クリニック設立のために1000万ポンド(約13億円)を寄付したことが31日、明らかになった。

 このクリニックは今年中に英エジンバラ大学内に設置される予定で、ローリングさんの母親の名前を取って「アン・ローリング神経再生クリニック」と命名される。ローリングさんの母はMSのために45歳で亡くなった。同クリニックはMSの研究だけでなく、治療が難しい他の神経系の病気、例えばアルツハイマー病やパーキンソン病、モーターニューロン病(運動神経細胞病)などの研究への支援も行う。

 ローリングさんは声明を発表し、「私の母の名前を取った同クリニックに寄付できるのは大変な喜びであり、名誉です。同クリニックが神経再生の分野で世界に卓越したセンターになるものと信じています」と語った。



 ホント、欧米のお金持ちは、自分の財産を惜しげもなく寄付していただけますね。日本人もこの点は見習わなければならんですね。
posted by さじ at 23:32 | Comment(1) | TrackBack(0) | NEWS

本人の意思不明での脳死臓器移植、5例目へ。

本人意思不明で5例目の臓器提供 40代女性

 1日未明、本人の書面による意思がない40代の女性が脳死と判定されました。家族の承諾による脳死判定は5例目です。

 日本臓器移植ネットワーク:「日ごろからとても人に優しい人だったので、臓器提供は本人らしい」

 脳死判定を受けたのは、九州北部の病院に入院していた40代の女性です。臓器の摘出手術は2日未明から始まり、心臓が国立循環器病センターで20代の男性に移殖されるほか、肺は東北大学病院、腎臓は名古屋大学医学部附属病院に運ばれて移殖されます。

 臓器移植ネットワークによると、女性は書面での意思表示をしていませんでしたが、以前から家族に「万が一の場合は臓器提供したい」と話していたということです。家族の承諾による脳死判定は、改正臓器移植法が施行されてから5例目です。



 ご冥福をお祈り申し上げます。同時に、承諾してくださった家族に感謝です。
posted by さじ at 23:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 移植