2010年06月15日

Aiだけで死因が究明できたと医師が判断したのはわずか3%

「死後画像で十分」はわずか3% 厚労省研究班の調査で

 診療に関連して死亡した患者152例の死因を死亡時画像診断(Ai)と解剖の両方で調べた結果、所見がほぼ一致したのは20%で、「Aiだけで死因が究明できた」と医師が判断したのはわずか3%だったことが12日、厚生労働省研究班の調査で分かった。

 診療関連死をめぐり、解剖と比較したAiの効果検証は初めて。調査に当たった深山正久東大教授(病理学)は「診療関連死の死因調査では、解剖の代わりにはならない」と分析。遺体を傷つけないAiを遺族が求めるケースが増えつつあるが「限界を十分に説明し、あくまで補助的に使う必要がある」としている。

 調査は09年度に東大病院や筑波メディカルセンター病院など7機関で実施。152例はほとんどが各機関で診療中に亡くなった患者で、遺族の了解を得てCTで遺体の画像を撮影した上で解剖。その後、放射線科医約10人に画像と解剖所見を比較してもらった。

 その結果、「Aiと解剖所見の一致水準が高い」と判断されたのは37例(24・3%)。詳しい組織検査まで実施した125例に限ると26例(20・8%)にとどまった。



 実際に解剖したほうが得られる情報量は圧倒的に多いのは確かです。そもそも画像上よくわからないから解剖してみよう、という話になるわけでして。死体があってそれを画像に撮るのは有益ですが、病院で診療中に亡くなった患者の死体を死後にCTにかけても、得られる情報は少ないのでは。

 だからといってAiが大したことない、という議論にはなりようがないと思うんですけどね。ケースバイケースで絶対必要な技術です。
posted by さじ at 00:38 | Comment(3) | TrackBack(0) | NEWS

2010年06月13日

子宮頚がんと子宮体がんを区別して理解しよう

「子宮がんと呼ばないで」 頸がんと体がん、区別要望

 子宮頸がんと子宮体がんの総称に使われる「子宮がん」について、日本産科婦人科学会(理事長=吉村泰典・慶応大教授)は12日、この呼称の廃止を求める要望書を長妻昭厚生労働相に提出することを決めた。頸がんと体がんはまったく違う病気として扱うべきだという。

 子宮頸がんは子宮の入り口に生じ、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染から引き起こされる。子宮体がんは、胎児が育つ子宮内膜のがんで女性ホルモンのバランスの崩れが原因。学会は1987年から別々の病気として診断・治療を進めている。

 一方、国の統計は仕分けがあいまいで、「子宮がん」の総数しかわからず、頸がん、体がんそれぞれの正確な死亡数が不明だ。患者数や増減の傾向もわからない。学会の小西郁生常務理事(京都大教授)によると、50年代は頸がんが9割超を占めた。しかし、学会調査では、2000年代に入り頸がんと体がんの比率は2対1になった。

 子宮頸がんワクチンは昨年に発売されたが、学会は今回と別に接種の公費助成が進むよう厚労省に要望している。



 んー、これは確かに。一般にも子宮頚がんと子宮体癌の違いが認識されていないというのも実情でしょう。

 癌のリスクが全く別物な以上、分けて考えるというのは適切な考えのように思えます。
posted by さじ at 02:17 | Comment(3) | TrackBack(0) | がん

小腸と大腸の移植術で治療費高額化

募金で渡米・腸移植の女児、再募金へ 目標6000万円 容体安定せず治療費高額化

 米コロンビア大学プレスビテリアン病院で小腸と大腸の手術を受ける直前の古谷美香子ちゃん=平成22年4月(「美香子ちゃんを救う会」提供) 生まれつき腸が機能しない難病「ヒルシュスプルング病」を患い、募金により米国で小腸と大腸の移植を受けた古谷美香子ちゃん(1)=東京都渋谷区=の容体が安定せず、治療費が足りなくなったとして、「美香子ちゃんを救う会」は7日、都内で会見を開き、6千万円を目標額として、再度募金活動を行うことを明らかにした。

 救う会によると、美香子ちゃんは手術に必要とされた費用約1億1千万円が募金で集まったため、2月に渡米。4月に米コロンビア大学プレスビテリアン病院で小腸と大腸の移植手術を受け成功した。しかし、その後容体が安定せず肝機能も低下。2カ月にわたって集中治療室(ICU)から出られない状況が続き、治療費が想定以上に高額となった。

 その結果、すでに支払っていた保証金100万ドル(約9500万円)では治療費が足りなくなり、病院からは今月19日までに追加保証金など75万ドル(約7100万円)を支払うよう請求されたという。

 日本では来月に改正臓器移植法が施行され、15歳未満の子供からの移植が可能になるが、美香子ちゃんは法施行まで待てる状態になかったので、海外での移植手術を選択せざるを得なかった。美香子ちゃんの父、信一さん(33)は「術後の回復が思わしくないが、今、娘はICUで懸命に戦っている。再度のお願いとなり、皆様に申し訳ない思いでいっぱいだが、何とぞよろしくお願いします」と話した。

 募金の振り込みは三菱東京UFJ銀行西新宿支店・普通口座0028111「ミカコチャンヲスクウカイ」など。問い合わせは救う会事務局(電)03・3374・1108。



 1億以上募金で集まるということは、募金している人は臓器移植法改正に賛成ということですよね。

 法律改正以降、脳死臓器移植が増えなければおかしいような気もします。今後に期待ですかね。
posted by さじ at 01:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | 移植

余命1ヶ月の花嫁の乳がん検診に医師・患者らが猛反対

番組きっかけの乳がん検診 TBSに医師らが中止要望

 乳がんのため24歳で亡くなった女性を取材した番組「余命1カ月の花嫁」をきっかけに、TBSが展開している20〜30代女性を対象にした乳がん検診を中止するよう求める要望書を、医師や患者ら38人が9日、同社に提出した。20〜30代への乳がん検診の有効性に科学的根拠はなく、不必要な検査につながるなど不利益が大きいと指摘している。

 要望書を提出したのは、中村清吾・昭和大教授や上野直人・米MDアンダーソンがんセンター教授ら、乳がん治療の第一線で活躍する医師のほか、がん経験者、患者支援団体のメンバーら。

 「科学的根拠のない検診を、正しい情報を発信すべきテレビ局が行うことは倫理的に問題が大きい」として、検診の中止を含め活動の見直しを求めた。また検診を20〜30代女性に限定している理由などを問う公開質問状も内容証明郵便で送った。

 国は指針で、乳がん検診は40歳以上を対象に、マンモグラフィー(乳房X線撮影)検査と、医師が胸の状態を診る視触診の併用を推奨している。要望書は、20〜30代女性への検診は、放射線被曝やストレスを増やし、がんを見逃す場合もあると指摘。メディアの役割は、異常を感じたら医療機関へ行くべきと呼びかけることだとした。

 TBSは2008年から検診を実施。これまでに約7千人がマンモ検診を受けた。今年も、15日から舞台で上演されるのと連動し、東京や大阪などでエコー(超音波)検診を実施している。

 TBSのコメント:要望書で指摘されている点は、現在の医学界の基準的な考え方で、反論するところはない。ただ、40歳未満の乳がん罹患者は年々増えており、あくまでも自己責任・自己負担で検査を受けることは意味があると考えている。



 やっていることは間違ってないかもしれないですけど、どうしても宣伝目的という意味合いが強い以上、微妙ですね。

 確かに若い人の乳がんもありますが、最も大事なのは40代以降の乳がん検診です。20〜30代に限定して行っているあたりが、医師や患者団体からは偽善的と捉えられるのでしょう。

 そもそもTBSの「余命一ヶ月の花嫁」に関しては演出等の噂もありますし…。マスコミの演出で誰にも迷惑かけないのならば構いませんが、乳がんという病気のイメージが現代医学とズレてしまうことに対する懸念というのはありますね。若い層に限定しているあたりに対して明確に答えられなければ、イメージ戦略と捉えられても仕方ないかもしれません。
posted by さじ at 01:55 | Comment(3) | TrackBack(0) | がん

2010年06月07日

うつ病の検査を職場の健康診断で義務化する

自殺対策 うつ病検査義務化へ

 毎年3万人を超えている自殺者を減らすため、具体的な対策を検討している厚生労働省のプロジェクトチームは、職場での健康診断でうつ病などの兆候を調べる検査を義務化するなどの対策案をまとめました。

 このプロジェクトチームは、自殺する人が12年連続で年間3万人を超えていることから、具体的な対策を検討しようと厚生労働省が設置したもので、28日の会合では、今後の対策案がまとめられました。

 それによりますと、仕事のストレスなどが原因でうつ病などを患い、自殺するケースを防ぐために、職場の健康診断に精神疾患の兆候を調べる検査を義務化し、来年度じゅうの実施を目指すとしています。また、失業を理由に自殺した人が大幅に増加していることから、各地のハローワークに専門家を配置するなどして、求職者の相談に応じる事業を強化していくとしています。これについて、長妻厚生労働大臣は「示された対策案を早期に実現して、自殺する人を一人でも減らすような支援体制を確立したい」と話しています。



 うつ病の早期発見こそ、現代社会に託された宿命か。

 まあこうやってうつ病を発見できるのはいいことなんですけれど、実際ね、難しい。うつ病を正確に診断できる医者が果たして何人いるのか、というところでしょうか。
posted by さじ at 23:48 | Comment(3) | TrackBack(0) | 精神