第104回医師国家試験大学別ランキング!!
一年間の結晶。特にこの新卒編は、6年間医学部で学び、卒業を勝ち取り、初めて医師国家試験を受ける方のみを対象にしたランキングです。
要するに、国試浪人を含まない、「今現在の大学の教育システムや学生の質を反映したランキング」となっています。
医学生の努力の塊を、大学別に表してみましょう。いつものように、新卒編ではBEST13をご紹介。
第100回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第100回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第102回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第102回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
なお、表は、出願者数・受験者数・合格者数・合格率の順となっています。
ちなみに帝京大学以外は、「出願者数-受験者数=留年者」と考えてもらってよろしいと思います。なおこのランキングは、合格率が同じだった場合、受験者との割合や留年者の数を考慮しております。
それではさっそくBEST13の発表です!
第1位!!
滋賀医科大学 102 102 102 100.0%
名古屋市立大学医学部 76 76 76 100.0%
圧倒的学力。
滋賀医大も名古屋市立大も、留年ゼロで全員合格の快挙。
しかも滋賀医大は第101回医師国家試験でも100%を達成し、昨年も100%合格。
教育の質、学生のモチベーション、病院実習の徹底など、どれをとっても最良の医学教育を行っていると思います。素晴らしい快挙です。名古屋市立は昨年も上位でしたが、堂々の100%合格。この二校、特に滋賀医大は、全医学部が参考にすべきモデルケースなのでは、という気もします。本当に、おめでとうございます!!
第3位
奈良県立医科大学 97 97 96 99.0%
全員出願させ、1人不合格ながらも99%を達成した奈良県立医大。昨年も99%だったんですよね。第1位でもいえることですが、市立、県立は安定していますね。おめでとうございます!
第4位
順天堂大学医学部 92 92 91 98.9%
私立のなかでも、その革新的な経営方法や研究内容、研修制度の充実などから「新御三家」に数えられる、順天堂大学です。徐々に国試ランキングも上昇しています。あと狙うべきは100%合格か。おめでとうございます!
第5位
佐賀大学医学部 88 86 85 98.8%
もうSAGA佐賀とは言わせない!昨年度70位の下位だった佐賀大医学部ですが、ここにきて大躍進。地方国公立の意地をみせました。2人留年したものの、1人不合格はお見事。おめでとうございます!
第6位
東京医科歯科大学医学部 79 76 75 98.7%
立地条件でいえばトップに位置するといわれる、東京医科歯科大です。毎年優秀ですが、今年は見事にBEST13入り。最高の環境で最高の教育を受けてきた賜物か。おめでとうございます!
第7位
香川大学医学部 104 103 101 98.1%
やはり地方国公立は安定していますねぇ。1人留年の2人不合格でしたが、それでも98%は堂々の数字。今回の悪問だらけの試験内容からすればよくやったといったところでしょう。母体人数も多いですしね。BEST13入り、おめでとうございます!
第8位
三重大学医学部 100 98 96 98.0%
前回は平均より少し上でした、三重大学ですが、第7位とほとんど変わらぬ成績をおさめています。このままこの好成績をキープできれば、下級生としてもモチベーションが高まることでしょう。頑張っていただきたい。おめでとうございます!
第9位
日本医科大学 103 92 90 97.8%
前回63位の日医が大躍進です。私立大らしくゴッソリと留年させたものの、2人不合格で好成績。今回留年した11人という貯金をどうするかは今後の課題ですが、どうしようもない学生を無理やり卒業させて、社会に放り出すのも無責任な大学になってしまいますからね。良い判断だったかと。おめでとうございます!次に繋げてほしい!
第10位
自治医科大学 109 105 102 97.1%
こと自治医大と防衛医大に関しては、BEST13入りなんぞ嬉しくもなんともないでしょう。この2校は、100%以外は狙っていません。ですが今回はどうしたことか、100%の常連が2校とも下がってしまいました。やはりあの必修問題にやられたのか、禁忌でも踏んだのか…。3人不合格と、自治医大にとっては大変不名誉な結果になったと思います。改善できるところを改善していただきたい。地域医療を担う大学ですから。
第11位
秋田大学医学部 100 100 97 97.0%
全員で卒業し3人が不合格という結果になった、秋田大学医学部です。秋田大学というと「医学生」という小説で、暗い印象が目立ちますが、もうそんなことはありません。優秀な大学です。BEST13入り、おめでとうございます!
第12位
兵庫医科大学 109 95 92 96.8%
前回は100%合格だったのですが、3人不合格で第12位。それでもBEST13入りは大変喜ばしいことです。ただ、109人出願して95人受験したという事実が気になりますが…。これが来年に影響しなければいいんですが。なにはともあれ、おめでとうございます!
第13位
宮崎大学医学部 92 92 89 96.7%
前回は平均以下でしたが、今回はBEST13入り。地方国公立はホント今回頑張ったと思います。こういった事実が積み重なって、大学受験時の偏差値も上がれば、良い教育を優秀な生徒が受けられるという良い循環に繋がるのですが。夢は広がりますね。おめでとうございます!
BEST13に入るかどうかは、「3人不合格」がポイントでした。
以下、ランキング順です。
14 日本大学医学部 118 116 112 96.6%
15 福島県立医科大学 79 79 76 96.2%
15 大阪市立大学医学部 79 79 76 96.2%
17 岐阜大学医学部 78 78 75 96.2%
18 北海道大学医学部 99 99 95 96.0%
19 徳島大学医学部 98 98 94 95.9%
20 群馬大学医学部 98 95 91 95.8%
21 関西医科大学 95 93 89 95.7%
22 聖マリアンナ医科大学 95 92 88 95.7%
23 大分大学医学部 93 91 87 95.6%
24 筑波大学医学専門学群 94 90 86 95.6%
25 慶應義塾大学医学部 105 105 100 95.2%
26 福井大学医学部 107 103 98 95.1%
27 京都大学医学部 103 102 97 95.1%
28 東京医科大学 109 100 95 95.0%
29 横浜市立大学医学部 60 59 56 94.9%
30 弘前大学医学部 97 97 92 94.8%
31 昭和大学医学部 112 112 106 94.6%
32 産業医科大学 93 91 86 94.5%
33 山口大学医学部 94 91 86 94.5%
34 名古屋大学医学部 109 107 101 94.4%
35 東北大学医学部 106 106 100 94.3%
36 浜松医科大学 102 102 96 94.1%
37 札幌医科大学 97 97 91 93.8%
38 防衛医科大学校 63 63 59 93.7%
39 神戸大学医学部 109 108 101 93.5%
40 岡山大学医学部 94 93 87 93.5%
41 埼玉医科大学 128 106 99 93.4%
42 大阪大学医学部 107 105 98 93.3%
43 広島大学医学部 103 103 96 93.2%
43 東京大学医学部 103 103 96 93.2%
45 東京慈恵会医科大学 104 103 96 93.2%
46 東邦大学医学部 102 102 95 93.1%
47 島根大学医学部 86 86 80 93.0%
48 新潟大学医学部 102 99 92 92.9%
49 富山大学医学部 102 98 91 92.9%
49 鹿児島大学医学部 102 98 91 92.9%
51 信州大学医学部 85 85 79 92.9%
---全国新卒合格者平均92.8%の壁---
総 合 計 7912 7701 7147 92.8%
52 長崎大学医学部 107 107 99 92.5%
53 九州大学医学部 107 106 98 92.5%
54 京都府立医科大学 92 91 84 92.3%
55 山形大学医学部 102 102 94 92.2%
56 千葉大学医学部 101 101 93 92.1%
57 金沢大学医学部 99 99 91 91.9%
58 久留米大学医学部 101 98 90 91.8%
59 東海大学医学部 112 108 99 91.7%
60 東京女子医科大学 105 105 96 91.4%
61 琉球大学医学部 94 93 85 91.4%
62 高知大学医学部 91 90 82 91.1%
63 藤田保健衛生大学医学部 113 109 99 90.8%
64 熊本大学医学部 88 87 79 90.8%
65 山梨大学医学部 111 108 98 90.7%
66 愛媛大学医学部 97 96 87 90.6%
67 大阪医科大学 99 99 89 89.9%
68 獨協医科大学 113 108 97 89.8%
69 鳥取大学医学部 75 75 67 89.3%
70 旭川医科大学 97 96 85 88.5%
71 川崎医科大学 119 102 90 88.2%
72 杏林大学医学部 92 90 79 87.8%
73 和歌山県立医科大学 56 56 49 87.5%
74 北里大学医学部 115 109 93 85.3%
75 近畿大学医学部 103 98 83 84.7%
76 愛知医科大学 116 102 85 83.3%
77 岩手医科大学 80 78 65 83.3%
78 帝京大学医学部 111 111 92 82.9%
79 金沢医科大学 115 95 77 81.1%
そして全大学の新卒、つまり6年生から初の国家試験を受けた大学の中で最も合格率が悪かったのは・・・
第80位
福岡大学医学部 107 101 81 80.2%
第100回医師国家試験の悪夢、再び。20人もの不合格を出してしまいました。下から1割未満が落とされる試験なのに、合格率8割ジャストというのは問題がありますね。「どこが悪いのか」を見直さないと、立ち直れません。来年に生かして頑張ってもらいたいと思います。
ただ、ですね。冒頭で、帝京大学以外は、と書きました。実は帝京大学は、昨年もそうだったのですが、他の大学と違って、出願者−受験者=留年者etc、というわけではありません。おそらく出願する前に留年者を切っているために、留年者数が考慮されていないのでは、とも。
帝京大学は今年、28人もの留年者を出したようです。また第79位の金沢医大も、表をみてお分かりいただけるように、20人の留年者。最下位の福岡大学は留年6人。果たしてどの大学が最下位なのか、というと、合格率だけではかることはできません。
もちろん、「どうしようもない学生だから留年させた」わけで、それはいいと思います。外にほっぽりだすより自大学で何とかしようとするのは構いません。
ですが、留年も出した上に不合格者がべらぼうに多いと、もはや教育だけでなく生徒の質やモチベーションも問われます。来年度、浮上するためにも、大掛かりな改革が必要です。
今年に関していえば、学生や大学がどうのというより、国家試験の作成する先生や厚生労働省側に問題があると思います。今回の試験で必修問題の点が足りず、不合格になった方は、不運としかいいようがありません。ですが、ちゃんと対策していけば9割は取れる試験問題だったように思います。来年に向けて、より柔軟に考える思考や、疾患に対する理解を積んでみて下さい。
来年はじめて第105回医師国家試験を受けられる方。過去問よりも病気に対する理解、考える力を重点的に養いましょう。禁忌も軽視せず、全体的にバランス良く勉強する姿勢さえあれば、必ず合格するはずです。どんな問題だろうと、下一割に入らないことが合格の秘訣。頑張って下さい。