2010年08月20日

対話する2人は、脳の神経活動がシンクロする。

対話する2人は脳が同調:研究結果

 2人の人が深く結びつくとき、「同じ波長になった」と言ったりする。この表現には神経学的な真実が含まれている可能性があるようだ。

 話をしている人と、それを聴いている人の脳をスキャンしたところ、両者は同様の神経活動を示すことが明らかになった。このような連動状態は、話に対する聴き手の理解度が深いほど密接になるという。

 この実験は、2人の被験者がそれぞれ話をしているときと、それを聴いているときの脳の血流変化を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて調べた初めてのものだ。

 話す、聴くという行為に関しては、それぞれ異なる脳の領域が関与しているとされているが、「日常のコミュニケーション中に生じる両システム間の相互作用については、まだほとんど分かっていない」と、7月26日付(米国時間)で『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)のオンライン版に発表された研究論文の中で、プリンストン大学の神経科学者であるGreg Stephens氏とUri Hasson氏は述べている。

 実験の結果、話し手と聴き手の脳内では、異なる神経サブシステムよりも、むしろ共通のサブシステムが用いられていることが明らかになった。さらに驚くのは、話し手と聴き手の脳における活動領域に、オーバーラップする部分が見られたことだ。

 脳スキャンの終了後に被験者に質問したところ、語られた話の内容に聴き手が共感していた場合には、スキャンの結果にも、神経のコール&レスポンスというべき複雑な相互作用が見られた。それはまるで、言語というケーブルを介して、話し手と聴き手の脳が接続されたかのようだ。

 「話し手と聴き手は、同一の語彙、文法構造、および文脈を共有している。しかもそれは単に理屈の上だけでなく、文字通り脳内で起こっているのだ」とHasson氏は話す。

 この実験結果からは、なぜ両者の脳が「呼吸を合わせる」のかは分からない。神経活動の連動は、そうした結びつきの結果であって、原因ではないからだ。また、活動が見られた脳の領域は、いずれも言語に関連する部位だが、それらの厳密な機能は定かでない。しかし、たとえ詳細は分からなくても、この実験結果は、心理学における「言語の相互作用的提携」理論を裏付けるものだという。この表現は要するに、「共通の概念的基盤を共有することで、人の関係が深くなること」を指している。

 Hasson氏はまた、対話においては特に強い連動状態が生じると考えている。今度は、どちらかが一方的に長い話をしてそれを他方が聴くだけというコミュニケーションではなく、熱心な対話を交わしている人の脳をスキャンする計画だという。



 おおおお・・・

 つまり親密になりたければ話をしようと。

 行動せよと。

 そういうことですね。

 話して、話して、脳が接続されるようになって、話をするたびに心地よい関係になれれば・・・


 そういうことですね。


posted by さじ at 13:38 | Comment(1) | TrackBack(0) | 脳神

遠隔操作で触覚を伝える手術ロボットを慶大が開発

手術ロボット:遠隔操作で触覚も伝わる 慶応大が開発

 川崎市幸区で2010年8月4日午前10時49分、西本勝撮影 遠隔操作するロボットの「手」を通して触覚が伝わる手術支援ロボットを慶応大が開発し、4日公開した。触覚を伝える手術用ロボットの開発は世界初という。エックス線写真などで発見が難しい場所のがんの触診や、より難度の高い手術が可能になるとしている。

 理工学部の大西公平教授と、医学部の森川康英教授らが共同で開発した。

 遠隔操作による手術支援ロボットは多くの場合、開腹手術をする代わりに患者の腹部に小さな穴を開けて微小なカメラや器具を挿入し、患部を観察したり腫瘍などを切除する手術に使われている。しかし従来のものは、医師が患部を触る感覚が得られなかった。

 新しいロボットは、医師の手の動きに応じて動いたロボットの「手」に当たる鉗子の体内での挙動を、1秒間に1万回という精密な計算で医師側に再現する。これにより、医師は実際に手術器具や患部を触っているような手応えを感じられるという

 大西教授は「医師が直接触れない感染症患者や、デリケートな操作が必要な子宮内の胎児への治療にも応用できる」と話す。



 腫瘍の硬さを感じることが出来る、というのは素晴らしい。手術中に良性か悪性かを判断する指標にもなりうるものです。

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posted by さじ at 13:13 | Comment(1) | TrackBack(0) | 大学

iPS細胞、ミオシンの影響で「死の舞」を踊る。

ヒト万能細胞、たんぱく異常で「死の舞」 理研が解明

 ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)などヒトの万能細胞は、一つずつにばらして培養すると99%が死ぬ。この「細胞死」の仕組みを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターが解明した。細胞の形を保つたんぱく質が過剰に働き、細胞が踊るように動く「死の舞」をして死滅した

 細胞死については特定の酵素の働きを抑えると細胞死を3割程度に減らせることはわかっていたが、その仕組みは明らかになっていなかった。

 理研の研究チームがヒトES細胞を観察したところ、ばらした直後、細胞の周りが膨らんだりしぼんだりしながら激しく動き、数時間後に破裂して死んだ。「死の舞」は、細胞の形を保つたんぱく質「ミオシン」が過剰に働くことが原因。細胞をばらすと酵素が働き、ミオシンが過剰に活性化され「死の舞」が現れ、細胞死するという

 一方、「死の舞」をしない細胞は腫瘍になる確率が5倍程度高かった。「死の舞」は正常な細胞に備わっている特徴という。笹井芳樹・器官発生研究グループディレクターは「安全な細胞を選ぶ目安になる」と話す。6日付の米科学誌「セル・ステムセル」に掲載される。



 さすが理化研。

 iPS細胞も、細かいところまで判明してきましたね。

 臨床的に使うには、やはり安全性が確保されていないといけませんし、こういう研究はホント大事だと思います。
posted by さじ at 13:09 | Comment(1) | TrackBack(0) | 移植

幹細胞を用いて足の関節と軟骨を再生することに成功

幹細胞でウサギの関節再生、運動機能も回復 世界初

 幹細胞を使ってウサギの体内で足の関節と軟骨を再生し、運動機能を回復する実験に世界で初めて成功したと、米コロンビア大学メディカルセンターの研究チームが29日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に発表した。

 人間に応用できれば、患者自身の幹細胞を使って腰やひざの関節を自然に体内で再生させることが可能かもしれないという

 研究チームはウサギ10羽の前足の関節を取り除き、生物学的に害のない材料で作った支えを埋め込んだ。すると、自然分泌された物質が細胞の成長を促し、幹細胞が失われた関節の軟骨と骨の2つの層を再生した。ウサギは4週間以内に普通に動けるようになった。

 採取した幹細胞を体外で培養して体内に戻すのではなく、ウサギの体内で直接幹細胞によって関節が再生されたことも前例がないという。

 自然再生した関節は、現在治療で使われている人工関節より長持ちするとみられる

 高齢化が進み、65歳未満で人工関節置換術を受けた患者が再度手術を受ける必要性が高まる中、論文の主著者であるジェレミー・マオ教授は今回の実験について、ひざ、肩、腰、指の関節の再生が必要な患者にとって関節の再生が原則可能であることを示したと指摘。「最終的には臨床に応用できるのではないか」との期待を示した。

 ただ、臨床試験前にクリアしなければならない問題は少なくない。たとえば、腰の関節の再生の場合、人間は全体重が2本の足にかかるため、ウサギほど再生が容易ではない。また、多くの患者が病気を患っていたり投薬治療を行っている場合が多く、これも関節の再生に影響を与える可能性がある。



 高齢により、まず間違いなく若いころと違うのは、関節の構造を保てなくなることです。軟骨が磨り減ることにより歩くことが容易でなくなります。

 お年寄りにとって歩けないことは大きいのです。歩けなくなると活動性が減じ、認知症のような症状を呈することもあります。

 現在は人工関節置換術が行われていますが、なかなかハードな手術です。この再生医療が臨床応用できれば多くの老人にとって簡便かつ優秀な治療法となることは間違いありません。

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posted by さじ at 12:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | 介護

アテローム性動脈硬化をナノ粒子と幹細胞で治療する

ブタの老化動脈を若返らせることに成功

 ナノ粒子を用いて動脈からプラークを除去し、その後幹細胞を挿入してそれらの動脈の治癒を促すという2段階の手技が将来、アテローム性動脈硬化症患者の治療に用いられる可能性が、ブタを用いたロシアの新しい研究によって示唆された。

 ウラルステート・メディカルアカデミーUral State Medical Academy(エカテリンブルグYekaterinburg)の資金援助を受けて実施された今回の研究では、19頭のブタを3群に分け、全例ナノ粒子と幹細胞、またはナノ粒子のみを投与した(幹細胞は2つの異なる方法のいずれかで送達した)。別の18頭にはナノ粒子の代わりに食塩水を投与した。ナノ粒子をブタの心臓に直接送達後、レーザーで加熱し、堆積したプラークを除去した。この手技は“ナノ焼灼(nanoburning)”と呼ばれる。

 手技の6カ月後、ナノ粒子投与群ではプラーク容積が平均56.8%減少し、対照群では4.3%増加した。ナノ粒子と幹細胞を併用した群は最も改善し、動脈治癒の徴候がみられた。また、(細胞内または心臓へのパッチ貼付ではなく)マイクロバブルでナノ粒子を送達した3頭ではクロット(血塊)が認められた。

 米ニューヨーク大学ランゴンLangoneメディカルセンター心血管疾患予防センター所長のEdward A. Fisher博士は「血管形成術など現在の方法でプラークを除去する際の問題の1つは、プラークの下に面する血管壁の損傷であり、再狭窄率が非常に高い。今回の手技は、血管損傷後に幹細胞を投与することにより血管壁治癒を刺激する能力を活用してこの問題を回避している。ヒトでも同様であれば、将来の選択肢になる可能性がある」と述べている。

 ドイツ、フライブルク大学メディカルセンター心血管外科助教授のMatthias Siepe博士らによる2件目の研究では、心臓発作後に組織を治癒させるために幹細胞を用いた。研究の結果、足場と遺伝子操作した幹細胞を埋め込んだラットは対照群に比べて血圧機能が大きく改善したという。



 ナノ粒子。非現実的なアイテムが現実の医療領域に踏み込んでますね。

 再狭窄しない治療法ができれば、画期的です。

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赤い服を着ると女性からより魅力的に見えるようになる

赤い服を着れば女性にモテる? 米大学が実験

 女性にもてたい男性は、赤い服を着るといいようだ。米ロチェスター大学の心理学者がこのような研究結果を発表した。

 同校の心理学教授アンドリュー・エリオット氏によると、赤い服を着た男性は、女性からより魅力的に見られることが一連の実験で示されたという。「女性は赤い服を着た男性を、ステータスが高く、収入が多く、出世しそうだと評価した

 実験では、赤や白などの枠をつけた男性の写真や、同じ男性の写真をシャツの色を変えて女性に見せ、男性の魅力度やステータスを評価してもらい、デートしたいか、セックスしたいかなどの質問に答えてもらった。男性が親切そうか、外向的に見えるかなども聞いた。

 その結果、赤い色はステータスと魅力についての評価に影響することが示された。赤を使った写真は、ほかの色と比べて、権力があり、魅力的で、性的魅力もあると評価された。親切さや外向性などの評価には色の影響はなかった。また男性が男性を評価する場合にも、色の効果はなかったという。

 エリオット氏らは、赤い色がこのような影響をもたらすのは、文化的な理由と生物学的な理由があると考えている。赤は古来から、富や権力と結びつけられていたという。例えば古代ローマでは、身分の高い人は「赤を着る人」と呼ばれ、現代でも有名人は「レッドカーペット」で迎えられる。また生物学的な面では、マンドリルやゲラダヒヒなど人間以外の霊長類では、赤はオスの支配力を表すもので、特に群れのボスにおいて強く表れると同氏は述べている。

 この研究結果は8月2日発行の「Journal of Experimental Psychology: General」に掲載された。エリオット氏は2008年にも、赤い色が女性を魅力的に見せるという研究結果を発表している。



 情熱の色ー。

 赤いポロシャツなど、今の季節だったら着易いかもしれませんね。

 この娘!この娘だけは絶対!!と思われている方、是非お試し下さい。

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posted by さじ at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

法医解剖、大学では1人で年280件以上を請け負うところも

法医解剖、1人で年284件…大学頼み限界

 死因究明のために警察当局などの委託で行う法医解剖を、2009年に100件以上担った大学が21校に上ることが、読売新聞の調査でわかった。

 スタッフは減少傾向だが、件数は年々増加。解剖医1人が100件以上を担当した大学も10校あり、秋田大(秋田市)では1人で284件を解剖していた。犯罪の見逃しを防ぎ、正確な死因究明が求められる中、教育・研究が使命の大学に依存する制度は限界に近い。

 法医学教室・講座がある79校を対象にアンケートを実施し、60校の回答を得た。09年の解剖数を回答したのは50校で、計5593件。100件以上を担った21校のうち、杏林、秋田、東北、大阪、岡山など7校は200件以上だった。

 今年は4月末現在で計2243件と、09年を上回るペースだ。

 04年以降の推移を答えた44校に限っても、09年は5235件で04年の4343件から892件増。この間、解剖医の数は1人減の74人となり、解剖の補助や薬物検査、書類作成などを担う常勤スタッフも203人から192人に減った。

 秋田大では、04年に3人いた解剖医が09年は1人となったが、件数は126件から284件と倍以上に。東京・多摩地区の拠点となる杏林大(三鷹市)は、解剖医が1人増の3人となったが、82件から320件と約4倍になった。

 ◆法医解剖=明らかな病死や老衰を除く「異状死」が対象。犯罪捜査が目的の司法解剖、公衆衛生などのための行政・承諾解剖がある。監察医制度がある東京23区と横浜、名古屋、大阪、神戸の4市を除き、大学が担う。警察庁によると、2009年の総数は1万6184件で1999年の1・6倍。それでも、09年の異状死解剖率は10%と先進国では最低。



どうしたら法医学者が増えるのか、というのは大きな問題です。毎年7200人ほどが医師になるわけですが、その中で法医学を目指す人は2,3人いるかいないか、というところではないでしょうか。

 学問としては非常に面白いのですが、やはり法医学に伴うイメージが悪かったり、医療かといわれれば社会学の領域に突っ込んでいるようでもあり、医学部で勉強していざ患者を救おうという若者にとっては選択に勇気がいるのかもしれません。

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posted by さじ at 12:30 | Comment(1) | TrackBack(0) | 大学

2010年08月19日

小児歯科医の半数が虐待の疑いのある子どもを診察している

小児歯科医の半数、虐待疑いの子ども診察 通報は1割弱

 虫歯の状況などから児童虐待の兆候をつかむ役割が期待されている小児歯科医の約半数が、虐待を疑われる子どもを診察した経験があるにもかかわらず、このうち1割弱しか児童相談所などに通報していないことが、日本小児歯科学会(朝田芳信理事長)の調査でわかった。児童虐待防止法で定められた通報義務が、子どもの安全を守るべき医療現場で浸透していない実態が浮き彫りになった。

 調査は今年6月、小児歯科の専門医1259人を対象に実施。580人から回答を得た(回収率46.1%)。

 虐待の疑いがある子どもを診た経験を持つ小児歯科医は、「ある」が26.4%、「少しある」が22.9%で半数近くを占めた。ただ、このうち実際に通報したのは7.0%。全体では3.4%にすぎない。理由としては「虐待かどうかの判断が難しい」「違っていたら怖いので通報できない」などが多かった。

 さらに、全体の7.1%が通報義務について「知らない」と回答。「通報先がわからない」も21.6%あった。同学会は虐待対応のガイドラインを作成してホームページに掲載しているが、55.5%がその存在を知らないと答えた。市町村・学校関係者らでつくる「要保護児童対策地域協議会」など、虐待防止に向けた地域の委員になっていると答えたのはわずか4.0%で、地域内での連携も不十分だった。

 小児歯科医は、診療や校医としての活動を通して虐待を比較的発見しやすい立場にある。虐待事案の3分の1強を占める育児放棄(ネグレクト)の場合、歯磨きの習慣がなかったり、不規則な食生活で口の中に絶えず食べ物が入っていたりするケースも多い。東京都歯科医師会が被虐待児を対象に実施した2002年度の調査では、6歳未満の子どもで同年代の子に比べて3倍超の虫歯があり、未処置の虫歯も多かった。

 虫歯だけでなく、不自然に折れた歯や口内の腫れ、出血なども身体的虐待のサインとなることから、同学会は9月、学会員向けに児童虐待をテーマにした研修を開く。田中英一常務理事は「虐待の疑い事例を発見する小児歯科医は多いが、これまで虐待防止に生かされていなかった。通報は責務であり、意識の向上に努めたい」と話す。



 何ともやるせない話・・・

 医師は虐待を発見できる最前線にいるわけですが、なかなか発見しても通報という手段に出れるかどうか、というと別問題か。その分医師側をサポートする体制があるのかというと疑問ですし。

 ただそれでも子どもに罪はないですからね…。
posted by さじ at 21:43 | Comment(1) | TrackBack(0) | 歯科

ケロイドの発症に関与する遺伝子を東大医科研が発見する

ケロイド治療へ 遺伝子を発見

 けがややけどのあと、傷ついた皮膚が盛り上がるケロイドの発症にかかわる遺伝子を東京大学医科学研究所などのグループが見つけ、ケロイドの根本的な治療法の開発につながる可能性があると注目されています。

 ケロイドは、けがややけどのあと、傷ついた皮膚が異常に増殖して盛り上がり、かゆみや痛みを伴うもので、取り除いても再発しやすく、完全に治すのは難しいとされています。東京大学医科学研究所と理化学研究所の研究グループは、全国の医療機関を通じて協力を得た820人のケロイドのある患者の遺伝情報を一般の人たちと比較して詳しく分析しました。

 その結果、遺伝情報のうち特定の4か所がケロイドに関係し、発症の割合はいずれかで配列が異なると1.5倍から2倍、4か所すべてで配列が異なる場合10倍近く高くなることを突き止めたということです。4か所のうち1か所は細胞同士を接着する働きのある遺伝子だということで、研究グループでは、この遺伝子を制御できればケロイドの根本的な治療法の開発につながる可能性があるとしています。研究にあたった東京大学医科学研究所の中村祐輔教授は「ケロイドは患者にとって、精神的な面でも負担が大きい。今後、さらに遺伝子の働きを調べ、治療薬の開発につなげたい」と話しています。



 ケロイド体質という人がいます。手術した後の傷口が治りにくく、盛り上がってしまうような体質の人です。こういう人はケロイドを除去しても、なかなか治らない。見た目がよろしくないためメンタル的につらいところです。
posted by さじ at 21:34 | Comment(1) | TrackBack(0) | 皮膚

IT機器を活用しヒューマンエラーを無くそう

IT機器の活用で深まる医師・看護師と患者の絆

 病院内で麻酔科の医師として働く傍ら、帝京大学の本部情報システム部部長を兼務している澤智博氏の経歴は、とてもユニークだ。国内で医師の国家資格を取得後に渡米。ノーベル賞受賞者を多数輩出しているマサチューセッツ工科大学の大学院に進学した。「当時の米国はドットコム企業が花盛り。医療現場でもIT の知識やスキルがより必要とされる時代が来ると考えた」。澤医師は、進学先としてIT系の名門大学を選んだ理由をそう明かす。

 その澤医師が今取り組んでいるのは、コンティニュア・ヘルス・アライアンスのガイドラインに準拠した医療機器の実験である。具体的には、病室内で測定した患者の血圧データを、医療情報システムへ自動的に反映する仕組みを検証している。現状は、医師や看護師が血圧計の数値を目視し、カルテに手書きしたり、自室に戻ってパソコンに入力し直したりしているが、「こうした煩雑な作業をIT化すれば、ヒューマンエラーがゼロになるだけでなく、医師や看護師が患者と直接向き合う時間を一分一秒でも長くできる」。

 測定項目は血圧だけにとどまらず、体温や血糖値まで広げたい考えだ。「特に体温は、1日に繰り返し測定するケースが多く、省力化の効果は計り知れない」と、仕様が公開されているガイドライン準拠の体温計の登場を待ち望んでいる。

 医療情報システムにデータを無線送信する独自仕様の体温計は既に製品化されているが、「仕様がブラックボックスで、何をするにしてもメーカー任せになってしまう」と採用しなかった。現に、測定した血圧データを医療情報システムに反映するアプリケーションは、澤医師が自ら開発した。将来は、通院患者が自宅で測定した血圧などの健康データを病院のデータと統合して、医師と患者で共有するクラウドサービスに発展させたいという。



 面白い。医療と工学の組み合わせというのも、もっと自由化すればいいのにと思いますけどね。

 知り合いに、医療工学に興味あるけど工学部ではなく医学部にいったという人がいます。なんかこう、なんか勿体無い。結局医者になって真に興味のある工学は学んでいないという状況。ここらへん自由な綱渡しができれば、優秀な人材が生まれるのになと思います。
posted by さじ at 21:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

2010年08月16日

モー娘。亀井絵里、アトピー性皮膚炎治療のため脱退。

■「モーニング娘。9期メンバーオーディション」について

■卒業に関して

○モーニング娘。6期メンバーの「亀井絵里」の卒業に関して

亀井絵里本人より、数回に渡って体調の管理についての相談があり、
「どこかのタイミングでアトピー性皮膚炎の完治を目指したい。」と
申し入れがありました。
本人は、モーニング娘。加入当初から皮膚のかゆみ、肌の色などの症状をすごく気にしていました。
クスリで緩和したりファンデーションでカバーしてきましたが、
ライブで大量の汗をかいたり、衣装を何度も着替えたりすることで、
なかなか症状の完治まで至りませんでした。
「たかだか皮膚の問題で」と言われてしまうかもしれませんが、専門医の意見としても、
「皮膚の問題はそのうち体の内側の問題に移行したり、マインドに影響する可能性もある」と言われ、
また、本人にとっては「皮膚の問題こそが超重要な問題でありまして、
このまま長く放置するより一旦治療に専念するということを選択し、
2010年秋に行われますモーニング娘。のコンサートツアーの最終日をもって、
モーニング娘。及びHello!Projectを卒業させることを決めました。
その後に関しては、症状の完治後本人と相談して決めて行きたいと思います。

2010年8月8日
モーニング娘。プロデューサー
つんく♂



 女の子だもんね。

 アイドルの中には、昔アトピー性皮膚炎だったのかな?という、アトピーっぽい肌をした人も結構いますね。治すのは色々大変そうですが、克服した方も結構おります。メンタル的にも辛い疾患だということを理解しているつんくはなかなかナイス。
posted by さじ at 05:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚

甲状腺の刺激で長寿効果がある

「甲状腺刺激で長寿効果も」 浜松医大など研究グループが機能解明

 食事の摂取カロリー量を抑えると活性化するタンパク質が、甲状腺刺激ホルモンの分泌を調節していることを、浜松医科大の瀬藤光利教授(分子解剖学)らの研究グループが突き止めた。甲状腺は体温や免疫機能など全身の代謝を制御することが知られている。このタンパク質を活性化することで代謝を高め、長寿につながることが期待されるという。

 このタンパク質「SIRT1」が脂肪や筋肉の代謝を調節することは知られていたが、仕組みは分かっていなかった。

 研究グループはまずSIRT1が、脳下垂体にある甲状腺刺激ホルモンを生み出す細胞上に多く現れていることを発見した。

 SIRT1を活性化すると、細胞膜を構成する特定の脂質の量が増えるなどして、甲状腺刺激ホルモンの分泌を促すことが分かった。

 瀬藤教授は「この研究により、全身の代謝を制御する新たな仕組みが明らかになった。今回の成果が老化防止や長寿に役立つといい」としている。

 今回の研究は宮崎大、米マサチューセッツ工科大などが携わり、成果が23日付の米科学誌プロスワンに掲載された。



 代謝は高まったほうが長寿になるのか。まぁそりゃそうか…。代謝が良いということは老廃物を溜めない、ということですもんね。

 これは甲状腺ブームくるかも?
posted by さじ at 05:30 | Comment(1) | TrackBack(0) | 内分

東大&慶應大でサルでの子宮移植に成功する。

子宮移植、サルで成功 人への応用視野 東大・慶大など

 東京大や慶応大などの研究チームが、サルの子宮をいったん体外に出した後、移植し、再び体内で働かせることに成功した。28日、横浜市で開かれた日本受精着床学会学術講演会で発表した。サルで実験を重ね、将来は先天的に子宮がない女性や、がんで子宮摘出した女性も出産できるよう人での子宮移植を目指す

 研究チームの三原誠東京大助教らは、今年1〜2月、カニクイザル2匹を開腹して子宮を取りだし、約2時間後に元のサルにそれぞれ移植した。1匹は現在も元気で、移植後すでに2回、月経があり、子宮が機能していることが確認できた。もう1匹は移植の翌日、死んだ。

 カニクイザルは体重3.5キロと小さいため、子宮周辺の細い血管を結合する手術が難しかったが、最近開発された髪の毛の50分の1〜30分の1の細い手術針を使い、血管の結合に成功した。今後、子宮を移植したサルに体外受精させて胎児が育つか検討するほか、他のサルの子宮を移植できるかどうかなども調べる。

 人の子宮移植は、サウジアラビアで2002年に例があるが、血管の結合部に血栓ができ移植した子宮が機能しなくなったという

 三原さんは「初めて霊長類で成功したことで、人間への応用の可能性がでてきた」としている。



 先天的に子宮がない人というのは案外います。欠損していることもあれば、遺伝子的に子宮が出来ていない人、などなど。

 もしくは後天的に疾患によって子宮を取らざるをえない人もいるでしょう。

 しかしやはり子どもを生みたい、という方は多い。それを可能にする子宮移植。難しい技術ですが、可能になる日も近いかもしれません。
posted by さじ at 05:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | 移植

指の触覚の違いで認知症を早期発見する技術。

指の触覚で認知症を早期発見=「くの字」の角度、違い区別−診断実用化期待・岡山大

 指で「くの字形」の図形に触れ、角度の違いを区別する方法で認知症の早期発見に成功したと、岡山大工学部の呉景龍教授と医学部の阿部康二教授の共同研究グループが28日、明らかにした。呉教授によると、触覚による認知症の早期発見法は世界で初めてで、早期診断方法としての実用化や国際診断基準への展開が期待されるという。

 人間の指先の触覚は繊細で、角度を区別する際には、空間認知や短期記憶、判断など一連の脳内活動を必要とする。このため、高次脳機能障害である認知症の診断に有効だという。

 触覚による診断方法は、主流のアンケート形式よりも患者の生活環境や医師の主観などの影響を受けないため、客観的な診断が可能となる。

 診断方法は、アイマスクをした受診者が装置に手を固定、異なる角度のくの字形が立体的に浮き出たプラスチック板を2枚ずつ指先で触り、どちらが大きな角度かを答える。8種類の角度で計80回行い、その正答率から診断する。

 実験の結果、軽度認知障害患者とアルツハイマー型認知症患者の正答率は健常高齢者よりも低いことが判明した。

 呉教授は「診断内容を周囲に聞かれることなく、簡単に実施できるため、受診者にプレッシャーが掛からずプライバシーも守りやすい」と話しており、装置を小型化して、医療施設や免許センター、家庭などで幅広い実用を見込んでいる。



 今は問診などによる方法がメインですが、これだと客観的に、簡便に、そして認知症の患者に不快な思いをさせることなく鑑別できそうです。
posted by さじ at 05:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

うつ病の人は世界の色が灰色に見えるようになる。

うつ状態の人は灰色の世界を見ている

 うつ状態の人は、少なくとも無意識的には、実際に灰色(グレー)の世界を「見て」いることが新しい研究によって示された。

 ドイツの研究グループが、網膜スキャンを用いてさまざまな黒と白のコントラストに対する網膜の反応を測定した結果、うつ状態の人はそうでない人に比べて網膜の反応が大幅に低下していることがわかった。患者が抗うつ薬を使用しているかどうかにかかわらず、反応の低さが認められたという。このほか、うつ症状が重症である人ほどコントラストに対する網膜の反応レベルが低いこともわかった。

 さらに研究を重ねる必要はあるが、この知見から、網膜スキャンによってうつ病の診断や重症度の測定のほか、治療への反応を評価することも可能になるかもしれないと、フライブルクFreiburg大学のチームは述べている。研究部門においてもこの方法が有用となる可能性もある。

 今回の研究は、医学誌「Biological Psychiatry(生物学的精神医学)」7月15日号に掲載された。同誌の編集長であるJohn Krystal氏はこの研究について、「うつ病が患者にとっての世界の感じ方をどのように変えるかを浮き彫りにするものである」と述べ、「詩人のウィリアム・クーパーWilliam Cowperは『多様さは人生のスパイス』と言ったが、人がうつになると視覚世界のコントラストを感じにくくなり、世界が楽しいと感じられなくなるようだ」と述べている。



 これ面白いですね。

 網膜の電位を評価することで、もしかすると簡易にうつ状態とうつ病を鑑別できるかも。
posted by さじ at 05:01 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神

座っている時間が長いほうが寿命は短くなる。

座っている時間が長いほど寿命が短い

 座って過ごす時間が長いほど平均寿命が短くなることが新しい研究により示され、医学誌「American Journal of Epidemiology(疫学)」オンライン版に7月22日掲載された。この関連は、肥満や日常の身体活動レベルを除外しても認められた。

 過体重や肥満の人に運動が有益であることはすでに十分に立証されているが、座ること自体の影響に関する研究は少ないという。いくつかの研究で、座っている時間と肥満、2型糖尿病、心疾患リスクおよび小児の不健康な食生活との関連が認められているが、座ることと「総死亡率」について検討した研究はこれまでほとんどなかった。今回の研究では、米国癌協会(ACS)による癌予防研究II(Cancer Prevention II)に参加した特に病歴のない成人12万3,216人(男性5万3,440人、女性6万9,776人)への質問表の回答を分析。被験者は1993〜2006年の14年間追跡された。

 今回の研究では、癌よりも心疾患で死亡する人の比率が高かった。ボディ・マス・インデックス(BMI)および喫煙などのいくつかの危険因子(リスクファクター)について調整した結果、1日6時間を座って過ごす人は、座る時間が3時間未満の人に比べて死亡リスクが女性で37%、男性で17%高かった。1日当たりわずかでも運動をすれば、座っていることによる死亡リスクが軽減される傾向がみられたが、運動を考慮に入れても死亡リスクへの影響は依然として有意なものであった。一方、長時間座って過ごし、かつ運動や体を動かすことをしない人はさらに死亡リスクが高く、女性では94%、男性では48%であった。

 研究の筆頭著者であるACSのAlpa Patel博士は、このような関連がみられる理由として明らかなのは「座っている時間が長いほどエネルギーの総消費量が少なく、体重増加や肥満になりやすいため」であるとする一方、単なる体重増加以外にも生物学的因子が存在する可能性があると述べている。同氏によれば、「不活動性生理学(inactivity physiology)」についての研究論文が急増しているという。筋肉、特に脚の筋肉を動かさないと、さまざまなホルモンの分泌が変化し、トリグリセライド(中性脂肪)、コレステロールなど、心疾患やその他の疾患のマーカーに影響があると同氏は説明している。

 米オクスナーOchsnerヘルスシステム(ルイジアナ州)のJay Brooks博士はこの知見について、「毎日行うことの結果を認識する必要がある。仕事のために座っている必要があるならばそれは仕方ないが、できるときにはエネルギーを消費するのが望ましい」と述べている。



 座って仕事をしなければいけない社会人にとってはキツい話。

 まあ確かに生物として、座り続けるということは妙な姿勢ではありますが。

 できるだけ毎日の中で運動を取り入れる習慣をつけたほうがいいかもしれませんね。昼休みを有効に使うとか。
posted by さじ at 04:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 循環

寝ないとホルモンバランスが狂い太りやすくなる

寝ないと太るって本当?

 私たちは1日にどれくらい眠れば十分なのか。眠気を感じなければ、睡眠は足りているのか。睡眠時間が少なくても不調を感じなければ、健康上は問題ないのか。

 こうした問いに対して、最新の研究結果がいくつかの興味深い答えを出している。

 平均的な大人が十分に休息を取り、最良の状態で機能するために必要な睡眠時間は、1日に7〜9時間。しかし、アメリカ人の睡眠時間は昔より減っている。

 05年に全米睡眠財団が行った調査によれば、アメリカ人の平均睡眠時間は1日6.9時間。これは、19世紀に比べて約2時間、50年前と比べて1時間少ない。10年ほど前の01年と比べても、約15〜25分も減っている。

 睡眠不足がいかに大きな弊害をもたらすか、私たちはあまり敏感に感じ取れないらしい。ペンシルベニア大学の研究チームの実験では、2週間にわたって被験者の睡眠を1日6時間未満に制限した。ところが被験者たちは、以前に比べてそれほど強い眠気を感じることはなく、自分が比較的正常に活動できていると思っていた。

 これはあくまでも自己判断でしかない。きちんとしたテストの結果を見ると、2週間の調査期間中、被験者の認知能力と反応速度はどんどん落ちていった。調査期間の最後には、48時間起き続けている人と同程度までテストの成績が低下した。

 弊害はこれだけにとどまらないようだ。シカゴ大学の研究チームによると、睡眠が不足すると、ある種のホルモンの分泌状況が変調を来す。その結果、食欲が高まり、食後の満腹感を感じづらくなり、糖分の摂取に対する体の反応が変わる。要するに、肥満と糖尿病のリスクが高まるのだ。この後に行われた数々の疫学的研究でも、同様の結果が得られている。

 ケース・ウェスタン・リザーブ大学とハーバード大学医学大学院の研究チームが最近報告しているように、このテーマに関する長期にわたる大規模な研究はことごとく、睡眠不足と将来の肥満との間に関連性を認めている。

 なかでも見逃せないのが子供の睡眠不足と肥満の関係だ。ケース・ウェスタン・リザーブ大学とハーバード大学医学大学院の報告によれば、子供を対象にした31件の研究でも、大人の場合と同様の結論が見いだされている。高校在籍年齢の子供を対象にしたケース・ウェスタン・リザーブ大学医学大学院のスーザン・レッドラインらの研究はその一例だ。

 レッドラインらの研究によると、睡眠時間が短い子供ほど、肥満になる確率が高い。1日に8時間以上寝ている子供に比べると、睡眠時間が6〜7時間の子供は肥満になる確率が2.5倍以上に達した。睡眠時間が短いほど肥満のリスクが高まる傾向がはっきり見て取れたのだ。

 肥満になる可能性が増すだけではない。高血圧や心臓病のリスクの増加と睡眠不足を関連付ける研究結果も多数発表されている。

 もっとも、悪い話ばかりではない。これらの弊害が表れても、適切な量の睡眠を取れば問題を解消できる。先に紹介したシカゴ大学の研究によると、被験者に2日続けて10時間の睡眠を取らせると、ホルモンの値が正常値に戻り、空腹感と食欲の強さを示す数値が25%近く低下したという



 現代人は睡眠時間をいかに減らそうか考えがちですが

 大事なのはいかに睡眠時間を確保するか、です。

 特に子どもの睡眠は、親が考えるべきポイントです。深夜まで夜更かしさせる、深夜にどこかへ連れて行くなどもってのほか。
posted by さじ at 04:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 生理

表皮水疱症に骨髄移植が有効か。北大で成果を挙げる

難病「表皮水疱症」 骨髄移植が治療に有効 北大研究班

 北大大学院医学研究科皮膚科学分野(清水宏教授)の阿部理一郎講師(41)と藤田靖幸医師(32)らの研究班は、骨髄移植が難病の表皮水疱症の症状を改善させ、治療に有効なことをマウスで確認した。最新の米科学アカデミー紀要(電子版)で発表した。

 皮膚表面の表皮とその下の真皮をつなぎ留めるタンパク質がないために起きる同症は、根本的な治療法がない。今回の研究は骨髄移植が有力な治療法となる可能性を示した。

 研究班は、原因タンパク質の一つ、17型コラーゲンが生まれつきない同症のマウス20匹に、健康なマウスの骨髄を移植。その結果、移植した骨髄の一部が皮膚細胞に分化し、8割以上のマウスの皮膚に移植でできた新しい細胞や17型コラーゲンを確認した。水疱ができにくくなるなど皮膚の症状も改善した。

 研究班によると、同症の根本的な治療法としては、欠損タンパク質の遺伝子を患者の皮膚細胞に導入する遺伝子治療や、タンパク質自体を皮膚に補充する治療法が挙げられるが、まだ研究段階だ。

 阿部講師らは「今後は、ヒトでも骨髄移植でタンパク質や皮膚を形成できるか確かめねばならない。骨髄移植は白血病などの治療で既に行われており、他の研究段階の治療法に比べ、障壁は低く、実現性は高い」と話している。



 人間という体を構成するのは蛋白質です。それぞれに役割があります。

 その蛋白質の1つが、機能しなくなるだけで「病気」になります。何も病気がないというのは奇跡に等しいのかもしれません。

 表皮水疱症という病気は、普通の人ならば表皮と真皮がくっついているのが当然ですが、その間を繋ぐ蛋白質が欠損しているために、簡単にはがれてしまい、水疱が出来てしまう病気です。
posted by さじ at 04:01 | Comment(1) | TrackBack(0) | 皮膚

名古屋大学、胆管がんの外科的切除で高い成功例を発揮

胆管がん切除に道 名大、手術で高い成功例

 高度に進行した肝門部胆管がんを切除する難手術で、名古屋大の教授(腫瘍外科学)のグループが極めて高い成功例を挙げ、米医学雑誌「アナルズ・オブ・サージェリー」に成果が掲載された。梛野教授は「化学療法しか方法がないとされていたが、光が見えてきた」と話している。

 肝門部胆管がんは、肝臓と胆のうをつなぐ胆管の、肝臓に近い位置にできるがんで、日本人に多い。腸で吸収した栄養分を肝臓に運ぶ門脈(血管)や、酸素を供給する肝動脈が周囲にあり、進行すると、それらにまで広まる。

 このため手術では、胆管や胆のう、肝臓を切除し、腕や足の血管を使うなどして門脈や肝動脈をつなぎ合わせる高度な技術が必要となる。これまで発表された国内の切除手術では、3年以上の生存者は、ほぼ皆無だった

 名大では約30年前から昨年末までに、世界で最多の532例の手術を実施した。1997年以降に高難度の手術をした25〜78歳の男女50人のうち、8割近くが1年以上生存。手術後5年以上経過した時点で3人が生きていた。

 梛野教授は「他の医療機関は手術をあきらめていたが、名大では長い期間、症例を研究、手術のやり方を改良してきたことが実績につながった。患者には(切除を)治療の選択肢に含めてほしい」と話している。

 肝門部胆管がんは日本人に多く発症し、年間2500〜3000人が死亡。手術しない場合は1年以内に死亡するとされている。



 外科の先生たちが挑み続ける最難関の手術には色々ありますが、中でもやはり肝臓系はスペシャリストしか挑めないイメージです。

 血流が多い=出血量が多く、しかも外科的切除による予後をなかなか期待できませんでした。しかし最近は手術法の改良に伴い、かなり予後を期待できるようになりました。

 やはり医学というのは失敗を糧にし、世界中で情報を共有することで進歩し続けるものなのですね。
posted by さじ at 03:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

2010年08月10日

交通事故の20代男性、初の改正脳死臓器移植が行われる。

【口頭意思で臓器移植】「大事なのは家族の納得」

 「万が一の時は臓器提供して」。改正臓器移植法で初の脳死臓器移植が実施される見通しとなった。交通事故で脳死となった20代の男性は、家族に臓器提供の意思を伝えていた。本人の書面による意思表示がなく、家族の承諾だけで行われた脳死判定。日本臓器移植ネットワークが提供に至る説明を控える一方、医療機関は「失敗は許されない」と緊張した様子で準備を進めた。家族の心理的負担が心配される中、移植医療は新たな一歩を踏み出した。

 男性は臓器移植の意思を家族に口頭で表明していたというが、会見した移植ネットの小中節子医療本部長は、その時期や家族の誰に意思表示をしたのかなど詳細は明らかにしなかった。

 石川県の臓器移植コーディネーター、山口裕美子さんは「大事なのは、家族の方が納得できるような結論を出すこと。家族は本人が意思表示カードを持っていたとしても、『本当に提供の意思があったんだろうか』という気持ちになる場合がある」と語る。

 家族が後に苦しまないようにするためにも、提供を拒否する意思を見落とさないことが重要だという。

 家族の臓器を提供した経験を持つドナー家族の思いは複雑だ。平成9年に長女、朝子さん=当時(24)=を交通事故で亡くし、ドナー家族となった間沢容子さん(64)は「娘の強い意思があったから提供を決断できたが、もし娘の意思が確認できていなかったら提供しなかったかもしれない」と話す。朝子さんは交通事故に遭う前から、手紙や電話で「移植でしか助からない人がいる。私にもしものことがあれば提供してほしい」と両親に意思を伝え、ドナー登録もしていたことが背中を押したのだという。

 一方、今回、男性が提供する臓器を受け入れる医療機関では緊張感が高まっている。

 肺移植を予定している岡山大病院の執刀予定の大藤剛宏講師(呼吸器外科)は「家族が大きな判断をした。移植を成功させ、次につなげたい」と意気込みを話した。



 今日の朝ぐらいに、臓器がレシピエントのもとへ到着する見込みです。今頃はレシピエント側の手術をしているのではないでしょうか。

 法律改正により、脳死臓器移植はどう動いていくのか。日本人の精神がより高みへいくことを、切に願ってやみません。命を繋いで下さい。
posted by さじ at 01:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | 移植
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