2010年03月31日

第104回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編

 さあ、とうとうやってまいりました。


 第104回医師国家試験大学別ランキング!!


 一年間の結晶。特にこの新卒編は、6年間医学部で学び、卒業を勝ち取り、初めて医師国家試験を受ける方のみを対象にしたランキングです。

 要するに、国試浪人を含まない、「今現在の大学の教育システムや学生の質を反映したランキング」となっています。

 医学生の努力の塊を、大学別に表してみましょう。いつものように、新卒編ではBEST13をご紹介。



第100回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第100回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第101回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第102回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第102回医師国家試験 学校別ランキング 総計編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 新卒編
第103回医師国家試験 学校別ランキング 総計編



 なお、表は、出願者数・受験者数・合格者数・合格率の順となっています。

 ちなみに帝京大学以外は、「出願者数-受験者数=留年者」と考えてもらってよろしいと思います。なおこのランキングは、合格率が同じだった場合、受験者との割合や留年者の数を考慮しております。



 それではさっそくBEST13の発表です!



第1位!!


滋賀医科大学 102 102 102 100.0%

名古屋市立大学医学部 76 76 76 100.0%

 圧倒的学力。

 滋賀医大も名古屋市立大も、留年ゼロで全員合格の快挙。

 しかも滋賀医大は第101回医師国家試験でも100%を達成し、昨年も100%合格。

 教育の質、学生のモチベーション、病院実習の徹底など、どれをとっても最良の医学教育を行っていると思います。素晴らしい快挙です。名古屋市立は昨年も上位でしたが、堂々の100%合格。この二校、特に滋賀医大は、全医学部が参考にすべきモデルケースなのでは、という気もします。本当に、おめでとうございます!!

 

第3位
 奈良県立医科大学  97  97  96  99.0% 

 全員出願させ、1人不合格ながらも99%を達成した奈良県立医大。昨年も99%だったんですよね。第1位でもいえることですが、市立、県立は安定していますね。おめでとうございます!



第4位
 順天堂大学医学部  92  92  91  98.9% 

 私立のなかでも、その革新的な経営方法や研究内容、研修制度の充実などから「新御三家」に数えられる、順天堂大学です。徐々に国試ランキングも上昇しています。あと狙うべきは100%合格か。おめでとうございます!



第5位
 佐賀大学医学部  88  86  85  98.8% 

 もうSAGA佐賀とは言わせない!昨年度70位の下位だった佐賀大医学部ですが、ここにきて大躍進。地方国公立の意地をみせました。2人留年したものの、1人不合格はお見事。おめでとうございます!



第6位
 東京医科歯科大学医学部  79  76  75  98.7% 

 立地条件でいえばトップに位置するといわれる、東京医科歯科大です。毎年優秀ですが、今年は見事にBEST13入り。最高の環境で最高の教育を受けてきた賜物か。おめでとうございます!



第7位
 香川大学医学部  104  103  101  98.1% 

 やはり地方国公立は安定していますねぇ。1人留年の2人不合格でしたが、それでも98%は堂々の数字。今回の悪問だらけの試験内容からすればよくやったといったところでしょう。母体人数も多いですしね。BEST13入り、おめでとうございます!



第8位
 三重大学医学部  100  98  96  98.0% 

 前回は平均より少し上でした、三重大学ですが、第7位とほとんど変わらぬ成績をおさめています。このままこの好成績をキープできれば、下級生としてもモチベーションが高まることでしょう。頑張っていただきたい。おめでとうございます!



第9位
 日本医科大学  103  92  90  97.8% 

 前回63位の日医が大躍進です。私立大らしくゴッソリと留年させたものの、2人不合格で好成績。今回留年した11人という貯金をどうするかは今後の課題ですが、どうしようもない学生を無理やり卒業させて、社会に放り出すのも無責任な大学になってしまいますからね。良い判断だったかと。おめでとうございます!次に繋げてほしい!



第10位
 自治医科大学  109  105  102  97.1% 

 こと自治医大と防衛医大に関しては、BEST13入りなんぞ嬉しくもなんともないでしょう。この2校は、100%以外は狙っていません。ですが今回はどうしたことか、100%の常連が2校とも下がってしまいました。やはりあの必修問題にやられたのか、禁忌でも踏んだのか…。3人不合格と、自治医大にとっては大変不名誉な結果になったと思います。改善できるところを改善していただきたい。地域医療を担う大学ですから。



第11位
 秋田大学医学部  100  100  97  97.0% 

 全員で卒業し3人が不合格という結果になった、秋田大学医学部です。秋田大学というと「医学生」という小説で、暗い印象が目立ちますが、もうそんなことはありません。優秀な大学です。BEST13入り、おめでとうございます!



第12位
 兵庫医科大学  109  95  92  96.8% 

 前回は100%合格だったのですが、3人不合格で第12位。それでもBEST13入りは大変喜ばしいことです。ただ、109人出願して95人受験したという事実が気になりますが…。これが来年に影響しなければいいんですが。なにはともあれ、おめでとうございます!



第13位
 宮崎大学医学部  92  92  89  96.7% 

 前回は平均以下でしたが、今回はBEST13入り。地方国公立はホント今回頑張ったと思います。こういった事実が積み重なって、大学受験時の偏差値も上がれば、良い教育を優秀な生徒が受けられるという良い循環に繋がるのですが。夢は広がりますね。おめでとうございます!



 BEST13に入るかどうかは、「3人不合格」がポイントでした。

 以下、ランキング順です。

14 日本大学医学部  118  116  112  96.6% 
15 福島県立医科大学  79  79  76  96.2% 
15 大阪市立大学医学部  79  79  76  96.2% 
17 岐阜大学医学部 78 78 75 96.2%
18 北海道大学医学部  99  99  95  96.0% 
19 徳島大学医学部  98  98  94  95.9% 
20 群馬大学医学部  98  95  91  95.8% 
21 関西医科大学 95 93 89 95.7%
22 聖マリアンナ医科大学  95  92  88  95.7% 
23 大分大学医学部  93  91  87  95.6% 
24 筑波大学医学専門学群  94  90  86  95.6% 
25 慶應義塾大学医学部  105  105  100  95.2% 
26 福井大学医学部 107 103 98 95.1%
27 京都大学医学部  103  102  97  95.1% 
28 東京医科大学  109  100  95  95.0% 
29 横浜市立大学医学部  60  59  56  94.9% 
30 弘前大学医学部  97  97  92  94.8% 
31 昭和大学医学部  112  112  106  94.6% 
32 産業医科大学 93 91 86 94.5%
33 山口大学医学部  94  91  86  94.5% 
34 名古屋大学医学部  109  107  101  94.4% 
35 東北大学医学部  106  106  100  94.3% 
36 浜松医科大学  102  102  96  94.1% 
37 札幌医科大学  97  97  91  93.8% 
38 防衛医科大学校  63  63  59  93.7% 
39 神戸大学医学部  109  108  101  93.5% 
40 岡山大学医学部  94  93  87  93.5% 
41 埼玉医科大学  128  106  99  93.4% 
42 大阪大学医学部  107  105  98  93.3% 
43 広島大学医学部 103 103 96 93.2%
43 東京大学医学部 103 103 96 93.2%
45 東京慈恵会医科大学  104  103  96  93.2% 
46 東邦大学医学部  102  102  95  93.1% 
47 島根大学医学部  86  86  80  93.0% 
48 新潟大学医学部 102 99 92 92.9%
49 富山大学医学部 102 98 91 92.9%
49 鹿児島大学医学部  102  98  91  92.9% 
51 信州大学医学部  85  85  79  92.9% 



---全国新卒合格者平均92.8%の壁---
 総 合 計  7912  7701  7147  92.8% 



52 長崎大学医学部  107  107  99  92.5% 
53 九州大学医学部  107  106  98  92.5% 
54 京都府立医科大学  92  91  84  92.3% 
55 山形大学医学部  102  102  94  92.2% 
56 千葉大学医学部  101  101  93  92.1% 
57 金沢大学医学部  99  99  91  91.9% 
58 久留米大学医学部  101  98  90  91.8% 
59 東海大学医学部  112  108  99  91.7% 
60 東京女子医科大学  105  105  96  91.4% 
61 琉球大学医学部  94  93  85  91.4% 
62 高知大学医学部  91  90  82  91.1% 
63 藤田保健衛生大学医学部 113 109 99 90.8%
64 熊本大学医学部  88  87  79  90.8% 
65 山梨大学医学部  111  108  98  90.7% 
66 愛媛大学医学部  97  96  87  90.6% 
67 大阪医科大学  99  99  89  89.9% 
68 獨協医科大学  113  108  97  89.8% 
69 鳥取大学医学部  75  75  67  89.3% 
70 旭川医科大学  97  96  85  88.5% 
71 川崎医科大学  119  102  90  88.2% 
72 杏林大学医学部  92  90  79  87.8% 
73 和歌山県立医科大学  56  56  49  87.5% 
74 北里大学医学部  115  109  93  85.3% 
75 近畿大学医学部  103  98  83  84.7% 
76 愛知医科大学  116  102  85  83.3% 
77 岩手医科大学  80  78  65  83.3% 
78 帝京大学医学部  111  111  92  82.9% 
79 金沢医科大学  115  95  77  81.1% 



 そして全大学の新卒、つまり6年生から初の国家試験を受けた大学の中で最も合格率が悪かったのは・・・


第80位

 福岡大学医学部  107  101  81  80.2%

 第100回医師国家試験の悪夢、再び。20人もの不合格を出してしまいました。下から1割未満が落とされる試験なのに、合格率8割ジャストというのは問題がありますね。「どこが悪いのか」を見直さないと、立ち直れません。来年に生かして頑張ってもらいたいと思います。



 ただ、ですね。冒頭で、帝京大学以外は、と書きました。実は帝京大学は、昨年もそうだったのですが、他の大学と違って、出願者−受験者=留年者etc、というわけではありません。おそらく出願する前に留年者を切っているために、留年者数が考慮されていないのでは、とも。

 帝京大学は今年、28人もの留年者を出したようです。また第79位の金沢医大も、表をみてお分かりいただけるように、20人の留年者。最下位の福岡大学は留年6人。果たしてどの大学が最下位なのか、というと、合格率だけではかることはできません。

 もちろん、「どうしようもない学生だから留年させた」わけで、それはいいと思います。外にほっぽりだすより自大学で何とかしようとするのは構いません。

 ですが、留年も出した上に不合格者がべらぼうに多いと、もはや教育だけでなく生徒の質やモチベーションも問われます。来年度、浮上するためにも、大掛かりな改革が必要です。



 今年に関していえば、学生や大学がどうのというより、国家試験の作成する先生や厚生労働省側に問題があると思います。今回の試験で必修問題の点が足りず、不合格になった方は、不運としかいいようがありません。ですが、ちゃんと対策していけば9割は取れる試験問題だったように思います。来年に向けて、より柔軟に考える思考や、疾患に対する理解を積んでみて下さい。

 来年はじめて第105回医師国家試験を受けられる方。過去問よりも病気に対する理解、考える力を重点的に養いましょう。禁忌も軽視せず、全体的にバランス良く勉強する姿勢さえあれば、必ず合格するはずです。どんな問題だろうと、下一割に入らないことが合格の秘訣。頑張って下さい。
posted by さじ at 01:10 | Comment(22) | TrackBack(0) | 大学

2010年03月30日

第104回医師国家試験、合格発表速報

第104回医師国家試験の合格発表について

 平成22年2月13日(土)、14日(日)、15日(月)に実施した標記試験の合格者数等は下記のとおりである。



出願者数 受験者数 合格者数 合格率
新卒者 7,912 7,701 7,147 92.8%
全体 8,705 8,447 7,538 89.2%

○合格基準

第104回医師国家試験の合格基準は、
一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
[1]〜[4]のすべての合格基準を満たした者を合格とする。

[1]一般問題     123点以上/196点
[2]臨床実地問題   378点以上/585点
[3]必修問題     160点以上/200点

 但し、必修問題の一部を採点から除外された受験者にあっては、必修問題の得点について総点数の80%以上とする。

[4]禁忌肢問題選択数  3問以下



 104回の結果が出ました!

 今年は「厚生労働省の温情」に助けられたなぁという感じはあります。

 まず「必修問題の大量削除」。必修で10点落としたぐらいだったら救済されるくらい、大量削除されてました。

 あと削除でいえば、一般・臨床問題も、通常では考えられないくらい削除されていました。

 いや、まぁ、正直言って「問題が悪問すぎた」というのはあると思います…。

 はっきり言わせて貰えば、「厚生労働省よ、もうちょっと問題をちゃんと吟味しろ」と。

 国家試験始まって以来の、過去最高の削除だと思いますし。


 加えて温情という意味でいえば

 禁忌問題が3問まで踏んでもOKという異例の救済措置。

 今までは2問までセーフ、3問までアウトだったのに、3問も禁忌を踏んでも大丈夫なようになったということ。

 これは問題が悪いのではなく、禁忌を軽視しすぎている最近の医学生に問題があると思います。

 来年の国家試験も、今年同様、うまい具合に禁忌を絡めてくると思われるので、ちゃんと対策したほうがいいです。「禁忌キッズ」というしゃれた本も出版されていることですし。


 合格率89%と、去年に比べて大幅に減りました。ですが、結局温情措置があったことを含めれば、「厚生労働省は、人数で合格者をはかっている」ということが判明してしまったわけです。

 要するに、来年度の研修医育成予算が今年と同じならば、来年度の合格者も今年と同じになるはず。つまり来年の合格人数も予想できるわけです。

 医師国家試験は絶対評価ではなく相対評価。下から何人落ちるか、といった競争ということが判明してしまったので、来年受けるかたは肝に銘じて下さい。


 今年合格した皆様、本当におめでとうございます!!
posted by さじ at 00:16 | Comment(3) | TrackBack(0) | 大学

2010年03月29日

ゲームの才能は、天性によるところが大きい。

ゲームの才能は訓練より「天性」:研究結果

 これまでの研究から、優れたゲームプレイヤーは、初心者と比べて認知能力に優れていることがわかっている。さらに、初心者がゲームプレイの訓練を20時間以上受けたとしても、その認知能力は成長しないこともわかっている。これらのことから引き出される仮説は、ゲームの技術は訓練できるものではなく、熟練者とそうでない者の間には生まれつきの差があるのではないかということだ。

 最近の研究で、ヒトの脳の中にある3つの部位の大きさと、ビデオゲームを習得してプレイする能力とには相関関係があることが分かった。

 『Cerebral Cortex』誌に掲載され、同誌のウェブサイトで全文が公開されている神経学の論文によると、この論文の著者たちは、動物実験をきっかけに、脳の奥深くにある3つの構造――尾状核と、新線条体(背側線条体)の核と、腹側線条体にある側坐核――に注目するようになった。

 これまでの研究で、線条体は習慣の形成とスキルの習得に使われることが明らかになっているので、ビデオゲームのスキルに関係するというのも納得できる。

 研究チームは被験者として、過去2年間に週3時間未満しかゲームをしていない健康な成人39人(男性10人、女性29人)を集めた。そして、磁気共鳴画像(MRI)装置を使って被験者らの脳を検査し、問題の3つの部位の大きさを、脳全体の大きさと比較した。

 被験者の半数には、できるだけ高得点を狙うという単純なタスクが与えられ、残る半数には、さまざまな分野のスキルの向上につながるような一連のタスクが与えられた。どちらのグループでも、側坐核が大きい被験者ほど、ゲームを早い段階で習得し、好成績を収めることが分かった。尾状核と新線条体の核が大きい被験者は、「優先度変更トレーニング」で好成績を収めた。このトレーニングでは、時間帯によって異なるタスクに集中せねばならない。

 どちらの結果も納得のいくものだ、と、論文の主執筆者であるKirk Erickson氏は語る。側坐核は脳の報酬中枢に結びついており、被験者が早い段階で成功した後のモチベーションの維持に役立つと考えられる



 訓練である程度は発達するのでしょうけれど、やはり根本は天性。

 ゲームがそうということは、もしかすると腹腔鏡などを用いた手術手技も天性によるところが多いんでしょうかね。あれはどちらかというと訓練の賜物ではありますが。
posted by さじ at 10:58 | Comment(1) | TrackBack(0) | 脳神

地域枠での医学部進学に市長がエールを送る

医学部進学生に市長がエール

 益田高から島根大医学部に進学する5人が24日、益田市役所を訪れ、福原慎太郎市長の激励を受けた。5人全員が大学卒業後の地元勤務を条件とする「地域枠」での進学。地域医療への熱意を市長に伝えた。

 市長室に招かれた5人は「人の役に立つ仕事をしたい」「早く一人前になって、益田圏域に貢献します」と決意を述べた。福原市長は「貪欲に知識を吸収し、必ず故郷に帰ってきてほしい」と強調した。

 医師不足が深刻さを増す中、医師を目指す地元出身者を激励しようと市が企画した。



 受験時の偏差値が高いというだけで医学部を志望する学生よりも、地元に貢献したい、人の役に立ちたい、という理由で志望する学生のほうが、モチベーションが高い分、伸び率も高いでしょうねぇ。

 まぁ医学部に入ってそういうモチベーションをあげられることに出会えればそれはそれでいいんですが。

 地域医療の崩壊を食い止める若い芽を、しっかり育てることも、国、そして国民の義務です。妥協することなく頑張ってもらいたい。
posted by さじ at 02:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

考えていることをMRIで読み取ることが出来る。

脳のスキャンで「考えていること」が分かる、英研究

 脳の活動をスキャンすることで、その人が考えていることを知ることができるという研究結果が、11日の米科学誌「カレント・バイオロジー」(電子版)に掲載された。

 ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジのエレナー・マグワイヤ氏らは、「機能的磁気共鳴画像装置」(fMRI)を用いて、ひとつひとつの記憶と関連した脳活動を特定することができ、さらに、それをもとに思考のパターンを特定できることをつきとめた。この研究結果は、人が過去の記憶のうち、どの記憶を呼び起こしているかを、脳活動のパターンだけで特定することができることを示唆している。

「脳の海馬において、ぞれぞれの記憶が異なった形で表されていることをつきとめた。記憶のありかをつきとめたので、今後は、記憶が保管される方法や、記憶の時間経過による変化について調べることができるだろう」(マグワイヤ氏)

 研究は、被験者10人に対し、3本の短編映画を見せたあとで脳をスキャンした。3本の映画はよく似たごくふつうの生活の場面を撮影したもので、別の女優が出演していた。

 映画を見た後、被験者はそれぞれの映画を思い出すよう促され、その際に脳のスキャンが行われた。研究者らは、スキャン結果にコンピューターで画像化処理を行い、それぞれの映画の記憶に対応する脳活動のパターンを識別した。

 その結果、脳の画像パターンから被験者が3本の映画のうちのどの映画を想起しているか、正確に特定できたという

 報告書は、脳に残されたエピソード記憶の痕跡は、何度も再活性化された後にも特定可能であることを示唆していると結論づけた。

 今回の研究結果は、脳の活動をもとにその人が見ている画像を特定することができたとする2008年の米研究の結果を補強するものとなった。



 面白い。そんなに顕著に変わるものか、という気はしますが、脳の血流の度合いなどを画像的に計測することは出来ますからね。

 将来的には機械で考えていることを読み取ることもできるようになるかも。昔の近未来は「今」に近づいてます。
posted by さじ at 02:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

集中力やリラックスの度合いを手軽に計測できる機械を東芝が販売

「やる気」家で簡単に測定、5月に発売

 東芝は、集中力の高さやリラックスの度合いを脳波から手軽に測定できる機器を5月に発売することを明らかにした。

 親が子どものやる気を確かめながら勉強に取り組ませたり、スポーツ選手が試合前に精神状態を安定させたりするのに活用できるという

 ヘッドホン型の機器を頭に付けるだけで、センサーが脳波のデータを読み取り、無線でパソコンに送る。それを専用ソフトで分析すれば、パソコン画面上で、集中度や緊張度がメーターやグラフなどで分かりやすく表示される仕組みだ。価格は、専用ソフト込みで2万円前後になる見通しだ。

 東芝は、この機器をヘアバンド型にして、眠りの深さを調べることができる医療用装置も年内に商品化する。眠りが浅くて日中も眠気が消えないとされる「睡眠時無呼吸症候群」など睡眠障害の治療に役立つと見られる。現在、病院などで脳波を測定すると、長期間の検査の場合は費用が数十万円に上ることもあるが、東芝は新装置の価格を数万円前後に抑える方針だ。



 脳波を簡易的に計測できる機械みたいですね。

 ちょっと欲しいかも。睡眠時の脳波をとってみたいです。
posted by さじ at 02:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 脳神

霊芝キノコに大腸がんの予防効果が認められる

霊芝に大腸がん予防効果か 広島大教授ら確認

 広島大大学院医歯薬学総合研究科の田中信治教授(51)=内視鏡医学=たちのグループは、キノコの一種、霊芝れいしの菌糸から抽出したエキスに大腸がんを予防する可能性があることを試験で確認した。

 内視鏡検査で、大腸がんに進む恐れがある腫瘍があった40歳以上の患者に、抽出物0・75グラムを1日2回飲んでもらった。

 2004年から広島大病院の患者の協力で試験し、このほど結果をまとめた。1年間抽出物をのんだ96人の平均腫瘍数は2・29個から1・87個に減少し、腫瘍の大きさも縮小した。一方、服用しなかった102人の平均腫瘍数は1・52個から2・18個に増加した。



 霊芝。キノコ。

 アガリクスのようなまがいものではなく、予防作用が認められたということです。癌になる前の段階で飲めば効果があるとのこと。
posted by さじ at 02:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | がん

点眼後に目をぱちぱちさせる→まちがい!

点眼方法、不適切が9割超

 点眼後に目をぱちぱちさせるなど、適切に点眼を行っていない人が全体の9割超に上ることが、ファイザーの調べで明らかになった。正しい点眼方法の「しばらくの間、目頭を押さえながら目を閉じる」を行っている人は1割にも満たなかった

 調査は今年2月、緑内障など成人の目の病気が多く発症する40−60歳代の、病院で複数の目薬を処方された経験がある人を対象に、正しく点眼できているかどうか実態を把握するためにインターネット上で実施。男女1200人から回答を得た。

 調査結果によると、片目に一度に何滴さすかについて、正しい点眼滴数の「1滴」が66.5%で最も多かったものの、「2滴」が29.8%、「3滴」が 3.8%と、3割強が「さし過ぎ」だった。

 また、一度に2滴以上さすと答えた人にその理由を聞いたところ、「1滴だと目全体や患部に薬が十分にいき渡っているかどうか不安だから」が53.2%で最も多く、以下は「2滴以上さしたほうがより効果が高いと思うから」(25.4%)、「さす滴数について手先の微調整ができないから」(10.2%)などの順だった。

 一方、上を向いて目薬をさした直後の行動について全員に聞いたところ、「目をぱちぱちさせている」が43.5%で最も多く、次いで「しばらくの間、目を閉じている」(30.2%)、「しばらくの間、目を見開いたままじっとしている」(15.1%)、「しばらくの間、目頭を押さえながら目を閉じている」(5.8%)、「特に何もしない」(3.8%)などの順だった。

 このほか、複数の目薬をさす場合に、2回目以降の目薬をさすタイミングについて聞いたところ、正答の「間隔を約5分以上空けて次の目薬をさしている」が 62.8%、「5分以上空けずに次の目薬をさしている」が37.2%だった。



 私もやってませんけどね・・・

 まあ本当はしっかり目を閉じたほうがよいらしいです。ただ乾燥のときに使う目薬ならいいかもしれませんが、感染などで使う医薬品の目薬の場合は、記事にあるようなさしかたをしてみましょう。
posted by さじ at 01:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 眼科

2010年03月28日

両親のドメスティックバイオレンスを目撃した子供の脳萎縮

両親間のDV目撃で脳萎縮 熊本大・友田准教授ら研究

 子どものころに両親間のドメスティックバイオレンス(DV)を日常的に見てきた人は、そうでない人と比べ、右脳の視覚野の一部が平均20・5%萎縮しているとの研究結果を、熊本大大学院生命科学研究部の友田明美准教授(小児発達学)と米国・ハーバード大の研究チームがまとめた。DVを目撃させることは児童虐待防止法でも児童虐待とされているが、その影響を医学的に裏付ける研究は珍しいという。4月の日本小児科学会で発表する。

 共同研究は、米国人1455人から子ども期(3−17歳)に両親間の暴力によるDVを日常的に目撃した18−25歳の男女15人と、年齢や利き手などが同じでDV目撃経験のない33人を選び、脳を磁気共鳴画像装置(MRI)で解析、比較した。

 その結果、右脳の視覚野にある「舌状回」と呼ばれる部分の容積が、DV目撃経験のない人は平均125・3ミリリットルだったのに対し、目撃経験者は平均99・6ミリリットルで、20・5%小さかった。視覚野は、視覚をつかさどる部分。萎縮による影響は詳細には解明されていないが研究チームは視覚的な記憶力が低くなるとみている

 また血流量の調査で、同じ視覚野にある「中後頭回」だけ、DV目撃経験者の方が平均で8・1%多く、目撃経験のない人より活発に動いていることが分かった。

 友田准教授は「DVの記憶がトラウマ(心的外傷)となり、フラッシュバックや夢などで繰り返し思い出して視覚野が必要以上に活動し、脳の伝達物質が過剰放出され、脳細胞に悪影響を与えている」と考えている。

 日本子ども虐待防止学会理事で、筑波大の宮本信也教授(発達行動小児科学)は「子どもにとって母親などが暴力にさらされるのは、自分への暴力と同じこと。DVが当事者だけの問題ではないと社会に広く知らせ、被害女性に多い『自分さえがまんすればいい』という考えをなくしていくべきだ」と話している。



 心的外傷になるんでしょうねぇ。精神的ストレスは、確実に脳にダメージを与えていると…。

 子供に見せないためにも、関係を壊したくない、とか考えるのではなく、すぐに相談することも大切です。自分を守ることで、子供を守ってもらいたい。
posted by さじ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

禅の瞑想法は痛みに対する感受性を低下させられる

禅の瞑想が痛みを軽減する、カナダ研究

 禅の瞑想法は感情と痛みを制御する脳の一部を分厚くさせ、痛みに対する感受性を低下させるとする研究結果が、24日の米国心理学会(American Psychological Association、APA)機関誌「Emotion」に発表された。

 カナダ・モントリオール大学の研究チームは、この瞑想法の訓練を積んだ17人と瞑想の経験がない18人で実験を行った。

 被験者のふくらはぎに熱い鉄板を当て、熱痛に対する感受性を測定。その後、磁気共鳴映像法(MRI)で脳をスキャンした。

 その結果、瞑想の訓練が脳の中央にある前帯状皮質を強化し、瞑想経験者で痛みに対する感受性が低いことと関連している可能性が明らかになった。

 研究者は、瞑想におけるしばしば痛みを伴うポーズが、皮質を分厚くして「痛み感受性」を低下させているのではと指摘している。



 瞑想って何ですかね、要するにトランス状態みたいになるということでしょうか。自律神経訓練法に似てるのかもしれません。

 精神科領域でも応用できるかもしれませんねこれ。
posted by さじ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神

2010年03月25日

目と耳の錯覚、視聴覚タウ効果は八ヶ月の赤ちゃんでも見られる

8カ月の赤ちゃんも目と耳からの情報融合

 音を同時に聞かせることで見えるものがずれる。大人では実証されているこうした錯覚が8カ月の赤ちゃんで既に見られることを九州大学などの研究チームが実験で確かめた。

 8カ月というのは乳児が動き回れる時期に当たる。このためこの時期から赤ちゃんも「見る」と「聞く」を合わせて感じることができるようになる、と研究チームは見ている。

 河邉隆寛・九州大学高等研究院特別准教授を中心とした九州大学、中央大学、新潟大学、農業・食品産業技術総合研究機構、日本女子大学、科学技術振興機構の研究グループは、生後5-8カ月の赤ちゃんに簡単な図形の動きを見せて、同時に音も聞かせる実験を行った。大人では、ある図形が同じ速さで移動しているにもかかわらず、音の間隔をずらすことで図形の移動の仕方も音のリズム同様ずれているように見えることが、既に河邉准教授らによって確認されている。

 今回の研究成果は、この錯覚現象「視聴覚タウ効果」が8歳の赤ちゃんに既に見られることを確かめたもので、今後はこうした能力を持つことを前提に赤ちゃんのおもちゃや生活用具のデザインを考えていくことが可能だ、と研究チームは言っている。



 脳がまだ未発達な赤ちゃんでも八ヶ月なら錯覚が起こることを証明。大人同様の視覚・聴覚形成がされはじめている証拠、ということでしょうか。
posted by さじ at 12:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 小児

幹細胞移植と抗てんかん薬で脊髄損傷のマウスが歩くことに成功

脊髄損傷マウス歩く…奈良先端大、幹細胞移植と抗てんかん薬で

 脊髄損傷の症状を、神経幹細胞の移植と抗てんかん薬の併用によって大きく改善させることに、奈良先端科学技術大学院大の中島欽一教授、あべ松昌彦研究員らがマウスの実験で成功した。後ろ脚のマヒしたマウスの7割が歩けるようになった。18日に広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 神経幹細胞は、信号を伝えるニューロン(神経細胞)、そこに栄養を供給する細胞、神経を包むさやなどのもとになるが、脳や脊髄の損傷部では大半が栄養供給細胞になり、新たなニューロンはほとんど作られない。

 グループはこれまでに、抗てんかん薬として使われているバルプロ酸が、神経幹細胞のニューロンへの変化を促すことを発見した

 今回、脊髄の傷ついたマウスの損傷部に、遺伝的に同系の胎児マウスから採った神経幹細胞を移植し、バルプロ酸を注射すると、6週間後には21匹中、15匹が後ろ脚を使って歩けるまで回復した。幹細胞の移植だけでは後ろ脚は少し動くものの体重を支えられず、バルプロ酸だけでは、ほとんど動かないままだった。

 詳しく調べると、神経幹細胞を移植してニューロンに変化するのは1%以下だが、バルプロ酸を併用すると約20%まで向上。断裂した神経回路を、新たな複数のニューロンがリレーするように再建していた。



 幹細胞を移植するだけでなく抗てんかん薬を併用することで、ニューロンを変化させ、ここまで劇的に変わるものなんですねぇ。

 iPS細胞ジャンルの研究としても、今後大きく発展しそうな領域です。事故による脊髄損傷の治療法の確立として。
posted by さじ at 11:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植

パパイヤの葉から抗がん作用を発見する。

パパイアに著しい抗がん特性、日米共同研究

 米フロリダ大は9日、パパイアの葉のエキスと葉茶に著しい抗がん特性を認めたとする研究結果を発表した。頸部がん、乳がん、肝臓がん、肺がん、すい臓がんで抗がん効果が確認されたという。

 同大のナム・ダン研究員と日本の研究チームは、乾燥したパパイア葉から抽出したエキスを10種類のがん細胞に垂らし、24時間後に効果を調べた。

 その結果、10種類すべてで腫瘍の進行が遅くなっていたことがわかった。また、エキスの濃度が高いほど効果が高いことも明らかになった。

 研究者らは、パパイア葉エキスがTh1型サイトカインと呼ばれるシグナリング分子の生産を促すことで、免疫系の調節を助けているためではないかと見ている。

 このエキスは正常な細胞には危害を加えず、現行のがん治療における一般的な副作用を防げることも明らかになったため、免疫系に働きかけてがんを退治する新たな治療法への応用が期待されるという。

 パパイアは、世界各地、特にアジアにおいて、さまざまな病気への民間療法のなかで使用されてきた。



 調理法があまり思いつきませんが、そのまま食べても美味しいパパイヤは美味しいですね。美味しくないパパイヤはホントまずいですが。この研究はパパイヤの葉、ということですが・・・。

 がん細胞に直接エキスを、という点がなかなか難しいか。まだ健康食品レベルの話でしかありませんが、ここから良い抗がん剤を作ることもできるかもしれませんね。
posted by さじ at 11:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん

はしかの患者、初めて大幅に減少する。

はしか患者大幅減、09年741人

 厚生労働省は10日、昨年1年間のはしか患者が741人だったと発表した。

 1000人を切ったのは、記録を取り始めた1982年以来初めて。前年の1万1015人に比べて大幅に減少した。同省は「08年度から13歳と18歳を対象に追加接種を始めたことが、患者減少につながった」としている。

 人口100万人当たり1人を下回ると、はしかがその国から排除されたことになる。全国平均は5・8人だが、秋田、高知、熊本、石川の4県で1人を下回った。昨年4〜12月のワクチン接種率は、小学校就学前で67・3%、13歳が65・8%、18歳で56・6%。各年代とも目標の95%には到達しなかった。



 劇的な効果ですねぇ。

 日本ほどのはしか大国は先進国にはないといわれているぐらいでした。自分の子供にワクチンを打ちたくないという考え方はまぁ100歩譲れば理解できなくもないですが、麻疹は他者に空気感染しますからね。もはやモラルの問題。

 今後も徹底したワクチン接種で、感染者を減らすようにいたしましょう。
posted by さじ at 07:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染

歯周病は、過剰な免疫反応が原因かもしれない

加齢に伴い進行する歯周炎は、過剰な免疫反応が原因?

 加齢に伴って、歯周病の一つである歯周炎が増加する原因について、過剰な免疫反応が関係している可能性があるとわかってきた。花王は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の原宜興教授との共同研究の結果を発表した。

 研究では21〜64歳の健康な女性115人を対象に、歯周ポケットの深さや出血の有無、プラーク量といった口腔診査のほか、唾液中の歯周病関連細菌の量、血液中の歯周病関連細菌の毒素に対する抗体の量を調べた。

 結果、加齢とともに歯周炎が進行している人の割合が増える傾向が認められたほか、歯周病関連細菌の量よりも、歯周病関連細菌に対する抗体の量のほうが歯周炎の進行の程度と関連が強く認められた。そのため、加齢による歯周炎の進行には、免疫反応の影響があることが示唆された。

 長崎大学の原教授は、「歯周病を予防するには、歯周炎が進行する歯周ポケットの深い部分にある抗原の原因となる細菌を除去することに加えて、免疫反応をコントロールすることが重要」と考察している。

 研究結果は、5月に盛岡で開催される第53回春季日本歯周病学会学術大会で発表する予定。



 歯周病は加齢にともなってなるものだとされていますが、その理由は単純な菌の作用ではなく、免疫系の反応が関与しているという研究。

 このことが分かれば、治療法も別のアプローチが出来るかもしれません。
posted by さじ at 06:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歯科

採血をスムーズに行うために必要なこと。

「採血しづらい人」って、どんな人?

 「採血しづらい」って、言われたことありますか?

 病院で採血をする際など、「血管を見つけにくい」と言われたことはありますか。

 「採血しづらい人」「血管を見つけにくい人」って、どういう人なのか。皮膚が厚いとか、血管が細いとか? そもそも採血の場所って、どうやって決まっているのか。『血管力』(成隆出版)著者で、医療法人社団池谷医院の池谷敏郎院長に聞いた。

 「採血は、通常は肘の曲がるほうの内側『肘正中皮静脈』でとります。この静脈は比較的太くて皮膚の表面近くを走っていることが多いからです」最も血をとりやすい人は、太い静脈が皮膚の下にすけて見える人だそうだ。

 「やっぱり太っている人のほうが、静脈が皮下脂肪に埋もれて見えにくいので、とりにくいということはありますね。静脈がよく見える部位を見つけられない場合、次に指で触って静脈を確認します。表面上、静脈が見えないときでも触ってみると太い静脈を確認できる場合もよくあるんですよ」

 また、前述のように、一般的には肘正中皮静脈がいちばん目立ち、本来は最も採血しやすい場所なのだが、その静脈は細くて、あるいは深い場所を走っていて、別の場所が発達して太く目立つという人もいるのだそうだ。

 その他に、針を刺しにくい人は、「血管が老化している人」との指摘も。

 「老人に多いのですが、血管が見えていても、硬くなっていると、楊枝でスパゲッティを刺すような具合に、血管が逃げてしまい、刺しにくい人もいます。また、静脈がしなやかさを失っているため、うまく血管に針が刺さってもそこから出血してしまうこともあるんです」

 「採血しにくい人」「普通の人とは違う場所の静脈が発達している人」は、1つの個性だそうだが、それでもやっぱり不便なもの。

 採血しやすくするための方法は何かないのだろうか。

 「手の冷えた状態や脱水状態では、静脈が細くなり、採血しにくくなるので、腕から手をあたためたり、水分補給をこまめにしておくと良いでしょう

 ちなみに、採血する側の心理というのもあるという。

 「たとえば、刺されるときに『私、とりにくいんです』とか『失敗しないでくれ』と言われると、採血する者にストレスがかかり、緊張してしまいます。また、針の先をあまりにじっと見ていたり、怖がったり、リアクションを大きくするのも、プレッシャーをかけることになります。逆に『いつもこの場所からとっている』などを教えてあげると太い静脈を見つけてもらいやすくなり、採血がスムーズに行えるでしょう」

 採血しづらい人は、十分な水分をとり、温かい服装で、リラックスしてのぞんでみると良いかもしれません。



 採血はどうしても相性もありますからねぇ。採血する側としてはできるだけ痛くない、負担にならないような注射を心掛けてはいるのですが…。

 採血する側としては、記事に書いてあるように、オーバーリアクションですとか、針をじーっとみつめられると、プレッシャーになりますね。ススッと取りたい・取って欲しいという双方のメリットのためにも、採血なんて怖くない、と思い込んでみることも大切かもしれません。
posted by さじ at 06:37 | Comment(1) | TrackBack(0) | 皮膚

2010年03月14日

フィリピン人看護師の半数が第一希望勤務地に日本を選ばない

フィリピン人看護師、「日本で勤務希望」は半数以下

 経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士の受け入れで、今春から日本で就労することをめざしているフィリピン人看護師50人のうち、将来の第1希望の勤務地として日本を挙げた人が半数以下にとどまることが、朝日新聞社のアンケートでわかった。給与面や高い技術水準が魅力になっている半面、日本語での国家試験合格を課す現行制度が現地で敬遠されている実態が浮かんだ。

 アンケートは、受け入れのあっせんを担う国際厚生事業団が2月、マニラ首都圏のフィリピン海外雇用庁で説明会を開いたのに合わせて実施。選考過程に残る106人(日本側の求人数は77人)のうち、会場で要請に応じた50人(女性が8割)に看護師経験や日本での就労に対する意識などを書面で尋ねた。平均年齢は33.9歳で、看護師の経験年数は平均7.1年

 外国での就労目的を4択で尋ねたところ、6割を超える32人が「よりよい給料を得る」、15人が「技術を磨くため」と回答。「国内に就労先がない」は1人で、「国際貢献」はゼロだった。

 外国の就労先第1希望については23人が日本と答えたが、それを上回る24人が日本以外の国を挙げた。内訳は米国が18人と最も多く、カナダ5人、英国1人。来日希望の理由は、「他国に比べて技術水準が高い」が最多の20人で、「給与水準が他国より高い」は16人、「労働環境が他国よりよい」は6人だった。

 フィリピンは人口の1割の約900万人が海外で働く「出稼ぎ大国」。アンケートでも半数近い24人が海外での勤務経験があると答えた。現地の看護教育は米国流で行われており、自分の知識や公用語の英語を生かせるうえに給与水準も高いため、米国の人気が高い。ただ、看護師の4割近くが職につけない中、当面の就労先として日本を選択する人が増えているという。

 フィリピン大公衆衛生学部のマリリン・ロレンゾ教授は「渡航費用などを個人が負担する必要がない日本に対する就労希望が比較的低いのは、英語が通用せず、言葉を一から勉強して短期間で国家資格を取らねばならないから。日本が経験豊富で有能な看護師を獲得したいなら、現行の枠組みを改善する余地がある」と話す。



 確かに公用語が英語であるならば日本よりアメリカに行ってしまうか…。

 しかし日本語が話せないと日本人を相手に看護できませんし

 新しい試みには失敗がつき物。例えば看護の学校の段階から、日本語を学ぶような環境をつくれば、安定してフィリピン人看護師を受け入れられるのではないでしょうか。時間はかかりますが、日本語は難しいですからね。今すぐに受け入れるというのは難しいかもしれません。
posted by さじ at 02:00 | Comment(3) | TrackBack(0) | NEWS

2010年03月13日

医療系の大学院教育に関して検証する

医療系の大学院教育検証で骨子案提示

 文部科学省は3月5日、中央教育審議会大学分科会大学院部会の医療系ワーキンググループで、中教審が2005年に答申した「新時代の大学院教育」に掲げた取り組みを検証するため、医療系の大学院に実施した書面調査や訪問調査の結果の概要を骨子案として提示した。文科省はこの日に実施したヒアリングの内容などを踏まえ、骨子案の論点を各委員から募り、案を再提示する。ワーキンググループでは4月下旬に、大学院部会に答申の検証結果を報告する予定だ。次回は3月26日に開催する。

 ワーキンググループは、名古屋市立大薬学研究科の水上元・研究科長、兵庫県立大看護学研究科の片田範子教授、神戸大医学研究科の東健副研究科長、新潟大医歯学総合研究科の前田健康・研究科長の4人にヒアリングを実施。基礎系研究者の確保のための課題と対応策や、学生への支援など各大学院で実施している取り組みなどについて聞いた。

 水上氏によると、名古屋市立大では6年制教育の導入後に講義の数が増えた一方で、教員が減少したという。水上氏は「このままだと、基礎(研究)の分野と実務側の分野の両方が沈んでしまう」などと訴えた。

 文科省の骨子案では、▽医療系大学院の現状▽人材養成目的の明確化▽体系的な教育課程の編成・コースワークの充実等―など13項目について調査結果を提示。

 具体的には、人材養成目的の明確化について、「養成しようとする人材像が明確でないものが多く、特に臨床医等の高度専門職業人養成における臨床研究等の位置づけに課題」があることや、教育課程の編成・コースワークの充実等については、「日常業務を担う院生・教員とも教育研究時間の確保が難しく、負担感が増大する」と指摘している。



 確かに、教育に力が入っているかどうかということに関していえば、よくわからんといいますか、臨床や研究の傍らという感じはありますね。

 今までナァナァにきてしまったところもあると思うので、その点をどう改善できるか、といったところでしょうか。
posted by さじ at 02:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大学

2010年03月12日

サウナ→冷水→実は熱湯で2人死亡

プールが熱湯!全身やけどで2人死亡

 ロシア西部キーロフからの報道などによると、事故は現地時間の2月18日に発生した。2人のロシア人男性は、地元高齢者福祉施設の所長と、障害者支援施設の所長で友人同士。休憩のため市内のサウナへ出かけた。

 ロシアでは、サウナのあとに冷水を張ったプールに飛び込む入浴法が一般的。2人はサウナ室へ入る前にプールに水を張る作業を始めたが、ここで水温を確認しなかったのが“命取り”になった。

 蛇口から吹き出していたのは水ではなく、沸点にまで達していた熱湯。そうとは知らない2人は室温100度以上のサウナで十分に発汗した後、体を冷やすべくプールに飛び込んだが、そこはまさかの「熱湯地獄」。一緒にいたもう1人の同僚は、遅れてサウナ室から出てきたため助かったという。

 また、ロシアのタブロイド紙「コムソモルスカヤ・プラウダ」は、別の第3者が2人を助けようとしたが、“煮えたぎった湯”から引っ張りだすことはできなかったと伝えている。さらにキーロフの事故調査委員会は声明で「彼らの死は過熱に起因する」と発表。捜査員は「過熱は被害者1人によるミス」と話した。

 都内の総合病院に勤務する男性外科医(46)によると、やけどした場合の皮膚のダメージの深度は皮膚が赤くなる程度の熱傷を表すI度、水ぶくれができるII度、皮膚の壊死を表すIII度まであるが、「サウナから出たばかりのこのケースはただでさえ皮膚の温度も上昇しており、II度のやけどを、全身の約9割に負ったと考えられる」としている。

 また、同医師は「高度救急救命医療が整い、形成外科も設置されている都会の総合病院で、緊急手術しないと助からないケースと思え、日本でも主要都市でなければ救命は困難といえるのではないか」とも話している。



 ロシアの熱傷というと、サハリンから札幌医大に飛行機で飛んだコンスタンティン君を思い出しますね。

 参考:コンスタンティン・スコロプイシュヌイ

 冷水に「飛び込む」のがロシア流。なんだか凄いですね。日本でもサウナの後に冷水に飛び込む行為が垣間見られますけれど、身体には悪いと思うので心臓の弱い方はご注意下さい。
posted by さじ at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚

うつ症状の診断の正確を高める新プログラムを東大病院で

【東大病院】うつ診断で新プログラム開始

 東京大学病院精神神経科は、うつ症状の診断の正確性を高め、治療の適正化を目指した「こころの検査入院プログラム」を本格的に開始した。

 プログラムは、臨床評価に有用であるものの、外来診療では行うことが難しい各検査を集中的に行い、より的確な診療の一助とすることを目的にしている。中心的な診断補助法として用いる光トポグラフィー(NIRS)検査は、「光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助」として、精神医療分野で初めての先進医療に承認されている

 具体的には、同病院精神神経科開放病棟への4 日間程度の入院期間中に、短期間の休養と併せ、光トポグラフィー検査をはじめとする集中的な検査・心理プログラムを行い、患者の診断治療の新たな方向づけを行い、検査結果や結果から考えられる現在の状態評価、今後の治療、追加検査の必要性などについて主治医へフィードバックする

 プログラム参加には、現在受診している医療機関(主治医)からの紹介が必要で、基本的に退院後も紹介元の医療機関での治療を継続する。

 年間約100人程度の受け入れが可能で、入院費用は4日間で7万円前後。



 東大病院の精神科は、精神科なのに画像診断系の領域に優れていることで有名です。

 鬱といっても色々な原因や症状による違いがあるので、この検査で自分がどういったものなのか把握できるとしたら、4日7万でも安いものだと思います。
posted by さじ at 03:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 精神